北杜夫のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
子供のころ、家の本棚にこの本の単行本版がならんでいた。お化けや妖怪(水木しげる系ね)のお話が好きだったわたしは「あの本を読みたい」と親に訴えて、あんたがおもっているような本じゃないんだよ、難しい本なんだよと、たしなめられていた。子供心に釈然としない、あきらめきれない思いが残ったのを覚えている。
著者が20代前半の頃に書いた作品で、副題のように、幼年時の記憶だとかマザコンみたいなものが主題。言われるとたしかにセンチメンタルだし若い感じがある。でも文章がすっきりしているので、センチメンタルさも嫌味にならない。ユーモラスな語り口であるとか、昆虫の描写には後の作品にも通じる北杜生らしさがある。 -
Posted by ブクログ
おそらくはユング心理学を還元法に用いて
いま・ここにある私(作者)から捏造された過去の記憶の物語
トーマス・マンの影響を指摘されるが
教養小説というより、偽私小説とでも呼んだほうがしっくりくる
とはいえ、自分を大きく見せようとするでもない
性のよろこびや、人間としての生きかた
それに、死に対する畏れが、幼心に目覚めていく有様を
やや気張った文章で書いている
その手法には、いま読んでも清新さを感じるが
クソみたいなナルシズムの産物…と言われると
それもまた認めざるを得ない
北杜夫のデビュー作で、もとは自費出版だったという
13冊売れたとか