松本俊彦のレビュー一覧
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メディアにも多く露出され、依存症に関するわかりやすい解説に定評のある松本先生。新刊は“身近にある薬物”をテーマにしており、とてもおもしろかった。
文献を根拠に、人類に影響を与えた三大薬物は、覚醒剤やコカインなどの麻薬ではなく、アルコール、カフェイン、タバコであるとして解説していく。歴史を踏まえた記述なので、薬学的な知識は全く不要。知的好奇心の赴くままに読み進められる。最近話題の市販薬の乱用に関する章もあり、読み応えがある。
下戸で酒は飲まないが、コーヒーを1日5杯以上は飲むので、個人的にはカフェインの章が興味深かった。市販薬に関する記述も勉強になった。
しかし、ヘビースモーカーだという松本先生。他の章は舌鋒鋭く切り込んでいくのに、ニコチンに関する記述は(自覚的と思われるが)かなり甘い。まさか駅のホームの喫煙所のデザインにまで恨み節とは(笑)。 -
Posted by ブクログ
リストカットやオーバードーズする子供たちが死にたいからやってるわけではなくて、それをやることによって心が楽になって生き延びるためにやってるって言う側面もあると言う新しい視点を学ぶことができた。そのようなことをしてる人に対してステレオタイプでやばい人だと思う事は良くないことだとわかった。
自傷行為を行っている子供、そうなってしまった背景が必ずあるはず。自分が親だとすればその背景の方を指してあげる必要がある。でもすぐに話してくれるわけではないので、まず大きな心で受け止めてあげる。自傷行為そのものが自分の心を守るためにやっているんだと言うことを必ず理解した上で接してあげる必要がある。通常の子育てに対しても通じる内容だと思うので、今後のためにしたいと思った。 -
Posted by ブクログ
『オーバードーズ』『リストカット』…辛い気持ちを抑制する為にこういった行動に走る子どもへの寄り添い方が書かれている本です。昔のように『ダメ、ゼッタイ。』といういわゆる人に寄り添わない態度ではなく、『してもいいから相談もしてみよう』というソフトな対応をしていこうという著者の考えに感銘を受けました。市販薬の濫用やリストカット…突然見たら思わずギョッとしてしまうような行為ですが、それが短期的といえどその人の命を守っている保護因子であるということにも驚きです。
辛く苦しい事ではありますが、そういった人々を支えるには長期的に考えて計画を立てていかなければならないという現実をしっかりと書いた本となっています。
コロナ禍を機にどんどん増加している自殺者数に対して、我々大人が子どもたちへ(もちろん大人も)、どう対応していくべきか、それを考えるキッカケをくれる著書でした。 -
Posted by ブクログ
精神科医の著者による、ビッグスリー(アルコール、カフェイン、タバコ)を中心とした身近な薬物を臨床的立場から考察している一冊。
薬物依存が広がる仕組みの解説から始まり、ストロング系チューハイの凄まじさを皮切りにアルコールについて、歴史は浅くとも浸透したカフェインについて、ODなどの社会的課題を抱える市販薬について、撲滅されつつあるタバコについて、良い薬物と悪い薬物について…が語られています。
それぞれの章が独立して光る内容ですが、当事者として語られているタバコについては更に重みが加わります。
読者が読み進めるとともになんとなく思い描いていた答え、薬物に良し悪しはなく使われ方次第であるという結論に導かれます。
薬物の合法か違法かは、医学的にではなく政治的に決定されるのです。 -
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依存症とはどんなきっかけで始まるのかということに興味があり、読みました。
それに加え、10代の娘が精神的に不安定になることがあるため、今の若い人の生きづらさや困難なこと、心の動きがわかるヒントになれば、と思いました。
正直、親の立場で読むと、自分は子供にとって良い親であるか、良い関係であるかどうか、悩み、落ち込んでしまいました。
例えば、子供がスマホばかり触って、ダラダラしていることにイライラして、頭ごなしに叱ってしまいます。本にあるように、自分が10代の頃はどうだったか?同じようにダラダラしていました。頭ごなしに叱っても、意味がないことはわかっているのですが…
親として、反省することばかり書いてありました。
つらいことや悩んでいることをひとりで抱え込まずに、話してもらえるような親になりたいです。
そして、この本にあるように、薬物などに手を出して逮捕された人のことを、たとえその後克服したとしても、ずっと偏見の目で見ていました。
そこも改めたいと思いましたし、さらに大人に向けて書かれた本も読んでみたいと思いました。 -
Posted by ブクログ
依存症というものは私にとって遠い存在で、当事者の人々がどんなことを考えたり思ったりしているのかの一端を知ることができて良かった。
「はじめに」で松本俊彦さんが「個人的には、人が健康に生きるためにはある程度の不健康が必要なのだ、と声高に叫びたいくらいです。」と書いているのが印象に残った。健康な方が絶対いいじゃん、として一蹴するには重たい気がして。また、人が薬物依存になるのは、快感ではなく苦痛の緩和の効果によるのでは、というのがとても腑に落ちた。それを踏まえて考えると、依存症の人を頭ごなしに叱りつけることなんかできないよなと思った。
「私がオークションの入札に夢中になっているあいだ、私は確実に孤独でした。孤独だからこそ、人生が変わるという幻想に取りつかれ、全宇宙が輝いていたのです。」
17回の横道誠さんのこの文章も、経験者ならではの臨場感があった。
その人がどんな風に生きてきたかを想像することは、人と関わる上で忘れてはいけない視点だなと改めて思った。 -
Posted by ブクログ
こちら、タイトルを見て「うん。やめられないよね」と思って気になって読んだ本です。酒もたばこも。
依存症に関しての一冊だったのですが、これが本当に興味深くて興味深くて。「はじめに」で松本俊彦先生が「あまりにも大胆な、横道さんの「心のパンツ」の脱ぎっぷりでした」と書かれていて、どういうこと?と読み進めて言ったら、もんのすげぇ大胆な「心のパンツ」の脱ぎっぷりでした。それほど横道誠さんは色々開示してくださっていて、そこから展開されていく依存症の話がとても面白かったのです。
また、二人共文章の雰囲気が違うのがとてもよくて、テンポよく読めました。
この二人の往復書簡「ヘイ!マコト」「ヘイ!トシ」から始まっていて、なんだか仲良しな二人のやり取りをそっと見せていただいているような気持ちになってニコニコしながら読み進められました。「ヘイ!」がAA等の挨拶から来ているのも分かりつつ、内容は深くて真面目なものなのですけど。
興味深かったのが、ラットの実験です。孤独なラットは麻薬入りのレバーを押し続ける。仲間と一緒のラットは仲間たちとじゃれたりするから、麻薬入りのレバーを押さないというもの。本当にこれだよな。と。孤独だから、どうにもならない苦しさがあるから薬物などに手を出してしまう。というのよく分かります。
松本俊彦先生は以前から存じ上げていたのですが、不勉強で横道誠さんは今回初めて知りました。本書で著書から引用したり、著書のタイトルを上げてくださったりしていて、あぁ、この方の本も読んでみたいなぁと思いました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ依存症に関する往復書簡。往復書簡というものに慣れてなくてどうも上滑りして読むのに苦労したのだけど(著者ではなく読み手の自分のせい)、とても面白かった。
依存症について、知っているようで全然知らなかったんだなということが多かった。例えば、違法薬物を使用したとして依存症になる人はその中の1割だとか、セックス依存症や買い物依存症は病気として正式な認定がされていないとか。とくに前者は、「薬やめますか?人間やめますか?」で薬物の恐ろしさを散々テレビ番組等で刷り込まれた人間としては驚き。酒だって飲んでる人全員がアルコール依存症になるわけじゃないでしょ、と言われてもやはり薬物は違うのでは?とこの本を読んだ今でも信じられない気持ち。
松本先生(トシ)の、専門医視点からの話はとても興味深かった。患者と家族両方の味方はできなくて、医者は常に患者の味方とか。
でもいちばん印象的だったのが、子どもの頃に同級生の女子にされたからかいに対するトラウマの話。なんか身につまされたというか身に覚えがあるというか。
それに対しての横道先生(マコト)のフェミニズムは被害者男性を救ってくれないという話もなるほどねぇと思って読んだ。まぁ救わないよね。(正直あまりそこに同情はしない薄情な女ではあるのだが)
あと、横道先生の話で自助グループの話とかAAとかの話を読みながら、前に読んだ石田月美さんの本に出てきた話と同じだなーと思ってたら石田月美さんの名前が出てきて笑ってしまった。みんな繋がっている。