松本俊彦のレビュー一覧

  • 誰がために医師はいる――クスリとヒトの現代論

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    依存症(特に覚せい剤依存)治療への尽力を続けている、松本俊彦先生が、その考えやその考えに至る経緯を綴った本。

    なぜ精神科医が薬をたくさん処方してしまうのか。古来の精神医学の中心疾患であった統合失調症への対処の基本が薬物療法であるところに端を発し、患者の薬効を求める思いと、医師の面倒を回避したいという思いが一致してしまう構造が明らかにされていた。

    医療観察の入院施設では、多職種チームによる手厚い医療体制のため、薬の種類・量とも少ない「美しい処方」がなされていると、たぶんほめてあった。

    あまり幻聴の内容を聞かないほうがいい、自殺念慮を聞かないほうがいいという「神話」は本当なのか(ドリフ式診療

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    2022年04月29日
  • 自分を傷つけてしまう人のためのレスキューガイド

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    自傷について解りやすくまとめられています。語り口もやさしいのでとても読みやすいし安心します。当事者はもちろんですが、お子さんが当事者もしくは周りに当事者がいる方にとくにオススメです。また、そういった行為をされる方の心理を知りたいと思う方の導入本としても良いと思いました。
    当事者本人には、松本さんの書かれている「自分を傷つけずにはいられない」がとてもオススメです。

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    2022年04月03日
  • ギャンブル障害回復トレーニングプログラム(SAT-G)活用ガイドブック

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    全国の精神保健福祉センターで活用されているギャンブル依存症のプログラムの書籍版が出た。個別でも集団でも行われ使いやすく効果もある。プログラムの解説やできた経緯についても丁寧に解説されている。本書を購入すれば、資料が使えるのと使い方のロールプレイの動画も見れる。現在エビデンスのある久里浜の「標準的治療プログラム」にも活用されているもので、治療選択肢が増えるのはありがたい。

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    2022年03月31日
  • 自分を傷つけずにはいられない 自傷から回復するためのヒント

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    とても良かったです。
    文体は優しく語られていて、文章はとても読みやすくわかりやすいです。当事者にもその周りの方にも、また自傷行為など依存的な心理学(表現があってるかわかりませんが)を知りたい人にも良いと思いました。
    本当に患者さんのことを考えて寄り添っているのがとても伝わります。

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    2022年03月28日
  • 世界一やさしい依存症入門 やめられないのは誰かのせい?

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    『誰がために医師はいる』を読んでから読んだ。
    主旨は『誰がために』と同じであるが、こちらは中高生向きなので、薬物依存よりゲームやリストカット、カフェイン依存や摂食障害が中心に書かれている。
    また文章も構成も中高生にわかりやすいように書かれている。

    リアルなエピソードとともに、患者である若者がどのように回復したかもきちんと書いてあるので、読んでいて希望が持てる。
    親は子どもが依存症になると、心配のあまりゲーム機やスマホを取り上げたり、嘆き悲しんだり、「二度とリストカットしない」と約束させたりして監視する。しかし、それがいい結果を招くことはない、ということがこれを読むとよくわかる。悩んでいる親に

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    2022年04月23日
  • 世界一やさしい依存症入門 やめられないのは誰かのせい?

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    14歳に向けて書かれたものだけど、いろんな年代のたくさんの人に読んでみてほしい本だな、と。
    薬物やゲームやリスカ…いろいろなものへの依存症があるけれど、そこに陥るそもそもの原因はなんなのか。それは本当に自己責任なのか。晒し者にしたり、責め立てたりすることで解決するのか。
    依存症について考えることで、ひとが人の群れの中で生きるにあたっての、あらまほしき姿とはどんなものなのか?ということも一緒に考えることになる、本当に「やさしい」本だった。
    しんどい時に、しんどいって話せる人、私は何人いるだろう。しんどいって打ち明けられるような人に、私はなれているかな

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    2022年03月20日
  • 世界一やさしい依存症入門 やめられないのは誰かのせい?

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    「こころ」関連の本は色々読みましたが、YA(Ts?)ジャンルでは今のところ一番良い本だなぁと思いました。著者が読者や依存症に対して寄り添ってくれるような筆致にほっとした気持ちになりました。本を読む事が苦手な人でも読みやすいと感ました。

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    2022年02月28日
  • 本当の依存症の話をしよう ラットパークと薬物戦争

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    ①スチュアート・マクミランの薬物依存啓発マンガ2作品と、依存症を専門とする精神科医 ②松本俊彦・③小原圭司による解説をまとめた、啓発的なモノグラフである。
    ①ではラットを用いた薬物依存モデル「ラットパーク」実験により依存症の経過がコミュニティによる影響を大きく受ける可能性があること、また法的な薬物規制がかえって依存症を増やしてしまう危険性について描かれている。
    ②は①をうけた解説であり、依存症の本当の問題は薬物の依存性ではなく、コミュニティとのつながりの欠如や孤立が本当の原因であり、また薬物や依存症患者を懲罰的に規制する制度はむしろ依存症を増やすことになり、世界的には「排除から包摂へ」というア

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    2022年01月02日
  • アルコールとうつ・自殺 「死のトライアングル」を防ぐために

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    うすうす感じていた人間の身体と依存の関係。この3つが「死のトライアングル」という科学的な分析と説明に身近な方々の顔浮かび愕然とする。知人と話していて寄贈された本。原因も結果も対策も「孤独」を抜きに考えられないとは。コロナ禍で挫折と孤独に陥らざるを得ない状況が悲しくて恐ろしい。

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    2021年12月31日
  • 依存症がわかる本 防ぐ、回復を促すためにできること

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    ざざっと目を通しただけでしたが、イラストや図表を豊富に載せて、言葉づかいも平易で、とても手に取りやすく分かりやすくまとめられていました。

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    2021年09月04日
  • 自傷・自殺する子どもたち

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    大人の対応をどうしたらいいのか書いてくれていて、とても良かった。援助希求力を伸ばせる心理士になりたいな。その前に私が援助希求できるようにならないとだし、クライエントの利益のためにも支援者が色々な人や機関と繋がってることが必要なんだなぁ

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    2021年08月28日
  • だらしない夫じゃなくて依存症でした

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    依存症の目線 家族の目線

    友達や同僚の目線

    さらには巻末には 作者自身の

    依存の経験まで載っています



    改めて 依存症を書いたものを読んで

    確かに依存する人間には

    自分に空いた穴を埋めるために

    依存症になっていたという確信
    それを支えたいと思った家族の

    心の穴を 依存症の家族が開けてしまう

    という 非常に厳しい真実に気が付きます

    芋づる式に 苦しみを広げてしまう

    恐ろしいです

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    2021年08月24日
  • 自分を傷つけずにはいられない 自傷から回復するためのヒント

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    自傷を行う人へ書かれた本。
    自傷を受け止め、そこに現れる心の動きを説明し、解決策を提示する。

    中高生の約1割は自傷をしたことがある
    自傷の理由の6割は「不快感情をやわらげるため」
    孤独な対処策
    孤立している
    他人を信じられず、助けを求められない
    自分に自信がなく、助けを求められない
    つらい記憶も切り離している
    →そのため、何がつらくて切ったのか、本人にもわからないことがある
    自傷する人は、言葉で自分の気持ちを表現するのが苦手なことが多い

    コントロール成功体験

    自分を傷つける関係性
    - 否定される関係性
    - 支配される関係性
    - 本当のことをいえない関係性

    ちょっと失敗したくらいで自分を

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    2021年07月31日
  • 自分を傷つけずにはいられない 自傷から回復するためのヒント

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    当事者(自傷)ではないのですが、生きることが苦しい人々に向ける、松本先生のメッセージに共感しています。
    装丁が優しくきれいで、それだけでもほっとします。
    読むのは2回目だったのですが、今回は生きるつらさ、困難さを松本先生にとてもわかってもらえている、それが文章から感じられて、それだけで安心しました。

    参考になったのは、様々な生い立ち、生きづらさを抱えている人達にとって、行うことについて全てが、自傷傾向になりやすいところがあるといった内容です。 私なりの理解なのですが、健康のためのウォーキングも、早起きも、節約も、何だか実際の自傷ではないけれど、それに似た様相になってしまう。自分を害する、傷つ

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    2020年12月20日
  • だらしない夫じゃなくて依存症でした

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    泣ける。
    失踪日記以来、久々の傑作依存症啓発本。
    これを採用した厚労省の英断にも星1つ差し上げたい。

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    2020年10月23日
  • だらしない夫じゃなくて依存症でした

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    いい本だった。最後はグッと来てしまいました。漫画としてはコマ割りが少し細かいかなと思いましたが、患者さん本人にもご家族にも勧めようと思える内容。ということで3冊買っておきました。

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    2020年09月01日
  • 自分を傷つけてしまう人のためのレスキューガイド

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    自傷を行なう患者さんに読んでもらっています。やはり医療者は患者さんに届く言葉を使う必要があり、そのためには患者さん用の本(良質なもの)を読むことも大事。どう分かりやすく伝えるか、を鍛えましょう。

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    2020年08月26日
  • だらしない夫じゃなくて依存症でした

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    当事者、家族それぞれの心情がよくわかった。依存症は本人の気持ちの問題だと思われがちだが、そうではなく脳の病気であるということが繰り返し説明されている。支援する側の対応もスマートでよかった。

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    2020年05月29日
  • 自分を傷つけずにはいられない 自傷から回復するためのヒント

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    ロジックが明快。絶対に当事者を責めない・裁かない暖かな文章も特徴的。困っている当事者にも安心して勧められる良書。

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    2020年04月02日
  • だらしない夫じゃなくて依存症でした

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    依存症当事者と家族の心情を軸に、どう対処したら良いかが示されてるいる。

    圧巻の全編フルカラーだが優しい色合いでくどくなく読みやすい。

    制作秘話が思わぬところに隠してあったりと遊び心もある。

    巻末の依存症相談窓口一覧や参考文献は貴重な資料だ、困っている人には大いに力になるだろう。

    何度読んでも涙があふれてくる。背景の細かいところまで工夫して描き込んであるので繰り返し読んでも飽きない。

    これはオススメの良書である。

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    2020年03月04日