熊谷達也のレビュー一覧

  • まほろばの疾風

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    実在していたことは確かなのだけど詳細は不明となっている蝦夷の軍事指導者アテルイ・・
    彼の人生を生い立ちから描いたストーリーは壮大で、躍動感溢れる記述には見事に引き込まれた。
    著者の筆力には毎度驚かされる。

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    2009年10月07日
  • モビィ・ドール

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    平成20年11月19日購入

    クマもオルカも人間です。
    と言いたくなる。

    「邂逅の森」ほど感動しないのは
    人知を超えた何物も登場しないからだろう。
    なんだか世界が狭い気がする。

    あ〜正直、殺せないなら書くなよ、と言いたい。

    まあ厳しいことを書いたが
    物語であるからこうでないといけないのかもしれない。

    オルカが死んで(というかオルカを殺して)
    そのあとをさらに物語として書ききるというのは
    筆の力だけならできるかもしれないが
    やはり作家としていかがなものかという気もするし。

    不満ばかり書いたが実際はまあ面白く読めた。
    この人はじつは自然と絡ませないほうが
    上手にものが書けるのではないか?と思う。

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    2009年10月04日
  • 漂泊の牙

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    冒頭で衝撃を受け、そのままテンポ良く引き込まれて一気にラストへ。
    文章が、ほんと良くて、背景描写もスラスラっと頭に入ってきて、まさに雪山に狼を追う主人公になりきりでした。

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    2009年10月07日
  • 漂泊の牙

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    2007.10.19 了/
    とても大胆な設定.スリルあふれる展開,民俗学・動物学の専門知識による裏づけ,そして家系の絆・家族の愛からなる人間ドラマ.小説という枠で言えば文句なく中身が詰まった作品.読後感としては大作にめぐりあえた喜びと同時に,「で,結論は・・・?」誰一人として幸せになった人がいないのかな.最後の文章が「笑顔」だった割には.

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    2009年10月04日
  • 迎え火の山

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    鬼とかミイラの話。
    親友が採燈祭っていう昔やってた霊を下ろすお祭りをやりたいとか言い出す。のを止めたりとか。女関係とか。

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    2009年10月04日
  • 相剋の森

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    いわゆる「森シリーズ」の一作目。森に生きるマタギの生き様と現代の自然保護の潮流との衝突。自然との共生というものを深く考えさせる作品である。この作品でも語られているが「共生」という言葉は深く考える必要のあるものであると思う。そもそも、自然と人間というものの関係を如何に考えるか?といのが大きな問題であり、そう単純な答えを導くことのできるものではない。

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    2009年10月04日
  • 漂泊の牙

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    動物行動学から民俗学まで幅広いミステリです。
    最初の殺人から、臨場感があってほんとに怖かった。
    ニホンオオカミがほんとにいるのかも、、、と最後まで私に夢をくれた本です。

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    2009年10月04日
  • 山背郷

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    昭和初期の東北を舞台にして、農村の人々の生活の中のドラマを、史実を背景に描いた作品群である。ほどよく使われる方言が心地良い。

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    2009年10月04日
  • まほろばの疾風

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    荒蝦夷を読んだ後のこれ。阿弖流為を悩み苦しむひとりの人間として描く。なかなかに面白い。ある人物の扱いについては、荒蝦夷のほうが好きかな。

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    2009年10月04日
  • マーズ・エンジン

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    地球から火星へ出稼ぎにいくレンジ。到着寸前にコールドスリープから目覚めたら「元会社が倒産したのでそのまま帰ってくるか火星で難民申請」という衝撃的な知らせ。

    導入は面白そうだったんですが、主人公レンジと彼の過去、そして火星の隠された真実みたいなものがいまいちしっくりとマッチしない印象。特に幼馴染3人が・・・あまり感情移入できない。むしろ一緒に難民申請したみんなやチャンの方が読んでいて楽しさを感じました。レンジ自身もその難民生活にそこまで嫌がってはいないようにも見えたし。
    そこからの火星の危機を救うため!の方がなんか急展開すぎて面食らってしまった。駆け足でそのまま終わっちゃった感もあるし。

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    2026年08月12日
  • 孤立宇宙

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    地球に隕石が衝突した後のSF小説。AIとか科学技術が超進化して電脳化されてる世界においてまた隕石が衝突することが分かり、主人公たちが何とか回避させようと奮闘する物語り。技術的な描写も多いが、人間ドラマもありでテンポよく読めた。
    電脳化って肉体の老いがないから永遠に生き続けられるけど、人間の精神はそんなに何百年も継続できるのかな…とありきたりなことを思ったり。

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    2026年06月13日
  • 明日へのペダル

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    会社と言うのは経営難に陥ると最初に行う事は人員整理であり、支社・部署統合、あるいは廃部、いずれにせよ人材削減は必須であり、解雇通知等はその長が直接本人に予告しなければならない。また、その前に希望退職を募る事もあるが社会全体が低迷期には定年退職間近な高齢者がターゲットなるのは通例である。今後も疫病含めて自然災害、大震災、また生成AIで人材が不要となる社会変革など企業の存在価値を問われ、リストラは避けれない状態になる前に、特に若い人材は何をしておくべきかじっくり考慮しておくべきだ。本書では中高年、定年まで10年を残す優一が主役だが50歳以上で同じような職種での再就職は現実社会ではほとんど見込みが無い、と考えた方が良い。よく言われ始めたのが、これからはホワイトカラーではなく、ブルーカラー職業(技術が必要な職人:例車・電車・飛行機などの修理工・上下水道工事・電気工事などAIが必要とする末端の手仕事職)

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    2025年11月29日
  • 孤立宇宙

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    警備アーマーボットとして活動するレンは全能AIがコントロールするサイバーコロニーの謎を解き、再度の地球への小惑星の再衝突を防ぐために宇宙へと向かう。
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    熊谷さんが満を侍して発表したSF大作です。これはまた、もう持てる全てを詰め込んだ印象のある大盛り特盛りのSFですね。大変(いろんな面で)面白かったです。
    熊谷さんがここ10〜20年ほど、某アニメシリーズやSFに影響を受けて、ずっと暖めていたネタなんじゃないかという印象を受けました。熊谷さんの作品を追っていると分かるのですが、分かりやすいオタクなので他作品から影響を受けるとすぐに自分で書きたくなってしまう。そんな衝動を余すとこなく詰め込んだような、ストーリーについてもSFの蘊蓄についても、組み込まないと気が済まないベタ甘ラヴについても、書きたいだけ書き込んだ作品だな、と思います。そういう意味でオタクとしてとても共感しますし、楽しめますが一方で少し気恥ずかしくなりながら読みました。そんなオタクなあなたもどのエピソードやキャラクターがどの作品からインスピレーションを受けているのか、想像しながら読むと面白いかもしれません。
    まあ、そんなこんなですのでストーリーや内包される「人とは何か」といったテーマは少し使い古された印象があるので、残念ながら目新しいSFというわけではありませんでした。

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    2025年11月16日
  • 海峡の鎮魂歌

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    潜水とか海のテーマが自分にはあんまり刺さらんかったけど、時代背景や歴史をよく調べ上げて書かれた小説やなとは思う。キャラクターは、主人公敬介はあまり好きではないが他の登場人物が魅力的だったし、最終的に相関図がコンパクトで面白かった。

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    2025年05月07日
  • 悼みの海

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     本書の中心テーマは、間違いなく「未来に残したい風景」だと思います。「仙河海」シリーズをライフワークとして取り組む熊谷達也さんの、痛切な悼みや祈りがあふれる渾身の力作でした。

     物語は、故郷である(気仙沼をモデルにした架空の町)仙河海と決別していた主人公が、震災をきっかけに故郷に戻り、生まれ育った町を見つめ直し、故郷の未来に想いを託す内容で、3部構成です。

     第1部は、主人公が仙台市で被災し、仙河海で両親が安否不明のまま、3週間の仙台市内の混乱が描かれます。
     第2部は、震災から50年後の仙河海市が舞台で、やや印象が異質です。小3児童の視点で、仙河海の街の歴史と経緯を学び、未来を託されます。
     第3部は震災の2年後。主人公は傷の痛みを抱える仲間たちと、その都度様々なことに区切りをつけながら、前に踏み出していきます。

     3部を通じて、主人公の再生の物語とも受け取れますが、やはり人の営みが戻るためにも、その心の拠り所となる風景が絶対に必要なのだと、筆者の心の叫びが聞こえてきそうです。

     想定した高さの津波を一律に防ぎ切るという考え方に基づいて造られた巨大防潮堤は、住民の意向も十分に反映されませんでした。次に来る津波の高さの予測も判らないまま…。
     第2部の最後、防潮堤爆破未遂事件の首謀者?は意味深で衝撃的でしたが、気持ちは伝わります。

     今生きている「私たちが未来に何を残すか」 真剣に考え続ける責任がありますね。そんなことを考えさせてくれる一冊でした。

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    2025年03月08日
  • ウエンカムイの爪

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    凄いスリリングで、北海道におけるヒグマに対する信仰的なものが見えた。
    人を襲う熊なのか、熊に襲われる人なのか。
    よく動物の生息域を人間が侵したというが、それもまた自然の姿のような気がする。
    それでも人間には知力があるので、自然を守る為になすべき事をなすべきである。
    …ということかな?

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    2024年05月22日
  • 悼みの海

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    宮城県気仙沼市が、この書に出てくる「仙河海市」のモデルになっている。これは、2011年の東日本大震災に関連した物語である。

    第一部:仙台で働いていた川島聡太は、東日本大震災に遭い、両親と連絡がつかないことが気にかかり、故郷の仙河海市に向かう。
    仕事中にビルの大揺れから始まり、歩いて塾生を送り、ライフラインの復旧のないまま車を走らせて避難所まで…という被災状況が非常にリアルに描かれている。

    第二部:東日本大震災から50年後の仙河海市に住む小学生の呼人は、海を見たことがない。
    少し先の未来を描いているのだが、ここで待人と呼ばれているちょっと変わった爺さんと出会う。
    爺さんが呼人に託したものとは…。

    第三部:川島聡太が仙台を離れ、生まれ故郷の仙河海市に戻りタクシー運転手として暮らし始めて3年後のこと。同級生たちとの交流、そして高校時代に付き合っていた笑子との再会。
    ここから以降の出来事が、第二部の爺さんとなるまでだとわかる。

    東日本大震災のことを知ることは辛いが、震災で失われた命や風景を悼むことも必要だと今になって思う。
    地震はいつどこで起こるかわからないからこそ、常に心していなければならない。


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    2024年05月17日
  • ウエンカムイの爪

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    1997年に書かれた作品。東北で熊が人を襲うニュースが多い昨今、旬なテーマといえるかも。

    北海道の山中で、殺人ヒグマを追いかけて駆除するストーリー。ボンボンの私大大学生や、アウトドア雑誌に雇われたカメラマンといった、いかにも90年代的な登場人物が現れることはご愛嬌。

    会話主体の文体なので軽く読めた。1月の連休最後の夜の読書。

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    2024年01月08日
  • 荒蝦夷

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    なかなかに知識が乏しく、ネットで調べながらの読破でしたが、読みやすい文体でした。
    もともと、その土地に住む者と支配したい者。
    戦国時代より生々しい、戦いというより殺し合い、力で奪い合う時代を感じました。
    朝廷との時代背景が 今一つ掴めず難儀しましたが、特に、阿弖流為と田村麻呂が出てきた辺りから、俄然面白くなり、しかも、この二人の描写がカッコ良く、グイグイと引き込まれました。
    最後は、新たな未来を感じさせる終わり方で、とても良かったです。

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    2023年12月31日
  • ウエンカムイの爪

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    熊が人の世界に現れる。
    いま、とても身近な話題。

    熊谷達也のデビュー作で1997年のすばる新人賞受賞作。

    本当は「邂逅の森」を読むべきと思ったけど、ある意味原点では?として、短い方を選んでしまった。

    短い中にも、「自然」というものに対する人間の感覚の過ちを露わにしており、ひとつ腹に落ちる物語。

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    2023年12月08日