調律師

調律師

小説・文芸
693円 (税込)

3pt

仙台在住の著者が3.11を描く現代小説

ある出来事がきっかけでピアノの音を聴くと「香り」を感じるという「共感覚」を獲得した調律師、鳴瀬の喪失と再生を描く連作短編。

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    文藝春秋
  • 掲載誌・レーベル
    :
    文春文庫
  • タイトル
    :
    調律師
  • タイトルID
    :
    356816
  • ページ数
    :
    288ページ
  • 電子版発売日
    :
    2016年01月29日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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調律師 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    共感覚を持つピアノの調律師の鳴瀬玲司を主人公にした喪失と再生を描いた7編を収録した連作短編集。

    東日本大震災という決して忘れられない喪失の日を挟んで描かれた作品であるせいなのか、東日本大震災の前に書かれた最初の2編と後半の5編とでは明らかに味わいが変わる。特に主人公が過去に決別するという最終話には、強い怒りやもどかしささえ感じる。もしかしたら、それは著者が自分自身に向けた想いなのかも知れない。

    『少女のワルツ』はオープニングを飾るのに相応しいハートウォーミングな短編。この連作短編集の方向性を示したかに見えたのだが…

    『少女のワルツ』、『若き喜びの歌』、『朝日のようにやわらかに』、『厳格で自由な無言歌集』、『ハイブリッドのアリア』、『超絶なる鐘のロンド』、『幻想と別れのエチュード』を収録。

    0
    2016年02月10日

    Posted by ブクログ

     本書を読みながら、宮下奈都さんの『羊と鋼の森』(ピアノ調律師の青年の成長物語 2016年本屋大賞受賞作)を思い出していました。
     本書の単行本は2013年刊なので、『羊と鋼の森』より少し前ということになりますね。

     7話からなる連作短編集で、ピアノ調律師・鳴瀬の再生の物語です。
     元ピアニストの鳴瀬は、10年前、事故により妻とピアニストとしての将来を失い、以来、音から匂いを感じ取る「嗅聴」という共感覚を得ています。
     連続する作中、異なる状況下での微妙な音や匂いの繊細さが上手く表現されています。
     鳴瀬は、亡き妻がもっていた「嗅聴」と調律の仕事を辿ることになります。様々なピアノ・依頼主と出会いながら自分と向き合い、少しずつ〝妻の幻影からの解放〟に向かうはずでしたが‥。

     執筆(連載)中に東日本大震災が発生し、仙台在住の著者は、途中中断しながらも、第6話から物語を転調することにしたようです。個人的には、震災を物語に取り込むことが、「唐突」ではなく「必然」だったのだろうと思います。

     余韻の残る、不思議ととても清々しい読後感でした。暗い印象になりがちな物語に、義理妹の存在が健気で可愛らしく、救われる思いがしました。不謹慎かもですが、ある意味〝胸キュン〟の側面もあり、震災云々を抜きにしても良質の物語だとおすすめできます。

    0
    2023年03月05日

    Posted by ブクログ

    この小説は2010年から2012年に書かれたとのこと、その間に東日本大震災が起こった。共感覚という音を嗅覚でも感じることができる調律師の小説は震災時の場面から大きく転換した。いくつかある調律師を主人公とした小説の中でもその事件によって別の意味での臨場感がでることになり、まさに時代を現したものとなっている。

    0
    2021年06月05日

    Posted by ブクログ

    マタギ同様、調律師という全く身近に存在しない職種の人の日常や感情を疑似体感でき楽しめた。
    また、愛する人との死別、共感覚、震災といったキーワードが物語を繋ぎ、主人公や読者の心をまさに調律する柱として存在し、切なくも力強く胸に響く作品に仕上がっている。

    0
    2019年12月19日

    Posted by ブクログ

    かつて、プロのピアニストとして活躍しながら、事故により妻を亡くし、今はピアノの調律師として生きる主人公・鳴瀬 玲司。

    彼は、共感覚の持ち主であった。
    共感覚とは、例えば、音に色を感じる「色聴」や、音に匂いを感じる「嗅聴」など。
    事故に遭う前は「色聴」であったが、事故後、亡くなった妻と同じ「嗅聴」となった。

    様々な出会いを経て、彼の調律師としてのキャリアが高まっていくが、十年経っても妻の思い出が離れない。
    そんな中、仙台市で遭遇した東日本大震災。

    その巨大な爪痕は、彼の共感覚の力を奪ってしまう。しかし、それは、妻との本当の別れでもあった...(涙)。
    最後、彼の新たな旅立ちに、幸多かれと祈りました

    小説としては、途中から大きく展開が変わります(転調)が、後書きの「解説」を読みますと、作者である熊谷氏の境遇に納得が出来ました。
    ぜひ、続編を期待したいです。

    0
    2018年05月17日

    Posted by ブクログ

    初読みの作家さん。主人公の特殊な力で浮かび上がる演奏者の心。とても面白かった。
    あらすじ(背表紙より)
    交通事故で妻を亡くし、自身も大けがを負った結果、音を聴くと香りを感じるという共感覚「嗅聴」を得た鳴瀬玲司は、ピアノの調律師を生業としている。さまざまな問題を抱えたピアノ、あるいはその持ち主と日々接しつつ、いまだに妻を忘れられずにいた鳴瀬だったが、ある日、仕事で仙台に向かうことに―。

    0
    2016年12月31日

    Posted by ブクログ

    書店平台でタイトルに惹かれ購入。
    思いもかけぬ展開で 心を掴まれた。

    読み始めた時には…まさか東日本大震災に
    この物語が繋がってゆくとは思わなかった。

    素直に設定にひきこまれ
    綿密な取材に裏打ちされた調律師の世界に
    感心させられた。

    共感覚という言葉の実在も 初めて知った。

    そんないくつもの要素が 豊かな文学世界と
    多くのテーマ性を支えている。

    佳作だと思う。

    0
    2016年01月10日

    Posted by ブクログ

    久しぶりの熊谷達也さん。
    この人の描く小説は、東日本大震災がやはり切っても切れない一つの契機を与えていることがわかる。ある小説に、突如として違和感を持って現れてくるところが、未曾有の大災害が普通の日常に与える影響の大きさを感じずにはいられない。
    調律師である鳴瀬が向かい合うピアノ達と、そのピアノに関係する人々の情景、鳴瀬の抱える過去。
    帯が『妻を恋う』だったので、そのあたりを期待して選んだ小説だったけれど、繊細な登場人物達の心に触れられたので、それはそれで満足した小説でした。

    0
    2015年12月21日

    Posted by ブクログ

    音に匂いを感じる調律師の話が東日本大震災と絡めて展開していく。熊谷達也らしい緻密な下調べが効果をあげている。

    0
    2023年07月04日

    Posted by ブクログ

    「共感覚」というのを初めて知りました。もし自分に共感覚があったら、、と想像しながら読みました。そして後半は仙台在住で3.11を経験した小説家だからこその内容でした。

    0
    2021年02月08日

調律師 の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    文藝春秋
  • 掲載誌・レーベル
    :
    文春文庫
  • タイトル
    :
    調律師
  • タイトルID
    :
    356816
  • ページ数
    :
    288ページ
  • 電子版発売日
    :
    2016年01月29日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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