松本俊彦のレビュー一覧
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リストカットやオーバードーズする子供たちが死にたいからやってるわけではなくて、それをやることによって心が楽になって生き延びるためにやってるって言う側面もあると言う新しい視点を学ぶことができた。そのようなことをしてる人に対してステレオタイプでやばい人だと思う事は良くないことだとわかった。
自傷行為を行っている子供、そうなってしまった背景が必ずあるはず。自分が親だとすればその背景の方を指してあげる必要がある。でもすぐに話してくれるわけではないので、まず大きな心で受け止めてあげる。自傷行為そのものが自分の心を守るためにやっているんだと言うことを必ず理解した上で接してあげる必要がある。通常の子育てに対しても通じる内容だと思うので、今後のためにしたいと思った。 -
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『オーバードーズ』『リストカット』…辛い気持ちを抑制する為にこういった行動に走る子どもへの寄り添い方が書かれている本です。昔のように『ダメ、ゼッタイ。』といういわゆる人に寄り添わない態度ではなく、『してもいいから相談もしてみよう』というソフトな対応をしていこうという著者の考えに感銘を受けました。市販薬の濫用やリストカット…突然見たら思わずギョッとしてしまうような行為ですが、それが短期的といえどその人の命を守っている保護因子であるということにも驚きです。
辛く苦しい事ではありますが、そういった人々を支えるには長期的に考えて計画を立てていかなければならないという現実をしっかりと書いた本となっています。
コロナ禍を機にどんどん増加している自殺者数に対して、我々大人が子どもたちへ(もちろん大人も)、どう対応していくべきか、それを考えるキッカケをくれる著書でした。 -
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精神科医の著者による、ビッグスリー(アルコール、カフェイン、タバコ)を中心とした身近な薬物を臨床的立場から考察している一冊。
薬物依存が広がる仕組みの解説から始まり、ストロング系チューハイの凄まじさを皮切りにアルコールについて、歴史は浅くとも浸透したカフェインについて、ODなどの社会的課題を抱える市販薬について、撲滅されつつあるタバコについて、良い薬物と悪い薬物について…が語られています。
それぞれの章が独立して光る内容ですが、当事者として語られているタバコについては更に重みが加わります。
読者が読み進めるとともになんとなく思い描いていた答え、薬物に良し悪しはなく使われ方次第であるという結論に導かれます。
薬物の合法か違法かは、医学的にではなく政治的に決定されるのです。 -
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依存症とはどんなきっかけで始まるのかということに興味があり、読みました。
それに加え、10代の娘が精神的に不安定になることがあるため、今の若い人の生きづらさや困難なこと、心の動きがわかるヒントになれば、と思いました。
正直、親の立場で読むと、自分は子供にとって良い親であるか、良い関係であるかどうか、悩み、落ち込んでしまいました。
例えば、子供がスマホばかり触って、ダラダラしていることにイライラして、頭ごなしに叱ってしまいます。本にあるように、自分が10代の頃はどうだったか?同じようにダラダラしていました。頭ごなしに叱っても、意味がないことはわかっているのですが…
親として、反省することばかり書いてありました。
つらいことや悩んでいることをひとりで抱え込まずに、話してもらえるような親になりたいです。
そして、この本にあるように、薬物などに手を出して逮捕された人のことを、たとえその後克服したとしても、ずっと偏見の目で見ていました。
そこも改めたいと思いましたし、さらに大人に向けて書かれた本も読んでみたいと思いました。 -
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依存症というものは私にとって遠い存在で、当事者の人々がどんなことを考えたり思ったりしているのかの一端を知ることができて良かった。
「はじめに」で松本俊彦さんが「個人的には、人が健康に生きるためにはある程度の不健康が必要なのだ、と声高に叫びたいくらいです。」と書いているのが印象に残った。健康な方が絶対いいじゃん、として一蹴するには重たい気がして。また、人が薬物依存になるのは、快感ではなく苦痛の緩和の効果によるのでは、というのがとても腑に落ちた。それを踏まえて考えると、依存症の人を頭ごなしに叱りつけることなんかできないよなと思った。
「私がオークションの入札に夢中になっているあいだ、私は確実に孤独でした。孤独だからこそ、人生が変わるという幻想に取りつかれ、全宇宙が輝いていたのです。」
17回の横道誠さんのこの文章も、経験者ならではの臨場感があった。
その人がどんな風に生きてきたかを想像することは、人と関わる上で忘れてはいけない視点だなと改めて思った。 -
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こちら、タイトルを見て「うん。やめられないよね」と思って気になって読んだ本です。酒もたばこも。
依存症に関しての一冊だったのですが、これが本当に興味深くて興味深くて。「はじめに」で松本俊彦先生が「あまりにも大胆な、横道さんの「心のパンツ」の脱ぎっぷりでした」と書かれていて、どういうこと?と読み進めて言ったら、もんのすげぇ大胆な「心のパンツ」の脱ぎっぷりでした。それほど横道誠さんは色々開示してくださっていて、そこから展開されていく依存症の話がとても面白かったのです。
また、二人共文章の雰囲気が違うのがとてもよくて、テンポよく読めました。
この二人の往復書簡「ヘイ!マコト」「ヘイ!トシ」から始まっていて、なんだか仲良しな二人のやり取りをそっと見せていただいているような気持ちになってニコニコしながら読み進められました。「ヘイ!」がAA等の挨拶から来ているのも分かりつつ、内容は深くて真面目なものなのですけど。
興味深かったのが、ラットの実験です。孤独なラットは麻薬入りのレバーを押し続ける。仲間と一緒のラットは仲間たちとじゃれたりするから、麻薬入りのレバーを押さないというもの。本当にこれだよな。と。孤独だから、どうにもならない苦しさがあるから薬物などに手を出してしまう。というのよく分かります。
松本俊彦先生は以前から存じ上げていたのですが、不勉強で横道誠さんは今回初めて知りました。本書で著書から引用したり、著書のタイトルを上げてくださったりしていて、あぁ、この方の本も読んでみたいなぁと思いました。 -
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ネタバレ依存症に関する往復書簡。往復書簡というものに慣れてなくてどうも上滑りして読むのに苦労したのだけど(著者ではなく読み手の自分のせい)、とても面白かった。
依存症について、知っているようで全然知らなかったんだなということが多かった。例えば、違法薬物を使用したとして依存症になる人はその中の1割だとか、セックス依存症や買い物依存症は病気として正式な認定がされていないとか。とくに前者は、「薬やめますか?人間やめますか?」で薬物の恐ろしさを散々テレビ番組等で刷り込まれた人間としては驚き。酒だって飲んでる人全員がアルコール依存症になるわけじゃないでしょ、と言われてもやはり薬物は違うのでは?とこの本を読んだ今でも信じられない気持ち。
松本先生(トシ)の、専門医視点からの話はとても興味深かった。患者と家族両方の味方はできなくて、医者は常に患者の味方とか。
でもいちばん印象的だったのが、子どもの頃に同級生の女子にされたからかいに対するトラウマの話。なんか身につまされたというか身に覚えがあるというか。
それに対しての横道先生(マコト)のフェミニズムは被害者男性を救ってくれないという話もなるほどねぇと思って読んだ。まぁ救わないよね。(正直あまりそこに同情はしない薄情な女ではあるのだが)
あと、横道先生の話で自助グループの話とかAAとかの話を読みながら、前に読んだ石田月美さんの本に出てきた話と同じだなーと思ってたら石田月美さんの名前が出てきて笑ってしまった。みんな繋がっている。 -
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精神科医・松本俊彦氏と文学研究者・横道誠氏の往復書簡形式による、依存症について語った本。
(特別対談として、田中紀子さんが巻末で対話形式参加しています)
御二方が「当事者目線」で語る内容は赤裸々で、編集さんたちから「大丈夫かな?」と心配されるほどだった様子……
往復書簡の形式をとったことで、
よくある対談形式とは違って、話が流れたり横道にそれて本筋がわかりにくくなる(あるあるですよね?)ことが抑えられていて読みやすく感じました。
本書が訴えていることを私なりに解釈すると、
・依存事態が悪いというよりも、依存の背景を知ることが大事(自己治療的な依存が大半)
・誰もが、なにかに依存していて、それは「依存症」となっていないだけ(程度問題)
・無意識のうちに自分を生かすために適切(?)な対処法を取っていることがある
ということなのかな、と思います。
特にラッパーと大麻のくだりは「そうなのか!」と目から鱗でしたし、そこから転じて(ここは私が勝手に考えたことですが)コーヒーをがぶ飲みしていたり、音楽ガンガンの中で作業している、常に何かをクルクル回している、といったようなことは、突き詰めていくと脳の特性を生かした対処方法なのかなと感じました。
途中で差し挟まれた「靴を踏む」のくだりには、衝撃的なフェミニズムの非対称性を見ましたし(私は女性でフェミニズムの本は沢山読んでいますが、あの方がそんな人だとは思わずビックリしました……)、横道氏の「女性が怖い」という気持ちの文脈を追うことで、「これって女性が男性に抱いているものと、本質的に同じことだよな」「でもそのことは社会的にはないことにされている。これって歪だよな」と素直に思いました。
依存症は本人だけの問題だと社会側は思っているし、当事者たちにそれを突きつけてくるのですが、本当のところは、社会の側が歪だから依存症になってしまう人たち(敢えて言語化するなら"被害者"である人たち)が出てきてしまうんですね。
家族観の価値観共有もそうだし、過去のトラウマ、脳の特性、社会から求められるジェンダーロール、生きてきた時代、など様々な要因がそこら中に転がっていて、「他人事」では済まされない現状を見たと感じました。
市販薬の乱用が社会問題としてニュースになったりもしましたが、御二方の話を聞いている限りでは、日本は状況を好転させる対策はできていないんだな、と……。
どうにかならないものかな、と「ああでもない、こうでもない」と考えを巡らせた一冊でした。 -
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精神科医の松本先生の優しい視線と治療に向かう姿勢。先生自身のコレまでの経験から固まってきた医師としての心意気に胸打たれました。
困った人は、困っている人。
薬を出し話を聞くだけの治療ではなく、その人の人生に寄り添う治療の大切さ。
精神科医が処方する薬によって依存症患者が増える、、という事実にもきちんと向き合い、ご自分の仕事でも薬を減らすようにしている経緯。詳しく、読者にも納得できる書き方でした。
私も子供にたくさん薬をお願いする時がある。精神科ではないけれど、気をつけなくてはと思った。
日本での依存症患者さんへの偏見はひどすぎるな。
知らん奴がガタガタ言うて、心に傷を負って薬物に頼るしかなかった人たちをさらに追い詰めている現実。
勉強になりました。