北杜夫のレビュー一覧

  • どくとるマンボウ青春記

    Posted by ブクログ

    しばらく前に 「どくとるマンボウ航海記」 を50
    年振りくらいに再読して、 懐かしさと、 より大
    きな面白さがあったので、 高校時代の思い出を
    たぐりたくて本書を再読した。

    ああ、なんと私の記憶と異なる作品なのだ。
    記憶では松本高校時代の寮生活がほぼ全編に面
    白おかしく描かれていた。
    ところが松高寮生活の様子は楽しく描かれてい
    るものの、主流は「青春記」に相応しい青年の
    悩みと迷いの告白の書だった。

    「一見自堕落な寮生活をつづけてはいたが、 私
    たちの心の底には、青年の悩み、 孤独、 疑惑な
    どが常につきまとっていた。」

    という一文はほとんどの若者の胸に一度は去来
    する思いではないだろう

    0
    2022年05月22日
  • 楡家の人びと(第一部~第三部) 合本版

    購入済み

    苦しかった

    本作は日露戦争から太平洋戦争直後までの波乱に満ちた世相を逞しく生きる家族の姿を描いたもの。
    個性的な楡家のユーモアと共に反骨精神も持ち合わせている生活を描いた中盤までは楽しかったけど、大正から太平洋戦争直後までの時代を描いた後半はその個性的な人たちが苦しむさまは、読み進めるのが苦しかったです。やっぱり市井の人々を描く戦争ものは僕は読めない。

    0
    2022年02月05日
  • 夜と霧の隅で

    Posted by ブクログ

    北杜夫にとって精神科医である以上書かなくてはならないテーマだったと言っているが、今にしてみれば内容は薄いと感じた。
    ひとつ思うことは、戦争という背景があり精神科医の苦悩があってこそ現在のノーマライゼーションの考え方で人格が尊重されているんだなと考えさせられる作品だと思う。

    0
    2022年01月08日
  • マンボウ最後の家族旅行

    Posted by ブクログ

    北杜夫さんの晩年の家族との旅行記。ユーモアのある文章は健在であったが、全盛時のリズムはさすがになかった。

    0
    2021年05月16日
  • ヤマケイ文庫 どくとるマンボウ青春の山

    Posted by ブクログ

    北杜夫さんがあちこちに書いたものをワンテーマでまとめたものなので、話が重なるものも多い。そのぶん、ひとつのネタをどのように広げて書くか、テクニックが見えて興味深い。

    0
    2021年04月04日
  • みつばちぴい

    Posted by ブクログ

    なまけものの、みつばちぴぃが、仕事をサボって遊びに行ってしまい危ない目に遭うが、巣の仲間たちは心配して待っていてくれたという心温まる話。ぴぃたち、みつばちの絵が無表情なのが残念です。

    0
    2020年11月27日
  • どくとるマンボウ航海記

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ジョーク8割の青春記。
    あとがきにある
    ~私はこの本の中で、大切なこと、カンジンなことはすべて省略し、くだらぬこと、取るに足らぬこと、書いても書かなくても変わりないが書かない方がいくらかマシなことだけを書くことにした。~
    の通りの本だった。良い意味で。
    作者の宝物を詰めたような本。
    古い本だから、聞き慣れない言い回しが多くて苦戦した。でも調べならが読むのも楽しかった。

    ~私が円周率を考究中のアルキメデスみたいな顔でうなずくと、~
    この皮肉めいた一連の流れが特に面白かった。

    この作者(北杜夫)のマンボウシリーズ、次は昆虫記あたりを読んでみたいと思った。

    0
    2020年10月11日
  • さびしい王様

    Posted by ブクログ

    子供の頃、たしか大好きだった本。でも内容はまったくおぼえてませんでした。王様の周りにいる人が悪人ばかりでウンザリ。そしていかにも昭和チックな、まえがきやあとがきの多さ。読んだけどf^_^;とはいえ、続編もありそうな終わり方で、調べたらやはりシリーズ化されてます。それも読んだのかなぁ…記憶がない。でも楽しかったです☆続きも読んでみたいです☆

    0
    2020年03月01日
  • ヤマケイ文庫 どくとるマンボウ青春の山

    Posted by ブクログ

    上高地とカラコルム遠征隊での顛末。
    違う媒体だからとて、同じエピソードはさすがに飽きてしまうけど、ああもう新しいエッセイは読めないのだなと改めて思うと、やっぱりさみしい。

    0
    2019年10月17日
  • どくとるマンボウ青春記

    Posted by ブクログ

    著者が40歳の頃に、自分の青春時代について書いているエッセイ。航海記、狂阪神時代と続いてこの著者のエッセイを読むのは3冊目。そのため、前者2作品のようなノリなのかと思い読み始めると、流石に少し重かった。青春時代を戦時中~戦後で過ごしたのだから無理はない。まずくても食べるしかないし古本屋で本を買うにも米がいる、というようにとにかく空腹との闘いという今では中流家庭以上では恐らく想像できないような暮らしをしている。
    とはいえ、多くの人が書くと暗いエッセイとなるのだろうが、そこは流石北杜夫氏。個性豊かな登場人物と著者自身の行動に笑わざるを得ない。というかどこまでが本当のことなのかわからない。大変な時代

    0
    2019年10月06日
  • 木精―或る青年期と追想の物語―

    Posted by ブクログ

    ★2.5だがおまけで。
    虚構に仕立てているんでしょうが、いまいちかな。
    要するにあんまりのめり込めなかったということです。

    0
    2019年09月01日
  • 夜と霧の隅で

    Posted by ブクログ

    ナチスの指令に抵抗して、患者を救うために苦悩する精神科医たちを描き、極限状況下の人間の不安を捉えた表題作など初期作品5編。

    0
    2019年06月26日
  • 幽霊―或る幼年と青春の物語―

    Posted by ブクログ

    大自然との交感の中に、激しくよみがえる幼時の記憶、母への慕情、少女への思慕――青年期のみずみずしい心情を綴った処女長編。

    0
    2019年06月26日
  • どくとるマンボウ昆虫記

    Posted by ブクログ

    虫に関する思い出や伝説や空想を自然の観察を織りまぜて語り、美醜さまざまの虫と人間が同居する地球の豊かさを味わえるエッセイ。

    0
    2019年06月26日
  • 世を捨てれば楽になる

    Posted by ブクログ

    北杜夫さん(1927.5.1~72011.10.24 享年84)の「世を捨てれば楽になる」(2015.4)を読みました。お父さんは斎藤茂吉(1882.5.14~1953.2.25 享年70)、お兄さんは斎藤茂太、お嬢さんは斎藤由香、燐家には宮脇俊三、友人は遠藤周作、阿川弘之・・・、これを知るだけでいろんな世界を散歩できそうです(^-^) ほら吹き?w、昆虫マニア、インスタントラーメン好き、寝酒にウイスキーハーフボトル、タバコ70本、散歩すらしない・・・、北杜夫さん、奥様は怖いけど感謝しきりだったとかw。

    0
    2019年01月03日
  • 幽霊―或る幼年と青春の物語―

    Posted by ブクログ

    ★3.5。
    作家の代表作の一つであることに疑いがないのと同時に、若さに由来する何というか密度もその特徴ですかね。故に読者を選ぶ作品かと思われ。
    しかしこの作家、徹頭徹尾私小説家なんすかね、その後の作品にも現れるエピソードが既にこの作品でも描かれてます。その意味では日本を象徴する作家と考えるべきかもしれませんな。

    0
    2018年12月31日
  • 幽霊―或る幼年と青春の物語―

    Posted by ブクログ

    子供のころ、家の本棚にこの本の単行本版がならんでいた。お化けや妖怪(水木しげる系ね)のお話が好きだったわたしは「あの本を読みたい」と親に訴えて、あんたがおもっているような本じゃないんだよ、難しい本なんだよと、たしなめられていた。子供心に釈然としない、あきらめきれない思いが残ったのを覚えている。

    著者が20代前半の頃に書いた作品で、副題のように、幼年時の記憶だとかマザコンみたいなものが主題。言われるとたしかにセンチメンタルだし若い感じがある。でも文章がすっきりしているので、センチメンタルさも嫌味にならない。ユーモラスな語り口であるとか、昆虫の描写には後の作品にも通じる北杜生らしさがある。

    0
    2018年11月05日
  • どくとるマンボウ航海記

    Posted by ブクログ

    東京オリンピックの翌年が初版
    半世紀以上前の作品です。

    私が出会ったのは、大学生の時、新潮文庫の夏の100冊の中で見つけたのが始まりでした。

    題名に惹かれ、手に取り読み始めると北ワールドに引き込まれる自分がいました。

    1950年代、水産庁の海洋調査船に医師として乗り込んだ著者の日常や、船の中での出来事、外国での寄港地での出来事などを、いろいろな視点から綴っています。

    ちょっとそこに自分がいるような想像できる1冊

    0
    2018年11月21日
  • 母の影

    Posted by ブクログ

    有名なお母さまだったのね、全く存じ上げませんでした。
    まぁ今の世なら違う意味で社会的に抹殺されてしまうような良い意味での自由を責任をもって突き詰めたお方という気がする。
    そんな母親への愛がそこかしこに見て取れる本作、こういう両親にこの作家ありということかと。凡人はこういう方々にイチャモンをつけてはなりませぬ。

    0
    2018年10月27日
  • どくとるマンボウ青春記

    Posted by ブクログ

    昭和21年に旧制高校に入った作者の自伝
    1年違うと世代が違うと作中書かれているように
    ほぼ同時代の山田風太郎の日記と比べて違いが面白い
    読み物としてはこの作者の作品は何が良いのだかさっぱりわからない

    0
    2018年10月26日