熊谷達也のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
50代半ばの男性が、健康診断の結果に何かしないとヤバすぎる危機的状況に気づくのだが…
スポーツクラブに入ろうかと思っている矢先のコロナ禍。
そんなときに社内で一番若手の水野唯にロードバイクを勧められ、次の日には一緒に自転車屋さんに行く。
結局、一目惚れしたロードバイクを手に入れて走り始める。
ちょうどコロナで緊急事態宣言が出て、会社でもリモートワークを推奨している。
地下鉄やバスでの通勤を避けて、自転車に替えたという人も多かったのではないだろうか。
今や若い人だけに限らず、ロードバイクを乗っている人をけっこう見かけるようになった。
それは、やはりコロナ禍の影響も少しはあるのだろうか?
ロードバイク中心の話だけではなく、コロナ禍での会社の中での立場や状況、仲間など大切なものが何かを伝えている。
同じとは言えないまでも似たような経験をした人もいるのではないかと思った。
しかし、若いのに水野唯ちゃん凄いよなぁと感じた。
性格的に明るいイメージではなく、ちょっととっつきにくい感ありなのだが、仕事のスキルは高い。
ロードバイクでは大会に出場する腕前の持ち主。
だれが主人公⁇って
55歳の本間優一だろうけど。
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Posted by ブクログ
なんとあの『邂逅の森』の熊谷達也がSF!
半ば怖いもの見たさで手に取った本書ですが、立派なハードSF大作でした。
小惑星の衝突が迫った地球。人類の一部は新天地を求めて太陽系を脱出し、一部は地上が生存可能になるまでの数世紀を地下シェルターで乗り切ろうとし、さらに一部は身体を冷凍保存しサイバー空間での生存を図る。そんな世界を第一部では衝突前から衝突後の混乱や陰謀を、第二部では新たな危機の発覚とスペースオペラ風な活劇が描かれます。
1970年代のビッグ・スリー(アシモフ・ハインライン・クラーク)のストーリー骨格に、最新のサイバー世界を織り込み、登場人物に名作SFアニメ(詳しくないがエヴァンゲリオンあたりか)のキャラを持ってくる。そんな感じで、どこか既視感があるのですが、良く出来てます。
巻末には沢山の参考図書が挙げられているように、ハードSFとしてのリアリティも充分ですし、登場人物のロマンスもあり、久しぶりにビッグ・スリー的な楽しいSF小説を読んだ気がしました。 -
Posted by ブクログ
自転車、コロナ、テレワーク。この三題噺を2020年から21年にかけて、仙台周辺を舞台に小説にしたものがこの本の内容と言ってよい。
小さな印刷会社企画部門の室長である主人公は健康のために、部下の女性のすすめに従い70万円もするロードバイクを購入、その娘に手ほどきを受けながら、泉ヶ岳への挑戦や、泉NTから亘理往復という100kmライドを達成していく。この間の初心者の苦労や半年でひと月に1000kmのトレーニングを乗りこなすまでの喜びが、軽快な文章で書かれていて一気呵成に読み終えてしまう。
一方、テレワークの必要性から会社としてサーバーの構築をしなければならなくなるが、当該部下にはとんでもないハッカー能力があることがわかる。しかし、コロナ不況となった会社からその娘の解雇通告を命令され、合点がいかない主人公も会社をやめてしまう。
この続きまで書くとネタバレになるのでやめておく。著者の出身地でもある仙台に土地勘のある人間には、一層興味が惹かれるようにできているが、ご当地小説というだけでなく、しっかりとした筋立てで読んでいてグイグイ引き込まれる。
理系の著者らしい一面もあって、世代間のITリテラシーギャップや、逆にIT能力だけでDXが進められない一面もさりげなく書かれていて、広く読者の共感を呼ぶことだろう。
この小説は地元の新聞『河北新報』に連載されたようだが、どういうわけか、1970年代に『週刊ダイヤモンド』で連載された、三浦朱門『十三秒半』(文藝春秋 1979)を思い出してしまった。 -
Posted by ブクログ
気仙沼をモデルにした架空の街、仙河海シリーズ集大成(らしい)。森シリーズは知っていたのだけど、こちらは知らずに、帯の仙河海サーガにも気が付かずに一気に読破。やっぱり好きな作家さんだ。
大正〜昭和の激動の時代に生まれ、太平洋戦争を経て漁師として成長していく守一。彼の父や兄、友人の征治郎、など登場人物がみなキラキラと魅力的。港町の湿った空気と潮風の匂いを感じられる。シリーズは、守一の子ども、孫たちの世代が今後この街で成長し、震災を経験して未来へと、時代を前後しながらたくさんあるようなので、少しずつ読んでいこうと思う(なんとなくサーガというのに抵抗がある…)。
欲を言えば、もう少し成長した守一の漁師っぷりが見たかったなあ。超大作だけど、ページが少なくなるのが惜しくなる一冊でした。