松本俊彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ依存症当事者の精神科医著。
自身の体験も絡めつつ、依存症を取り巻く治療の変遷、政策と問題点、依存症に対する社会的な価値観とそれらがどう作られてきたのかまで深く掘り下げて書かれていてとても面白かった。
↓特に好きだった所
「依存症供給産業」が安全だと信じこませるために、その悪影響への疑いを持たせる。悪影響がある人と無い人がいて、薬物の影響ではなく個人の責任とした。p.35
依存症者は病人であり、法が「病気を犯罪とし、病人が病気であるからと罰せられることを許す」とした。それは「残虐な行為」である。p225.1
私自身が回復し始めたころ、特に問題はなかったが、それ以上ではなかった。p309.23 -
Posted by ブクログ
依存症という言葉に引っ掛かりがあるなら、まず手に取るべき書籍。
動機としては自分自身依存していると自覚のある行為をやめたいモチベーションがあって、依存症について調べたかったのがきっかけ。
結局依存は治療するものではなく、いかに上手に人生のパートナーとして付き合っていくかということに尽きるなと思った。
一つの答えとして「別のものに依存する」こと。語弊があるかもしれないが、シンプルに言うとそういうことだと思った。
社会生活を営むのに支障が出るような依存には、医療の力を借りながら周囲の人間がチームで向き合っていくしかない。ゆえに孤独は一つ大きな障害になるのだなと思った。 -
Posted by ブクログ
薬物依存症患者の治療を専門とする精神科医である松本氏による著書。
薬物依存症の真の姿を知る意味でも、また、人間としての医者を知る意味でも、とてもよい本だと思います。
覚せい剤や大麻よりも、アルコールの方が薬物として悪質、というのは、みんなが知っておくべきことだと思いました。
この本にもある「世界最古にして最悪の薬物」という表現は、そのことを浸透させる意味で、とてもよい表現だと思います。
「困った人」は「困っている人」とか、「人間は薬を使う動物」とか、「ダメ。ゼッタイ。」では絶対ダメとか、示唆に富む言葉も多く、とても勉強になりました。
「薬物依存」は、なかなか重いテーマだと思うのですが、そう -
Posted by ブクログ
非常にためになる内容だった。
今後の勉強にぜひ活かしたい。
✏「自傷は他者に対するアピール的意図から行われる」といったことを支持するエビデンスなどどこにもない。
エビデンスが明らかにしているのは「自傷の96%は、ひとりぼっちの状況で行われ、しかも、そのことを誰にも報告しない」ということである。
✏自傷は、わが国の10代の若者のおよそ1割に見られる、ありふれた現象であるが、周囲の大人はそのことに気づいていない。
✏自殺とは「苦痛しか存在しない世界からの脱出」であり、自傷とは「苦痛に満ちた世界に耐え忍ぶこと」である。
その意味では、自殺を考える者の脳裏にはもはや絶望しかない一方で、自傷を考え -
Posted by ブクログ
依存症について学びたいと思いこの本を読みました。
読み始めてから、思春期の世代(14歳)に向けた本であることに気づきました。
そのため、その世代に語りかけるような、わかりやすい言葉を選んでいるため読みやすいです。
どんどん量が増えていく、やめようとすると禁断症状が出るといった依存症の怖さや、ドーパミンの仕様についてはすでに知識がありました。
しかし、依存症がどうして起きるかの根っこの部分である「孤独」「悲しみや怒りを抱えながらもどうしようもできない状況」「今の自分を否定する気持ち」といった部分が依存症を引き起こすということはこの本で知りました。
そこに関連した楽園ネズミと植民地ネズミの実験 -
Posted by ブクログ
ゲーム依存だなって思って買ったこの本。
自分のゲーム依存に対してもそうだけど、それ以上に自分以外の依存症に対する人への目線が変わった。
依存症になる人って、心が弱い人なのかなってそう思ったけどそうじゃないんだって分かった。そりゃあそうか。
「困った子は困っている子」本書に書かれていた言葉ですごく好きな言葉。
何かに依存しないとやっていけないくらい、現実が苦しい。それは孤立してしまっている現状なんだと。自分のことを誰も分かってくれなくて、誰も理解してくれないことからくる孤独感が、依存へと繋がっているんだと知った。
僕は僕で、ゲームをやり過ぎてしまうことを重く受け止めすぎるのではなく、気軽に -
購入済み
国立精研の松本俊彦先生が監修!
これはすごい!
保健所の精神保健に関する漫画は、今まで無かったと思います。
保健所の同じような部署にいる身としては、かなりリアルだと思います。
なんと、あの国立精神神経医療研究センターの松本俊彦先生が監修しています。
個人的にも、出てくるキャラの対応方法も、勉強になるな〜と見ております。