霜月流のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
新しい法律ができた、から始まる物語を色んな書き手が描く1冊。
新しい法律ができているわけだから、世界設定がSFっぽかったりディストピア感を感じるものがあったりして、楽しく読めた。
その他にも、ぞっとする物語、切なくなる物語、短い中でミステリーのような作りになっている物語…
叙述トリックが含まれているものや、ばかばかしいと思ってしまうような内容の法律が大真面目に取り扱われる物語など、本当に色んな味がする1冊。
なかでも殺人を罰する法律が"新しい"法律として制定される「もう、ディストピア」が特に良かった。
有り得ないはずの世界に説得力があって冷たい汗をかく。
「ルパちゃ -
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Posted by ブクログ
幕末日本。幼いころから綺麗な石にしか興味のない町娘・伊佐のもとへ、父・繁蔵の訃報が伝えられた。さらに真面目一筋だった木挽き職人の父の遺骸には、横浜・港崎遊廓(通称:遊廓島)の遊女屋・岩亀楼と、そこの遊女と思しき「潮騒」という名の書かれた鑑札が添えられ、挙げ句、父には攘夷派の強盗に与した上に町娘を殺した容疑がかけられていた。伊佐は父の無実と死の真相を確かめるべく、かつての父の弟子・幸正の斡旋で、外国人の妾となって遊廓島に乗り込む。そこで出会ったのは、「遊女殺し」の異名を持つ英国海軍の将校・メイソン。初めはメイソンを恐れていた伊佐だったが、彼の宝石のように美しい目と実直な人柄に惹かれていく。伊佐 -
Posted by ブクログ
『フェイク・マッスル』と同じ賞を受賞されてたのでこちらもということで年末から読み始め、今年最初の作品がこれに。
姉の死によって真実の愛に固執するお鏡と、父親の不審死を解明すべく立ち上がった伊佐。
ちょっと時代背景のせいなのか文章が読みにくいせいかなかなか物語に入り込めなかった。
あと鏡にも伊佐にもあまり感情移入できなかった。
伊佐、宝石好きは良いけど父親の死の真相を解明したいはずなのに相変わらず石に執着しすぎだし洋妾になるのに肌は許したくないとかなんか甘いこと言ってるし…
でも有栖川先生が『この作品が1番大きな物語になりたがってる気がした』と評価されてて、素敵だなと思った。
ただ、また別 -
Posted by ブクログ
幕末の日本、横浜・遊廓島を舞台にしたミステリ。
お鏡の姉が祝言前に心中のうえひとりで亡くなったことから何かに取り憑かれるかのように心中箱を持ち占いをすることから物語は始まるが、もう一方で町娘・伊佐の父が、強盗をし町娘を殺害し船饅頭で焼け死んでいたという。
お鏡と伊佐の話が交互に進んでいく。
この時代を想像しながら読み進めるのに入り込むのに少し時間がかかった。
終盤以降にやっと盛り上がるが、真実の愛とは…を軸にした話のようで、石のなかに全てを潜めていたんだなと感じた。
遊郭島を舞台にしてあったが、内情の泥々を感じることなく、遊廓島そのものを心中箱に見立てたというスケールの大きさには驚かされた