あらすじ
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昭和40年代、子供たちにとって遊ぶことがすべてだった時代の胸躍る冒険の日々―こっそり忍び込んだ空き家で見つけた藁人形が騒動を引き起こす「座敷童子の夏」。河童を生け捕りにしようと底なし沼にボートを漕ぎ出す「河童沼」。廃坑になった洞窟を探検しているうちに不気味な寒村に迷い込んでしまった「山姥の里」ほか、自然の中で生きる人間の逞しさを描いて直木賞を受賞した著者の原点ともいえる郷愁あふれる連作集。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
「漂泊の牙」で圧倒的な緊張感と力感を見せた熊谷さんなのですが、この作品では(妖怪たちが出る事をのぞけば)重松清的な少年物語です。
充分に読ませてもらえるのですが、重松さんと比較すると、何かが、多分ノスタルジーの表現がほんの少し足りない感じがします。
最初は動物物でスタートし、その時はジャンルの特殊さに危うさを感じさせた人ですが、その後は歴史物、妖怪物と活動範囲を広げています。しかし、今度はその分この人の本領が何処なのか判り難くなった感じがします。
やはりミステリーっぽく緊張感のある作品。それが熊谷さんの本領と思うのですが。
Posted by ブクログ
いつも不思議を感じていた子供の頃。そんな懐かしい子供の頃の記憶を呼び覚ましてくれるような連作短編集。座敷童子、河童、天狗、鬼、雪女に山姥と子供の頃なら身近に感じたような妖怪怪異を題材に描かれたノスタルジックな時代風景。
単行本化に際し、プロローグとエピローグが書き下ろされ、短編集全体を上手く引き締めている。特にエピローグには驚かされた。
プロローグに描かれた小学校の校舎は、宮城県登米市にある旧登米高等尋常小学校校舎ではないだろうか。