北杜夫のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
自分が学生だった一昔前には「どくとるマンボウ」シリーズはかなり人気があった記憶があるが、その頃は”ユーモアもの”と聞いただけで手を出さない偏った読み手だったので、中公文庫で新版が出た今回、初めて読むことができた。
1958年の11月から翌年の4月にかけて、水産庁の調査船に船医として乗り込んだ著者。当時は留学等でなければまだ海外に行くことが難しい時代だった。行程と著者が立ち寄ったところは、おおむね次のとおり。シンガポール(館山を出て12日目)ーマラッカ海峡からインド洋ー紅海ースエズー地中海ーヴェルデ岬諸島からカナリア諸島(ここが目的のマグロ漁)-リスボンーハンブルクーロッテルダムーアントワ -
Posted by ブクログ
日本語を活字で見ることが好きだ。
だから基本的には読み始めたものはどんなものでも倍速読みでもとりあえず読み終えようとする。
だが、今回は、短編にも関わらず、何度も本を置こうとしたくて堪らなくなった。
一言で言うと不快。
ナチスによる精神患者の安楽死、その大まかすぎる粗筋のみに依拠して手に取ったことを後悔した。そんな短絡化できない気持ち悪さ。
物語のプロットをここに書いてもこの作品の気味の悪さ、不愉快さはとてもではないが表しきれない。黒板に爪を立てたような、顔を背けたくなるような軋んだ音に満ちた正常を装った異常さ。
ナチスの命令に抵抗する医師たちのもがき苦しみ?そんなつまらない文で要約なん -
Posted by ブクログ
しばらく前に 「どくとるマンボウ航海記」 を50
年振りくらいに再読して、 懐かしさと、 より大
きな面白さがあったので、 高校時代の思い出を
たぐりたくて本書を再読した。
ああ、なんと私の記憶と異なる作品なのだ。
記憶では松本高校時代の寮生活がほぼ全編に面
白おかしく描かれていた。
ところが松高寮生活の様子は楽しく描かれてい
るものの、主流は「青春記」に相応しい青年の
悩みと迷いの告白の書だった。
「一見自堕落な寮生活をつづけてはいたが、 私
たちの心の底には、青年の悩み、 孤独、 疑惑な
どが常につきまとっていた。」
という一文はほとんどの若者の胸に一度は去来
する思いではないだろう -
購入済み
苦しかった
本作は日露戦争から太平洋戦争直後までの波乱に満ちた世相を逞しく生きる家族の姿を描いたもの。
個性的な楡家のユーモアと共に反骨精神も持ち合わせている生活を描いた中盤までは楽しかったけど、大正から太平洋戦争直後までの時代を描いた後半はその個性的な人たちが苦しむさまは、読み進めるのが苦しかったです。やっぱり市井の人々を描く戦争ものは僕は読めない。 -
Posted by ブクログ
ネタバレジョーク8割の青春記。
あとがきにある
~私はこの本の中で、大切なこと、カンジンなことはすべて省略し、くだらぬこと、取るに足らぬこと、書いても書かなくても変わりないが書かない方がいくらかマシなことだけを書くことにした。~
の通りの本だった。良い意味で。
作者の宝物を詰めたような本。
古い本だから、聞き慣れない言い回しが多くて苦戦した。でも調べならが読むのも楽しかった。
~私が円周率を考究中のアルキメデスみたいな顔でうなずくと、~
この皮肉めいた一連の流れが特に面白かった。
この作者(北杜夫)のマンボウシリーズ、次は昆虫記あたりを読んでみたいと思った。