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偉大な父・斎藤茂吉の歌。憧れ続けた文豪トーマス・マン。遠藤周作、辻邦生、埴谷雄高、手塚治虫、谷内六郎……もう会えぬ友への切ない想い。まだ見ぬ国を夢見た青春の日々。『楡家の人びと』『夜と霧の隅で』『船乗りクプクプの冒険』『どくとるマンボウ航海記』など数々の名作の自作解説。八十四年の人生で出会った喜びと輝きを描く、永遠の文学青年・北杜夫の名エッセイ四十五編。
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Posted by ブクログ
北杜夫(1927-2011)、2012年、亡くなった翌年刊行のエッセイ集。
1976-77年に刊行された『北杜夫全集』(全15巻)の付録の月報がまとめて収録されている。15回、各巻の作品にまつわる思い出が披露されている。目玉はこれ。
ほかに、それまでの単行本に積み残したエッセイが30篇。とくにインパクトがあったのは「不可解だった本」という一篇。子どもの頃、東京青山の実家、台所を出た外、赤レンガの塀にブリキの屋根がかけてあって、その下に焼け焦げた洋書が積まれてあった。その幅7m。それは、父斎藤茂吉がドイツ留学時代に買い集めた書籍の群(なにしろ第一次大戦後ドイツは大インフレだった)。しかし、大震災の翌年に実家が失火、家の一部を焼き、その残骸だったらしい。半焼けの洋書の山が目に浮かぶ。(茂吉は本の虫だった。1階の広い書斎も、2階の2間も本で埋め尽くされていた。しかし、親しい弟子以外にはそこを見せなかった。写真も撮らせなかった。)
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