北杜夫のレビュー一覧

  • 夜と霧の隅で

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    表題作の他にも短編が一緒に収められている。
    個人的には表題作ではなく、蝶採集人が語る「谿間にて」が好み。動物を相手に、厳しい自然の中窮地に追い込まれながらもひたすら闘う。ヘミングウェイの老人と海にも通ずると勝手に思っている。

    表題作も、初めは淡々と客観的に語られ、患者はもちろん医者も変わり者、というように始まった。そこからの切り返し。しかし語り口は変わらず。絶妙だと思った。

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    2017年08月03日
  • 夜と霧の隅で

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    北杜夫氏の初期作品集
    氏がそう状態の時に書いた、さまざまなユーモアあふれる小説ではなく、深い思索に入った時に書かれた作品が集められている。
    自然に入る、山に入る作品についても、その自然の描写、山の描写は主題ではない。そこに置かれた人の内面を抉り出すように書き残す。
    そして表題作の「夜と霧の隅で」
    ナチスドイツの優生思想の中に置かれた、精神科の医師たちの姿。
    北杜夫という偉大な作家の、ひとつの面にじっくり浸ることができる作品。

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    2016年11月11日
  • マンボウ 遺言状

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    うーん、正直な所、読んでいて寂しくなってくる1冊。
    ご本人はユーモアを交えて書いておられるつもりなのでしょうが、こうも死にたい死にたいと書かれますと、ねえ…お気持ちは分からないでもありませんが。

    「みんな長生きしそうだから今のうちに」と事前追悼文を綴った宮脇俊三氏も亡くなられてしまいました。時の流れは本当に残酷です。

    「遺言をするようなヤツに限って、なかなか死なない」と言い放つ解説に救われた気になりました。先日ちらっとNHKで見かけたときは車椅子でしたが、どうぞ長生きして頂きたいものです。

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    2016年11月05日
  • どくとるマンボウ人生ノオト

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    マンボウ先生、晩年のエッセイです。
    かつては船医として7つの海を渡り、カラコルム登山隊のドクターとしても参加した北杜夫さんですが、晩年は入院生活をされながらも、ご家族に囲まれて穏やかに暮らしておられたようです。
    年を取るといろいろな欲が消えるので、ストレスが無くなり、なかなか死ねない、アイロニイだが真実だと、医者らしいことをおっしゃっておられ、なるほどと思いました。老体となったご自分の姿を、衰えることのない独特のユーモアでしみじみと語られていました。
    昔話も多く、父茂吉のことが多く語られているのは、尊敬してやまない存在だったことが伺われます。
    年を重ねてゆけば、親しかったひととの別れも多くなり

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    2016年08月27日
  • 夜と霧の隅で

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    「夜と霧の隅で」ナチスのユダヤ人だけでなく不治の精神病者まで間引いていく命令に、考えられる治療を全て行い、患者が連行されていくのを防ごうとする医師。不治の対称でなかった日本人だけが治り、ユダヤ人の妻がもういないことを悟る。退院間近に自殺してしまうが、様々な苦難の現実に覚醒され、彼を絶望に導いたのか。他初期作品4編。2016.8.21

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    2016年08月21日
  • さびしい王様

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    いやー北杜夫さん!!!!!
    ふなのりクプクプの冒険がだいすきだった!
    小学生の時に笑い転げた。そんな著者の大人向けっぽい装丁&分厚さのこれを見つけて、分厚いから迷ったけど面白いに違いないから買いました。
    なんやこらーーーー
    何度も本で吹き出したの久しぶりです。
    テキトーすぎるしつじつま合わんしこれはひどい笑
    いい意味で。笑
    最後はネタ回収さえしてくれないし
    どーなったんwww
    なんなの!!!!と拍子抜けしたけど、なんか破天荒というかこんなのもアリだよねっていうか、肩の力が抜けました。
    こうじゃなきゃダメっておもわなくても、いいか。って思えた。
    もうなんか、無意味すぎてこんな分厚いのにこ

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    2016年08月20日
  • どくとるマンボウ航海記

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    1960年の刊行とのこと。文字が詰まって読みづらかった。楡家の人とは一線を画すユーモア小説。今の時代には馴染みづらい。2016.3.22

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    2016年03月22日
  • マンボウ最後の家族旅行

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    ネタバレ

    日立の「この木、なんの木、気になる木」は、年間五千万の維持費 ユーモアは人間の賢さであり、生きる知恵なのだと思うようになった ドクトルマンボウ史の一見順風満帆に見える人生、計り知れない試練があったと知る

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    2015年09月26日
  • 夜と霧の隅で

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    ・岩尾根にて
    ・羽蟻のいる丘
    ・霊媒のいる町
    ・谿間にて
    ・夜と霧の隅で
     の五編。

    最初の1編を読み終えて、あれ?
    これって別の話し?「夜と霧の隅で」でじゃないよね?

    とよく見たら、5編掲載の1編目であった。

    「夜と霧の隅で」
    読み始めて、ありゃ?
    これは、同じ芥川賞受賞作品でも、又吉君の「火花」とはちょいと違うな。大丈夫か。読み終えられるのか。
    苦手な、カタカナ名前がたくさんでてくるし。。

    でも、終盤は一気に読んでしまった。
    読み終えて、何ともいえぬ、重いもの(別に嫌な感じじゃなく)が残った。

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    2015年11月25日
  • 世を捨てれば楽になる

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    高校生のときに出会った、どくとるマンボウ。
    その衝撃は凄まじく、なぜかツボに嵌りエッセイを読破、さらには文芸作品も。
    さびしいシリーズ、楡家の人々、怪盗ジバコ・・・
    懐かしさで胸がいっぱいになる。

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    2015年07月08日
  • どくとるマンボウ航海記

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    現実逃避には紀行文がいちばん。できれば、凡人とは目線がズレていて、しかもコミカルなのがいい。『どくとるマンボウ航海記』は、まさしくそんな条件を満たす絶好の一冊。

    「掘りだされて一年目のゴボウのごとく疲れ果てた…」(上陸がうれしくてついはしゃぎすぎたマンボウ先生)

    「もっとも安くもっとも面白い場所を古ギツネのごとく捜しだす…」(古参乗組員について)

    「海と空の中間の色彩で、ほそく一直線におどろくほど起伏なくつづいている」「それはいかにも涯がなく,窺いきれぬほど暗黒なものを蔵しているかのようだ…」(船上から目にしたアフリカ大陸の眺めについて)

    こんな独特の表現とともに、いまはもう二度とこの

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    2015年02月06日
  • どくとるマンボウ青春記

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    なぜにこうも克明に青春時代を記憶しているのかと驚きながら読み進めてみると、氏はキッチリと日記をつけていたのだそうな。自分はもちろん日記など書いてもいなしし書いたとしても読み返したいとも思わない。
    氏のような文豪こそ値があるであろうと羨ましく読ませていただく。
    自堕落な生活が多く描かれているが、本当のところはきっと信念に基づく勉学と快活な生活も営まれていたとであろうと想像する。
    と、このような読書感想文を自分が後世に読み返すとどんな感覚になるのかすこしだけ興味を覚える。

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    2014年07月30日
  • マンボウ 恐妻記

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    愛妻紀改め恐妻紀ととなるところが楽しい。氏が破天荒な人生を生きたか、その一端を知ることができる。躁鬱病の躁状態がいかに大変か本書で知ることができた。この本を執筆していた時も鬱状態だっんだろうな。氏独特のユーモアが少ないですね。

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    2014年07月15日
  • 夜と霧の隅で

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    芥川賞の表題作。読んでいるうちに怖いなぁと思ってきました。何が現実でどこからが妄想なのか。脳がそう思い込ませているのだったら、もう分かりようがないよなぁと。そして異常者を排除しようとすることの正当性。読み終わった後も、悶々としています。 他にも短編が収録されていますが、抽象的でよくわからなかったのと、虫が嫌いな私には少し気持ち悪く感じてしまいました。

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    2014年01月07日
  • どくとるマンボウ航海記

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    耳に心地いい音楽のように、読んでいて心地いい文章で埋め尽くされた航海記でした。
    先が気になってハマる、というよりは読んでいる時間がただただ楽しくて残りのページが少なくなっていくのが惜しい気持ちになります。
    美しい文章もさることながら、全編に漂う温かい人間味と、時折ニヤッとさせられるピリッとした毒に病みつきになりました。

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    2013年11月17日
  • 夜と霧の隅で

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    表題作『夜と霧の隅で』、ナチス下のドイツで"真っ当な"血統保存を目的として行われた分裂病患者の殺害。精神病患者の病院を舞台に、そこで医師として働くケルセンブロック、患者として入院するも、ユダヤ人の妻を亡くし最終的には自殺してしまう日本人のタカハシ、年老いた院長、様々な立場に置かれたそれぞれの人々を描く。
    有益か無益か、合理的思考からその二元論的な結論に達してしまいがちだが、そうだとしたら戦時中の精神病患者たちは軍部の目には間違いなく"無益なもの"として映るのだろう。「p252 人間についての僕の考察をいえば、この時代やこの戦争が特に暗黒な目をおおう時代とは思えないね。人間の文化、道徳、殊に進歩

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    2013年06月25日
  • 母の影

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    宗吉(北杜夫)が茂吉を父として認めた一瞬。

    《本文より》
     そのうち、苦労して「赤光」「あらたま」からの自薦歌集「朝の蛍」を入手した。
    これらの初期の歌は、ずっと圧倒的な感動を私に引起した。
    青年期の感情的、抒情的な歌どもであり、更に私の記憶に懐かしい青山墓地や私がそこで育って嫌だった狂院のことなどが詠みこまれていたからだろう。
    私は暗記するまでそれらの歌を繰り返し読み、私自身のとりとめのない、だが切迫した感情にひたった。
    そして、昔から単に怖いと思っていた父は、突如として茂吉という崇拝するに足りる歌人の姿として、私の内部で変貌したのである。
     あの頃のわたしの異常ともいえる感傷癖は、やはり

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    2013年06月07日
  • 私はなぜにしてカンヅメに大失敗したか

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    タイトルに惹かれてフラフラと手に取った。
    すごく気になるタイトル。
    北杜夫さんの本は初めて読んだ。

    可愛いと思っていなかった孫がじわじわ可愛くなって、ついには爺馬鹿になるまでを書いた「デンヤ」。
    タイトルの「デンヤ」についても読めば納得。
    そしてとても可愛い。
    「ジイジ」って可愛い呼び方だ。
    内弁慶のフミ君がかたまる場面も非常に可愛らしい。
    にこにこしてしまう。

    ホテルのカンヅメでの大失敗を書いた「私はなぜにしてカンヅメに大失敗したか」は、かなりクラクラする長さ。
    これでもかと言うほどに詳細。
    お風呂にお湯をためる描写がすごく良かった。
    こういう瞬間にも物語のプロローグを作れるのが作家なん

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    2013年05月06日
  • 私はなぜにしてカンヅメに大失敗したか

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    北杜夫の短編集。

    日米ワールド・シリーズが一番面白かった。鎧兜の佐藤愛子や海軍大尉の阿川弘之、「精神異常者」という単語が出てくるたびに笑える。

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    2013年05月02日
  • マンボウ 恐妻記

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    ネタバレ

     いつも、阿川弘之さんのエッセイに登場するので、初めて読みました。宮脇俊三さんと家が隣同士なんて、うらやましいです。
     今度は小説も読んでみたい。

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    2013年02月13日