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2008年6月、栗駒山中腹の共英村は凄まじい揺れに呑み込まれた。崩れる山、倒壊する家々。故郷の危機に胸引き裂かれる智志。そんな中、祖父・耕一が行方不明に。耕一は共英村の開拓一世だった。結婚、仲間の死、起死回生のイチゴ栽培、はじめて電灯が灯った日……。祖父の物語は土と汗と涙と、笑いに満ちたものだった。この土地は、俺らが守る! 智志は奮い立った。復興にかけた三世代の物語。
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Posted by ブクログ
開拓地という単語は聞いたことある程度でさほど興味を持ったことがなかった。 が、この本を読んでみて開拓地の背景や開拓することの壮絶さに絶句し、ただただ敬意の年でいっぱい。現代の生ぬるい生活にどっぷり浸かって何にも感謝できないような世代に、最近の若いもんはと言いたくなる気持ちよくわかる。この世代のパワー...続きを読むすごいです。
2008年6月14日に発生した岩手・宮城内陸地震で大きな被害を受けた栗原市耕英地区を舞台にした祖父と父親と息子の三世代を描いた物語。 岩手・宮城内陸地震の翌年から東日本大震災を挟んで連載された物語は、多くの被災者に希望の光と生きることへの勇気を与えてくれる内容だった。直下型の地震に見舞われ、苦闘す...続きを読むる父親と息子の現在と、祖父の開拓民としての苦難に満ちた過去が交互に描かれる。 開拓移民団として満州に渡った大友耕一は苦難の中、日本に引き揚げ、栗原市の共英地区に新たな開拓の地を求めるが… ここからは蛇足。 あの日は土曜日だった。下から突き上げるような大きな地震にベッドから飛び起きたのを覚えている。自分の被害の大きかった栗駒山から離れていたので停電にはならなかったが、新幹線が止まり、高架橋から乗客が避難するのを目撃した。次第に明らかになる地震被害の大きさ、馴染みのある厳美渓から栗駒山に向かう道路の橋が落橋した姿に驚いた。その3年後にまさかあのような東日本大震災が起きるとは全く思っていなかったのだが、岩手・宮城内陸地震をきっかけに水や食糧などを家に備蓄したことを覚えている。
戦後開拓民たちの生き抜く事への貪欲さと力強さにただただ圧倒。そして何世代にもわたり命をかけて築きあげた自分たちの居場所をいとも簡単に崩し去ってしまう自然の猛威。なんとも虚しい…が、そんな状況の中でも最後に開拓一世の瞳に輝く未来が映った瞬間、全てが救われた気持ちになった。
宮城県にある実在する市をモデルに描かれた一冊。 戦後、地区を開拓した祖父、 二代目 三代目と続く父親、息子の話。 開拓一世になる祖父たちのなんと力強いことか。 東京生まれ東京育ちの私には想像もつかないけれど、 自らの手で生活を築き上げてきた主人公たちは 想像以上に、一日一日を丁寧に生きていってるの...続きを読むだろうな。 震災を受け、遭難した祖父を救出しにいくシーンでは思わずウルっときてしまった。 やはり日本に住んでいる以上は、地震や其の外の災害は避けられないのだな、と再確認。
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