【感想・ネタバレ】悪意の日本史のレビュー

あらすじ

悪意で読み解く日本の裏面史

SNSによる誹謗中傷事件が、連日ニュースを賑わせている。
これらは「現代病」として取り上げられるが、日本の歴史を振り返れば、
決して今に始まったものではない。
勝者によって書かれる『日本書紀』などの歴史書では、
戦や権力闘争に敗れた相手は、醜く惨めに描かれることが定めのみならず、
道鏡事件における称徳天皇のように、女性への性的な誹謗中傷も古来行なわれてきた。
本書は、古典や歴史書に記された事実から人間の悪意を読み解き、
その裏にある共通点や現代に通ずる歪んだ正義感を読み解くもの。
自らもいわれなき炎上を体験した著者だからこそ書ける、日本人の本質。

[目次]
はじめに 昔からあった匿名掲示板的誹謗中傷
1 悪意極まれば人間扱いしない―容貌描写と悪意
2 悪意をうたう古代歌謡
3 古代の大罪、呪詛
4 嘘の告発と悪意
5 公正であるはずの歴史書に秘められた悪意
6 言霊が信じられていた古代なればの罰としての改名
7 弱者へ向けられる悪意、強者へ向けられる悪意
8「悪霊」化の瞬間
9 女性蔑視と悪意
10 中世の大罪・悪口
11 近世の悪口祭と、古代の大祓
12「普通の人」がよそ者へ向ける悪意
13 悪意を利用した支配
14 家族の中の悪意――日本版シンデレラ『落窪物語』の場合
15 七代祟る――一定の家筋への悪意
16 まじないとわらべ歌の悪意
17 悪意をぶつけられた歴史上の人物
おわりに 正義に見せかけた悪意の怖さと、悪意の自覚の大切さ

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Posted by ブクログ

ところどころ読み飛ばしつつも、ある程度事前知識のあるパートについては「悪意」の連綿と続く歴史上の現れというものについて知ることができたのはよかった。
そういった事実が直接現代社会の問題解決の糸口になるでもないだろうが、残された史料からでも人々の変わらぬ性質というものはうかがい知れる。

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2025年07月26日

Posted by ブクログ

昔もあったんだなあ、誹謗中傷とか。そこらへん人類全く変わってなくて生きてる時間違うけど、同じなんだなって思える。でも、昔より今の方がひどかもしれない。SNSですぐ広まるから、書物だけの時代よりかは、被害がでかい。
しかし、根も葉もないことを死んだ後にたくさん広められてしまうのはね、、辛いだろうな。呪いだとか言うなら、呪われるていいくらい酷いことだと分かってるんでしょ、やめられないんだなあ。
歴史書っていうのは、書いてる人が私情を挟んじゃいけないものなのに、どんな恨みがあったのか、、それはともかく著者失格だよ、、。
でも、結局事実がどうあれ、受け取った人の中でイメージができる訳で、その手助けをするのが書物ってだけだからなあ。要は受け取る次第。情報の取捨は気をつけなければ!!

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2025年05月24日

Posted by ブクログ

SNSの浸透で炎上・誹謗中傷が社会問題化する時代だが、古来からずっと続く事象であることを例示した本。勝てば官軍で、後世に文書で残るものが悉く為政者の恣意で塗替えられてきていることは周知の事実であり、古今東西問わず。これをさも日本人の本質と言及しているところに違和感あり、学者でもない著者の勝手な感想の書き連ね。古典エッセイストっていう肩書も胡散臭い。まあこんなエピソードもあったのね程度の参考でしかない。

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2025年11月28日

Posted by ブクログ

<目次>


<内容>
著者が本を出す前に、その内容についてSNSでディスられたところからこの本が誕生したらしい。なので“日本史”と謳っているが、本人はもちろん、ルワンダの大虐殺など現代の話が載る。『落窪物語』や『日本霊異記』などの例が多いが、最後は現代に戻るような…。まあ人間は昔から人の悪口で飯を食っているようなところがあるので、記紀の時代から人をディスのは変わらないようで…

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2025年06月29日

Posted by ブクログ

エッセイストということなので、いわゆる学者の書籍とは違って、推論というか著者が書きたいことが中心であるため、論理性に欠ける側面はある。
ただ、確かに悪意の背景には当時の文化のほか、現在に通ずる共通点も見られるように思う。人間だから。歴史や古典である必要があるかはともかく、悪意の前例を知り、それを悪意だと知り、自分に照らし合わせることで、自分の悪意に気づくことができるのだろう。

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2025年06月01日

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