熊谷達也のレビュー一覧

  • 稲穂の海

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    熊谷達也の稲穂の海を読みました。

    昭和40年代の仙台近辺を舞台に、その時代に生きた人々を描いた短編集でした。
    方言をとりまぜて描かれていてその時代の空気が感じられる物語でした。

    現在ではこの時代の名残もほとんどなくなってしまっていて、昭和は遠くなったなあと思ったのでした。

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    2016年10月23日
  • 調律師

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    第6章の転調は、正直しっくりこない。解説を読んで作家さんの気持ちは理解できたけど、私は、震災がなかったらどんなエンディングになってたのかなぁ?と思うし、それが読んでみたかった。

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    2016年09月16日
  • 調律師

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    2010年から2012年にかけて「オール讀物」に発表された7つの連作短編。
    かつての天才ピアニスト、交通事故で妻を亡くし、自らも以前のような演奏ができなくなって、今は義父の元で調律師として働く主人公がピアノを通して様々な人生に触れ合います。
    2012年8月に発表された最後の2編から話が急に変わります。仙台在住の熊谷さん、3.11から1年を経て東日本大震災を物語に取り入れます。
    全体としては、、、、まあ特筆するようなものも無く、普通の出来といった感じです。

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    2016年06月10日
  • 調律師

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    ネタバレ

    ピアノの音と共に臭いを感じることができる不思議な共感覚を持った調律師を巡る物語。

    かなり久しぶりに著者の作品を読んだ。
    震災が著者に大きな影響を与えたであろうことは理解できるが、解説で本人も解説者も認めているように物語の途中に震災を絡めてくることに唐突感が否めない。
    小説の内容としても特筆すべき点はない。

    ストーリーそのものは分かりやすいし読みやすいので、小説をあまり読んだことのない人にはおすすめできる。

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    2016年03月05日
  • 銀狼王

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    熊谷達也さんの作品が大好きで、わりと色々読ませもらっています。
    マタギ、羆、狼などを中心に東北や北海道を舞台にした作品群は江戸から明治へそして現代へと次第に変わって行く時代や環境の変化の中で自然やケモノとの関わり合いながらそこに暮らす人間たちの悲喜交々や艱難辛苦を描いた作品がとても土臭さく、読み進めるほどに命をやり取りすることや生きるって事の意味を考えさせられてしまう。
    そんな熊谷作品が私は大好きなんですけど、この作品はちょっと…

    最早絶滅の危機に瀕しているのは分かっていて、そんな中生き残ってた最後の大物たる狼王の話を聴いて、そいつは俺が仕留めなきゃならない…って自分勝手な印象の展開がちょっと苦しいです。

    百戦錬磨の雄であり手練れの主人公を持ってしても、驚愕の知恵と大胆さを兼ね備えた行動力をもった銀狼王に手玉に取られてしまう。
    そこで敬意と畏怖を抱いたのなら、命からがら逃げ出して「奴こそはまさしく王であった。しかしそんな王も時代の流れには抗えず…」みたいな展開だったら良かったんだけどなぁ〜

    何故殺さなければならなかったのか?
    結果としては、自分が銃を置くための踏ん切りとして戦いを挑むみたいな…その辺の動機や目的が「自己満足の為?」って印象で、そこがうまく咀嚼できませんでした。そのお陰か本作を好きになれなかったです。
    これまでの熊谷作品では人に危害を加えてしまったり食うため生きるための糧とするべくしての狩猟行為であったように思えるのだ。本作は明らかにマタギの興味本位が銀狼を追う動機になっているのが気に入らないのだと思う。熊谷作品の入り口として読む分にはオススメですけれど邂逅の森などを読まれた方には…
    そんな感じですかね。

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    2015年09月26日
  • 漂泊の牙

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    期待とは違う展開で少し残念。動物モノも民俗学的なモノも好きなだけに惜しい。

    無理に、現代ミステリに仕立てる必要は無かった。それでも水準はクリアしてると思うし楽しめた。直木賞を取っている作品もあるので、そちらも期待して読みたい。

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    2015年05月30日
  • モラトリアムな季節

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    前作が良かっただけに少々残念!モラトリアムな時期が長すぎるような気がする。前作との繋がり無く単作だったら、途中放棄でした。

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    2014年12月01日
  • 七夕しぐれ

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    主人公よりも同級生のユキヒロとナオミが気になります。因習という本人たちには関係のないことが、小学生までも巻き込んでしまう。理屈では分かっていてもなかなか変えることができない世界。子供たちの純粋な気持ちが重い内容をさわやかにしてくれる。続編「モラトリアムな季節」に期待!

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    2014年12月01日
  • 山背郷

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    東北という地の厳しさ、優しさ。同じ日本でもその地域の空気感はまるで違う。各編様々な物語であるが、全体を通して人間の思いの強さを感じさせてくれる。

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    2014年11月26日
  • 氷結の森

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    3部作の完結というよりは別な物ととらえた方が入り込めると思う。時代設定を含めた背景の描写が緻密で物語をイメージしやすい。波瀾万丈の人生!主人公の精神力に感銘!

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    2014年11月26日
  • 迎え火の山

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    この人の作品はどれも熱い。
    日本の原風景という言葉の似合う作品が多い。
    今回は少し、高橋克彦テイストだが。

    改めて、古代の呪術がなぜ、ここまで生活とつながっていたのか、腑に落ちる思いだ。

    好みもあるだろうが、自分には、この人の作品はどれも、
    単なるエンタメではなく、ミステリの範疇には入らないような奥の深さがある。

    この作品、ミステリとはいえないだろうなぁ。
    ストーリーだけ追えば、結末はあまりにも陳腐かと(苦笑)
    そこを求めちゃいけない(笑)

    リーダビリティは抜群!
    一気読みしたくなる。
    この文章の強さは相変わらずで素晴らしい。

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    2014年10月11日
  • 氷結の森

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    マタギ三部作の3作目。元猟師で日露戦争従軍兵だった男の逃亡劇と女たちとのロマンスを描いたハードボイルド。三部作のなかで最もカッコいいマタギが、ゴルゴ13ばりのライフルさばきを見せる。おすすめ。
    舞台は異なるが、映画『八甲田山』を先に見ておくと物語のイメージがグッと深まります。
    しかし、これも映画化されたらおもしろそうだが、現在日本の近辺諸国(ロシア、中国、韓国、北朝鮮)との情勢を考えると難しいかな。

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    2014年09月13日
  • 相剋の森

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    マタギ三部作の1作目。現在を生きる熊追い人たちの話。マタギの男性とジャーナリストの女性の視点と立場で、それぞれの仕事と生活の有り様から現在を生きていく難しさが描かれる。おすすめ。
    尚、第2作は直木賞受賞の『邂逅の森』、第3作は『氷結の森』であるが、ストーリーのつながりはない。

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    2014年09月13日
  • 稲穂の海

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    昭和40年代の宮城県に住む人々の暮らしぶりを描いた短編集。

    方言使いで書かれているものもあり、非常に情緒豊か。
    昔話『梅太郎』が良かったな。

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    2014年06月05日
  • 漂泊の牙

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    入院中に読みました。暇でしょうがない入院生活の中で一気に読んでしまいました。主人公が犯人の生き物に憎しみをぶつける訳ではなく、そのような生き物を造った人間に復讐をするというところが良かったです。

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    2014年03月18日
  • ウエンカムイの爪

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    「名前が熊谷だからクマから入りたかったんです!」
    という氏のデビュー作です(言ってません)。なんか
    テンポのいい熊谷作品て不思議な感覚ですね。

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    2013年08月29日
  • ウエンカムイの爪

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    「ヒグマと人間」は私の好きなテーマ。つまりは人間にとっての神、人間にとっての恐れるべき存在というもの。ただつくりとしては単調。新人っぽいともいえるが。「邂逅の森」を書いた重厚な熊谷達也とは思えないほどの軽さ。もうちょっと主人公及び准教授の内面を描くべきだ。一方でどうでもいい大学生たちの描写が細かかったり。

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    2013年07月23日
  • 漂泊の牙

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    3.5点
    もっと、動物と自然の冒険小説を期待してなので、う〜ん、
    前半は面白かったが、後半は無理がある。

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    2013年06月14日
  • 相剋の森

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    獣道も人の道も険しい。

    (以下抜粋。○:完全抜粋、●:簡略抜粋)
    ○本当に俺らが必要としているものは物質的なもんじゃねえ。(P.396)

    ○バーチャルな世界に慣らされた現代人の愚かな部分である。
     テレビが映す映像にすっかり飼いならされていると言ってしまってよいかもしれない。(P.478)

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    2013年05月12日
  • 相剋の森

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    秋田に行くのに面白い東北が舞台の小説を探していたら、邂逅の森というのがあり、その小説と3部作でこれが1作目、とあったので、読んでみた。

    マタギを通して自然との共生について考えさせられ、面白く読めたが、恋愛模様はいらないのでは、といまいち読ませる内容でなかったのと、祖先へのオマージュといったくだりが物語全体からは浮いているようでちょっと不思議な感じ。
    (3部作の2作目を読むといろいろと謎が解けるようになってた)

    現代でも行われている猟やそれを取り巻く環境についてなど、勉強になりました。

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    2013年04月30日