松本俊彦のレビュー一覧
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ネタバレ思えばあの学生時代の勉強会と言い、私はかなり初期から依存症について近い場にいたと自負している。とはいえ、遠ざかってかなり経つというか、この本を読んで驚くことがたくさんあった。そりゃ何十年も経っているんだもの。変わるとこもあるよなぁ。特に『ハームリダクション』について。昔は断酒しかない、と学んだけど、量を減らして生き延びるという方法があるとは。そして依存症になるには育った家庭環境だったり、発達障害による生き辛さがあったり、自殺せずに済むために何かに依存して何とか生き延びているということ。やっぱこういう系の本も読んでいたいものだ。
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Posted by ブクログ
依存症の項目がいくつかあったんですが、まあ数としてはやや足りませんが、依存症の本質という点においてば充分に読む価値があります。
私はリスカ組じゃなくて買い物依存なんですが、こうして読んでみるとリスカ組に近いメンタリティですね。
誰にも依存することが出来ずに生き残るために1人で戦ってきた人間、それが依存症患者の正体です。
ことに、自傷癖については自傷ノートをつけろという、なかなか有効そうなアイデアが書かれていて、実際効果はあったようです。
それは病院に行ければラッキーでしょうが、この種の苦しみの根本は、金を払えば治る,などという簡単なものではないです。
本質を知ることで、「あなたはこの世にあなた -
Posted by ブクログ
高橋源一郎が「飛ぶ教室」で紹介していたのが、面白そうだったので読んでみたのだが、大当たり!
横道誠さんの壮絶な人生と、アディクションの数々。
なんて困難な人生を生き延びている人なの!ということにまず衝撃を受ける。すごい衝撃。
発達障害(自閉スペクトラム症と注意欠陥多動症などなど)と宗教2世、それに伴う心的外傷後ストレス障害、アルコール依存症などなど。(まだ他にも)
書きっぷりが堂に入っており、魅力的で引き込まれる。
とにかく、横道さんの自己開示が凄すぎて、それがまずこの本の魅力。横道さんの人生が全て投げ込まれているのが本気度高くて面白い。
横道さんと真っ向から勝負しなければならない松本さん -
Posted by ブクログ
依存性に至るまでに、その人それぞれにとって様々な背景がある事。
凄惨な虐待、いじめ、性被害、本人とってトラウマとなるような深刻な体験。
または生まれながらの発達障害による生きづらさ、それに伴う二次障害。
各々が複雑に絡み合いながら死にたい、消えてしまいたいという辛い気持ちを、それでもなお孤独にも自分自身で何とかしよう、問題に対処しなければという健気とも言える生きる為の行動が依存性と言えるのでは?と感じた。
依存性の解決には依存対象を取り上げる事ではダメなこと。
どうすれば孤独に対処し続けてきた当事者を孤立させずに支援していけるのか…。
支援者、家族の在り方を何度も考えさせれる作品だっ -
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なぜ精神科医の書くエッセイはこんなに面白いのか。
『刑務所の精神科医』しかり当たりしかない。その考えに共鳴でき知識を学べるだけでなく、読み物として抜群に面白い。
筆者は薬物依存の専門家。
まず冒頭のシンナー氾濫の中学時代の述懐から引き込まれる。
他の精神疾患と違って薬物治療ができない依存症治療の難しさや、筆者がそれに引き込まれていく過程がつぶさに描かれ、とても興味深い。
その中で筆者がたどり着いたのが、薬物依存に陥る人は必ず何か別の生きづらさを抱えていて、それを見つけて耳を傾けないと、治療はできないという結論だった。
自助グループで出会った「神様、私にお与えください/変えられないものを受け入 -
Posted by ブクログ
本書の元となった往復書簡はweb連載時から“当事者、当事者家族、支援者、専門家を騒然とさせた”という。さもありなん!実を申せば、現時点で私自身が深刻な“やめられないとまらない”に悩んでいるわけではないが、それでも他人事とは思えなかったし、よくぞここまで言語化してくださったなと、おふたりそれぞれの“パンツの脱ぎっぷり”には驚かされっぱなしだった。そうか‥もしもの時は(いきなりパンツを脱がなくても)着膨れて動きにくくなってないか?わが身を振り返ってみることも必要なのかもしれない。
本書が編集者Fさんの願いどおり‥いや、それ以上に依存症当事者やその家族の武器となると信じています!
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Posted by ブクログ
依存症、嗜癖障害の正しい知識を啓蒙、発信してきた医師による半生記。
こんな面白い人だったとは。精神科医ってやはり内科や外科の王道の医師とはなんか違う。はぐれものとでもいうか。
以下、印象に残ったフレーズなど。
・困った人は困っている人。
・「ダメ.ゼッタイ。」が依存症者を孤立させ、回復から遠ざけている。
・厳罰化は問題を悪化させる。
・人間は薬物を使う動物。
・生き延びるための不健康。苦痛から逃れるために薬物を使う。
・覚醒剤よりもアルコールの方が心身へのダメージが大きい。一方は非合法だから使うだけで捕まる。酒で酔って迷惑をかけても、飲むのは合法だから捕まらない。
・カフェイン使用について。よ -