熊谷達也のレビュー一覧

  • バイバイ・フォギーデイ

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    憲法改正の国民投票を前に、将来の総理大臣を目指すスーパーウーマンの女子高生ヒロインとその幼馴染の活躍を描いた青春小説。

    憲法改正に関する議論の部分を除けばありきたりなストーリー展開と言えなくもないし、ヒロインと主人公の恋愛については、むしろ蛇足感も感じたが、これだけの有名作家が、自分の大好きな函館を舞台とした小説を書いてくれたのが何よりうれしいところ。

    読後感の良い爽やかな小説が好きな方におすすめ。

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    2012年06月27日
  • バイバイ・フォギーデイ

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    目的のハッキリした高校文化祭となれば、生徒の集中力も半端ないと思う。それでなくても祭りということでワクワクするのに。
    今どきはネットを使ったりということもあるのかね? 新鮮。
    憲法9条についてそれぞれが考えるというキッカケになったに違いない。

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    2012年05月27日
  • ウエンカムイの爪

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    熊谷さんはやっぱり浸かっていると思う一作だった。熊に対する並々ならぬ執着心と山の神に対する畏怖。ここぞとばかりに散りばめられている。
    前半よりも後半の方がよめてしまうのと、カムイとの対峙にはもう少し余韻を持たせて欲しかったなどと思ってしまった。山で暮らす人達に魅入られた想いは十二分にも伝わった気がする。

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    2012年04月04日
  • 邂逅(かいこう)の森

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    星3.5という感じ。

    マタギの仕事がシビアに
    渋く表現されている所は
    よかったけど、

    やっぱり…という感じで
    女性というか性がつきまとうのが
    どうも邪魔くさい。

    一昔前の男性が、昔ながらのよさ?
    みたいな本を書こうと思ったら、
    そうなるの?って思う。

    昔の男はそういう事で頭がいっぱいって
    感じがして、なんだかなーと、
    そこでガックリきてしまう。

    自然を相手の仕事は博打に近い感覚
    なんだけど、
    でも、やっぱり真摯な人達が支えている、
    という感じはよかった。

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    2012年02月06日
  • 漂泊の牙

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    ニホンオオカミは現存するのか、というところまでは面白く読んだが、殺人あり、家系の謎あり、雪崩の恐れあり、とありあり続きがもったいない。

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    2012年02月07日
  • 相剋の森

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    考えさせられる物語ではあったけれども「邂逅の森」に比べてしまうと弱い。松橋富治を祖とするルーツの伏線もこじつけがましく感じてならない。

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    2013年03月18日
  • 箕作り弥平商伝記

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    らしい題材なんだけれど、よりエンタメ色が濃いのに戸惑いを感じる。傑作「邂逅の森」を超える作品を読みたいが、この人は何処へ行ってしまうのであろうか。

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    2012年01月19日
  • ウエンカムイの爪

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    再読。
    吉村昭を思わせる(記録文学的な吉村さんよりずっと物語よりですが)動物文学です。
    かなり綿密な調査を行った物だと思います。熊との遭遇シーンなど、リアリティも迫力もあります。戸川幸夫さんに嵌り、吉村さんのマタギものを大好きだった私からして、熊谷さんの登場は喜ぶべきものでした。
    「面白かった」と言う記憶があって再読したのですが、意外に粗さが目立つ。改めて調べてみたら前回の感想も「もう少し・・・」でした。
    設定や登場人物が魅力的なだけに残念です。
    熊谷さんはどうもばらつきの大きな作家さんですね。

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    05-071 2005/07/16 ☆☆☆

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    2016年07月30日
  • 邂逅(かいこう)の森

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    シャトウーンと比較されていたが、この本は比較すべきではない、全くジャンルの違う本だと思う。一人のマタギの半生を丁寧に描いた作品。

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    2011年11月18日
  • 山背郷

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    自然と対峙する為に自身の生業に命が掛かっている人達の短編集。
    命が掛かっているが為に自然からの啓示を真摯に受け止めるが、逆に油断した時に大きなしっぺ返しを喰らう可能性がある。
    そして自然を知る為に五感や、言い伝えや先人達の知恵を大切にする人達のお話。

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    2011年10月26日
  • 氷結の森

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    マタギ3部作と銘打つからには熊を、マタギを描いて欲しかったのが正直な感想、、、。帝国主義が跋扈する世界で領土の支配が変わる事で、そこで生きる人達が翻弄される物語。個々の人達は国を越え思いやりを持ち付き合う事が出来るのに、国を言う単位になると何故相手を思いやる事が出来ないのか?

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    2011年08月31日
  • まほろばの疾風

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    自然の恵みを戴く事に感謝し祈る蝦夷。
    反対に自然の脅威を恐れ祈る大和民族。
    同じ祈りだが根底の違いが互いを相容れないものとしてしまう。
    凄い興味深い内容だったけれど、あまりにも駆け足で物語が進んでいってしまったのが少し残念。
    数巻に渡りじっくり描いて欲しいくらい魅力的な話でした。

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    2011年08月12日
  • ウエンカムイの爪

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    熊谷達也ならではの野生の描き方。
    人を喰ってしまう悪い熊『ウエンカムイ』は、自然への畏敬の念を忘れている現代人に警鐘を鳴らす存在なのではないでしょうか?決して説教臭い作品ではないけれど、根底にはそんな思いが込められているような気がします。

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    2011年08月11日
  • 漂泊の牙

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    獣臭さが伝わってくるような小説。
    野生や自然を描きかたが抜群の作家さんですね。
    内容は若干都合が良いけれど、過去から現在につながる風習や言い伝えが絡み合う所はさすがです。
    現代人が忘れてしまった自然への畏敬の念を思い出させるような話です。

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    2011年07月14日
  • 迎え火の山

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     お盆に山から下りてくる先祖の霊を迎えるための祭りを開催しようとする村の青年団と、先祖の霊に混じって悪い死霊(鬼のこと)が降りてきてしまうから阻止しようとする霊能者たちの戦いが主な内容です。
     
     こんなふうに書くとサイキックウォーズみたいな感じですが、ワクワクドキドキというより、嵐の前の静けさというか不気味さが延々と続く地味な作品でした。説明調の文が続くので、京極作品を読んでいるのに近いところがあります。
     即身仏に関する歴史とか、霊を認識するとはどういうことかなど、薀蓄が多くて自分は結構好きな文体だったのですが、ラストが裏切られたような結末だったので残念でした。きっと作者も力作過ぎて力尽き

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    2017年08月15日
  • 漂泊の牙

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     東北や北海道などの民族や風土をモチーフとした作品に定評のある熊谷達也の小説。他の作品に比べ方言を使っておらず、非常に読みやすいのが特徴と言えるだろう。
     野犬に妻を殺された男がその犯人を追う。というストーリ。テンポが良く、冬山の描写も非常に上手い。
     しかし最後の展開が少し強引。核心部も、狼の生態をある程度知っていないと飲み込めないような気もするし、知っていればそれはそれで逆に「うん?」となってしまう。ニホンオオカミ発見シーンは本当に必要だったのかなぁ…
    そして犯人と対峙したと思えば、まさかのバトルパート。いきなり少年ジャンプで描かれるバトル物を読んでいるような気分になってしまい、それまで描

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    2012年12月29日
  • 氷結の森

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    歴史的事実を背景にして物語を作る。
    その時代の文化や国際関係まで調べ上げ、物語を作り上げていく作業は本当に地道で大変な作業なんだろうなと思う。

    権謀術数が渦巻く中で、誰よりも真正直に生きる主人公は、魅力にあふれている。
    真正直な主人公に振り回される女性の姿も共感を呼ぶ。

    どこまで、男と女はわかりあえるのだろう・・・
    独占欲。それは必然だと思うけど、それがなければどれだけ楽に生きられるんだろうなぁと思う。自分も含めてだけど。

    ストーリー展開も歴史を背景にスリリングに作られていて読んでいて面白い。

    なかなかひきつけられる話だなぁと思っていたら、
    よく考えたら、この話はドラゴンボールだ!

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    2011年05月26日
  • 荒蝦夷

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    この人は東北地方の作家で、東北にこだわった作品を書いております。
    森三部作はかなり面白かったですし、短編集も味があってよかったです。
    特に東北地方に広がる森の雰囲気や野生動物と対峙する緊張感なんか、いつもドキドキさせております。

    で、今回の『荒蝦夷』。
    これは平安時代の坂上田村麻呂の蝦夷討伐の前夜を書いた作品です。
    同じ系列の作品で『まほろばの風』っていうのがありますが、これは坂上田村麻呂にやられる蝦夷の英雄アルティを主役にして書いているのですが、この『荒蝦夷』はアルティの父親のアザマロを主人公にして書いております。
    同じような内容で同じような話なのですが、『荒蝦夷』のほうが好きですね。

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    2011年05月05日
  • 群青に沈め

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    重苦しいテーマを、
    重苦しくない軽いタッチで描いているのは、
    万人受けというか、
    戦争アレルギーの若い人も受け入れやすくていいのかも、
    と、思わなくもないけれども、
    ワタシ的にはこの軽さが不快。

    新しいとか、瑞々しいとかいう評価はどうなんだ??
    納得いかないんですけど。

    あえて伏龍に目を向けたことには敬意を評しますがね。

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    2011年03月13日
  • 群青に沈め

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    終戦間際の予科練上がりの特攻隊員たちの日常。
    日常の感情が淡々と描かれ、ストーリー的に派手な起伏はない。
    次第に戦争というものに疑問を持ち始める過程がリアルではあるが、なにせ淡々としているために、迫ってくるものがない。
    主人公が少年だから文体が簡易なのだろうか?他の作品もこうなのだろうか?
    戦争の無意味さは確かに描かれているのだが、むしろ少年の成長物語。
    なんとも期待はずれでした。

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    2011年03月08日