松本俊彦のレビュー一覧

  • 酒をやめられない文学研究者とタバコをやめられない精神科医が本気で語り明かした依存症の話

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    ネタバレ

    思えばあの学生時代の勉強会と言い、私はかなり初期から依存症について近い場にいたと自負している。とはいえ、遠ざかってかなり経つというか、この本を読んで驚くことがたくさんあった。そりゃ何十年も経っているんだもの。変わるとこもあるよなぁ。特に『ハームリダクション』について。昔は断酒しかない、と学んだけど、量を減らして生き延びるという方法があるとは。そして依存症になるには育った家庭環境だったり、発達障害による生き辛さがあったり、自殺せずに済むために何かに依存して何とか生き延びているということ。やっぱこういう系の本も読んでいたいものだ。

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    2025年04月06日
  • 世界一やさしい依存症入門 やめられないのは誰かのせい?

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    依存症の項目がいくつかあったんですが、まあ数としてはやや足りませんが、依存症の本質という点においてば充分に読む価値があります。
    私はリスカ組じゃなくて買い物依存なんですが、こうして読んでみるとリスカ組に近いメンタリティですね。
    誰にも依存することが出来ずに生き残るために1人で戦ってきた人間、それが依存症患者の正体です。
    ことに、自傷癖については自傷ノートをつけろという、なかなか有効そうなアイデアが書かれていて、実際効果はあったようです。
    それは病院に行ければラッキーでしょうが、この種の苦しみの根本は、金を払えば治る,などという簡単なものではないです。
    本質を知ることで、「あなたはこの世にあなた

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    2025年04月02日
  • 誰がために医師はいる――クスリとヒトの現代論

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    覚悟を持って書かれた文章だと感じた。
    薬物よりアルコールに依存する方が身体へのダメージが大きいのに、なぜお酒は合法なのか。薬物を使ったことを罰するより、使わざるを得ないほど追い込まれているその人を、どうやって支援していくかを考えるべきではないのか。

    今の法律が絶対ではない。場所が変われば正義も変わる。あるいは、大勢にとって都合の悪いものが法律違反とされる場合もある。たくさんの気づきを与えてくれる文章だった。

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    2025年03月13日
  • 酒をやめられない文学研究者とタバコをやめられない精神科医が本気で語り明かした依存症の話

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    高橋源一郎が「飛ぶ教室」で紹介していたのが、面白そうだったので読んでみたのだが、大当たり!

    横道誠さんの壮絶な人生と、アディクションの数々。
    なんて困難な人生を生き延びている人なの!ということにまず衝撃を受ける。すごい衝撃。
    発達障害(自閉スペクトラム症と注意欠陥多動症などなど)と宗教2世、それに伴う心的外傷後ストレス障害、アルコール依存症などなど。(まだ他にも)
    書きっぷりが堂に入っており、魅力的で引き込まれる。

    とにかく、横道さんの自己開示が凄すぎて、それがまずこの本の魅力。横道さんの人生が全て投げ込まれているのが本気度高くて面白い。
    横道さんと真っ向から勝負しなければならない松本さん

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    2025年03月11日
  • 酒をやめられない文学研究者とタバコをやめられない精神科医が本気で語り明かした依存症の話

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    依存症にまつわる話。
    具体的で新たな学びが多くて、おもしろくてスラスラ読めた。
    結構専門的な事象やケア方法にも触れてるけど、往復書簡の形を取ってるから、読みやすかった。

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    2025年03月06日
  • 誰がために医師はいる――クスリとヒトの現代論

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    昔、アルコール依存症の患者に対してひどい対応をしてしまった自分をいつまでも悔いています。その反省からアディクションの本を読んだりしながら、この方に辿り着きました。ここに書かれた依存症の方たちはもしかしたら自分だったかもしれない。そんな思いが自分の中にいつも流れています。心が弱いとか、犯罪者だとか、そういうことじゃなくて、本当にみんなただ何気ない話を誰かとしたいだけなんですよね。綺麗ごとじゃないです、みんな一緒に頑張ろう。

    「誰も人を変えることはできない、変えられるのは自分だけなのである・・・。」

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    2025年03月01日
  • 酒をやめられない文学研究者とタバコをやめられない精神科医が本気で語り明かした依存症の話

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    依存性に至るまでに、その人それぞれにとって様々な背景がある事。

    凄惨な虐待、いじめ、性被害、本人とってトラウマとなるような深刻な体験。
    または生まれながらの発達障害による生きづらさ、それに伴う二次障害。

    各々が複雑に絡み合いながら死にたい、消えてしまいたいという辛い気持ちを、それでもなお孤独にも自分自身で何とかしよう、問題に対処しなければという健気とも言える生きる為の行動が依存性と言えるのでは?と感じた。


    依存性の解決には依存対象を取り上げる事ではダメなこと。
    どうすれば孤独に対処し続けてきた当事者を孤立させずに支援していけるのか…。

    支援者、家族の在り方を何度も考えさせれる作品だっ

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    2025年02月08日
  • 専門家と回復者に聞く 学校で教えてくれない本当の依存症

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    一応は若い人向け なんだろうけれど、本質的なところは歳を取ってても変わらないのだなあと思う。未だにダメ絶対 をやってるっていうのはちょっとびっくりした。この30年で生きづらさが共通認識になったなあとつくづく思った。

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    2025年02月05日
  • 酒をやめられない文学研究者とタバコをやめられない精神科医が本気で語り明かした依存症の話

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    面白い!かつ、中身が深い。
    自分には関係ないと思いがちな
    依存症や「正常と異常の間」が
    違う見え方をする

    困った人は
    困っているから
    救いを求めて依存症になるという
    指摘はなるほど、と思った。

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    2025年02月01日
  • 世界一やさしい依存症入門 やめられないのは誰かのせい?

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    依存症になる多くの人が人間関係の歪みを経験している。そして、ひとたび依存症となれば、周囲から差別や偏見を受け、ますます孤立を深めやすい。

    筆者は社会のあり方について提案している。何に依存しているかということよりも、根本的な生きづらさに着目すること。世の中から依存はなくならないものとして、心の痛みに寄り添い、依存からの回復を迎え入れること。

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    2025年01月14日
  • 酒をやめられない文学研究者とタバコをやめられない精神科医が本気で語り明かした依存症の話

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    依存性の奥にあるもの。生きづらさにつながる傷を意識したい。ゆるくつながる事。ゆっくりと安全な方へ変化していくこと。

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    2025年01月07日
  • 誰がために医師はいる――クスリとヒトの現代論

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    著者の経験を元に書かれているからか内容がとても頭に入ってきやすい。難しい題材にもかかわらず、とても読みやすい本であった。
    依存症の原因、個人の背景にアプローチし、解決を目指す。その方法があたりまえであるとなる社会に遅くとも10年以内にはなってほしい。

    アディクションの反対はしらふではなく、コネクション。

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    2024年12月01日
  • 誰がために医師はいる――クスリとヒトの現代論

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    なぜ精神科医の書くエッセイはこんなに面白いのか。
    『刑務所の精神科医』しかり当たりしかない。その考えに共鳴でき知識を学べるだけでなく、読み物として抜群に面白い。

    筆者は薬物依存の専門家。
    まず冒頭のシンナー氾濫の中学時代の述懐から引き込まれる。
    他の精神疾患と違って薬物治療ができない依存症治療の難しさや、筆者がそれに引き込まれていく過程がつぶさに描かれ、とても興味深い。
    その中で筆者がたどり着いたのが、薬物依存に陥る人は必ず何か別の生きづらさを抱えていて、それを見つけて耳を傾けないと、治療はできないという結論だった。
    自助グループで出会った「神様、私にお与えください/変えられないものを受け入

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    2024年11月17日
  • 酒をやめられない文学研究者とタバコをやめられない精神科医が本気で語り明かした依存症の話

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    本書の元となった往復書簡はweb連載時から“当事者、当事者家族、支援者、専門家を騒然とさせた”という。さもありなん!実を申せば、現時点で私自身が深刻な“やめられないとまらない”に悩んでいるわけではないが、それでも他人事とは思えなかったし、よくぞここまで言語化してくださったなと、おふたりそれぞれの“パンツの脱ぎっぷり”には驚かされっぱなしだった。そうか‥もしもの時は(いきなりパンツを脱がなくても)着膨れて動きにくくなってないか?わが身を振り返ってみることも必要なのかもしれない。
    本書が編集者Fさんの願いどおり‥いや、それ以上に依存症当事者やその家族の武器となると信じています!

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    2024年11月13日
  • 酒をやめられない文学研究者とタバコをやめられない精神科医が本気で語り明かした依存症の話

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    本書の元になる連載から多少は読んでいたが、まとまって1冊の本になって読むと、さらに二人の対談が生き生きとドライブ感を持って読めた。依存症対応の専門家ではない人にも一読してもらいたい。当然、依存症対応の専門家の人にも。当事者の生の声であったり、自助グループについても本当に意味での実際がわかるし。悪と言われている共依存のについての意見など、痒い所に手が届く話が多かった。

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    2024年11月04日
  • 死にたいと言ってください ―保健所こころの支援係― : 1

    購入済み

    対人援助の困難さ

    あまりスポットが当たりづらい業界ですが、本当に重要で、そしてかなり困難な仕事です
    ただ、だからと言ってこの作品は過度に悲劇的な描き方もされていないし、描かれるドラマはかなり現実的なものばかり
    彼らの仕事の難しさや、被支援者の生きづらさが伝わりやすく描かれている良作だと思います

    #タメになる

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    2024年08月31日
  • 誰がために医師はいる――クスリとヒトの現代論

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    依存症、嗜癖障害の正しい知識を啓蒙、発信してきた医師による半生記。
    こんな面白い人だったとは。精神科医ってやはり内科や外科の王道の医師とはなんか違う。はぐれものとでもいうか。
    以下、印象に残ったフレーズなど。
    ・困った人は困っている人。
    ・「ダメ.ゼッタイ。」が依存症者を孤立させ、回復から遠ざけている。
    ・厳罰化は問題を悪化させる。
    ・人間は薬物を使う動物。
    ・生き延びるための不健康。苦痛から逃れるために薬物を使う。
    ・覚醒剤よりもアルコールの方が心身へのダメージが大きい。一方は非合法だから使うだけで捕まる。酒で酔って迷惑をかけても、飲むのは合法だから捕まらない。
    ・カフェイン使用について。よ

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    2024年08月30日
  • 自分を傷つけてしまう人のためのレスキューガイド

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    わかりやすく図も豊富でよかった。
    また良い医師の判断の仕方も書いてあってありがたかった。

    自傷をしてしまう人を傷つけない、言葉を選び寄り添われた記載で、少し許されたような気持ちになった。
    私は身体への自傷行為はないが、セルフネグレクトなどをやってしまいがちである。だがそういったことにも応用を効かせることができそうな内容であった。

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    2024年08月16日
  • 自分を傷つけずにはいられない 自傷から回復するためのヒント

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    良本。自傷する人、サポートする人向けの本。専門用語も、少なくわかりやすい内容。
    周りの声掛けも大切。

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    2024年08月14日
  • 依存症と人類――われわれはアルコール・薬物と共存できるのか

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    著者自身のアルコール中毒からの回復と依存症における歴史的推移を平行で進めていく手法。

    薬物は悪いものだから単純に禁止すれば良いという態度における欺瞞。その裏にはマイノリティへの侮蔑と排斥が潜んでいる。依存症=患者の怠慢というような責任を押し付けるスティグマへの警鐘。

    依存症を根治するのではなく人間にとって必然の特性という寄り添う理解を前提に、よりよく生活を営むための方法を画作していくことが大切である。

    自分に新しい視座を与えてくれた、良い読書でした。

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    2024年07月24日