熊谷達也のレビュー一覧

  • 荒蝦夷

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    「荒蝦夷」とともに、東北に住んでいる人間なら読んでおかねばと思い手に取った一冊。地元が多賀城ということもあるし。

    朝廷側の記録にしか残っていない蝦夷ってどんな人々なんだろうと思いながら読んでました。
    うーん、こうあって欲しいです。

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    2010年03月08日
  • まほろばの疾風

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    「荒蝦夷」とともに、東北に住んでいる人間なら読んでおかねばと思い手に取った一冊。地元が多賀城ということもあるし。
    東北地方が一致団結して、何かムーブメントを起こしたら面白いだろうなぁと思いながら読んでました。単純な読み方ですね。

    僕としては「荒蝦夷」の方が好きかも。

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    2010年03月08日
  • 漂泊の牙

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    いや~、面白すぎ。
    一気に読み入ってしまいました。

    東北を舞台に、ニホンオオカミを題材として物語が進んでいきます。
    サスペンス、推理小説の要素もふんだんですが、山の中をマタギ並に駆け抜ける、アニマルトラッカーは凄いです。

    雪の山々が目に浮かんできます。

    本書は、第19回新田次郎文学賞を受賞した作品だそうですが、納得です。
    熊谷達也、ますますはまりそうです。

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    2010年02月14日
  • 山背郷

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    熊谷達也の短編集。
    マタギ物、漁師物など9編が納められている。
    彼が描く家族像がとても清々しい。

    現代の日本は「家族」を失ってしまっていないだろうか。

    収録作
     潜りさま
     旅マタギ
     メリイ
     モウレン船
     御犬殿
     オカミン
     艜舟
     皆白
     川崎船

    熊谷達也、とても良いです。ファンになりました。

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    2010年01月14日
  • 七夕しぐれ

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    同和問題を扱った作品です。とは言うものの、主題はむしろ少年の成長の物語でしょう。
    良い話です。いじめがあり、友情があり、淡い恋があり、生き生きした中にどこか照れくささや懐かしさもあります。安子ねえ、沼倉のおんちゃんと言った脇役も個性が際立っているし、主人公の3人の少年少女も見事に描かれています。そして、彼らが最後に起こす行動は痛快で、どこか寂しい終わり方にも好感が持てます。
    それにしても、熊谷さんはえらく幅が広がっていますね。デビュー当時は東北と動物の作家さんだと思っていましたが、時代物を書いたり怪奇物を書いたり、こうした少年物を書いたり。あまりに幅を広げ過ぎていなければ良いのですが。

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    2016年08月05日
  • 七夕しぐれ

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    少年の日の思い出的な作品かと思って読み始めたら、そんな単純な話ではなかった。部落差別の町に引っ越してきた少年が、差別に巻き込まれ・・・という話。差別やいじめ、先生の無関心など、重いテーマで、考えさせられた。部落差別の存在は知っていて、差別が今現在もあることも頭ではわかっているけれど、実際に差別に遭遇したことのない私に何か言う権利なんかないのかもしれない。けど、子供らしく、差別は正しいことじゃないと言い切る主人公達を応援したいと思う気持ちは間違ってないと思う。差別をする側には回りたくないし、自分の子供にもそう教育するつもり。でも、そんな簡単なことじゃないんだろうな・・・

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    2011年09月12日
  • まほろばの疾風

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    高橋克彦の「火怨」とあわせて読むと、それぞれの解釈の違いが面白い。
    こちらは青年らしさがのこる阿弖流為で、朝廷との戦いだけではなく阿弖流為自身の成長を描いた作品でもあると思います。
    あ、姉さん女房っていいよね!っていうことも一応言っておこう。

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    2009年10月04日
  • 漂泊の牙

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    雪山の描写の迫ってくる現実感が凄く好き。
    山って開けているように見えて実のところ閉塞感が凄い場所だと思う。
    舞台が結構ご近所なのでちょっとニヤニヤさせられました。

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    2009年10月04日
  • ウエンカムイの爪

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    相克の森を読んだ後だったので、
    吉田と小山田はコレからだったのかと。
    この人の文章はぐっと来ます。

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    2009年10月04日
  • まほろばの疾風

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    実在していたことは確かなのだけど詳細は不明となっている蝦夷の軍事指導者アテルイ・・
    彼の人生を生い立ちから描いたストーリーは壮大で、躍動感溢れる記述には見事に引き込まれた。
    著者の筆力には毎度驚かされる。

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    2009年10月07日
  • モビィ・ドール

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    平成20年11月19日購入

    クマもオルカも人間です。
    と言いたくなる。

    「邂逅の森」ほど感動しないのは
    人知を超えた何物も登場しないからだろう。
    なんだか世界が狭い気がする。

    あ〜正直、殺せないなら書くなよ、と言いたい。

    まあ厳しいことを書いたが
    物語であるからこうでないといけないのかもしれない。

    オルカが死んで(というかオルカを殺して)
    そのあとをさらに物語として書ききるというのは
    筆の力だけならできるかもしれないが
    やはり作家としていかがなものかという気もするし。

    不満ばかり書いたが実際はまあ面白く読めた。
    この人はじつは自然と絡ませないほうが
    上手にものが書けるのではないか?

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    2009年10月04日
  • 漂泊の牙

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    冒頭で衝撃を受け、そのままテンポ良く引き込まれて一気にラストへ。
    文章が、ほんと良くて、背景描写もスラスラっと頭に入ってきて、まさに雪山に狼を追う主人公になりきりでした。

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    2009年10月07日
  • 漂泊の牙

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    2007.10.19 了/
    とても大胆な設定.スリルあふれる展開,民俗学・動物学の専門知識による裏づけ,そして家系の絆・家族の愛からなる人間ドラマ.小説という枠で言えば文句なく中身が詰まった作品.読後感としては大作にめぐりあえた喜びと同時に,「で,結論は・・・?」誰一人として幸せになった人がいないのかな.最後の文章が「笑顔」だった割には.

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    2009年10月04日
  • 迎え火の山

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    鬼とかミイラの話。
    親友が採燈祭っていう昔やってた霊を下ろすお祭りをやりたいとか言い出す。のを止めたりとか。女関係とか。

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    2009年10月04日
  • 相剋の森

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    いわゆる「森シリーズ」の一作目。森に生きるマタギの生き様と現代の自然保護の潮流との衝突。自然との共生というものを深く考えさせる作品である。この作品でも語られているが「共生」という言葉は深く考える必要のあるものであると思う。そもそも、自然と人間というものの関係を如何に考えるか?といのが大きな問題であり、そう単純な答えを導くことのできるものではない。

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    2009年10月04日
  • 漂泊の牙

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    動物行動学から民俗学まで幅広いミステリです。
    最初の殺人から、臨場感があってほんとに怖かった。
    ニホンオオカミがほんとにいるのかも、、、と最後まで私に夢をくれた本です。

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    2009年10月04日
  • 山背郷

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    昭和初期の東北を舞台にして、農村の人々の生活の中のドラマを、史実を背景に描いた作品群である。ほどよく使われる方言が心地良い。

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    2009年10月04日
  • まほろばの疾風

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    荒蝦夷を読んだ後のこれ。阿弖流為を悩み苦しむひとりの人間として描く。なかなかに面白い。ある人物の扱いについては、荒蝦夷のほうが好きかな。

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    2009年10月04日
  • 明日へのペダル

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    会社と言うのは経営難に陥ると最初に行う事は人員整理であり、支社・部署統合、あるいは廃部、いずれにせよ人材削減は必須であり、解雇通知等はその長が直接本人に予告しなければならない。また、その前に希望退職を募る事もあるが社会全体が低迷期には定年退職間近な高齢者がターゲットなるのは通例である。今後も疫病含めて自然災害、大震災、また生成AIで人材が不要となる社会変革など企業の存在価値を問われ、リストラは避けれない状態になる前に、特に若い人材は何をしておくべきかじっくり考慮しておくべきだ。本書では中高年、定年まで10年を残す優一が主役だが50歳以上で同じような職種での再就職は現実社会ではほとんど見込みが無

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    2025年11月29日
  • 孤立宇宙

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    警備アーマーボットとして活動するレンは全能AIがコントロールするサイバーコロニーの謎を解き、再度の地球への小惑星の再衝突を防ぐために宇宙へと向かう。
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    熊谷さんが満を侍して発表したSF大作です。これはまた、もう持てる全てを詰め込んだ印象のある大盛り特盛りのSFですね。大変(いろんな面で)面白かったです。
    熊谷さんがここ10〜20年ほど、某アニメシリーズやSFに影響を受けて、ずっと暖めていたネタなんじゃないかという印象を受けました。熊谷さんの作品を追っていると分かるのですが、分かりやすいオタクなので他作品から影響を受けるとすぐに自分で書きたくなってしまう。そんな衝

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    2025年11月16日