松本俊彦のレビュー一覧
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違法薬物依存はたしかに「犯罪」ではあるが、それ以前に「病気」なのだ
河出書房新社の「14歳の世渡り術」シリーズの中の一冊です。中学生向けに易しい文章で書かれていますが、大人が読んでも十分な読み応えがあります。医学的な専門用語は必要最小限に抑えられ、分かりやすい例えを使っているので、最後まで興味が途切れませんでした。とくに脳のしくみをいちご大福に例えているパートは、輪切りのいちご大福の図解もあり理解が進みました。
実際に松本先生が診た症例がエピソードとして紹介されています。とりあげる依存症はエナジードリンクやカフェイン錠剤、アルコールなど違法でないものから、大麻などの違法薬物、あとはゲームや -
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アルコール依存症の文学研究者とニコチン依存症の精神科医の往復書簡本
当事者かつ自助グループを運営している横道氏と当事者かつ薬物依存の患者に携わってきた松本氏だからこそ綴ることができる社会から見た依存症やそれを取り巻く支援や患者家族のイメージと実情のギャップが大きく、実際の自助グループや治療の場ではどういったことが起こっているのかをよく知ることができた
例えばアルコールやタバコ、薬物についても0か100かの当事者を追い詰めるような啓蒙のしかたよりも、現実の苦痛を多少まぎらわせながらも量を緩和させるとか、よりしんどさを与えない方向のアプローチをしていくことなんかが書かれており、一般にイメージされる -
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ネタバレ保健所が自殺防止の取り組みもしているとは知らなかった。
実際の保健所がここまで親身になってくれるのかは分からないが、いざという時のための知識として知っておくのに損はないなと思った。
日本は自殺の多い国。
G7の中でも最悪の数値が出ているらしい。
年間約2万人。
事故や戦争と違って表面化しにくい、目を背けられがちな恐ろしい事実。
自殺願望のある人たちにはきっと本人にしかわかり得ない深刻で複雑な事情がある。
いじめや精神疾患が原因でリストカットに手を出したり外に出れなくなったり、当事者の内情を知るにつれ読んでるこちら側もどんどん苦しくなってくる。
男性のDV被害者がいかに助けを求めにくい環境で -
Posted by ブクログ
ネタバレ依存症の恐ろしさを痛感した。
アルコール依存症、薬物依存症、ギャンブル依存症。
自分とは無縁の世界だと思っていたがいつ誰がなってもおかしくないんだな…。
やり場のないストレスに苦しんだり、同調圧力に負けたり、入り口は些細なこと。
ただ一度手をつけてしまうと悪循環に陥り、本人の力だけじゃなかなか抜け出せなくなる。
またアルコールや薬物は脳だけじゃなく身体全体に負担がかかる。
(ギャンブル依存症は身体的な負担はないがそれ故に表面化しにくい)
依存症によって脳が変質し犯罪に手を出してしまう人は少なからずいる。
そうなってしまう前に周りがいち早く気づき本人の事情と向き合いながら改善していくことが重要 -
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Posted by ブクログ
お酒をやめても現実のしんどさは変わらない
~自分の人生に向き合うために酒をやめる~
酒は薬物であり、現実逃避のツールである。暴言やイラつきは家族を嫌な気分にさせ、場合によっては離婚に至らしめる。時間、精神的、肉体的、金銭的にも費用対効果が非常に低いものである。
報酬系の仕組みにより、離脱症状によりキレたり暴言を吐き家族を傷つけるが、病気であるので自分のせいではない。ただ、そのまま改善することなく飲み続けることは、人生の多くを無駄にすることになる。人生に真正面から向き合うことなく、逃げて暮らすことになる。そんな自分は嫌だ。依存症であれば、保健所で相談するなど、他者の力や外部に頼ることも必