熊谷達也のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
何とも骨太な一冊だった。
何かの雑誌の書評を読み、読んでみたいと思い、美和子さんにリクエスト。
読み始めは秋田弁で書かれた会話やマタギの専門用語の出現で、少々もたつく。
でも、読み進めるうちにそれが快いリズム感を伴ってくるから不思議だ。
そう、これは大正時代に厳しい冬山で野生の獣たちと「共生」してきた東北のマタギを描いた作品。
今は狩猟だけを生業とするマタギは存在しないという。
しかし、ある時期だけに狩りをするマタギの人たちは今もいる。
作者の熊谷達也はそんな人たちと一緒に過ごし、自分の目で身体でマタギを感じ、それをこの作品にしたという。
私は東北の奥深い山の暮らしも知らなければ、もちろんマタ -
Posted by ブクログ
父の本棚から拝借。
この数年熊の被害が毎日のようにニュースになる昨今で、思わず手に取った。
この本が出たのは2000年。もう25年も前のこと。
この頃から人が熊の生息地を荒らし不足する食べ物を求めて人里に現れることが課題となっていて、駆除するだけではなく、根本的な解決のために人と熊と棲み分けが必要なことや、熊が絶滅すれば、生態系の異常の現れとなることが言われていたことがわかる。今読んでも何も効果的な対策はされたなかったことがよくわかった。そして、今その絶滅がぐんと近づいていることも。。
クマなんて絶滅しても何にも困らないという浅はかな意見をよく聞くが、それがどんな状況を示しているのか良く知っ -
Posted by ブクログ
主人公 泊敬介は函館の潜水夫。昭和9年の函館の大火事で妻子と母親を失う。昭和20年の函館の空襲で大怪我を負い、左足がやや不自由になる。そして昭和29年の洞爺丸沈没で九死に一生を得る。次から次へと災難に襲われる。
そんな災難はなかったほうが勿論いい。けれど、振り返って見た時に、それがあったから、今の自分がこうしていられる、と気づく。
でも、それは何もせずにいたら得られないのだと思う。
「人と人を結びつける絆は、人生の苦難や嵐を乗り越えれば乗り越えただけ、いっそう太くて強固なものになる。ただし、その絆は、人の努力のみによって作られる。」
と敬介の言葉にあるように。
時に投げやりになることもある -
Posted by ブクログ
熊谷達也『希望の海 仙河海叙景』集英社文庫。
『仙河海サーガ』の1作。仙河海市を舞台にした10編の短編から成る連作集。
敢えて2011年3月11日の東日本大震災当日は描かずに前震の起きた3月9日と東日本大震災後の仙河海市に生きる市井の人びとの心情を描いている。
登場人物の何人かは東日本大震災の津波被害で命を落とし、残された人びとの苦しみが描かれるのだが、読んでいて辛くなる。様々な個々人の事情もあるが、ただでさえ過疎化が進む仙河海市で生活していくのは大変なことなのに、そこに未曾有の大災害が街を襲い、生活は一変してしまうのだ。
仙河海市のモデルは気仙沼市である。東日本大震災の津波により壊滅 -
Posted by ブクログ
「仙河海」は気仙沼をモデルとした架空の町で、聞き慣れない「叙景」は、自然の風景を詩文に書き表すことの意だそう。帯には〈「あの日」を描かない(10編の)連作短編集〉とあります。2016年刊行、1編追加して2025年に文庫化されました。 様々な人々の何気ない日常は、どこにでもある暮らしです。ただこれらの震災直前の描写は、起きてしまった大災害を知る読み手にとっては、自ずと「あの日」のカウントダウンとなり、それまでの当たり前の生活が、よりかけがえのないものとして伝わり、胸に迫ります。
連作短編は、とかく物語の深みに欠ける印象になりがちですが、本作はより多様な日常を描くこと、それぞれの短編の登 -
Posted by ブクログ
ネタバレ梶山浩介
エルソレイユ仙台に電撃加入する。長年ヨーロッパで活躍し、ツール・ド・フランスにも出場したレジェンド。
佐久間美佳
八年前、梶山が「ツール・ド・フランス」に出場した時から応援に来ている。ワインのネット通販会社「ヴィーノ・デル・ソル」を経営している。エルソレイユ仙台の新たなメインスポンサー。
ドミニク
監督。
アラン・ルロワ
昨年まで梶山と同じチームで走っていた。
三橋
エルソレイユ所属。チーム発足の翌年、他チームから移籍してきた。二十八歳。
佐山
エルソレイユ所属。二十八歳。クライマー。契約更改にならなかった。群馬ギャラクティカに移籍。
小林湊人
エルソレイユ仙台所属。二十 -
Posted by ブクログ
感想を書くにあたり便利な言葉がある
「凄い」だ!
この作品は凄い!
(小学生の読書感想文か)
もうひとつ高度な言葉を使ってみよう
「圧巻」だ!
この作品は圧巻だ!
(中学生の読書感想文になりました)
もっとわかりやすく言ってみようか
「めっちゃスゲェー」だ!
この作品めっちゃスゲェー!
(大人な感想文になりました)
とにかくこれだけで『邂逅の森』が素晴らしい作品ということは伝わるでしょ!
マタギとして生きる男の人生、女とのチョメチョメ、そして熊との死闘を描いた物語
詳しくは他の人のレビューを参考に!
で、私もこれから実践してみようと思います
仕事でもしもの時は、 -
Posted by ブクログ
熊谷達也『むけいびと 芦東山』潮文庫。
仙台藩の奥地、磐井郡渋民村に産まれた仙台藩儒学者の芦東山の人生を描いた歴史人物小説。
熊谷達也は『仙河海サーガ』をはじめ、気仙地方や両磐地域を舞台にした作品を多く書いている作家である。
芦東山の出生地の磐井郡渋民村は、現在の岩手県一関市大東町である。自分は10年程前まで一関市に30年余り住んでいたのだが、芦東山という人物は名前すら知らなかった。
なかなか面白い作品だった。江戸時代に磐井郡の渋民から学問を極めるために徒歩で仙台、さらには江戸、京都へと足を運ぶことは並大抵のことではなかったろう。
今も昔も変わらずに真っ直ぐに信じることを貫くことは難 -
Posted by ブクログ
ミュージカル『刀剣乱舞』 〜陸奥一蓮〜 を観に行くにあたって、蝦夷の文化や関連の歴史に一度触れておきたくて読んでみたところ、足がかりとしてちょうど良さそうだった。
蝦夷の文化・習俗についてが、信心深くない現代の日本人の目線から見ても噛み砕きやすいくらい理性的に描かれていて、大和側の歴史の動きも最低限振れているので自分の中での時代勘の同期もとりやすかった。
こういった歴史上の人物や土着信仰を持つ人々を描く本に対しては、今まで、少年漫画の主人公によく見られるような、良い面ではアツく、悪い面では考えなしな人物像の主人公が書かれるイメージがあった。私自身はそのような人柄だと感情移入しにくいので少し -
Posted by ブクログ
黒沢巧也
五十歳を目前にしてエレキギターを購入する。高校生の頃、ギター小僧だった。地元仙台ではそこそこ大きな印刷会社に勤務。第二企画室長。G大五大バンドのひとつ「パープル、ヘッド」に所属していた。
妙子
巧也の妻。
大輔
巧也の一人息子。大学二年生。ベースをやっている。
杉本亜紀
巧也の部下のひとり。入社五年目の若手デザイナー。アッちゃん。
小畑亮二
巧也の部下。昨年秋に結婚したばかり。
菅野多希子
入社十二年目の中堅社員。タッキー。
斎藤
ギターショップ『ROCK GARAGE』の長髪プラス金メッシュの店員。巧也のバンドのサイドギターを引き受ける。
奥山
ギターショップ『ROC