松本俊彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
依存症には、タバコ、アルコール、薬物、ギャンブル、スマホ等、いろんなものがあるが、本書は14歳の読者向けに書かれたものだけに、その年代に最近流行し且つリスクの高い薬物依存に関してフォーカスし、原因や対応方法等を解説する。
依存症が専門の精神科医であるご自身の経験をベースにし書かれているだけに、説得力があり、また子どもに対する眼差しも優しい。
子どもは吸収力が豊富だが、多感で傷つき易く、トラウマとなって成人に近づく頃から症状に現れることがある。
そう言う意味では、子育ては慎重であるべきだし親御さんにとっては責任が大きいと感じた。
依存症はれっきとした病気。ホルモン(報酬系を司るドーパミン)の -
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Posted by ブクログ
自身の興味のある領域とも似通う部分がありなかなか教訓となる内容だった。医者はともかく精神科医ならば読んでおいて損はない。
個人的に、依存症も過食摂食障害も反社会的行動も手段は違えど全て愛情の飢餓を代償しているに過ぎないと思っている。
しかし、その大元を辿ることを大半の医者は放棄せざるを得ないのが今の医療の現実であるとともに、患者もまた辿られることに恐怖を覚えている。
そのジレンマとどう向き合っていくかが精神科医の勘案すべき所なのかもしれない。
✏一般に若さとは心の可塑性の高さを意味し、精神科治療においてプラスに働くことが多いが、依存症治療にかぎっていえば必ずしもそうとはかぎらない。むしろ若 -
Posted by ブクログ
薬物は善か悪かでなく、依存してしまう人の背景を炙り出すのが大事という事。
これは薬物に限ったことでなく、世にある出来事は氷山の一角で水面下には、そこに至る多くの事象があるのだ。ある一面を捉えて判断するのは表面的な解決に過ぎない。根本を見つめるのが重要だ。
そう考えると植え付けられた薬物依存症の方への見方も変わる。そしていかにゾンビの印象を植え付けられてきたかも感じた。負の印象操作に繋がることをする側も気を付けないといけない。正しいと思っている分、ややこしい。
お酒に対してはネガティブな主張であったが、こちらも使い方次第。お酒は、おいしいご飯を更に美味しくさせるし、楽しい時間を更に楽しくしてく -
Posted by ブクログ
自傷に関する本をたくさん書かれているそうで、この本は当事者に向けた初めての本。
自傷する人は10代の10%いるということに驚いた。そう言われてみると、自分も小学生〜中学生の頃にどうにもならない苦しみ・怒りを自分にぶつけたことを思い出した。
自傷と言っても刃物で手を切るだけが自傷ではなく、壁を殴ったり、頭をぶつけたりなど、自分の身体が傷つく行為はそれにあたると聞いて、自傷という言葉がさす範囲が広がった。
私自身は刃物はないけれど、腕に爪を立てたり、捻ったりしたことがあり、その時の感情が本書に書かれていた通り、とてつもない心の苦しみを紛らわす効果があったような気がした。
よく「リストカットする人