熊谷達也のレビュー一覧

  • 氷結の森

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    場所や時代や獲物が変わっても、山で生きるマタギの生命力、その凄まじさはだけは絶対的に変わらない!
    強すぎ!カッコよすぎ!

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    2019年12月11日
  • 相剋の森

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    内容
    「山は半分殺してちょうどいい―」現代の狩人であるマタギを取材していた編集者・美佐子は動物写真家の吉本から教えられたその言葉に衝撃を受ける。山を殺すとは何を意味するのか?人間はなぜ他の生き物を殺すのか?果たして自然との真の共生とは可能なのか―

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    2019年07月09日
  • 群青に沈め

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    特攻隊伏龍に属する少年兵から見た戦争。素直な気持ちで書かれていて、終戦までの死と隣り合わせの中、死を受け入れていく気持ち、流されながらも、ぼんやりとした生きたい気持ち。こんな事を若い彼らに背負わせていた戦争とは?無駄に亡くなっていった人達にはご冥福を祈りたい。先人があっての今なんだなと思えた。

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    2019年03月12日
  • リアスの子

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    ベタな青春ものと言ってしまえばそれまでだが、震災で崩壊した美しい町を懐かしみ、これから立ち上がっていく若い世代を励ましていく話として大変良かった。
    読後感が清々しく好きな一冊です。

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    2019年03月09日
  • 相剋の森

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    読みたいのに、美佐子がどうしても好きになれずに進まなかった。でも、美佐子と一緒に学んでいった。理屈じゃない。この文を読んで理解する話じゃない。一冊読む中で、一緒に理解していけるものなのだと思う。良書だった

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    2019年01月22日
  • 山背郷

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    短編集。昭和20年代の東北を舞台に、山だ海だの自然の中で生きる人々の営為。家族愛を描く作品多し。

    抒情的な少年時代の回想「メリイ」
    ホラー味の「モウレン船」
    直球勝負でイイ話の「川崎船」

    自分が読んだ作家との比較で言うと、ジャック・ロンドンを思い出す(特に「旅マタギ」とか)。

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    2018年11月05日
  • 山背郷

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    東北を舞台にした珠玉の作品集。どの短編も日々の暮らしを必死に生き抜こうとする人々への筆者の深い愛情を感じさせる。

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    2018年09月03日
  • 調律師

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    かつて、プロのピアニストとして活躍しながら、事故により妻を亡くし、今はピアノの調律師として生きる主人公・鳴瀬 玲司。

    彼は、共感覚の持ち主であった。
    共感覚とは、例えば、音に色を感じる「色聴」や、音に匂いを感じる「嗅聴」など。
    事故に遭う前は「色聴」であったが、事故後、亡くなった妻と同じ「嗅聴」となった。

    様々な出会いを経て、彼の調律師としてのキャリアが高まっていくが、十年経っても妻の思い出が離れない。
    そんな中、仙台市で遭遇した東日本大震災。

    その巨大な爪痕は、彼の共感覚の力を奪ってしまう。しかし、それは、妻との本当の別れでもあった...(涙)。
    最後、彼の新たな旅立ちに、幸多かれと祈

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    2018年05月17日
  • 山背郷

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    熊谷達也ぽさ100%のナイスな短編集。熊撃ちと船乗りとオオカミの話が多くて、どれもいちいち素晴らしい。一番好きなのは、メリイの話で、飼い犬との触れ合いの描写はとても良かった。

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    2018年04月21日
  • 漂泊の牙

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    内容(「BOOK」データベースより)
    雪深い東北の山奥で、主婦が野犬とおぼしき野獣に喰い殺されるという凄惨な事件が起きた。現場付近では、絶滅したはずのオオカミを目撃したという噂が流れる。果たして「犯人」は生きのびたニホンオオカミなのか?やがて、次次と血に飢えた謎の獣による犠牲者が…。愛妻を殺された動物学者・城島の必死の追跡が始まる。獣と人間の壮絶な闘いを描き、第19回新田次郎文学賞を受賞した傑作冒険小説。

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    2018年03月27日
  • 相剋の森

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    邂逅の森から読んでしまったが、こちらがマタギ3部作の1つ目。

    時代は現代に移り、現代ならではの問題が主題。記者である美佐子の取材シーンや、山のシーンはたっぷりとしていて満足。ただ、女性の書き込みは浅いよね、と女性として思う。

    なんにせよ、面白かった。マタギの郷にいきたいという欲が、また強くなった。

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    2018年01月22日
  • 冒険の日々(小学館文庫)

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    「漂泊の牙」で圧倒的な緊張感と力感を見せた熊谷さんなのですが、この作品では(妖怪たちが出る事をのぞけば)重松清的な少年物語です。
    充分に読ませてもらえるのですが、重松さんと比較すると、何かが、多分ノスタルジーの表現がほんの少し足りない感じがします。
    最初は動物物でスタートし、その時はジャンルの特殊さに危うさを感じさせた人ですが、その後は歴史物、妖怪物と活動範囲を広げています。しかし、今度はその分この人の本領が何処なのか判り難くなった感じがします。
    やはりミステリーっぽく緊張感のある作品。それが熊谷さんの本領と思うのですが。

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    2017年10月30日
  • 調律師

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    初読みの作家さん。主人公の特殊な力で浮かび上がる演奏者の心。とても面白かった。
    あらすじ(背表紙より)
    交通事故で妻を亡くし、自身も大けがを負った結果、音を聴くと香りを感じるという共感覚「嗅聴」を得た鳴瀬玲司は、ピアノの調律師を生業としている。さまざまな問題を抱えたピアノ、あるいはその持ち主と日々接しつつ、いまだに妻を忘れられずにいた鳴瀬だったが、ある日、仕事で仙台に向かうことに―。

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    2016年12月31日
  • 微睡みの海

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    非常に残酷で絶望的な物語である。残酷なあの日への著者の怒りなのか。主人公の女性が二人の男性の狭間で迷い、悩み、心を病んだ揚げ句に微睡みの海に未来の希望を見たのだが…

    『リアスの子』に続き、気仙沼市をモデルとした仙河海市を舞台とした小説である。主人公の昆野笑子は、心の病から中学校の教師を辞め、三陸アース美術館で働いていた。副館長の菅原との不倫から、逞しく成長した元教え子の祐樹とも関係を持つ…

    物語があの日の前日で終わっているのが、哀しいくらい残酷に思った。

    蛇足になるが、昆野笑子が働く三陸アース美術館はリアス・アーク美術館がモデルだろう。また、市立病院の近くのスーパーや書店はあの店だろうか

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    2016年09月25日
  • 稲穂の海

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    郷土の作家ですが、残念ながら今まで読んだことがありませんでした。初めて読んでみたのですが、当に郷土を舞台にした高度成長時代の頃の昭和の時代の短編が8つ。いわゆるズーズー弁を喋る登場人物たちや馴染みの地名に、そこに自分がいるような臨場感が湧き起こりぐいぐい読み進むことができました。良く考えてみると話し言葉がその土地の良さを物語っているにも関わらず、方言で書かれた小説が少ないのは残念なことかもしれないと考えます。

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    2016年09月16日
  • 海峡の鎮魂歌

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    ネタバレ

    大先輩のおすすめ本。普段ならあまり手に取らないタイプの本だったが、これは読んでよかった。
    函館の潜水夫、泊敬介を主人公に、函館の大火から洞爺丸沈没事故まで、運命に翻弄される家族が描かれている。終盤いろいろなことが繋がっていき、過去のしがらみや苦しみが解消されていくのに、救われる。過去に踏み出すことが未来につながっていて、希望の持てる話だった。

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    2016年06月12日
  • リアスの子

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    熊谷達也が自らの体験をもとに書いた青春小説かな。舞台は仙河海市となっているが、情景から気仙沼の様子が良く浮かんでくる。
    震災後に東北のために書かれた一冊だそうです。

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    2016年04月17日
  • 海峡の鎮魂歌

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    昭和の函館を舞台に、函館大火、大空襲、洞爺丸沈没と3つの大災害を生き延びた夫婦を主人公にした物語。
    やはり熊谷さんは、平穏な世界を舞台にしたものより、こうした緊迫感を描くのがお得意なように思います。
    もっとも次から次に起こる危機は面白いんですけどね、少々やり過ぎという気もします。特に最後の息子と娘の話はちょっと強引すぎます。その分現実感に欠け、物語として安易な感じが残ってしまうのです。

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    2016年05月08日
  • 海峡の鎮魂歌

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    昭和の初めの函館を舞台にした海の男の物語。

    昭和9年の函館の大火、昭和16年の空襲、昭和29年の洞爺丸台風と過酷な運命に翻弄されながらも、自らの力で未来を切り開いた泊敬介の生きざまを描く。

    東日本大震災後に書かれた小説だけに著者の哀しみや苦悩が行間に垣間見ることが出来る。もしかしたら、救うことの出来なかった多くの命への鎮魂のための小説なのかも知れない。

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    2016年03月07日
  • リアスの子

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    震災前の東北の一都市を舞台に、陸上競技を介した若い中学教師と転校してきた女子生徒の交流を描いた作品。
    著者の経歴から(中学教師の経験)から自伝的な小説らしいと思っていたのですが、後書きにもそのような事が書かれています。
    物語の途中で「熱血教師が出てくる学園ドラマとか、見すぎなんじゃないの?」なんて言葉が出てきますし、さらに開き直ったように「学園ドラマを馬鹿にしちゃいけない…人々の願望がデフォルメされて提示されているからだ」などと書かれてますが、確かに学園ドラマの雰囲気がプンプンします。でも、確かに爽やかな良い話です。
    やや、説明調な文章が多いのは気になりますが。
    『七夕しぐれ』の続編でも

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    2016年05月08日