あらすじ
小惑星の衝突で地殻、気象ほかあらゆる環境が破壊され、生存の危機に陥った人類は、他の星への移住を目指すものと世界各地のシェルターで生き残りをはかるものとにわかれた。
さらに、肉体のくびきから離れ、意識のサイバースペースへの移行が可能になった世界は、分断と孤立の中にあった。
著者初の本格的SF小説である本作には、自らのSF愛や映画愛が注ぎ込まれており、人類の起源に迫って宇宙にも飛び出す壮大なストーリーでありながら、決して読者を置き去りにしない深い人間ドラマが描かれている。
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すごい未来にビックリしました。 惑星衝突は、今までに何回か、あったようです。 アバターのイメージについていくのが大変でした。
でも、面白く読みました。 アヤネとミクのイラストを見たかったなー❗️
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前半は時空を超えた展開だったので、着いていくのが辛かったが、中盤からは具体的な話になったので面白かった。若い頃、外国の作家さんのこのような話を貪り読んだのを思いだし、気持ちが若返った。
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SFは読まず嫌いをしていたのかあまり興味がなく今回何気なく手に取る。
ページ数が多いので読まずに終わってしまうと思っていたら、先が気になるぐらいにのめり込んでしまう。描写がうまいのかわかりやすく脳内に映像がきちんと映し出せ、わからない単語をスルーしても物語に影響がでない。
初挑戦の作家にSF。いい本を選んだ自分を褒めたい。
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小惑星が地球に激突するというので外宇宙に向けてテラフォーミングを目的として旅立つもの、またシェルターを作り生き残りを賭けるもの、そして意識をサイバースペースに移して生きていくもの、様々な人間模様を描き出すポストアポカリプスなSF小説。
普段SFってあんまり読まないのでたまに読むと新鮮でとても楽しい。設定としてはがっつりとしたSFでありながらも結構生々しい人間ドラマがまたリアルでいいですね。技術はSFでも結局は人間が使うものだしねえ。
「死」という概念が非常にあやふやな感じが興味深い。意識はデータであって、消失してもバックアップから理リロードするし、肉体は凍結保存されていてもなくなったらなくなったでクローン作れば・・・という。登場人物たちもそれを当然としてやっているのがある意味不気味にも思えました。遠い将来にそんな未来が・・・いやどうなんだろうな。
読み応えもたっぷりで満足の一冊でした。
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蓮と彩音の物語、そして、レンとアヤネ、ミク、ユイのストーリー。
電脳空間、宇宙空間で肉体を離れて存在する意識、なかんずく人間たちの物語。
(内容紹介)
小惑星の衝突で地殻、気象ほかあらゆる環境が破壊され、生存の危機に陥った人類は、他の星への移住を目指すものと世界各地のシェルターで生き残りをはかるものとにわかれた。
さらに、肉体のくびきから離れ、意識のサイバースペースへの移行が可能になった世界は、分断と孤立の中にあった。
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青春小説から歴史小説まで幅広い熊谷さんだけど、実直なイメージがあり、SFには結びつかなかったが…。さらに「三体」の余韻が残っていて、ちょっと心配だったが面白かった。AIに小惑星衝突と舞台設定は定番だけど、極限状況でも笑ってしまうキャラや映画の話で専門的な部分は理解出来なくても、充分楽しめた。今後は、どの分野で行くんだろう。才能ありすぎ!
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なんとあの『邂逅の森』の熊谷達也がSF!
半ば怖いもの見たさで手に取った本書ですが、立派なハードSF大作でした。
小惑星の衝突が迫った地球。人類の一部は新天地を求めて太陽系を脱出し、一部は地上が生存可能になるまでの数世紀を地下シェルターで乗り切ろうとし、さらに一部は身体を冷凍保存しサイバー空間での生存を図る。そんな世界を第一部では衝突前から衝突後の混乱や陰謀を、第二部では新たな危機の発覚とスペースオペラ風な活劇が描かれます。
1970年代のビッグ・スリー(アシモフ・ハインライン・クラーク)のストーリー骨格に、最新のサイバー世界を織り込み、登場人物に名作SFアニメ(詳しくないがエヴァンゲリオンあたりか)のキャラを持ってくる。そんな感じで、どこか既視感があるのですが、良く出来てます。
巻末には沢山の参考図書が挙げられているように、ハードSFとしてのリアリティも充分ですし、登場人物のロマンスもあり、久しぶりにビッグ・スリー的な楽しいSF小説を読んだ気がしました。
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久しぶりのSF小説。文芸誌小説現代で第一部を読み、第二部を含めて単行本化するということで第二部も気になったので購入。単行本化するに当たり加筆したということだが、先が気になっていたので第一部の終盤から読み初めた。
帯にある通り、どこか懐かしい印象の話。でも、やっぱり新しい。
人類滅亡の危機に立ち向かう主人公達の人間模様や葛藤などを丁寧に描いているので、あまり普段SFを読んでいない私でも楽しめたのではないかと思う。
登場人物も魅力的で主人公のレンは人間くさくて、それも良かった。
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警備アーマーボットとして活動するレンは全能AIがコントロールするサイバーコロニーの謎を解き、再度の地球への小惑星の再衝突を防ぐために宇宙へと向かう。
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熊谷さんが満を侍して発表したSF大作です。これはまた、もう持てる全てを詰め込んだ印象のある大盛り特盛りのSFですね。大変(いろんな面で)面白かったです。
熊谷さんがここ10〜20年ほど、某アニメシリーズやSFに影響を受けて、ずっと暖めていたネタなんじゃないかという印象を受けました。熊谷さんの作品を追っていると分かるのですが、分かりやすいオタクなので他作品から影響を受けるとすぐに自分で書きたくなってしまう。そんな衝動を余すとこなく詰め込んだような、ストーリーについてもSFの蘊蓄についても、組み込まないと気が済まないベタ甘ラヴについても、書きたいだけ書き込んだ作品だな、と思います。そういう意味でオタクとしてとても共感しますし、楽しめますが一方で少し気恥ずかしくなりながら読みました。そんなオタクなあなたもどのエピソードやキャラクターがどの作品からインスピレーションを受けているのか、想像しながら読むと面白いかもしれません。
まあ、そんなこんなですのでストーリーや内包される「人とは何か」といったテーマは少し使い古された印象があるので、残念ながら目新しいSFというわけではありませんでした。
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小惑星が衝突した後に電脳に精神だけをアップロードして生きる地球人と、近傍恒星系で居住可能な惑星を探す人々の、小惑星再突入を避ける攻防。軽いタッチで読みやすかった。サイバー内で生きる将来への道標となる作品。
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電脳空間で永遠に生きるか、それとも人間として限りある命を生きるか…。
二者択一ならどちらを選びますか?
本書中盤に出てくる質問です。
…
… /(´・ω・`)\ウーン
…
!
やっぱり自分は人間を選びます。
電脳世界では病気にならず、痛みも感じず、どこへでも行けて何にでもなれるといいます。それが果たしていいことなのかどうか…。
この本で少し疑似体験することができます。
電脳世界では「食べる」ことはできないので美味しいものとは無縁だし、ネコに触ったり、海で泳いだり、風を感じることもできなさそうです。(似たようなことはできるかもしれませんが)
人間はなんと無駄なことばかりしている生き物でしょう!
永遠に生きられるならそれはもはや人間とは呼べないかもしれません。そしてやっぱりこう思うのです。
人間でよかった!