熊谷達也のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
同和問題を扱った作品です。とは言うものの、主題はむしろ少年の成長の物語でしょう。
良い話です。いじめがあり、友情があり、淡い恋があり、生き生きした中にどこか照れくささや懐かしさもあります。安子ねえ、沼倉のおんちゃんと言った脇役も個性が際立っているし、主人公の3人の少年少女も見事に描かれています。そして、彼らが最後に起こす行動は痛快で、どこか寂しい終わり方にも好感が持てます。
それにしても、熊谷さんはえらく幅が広がっていますね。デビュー当時は東北と動物の作家さんだと思っていましたが、時代物を書いたり怪奇物を書いたり、こうした少年物を書いたり。あまりに幅を広げ過ぎていなければ良いのですが。 -
Posted by ブクログ
少年の日の思い出的な作品かと思って読み始めたら、そんな単純な話ではなかった。部落差別の町に引っ越してきた少年が、差別に巻き込まれ・・・という話。差別やいじめ、先生の無関心など、重いテーマで、考えさせられた。部落差別の存在は知っていて、差別が今現在もあることも頭ではわかっているけれど、実際に差別に遭遇したことのない私に何か言う権利なんかないのかもしれない。けど、子供らしく、差別は正しいことじゃないと言い切る主人公達を応援したいと思う気持ちは間違ってないと思う。差別をする側には回りたくないし、自分の子供にもそう教育するつもり。でも、そんな簡単なことじゃないんだろうな・・・
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Posted by ブクログ
平成20年11月19日購入
クマもオルカも人間です。
と言いたくなる。
「邂逅の森」ほど感動しないのは
人知を超えた何物も登場しないからだろう。
なんだか世界が狭い気がする。
あ〜正直、殺せないなら書くなよ、と言いたい。
まあ厳しいことを書いたが
物語であるからこうでないといけないのかもしれない。
オルカが死んで(というかオルカを殺して)
そのあとをさらに物語として書ききるというのは
筆の力だけならできるかもしれないが
やはり作家としていかがなものかという気もするし。
不満ばかり書いたが実際はまあ面白く読めた。
この人はじつは自然と絡ませないほうが
上手にものが書けるのではないか? -
Posted by ブクログ
会社と言うのは経営難に陥ると最初に行う事は人員整理であり、支社・部署統合、あるいは廃部、いずれにせよ人材削減は必須であり、解雇通知等はその長が直接本人に予告しなければならない。また、その前に希望退職を募る事もあるが社会全体が低迷期には定年退職間近な高齢者がターゲットなるのは通例である。今後も疫病含めて自然災害、大震災、また生成AIで人材が不要となる社会変革など企業の存在価値を問われ、リストラは避けれない状態になる前に、特に若い人材は何をしておくべきかじっくり考慮しておくべきだ。本書では中高年、定年まで10年を残す優一が主役だが50歳以上で同じような職種での再就職は現実社会ではほとんど見込みが無
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Posted by ブクログ
警備アーマーボットとして活動するレンは全能AIがコントロールするサイバーコロニーの謎を解き、再度の地球への小惑星の再衝突を防ぐために宇宙へと向かう。
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熊谷さんが満を侍して発表したSF大作です。これはまた、もう持てる全てを詰め込んだ印象のある大盛り特盛りのSFですね。大変(いろんな面で)面白かったです。
熊谷さんがここ10〜20年ほど、某アニメシリーズやSFに影響を受けて、ずっと暖めていたネタなんじゃないかという印象を受けました。熊谷さんの作品を追っていると分かるのですが、分かりやすいオタクなので他作品から影響を受けるとすぐに自分で書きたくなってしまう。そんな衝