松本俊彦のレビュー一覧
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薬物使用者とそうではない人の壁は思っていた以上に薄いものだということを感じました。また、教員をしているので、薬物乱用防止教室の話は納得感がありました。また、リストカットやオーバードーズの生徒が増えているという実感があり、なぜ彼ら彼女たちはそのような行為に走ってしまうのか疑問をもっていました。過去のトラウマや、精神的苦痛を身体的苦痛に置き換えているのだと学ぶことができました。専門知識が乏しい我々教員としては、精神科への受診を保護者に勧めることもあります。ただ、精神科医の方々も試行錯誤を重ねて、患者さんと向き合っており、万能な解決策はないのだと思いました。アルコールも含めた薬との良い付き合い方を実
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依存症の専門医による薬物の依存性と歴史の話。初めて知る話が多く面白かった。
ユーラシア大陸にはアルコールと茶、アフリカ大陸にはコーヒー、アメリカ大陸にはタバコ、人類は薬物とともに生きてきた。
本書の主張は以下の3点に集約される。
・薬物の違法/合法は医学的にではなく、政治的に決定される
アルコールが合法で大麻が違法なのは薬学的ではなく政治的な理由による。
・「よい薬物」も「悪い薬物」もなく、あるのは「よい使い方」と「悪い使い方」だけ
所謂「よい薬」であるはずの処方薬や市販薬も使い方次第でさまざまな健康被害を引き起こす危険性がある。
・「悪い使い方」をする人は何か別に困りごとを抱えている
労 -
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【目次】
1.本当に有害な薬物とは?
2.アルコール(1)ストロング系チューハイというモンスタードリンク
3.アルコール(2)人類とアルコールとの戦い
4.アルコール(3)人間はなぜ酒を飲むのか?
5.カフェイン(1)毒にして養生薬、そして媚薬
6.カフェイン(2)人類とカフェインの歴史
7.市販薬 セルフメディケーションは国民の健康を増進したか?
8.処方薬 医療へのアクセス向上が作り出す依存症
9.タバコ(1)二大陸をつないだ異教徒の神器
10.タバコ(2)社会を分断するドープ・スティック
11.「よい薬物」と「悪い薬物」は何が違うのか? -
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リストカット、摂食障害、様々な依存性など、自傷行為といっても多種多様ある。
精神科医の側から、すぐに自傷行為そのものをやめなくていい。その行為に至った背景に目を向けよう。ともすれば止めさせようという家族や支援者もいるかもしれない。
しかし自傷行為そのものには、辛い現実を孤独に耐えようとする当事者なりの対処法なのだ。それを取り上げるべきではない、ただ長期的には悪影響がある。
だからこそゆっくりでいい、何度でも躓いてかまわない。
周囲の人間や色んな技術を会得して、何とかあなたの人生が良くなりますように。
という願いのようなものを感じた。
当事者にも支援者にも何度でも読み返して欲しい作品だと思う -
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ネタバレ思えばあの学生時代の勉強会と言い、私はかなり初期から依存症について近い場にいたと自負している。とはいえ、遠ざかってかなり経つというか、この本を読んで驚くことがたくさんあった。そりゃ何十年も経っているんだもの。変わるとこもあるよなぁ。特に『ハームリダクション』について。昔は断酒しかない、と学んだけど、量を減らして生き延びるという方法があるとは。そして依存症になるには育った家庭環境だったり、発達障害による生き辛さがあったり、自殺せずに済むために何かに依存して何とか生き延びているということ。やっぱこういう系の本も読んでいたいものだ。
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依存症の項目がいくつかあったんですが、まあ数としてはやや足りませんが、依存症の本質という点においてば充分に読む価値があります。
私はリスカ組じゃなくて買い物依存なんですが、こうして読んでみるとリスカ組に近いメンタリティですね。
誰にも依存することが出来ずに生き残るために1人で戦ってきた人間、それが依存症患者の正体です。
ことに、自傷癖については自傷ノートをつけろという、なかなか有効そうなアイデアが書かれていて、実際効果はあったようです。
それは病院に行ければラッキーでしょうが、この種の苦しみの根本は、金を払えば治る,などという簡単なものではないです。
本質を知ることで、「あなたはこの世にあなた -
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高橋源一郎が「飛ぶ教室」で紹介していたのが、面白そうだったので読んでみたのだが、大当たり!
横道誠さんの壮絶な人生と、アディクションの数々。
なんて困難な人生を生き延びている人なの!ということにまず衝撃を受ける。すごい衝撃。
発達障害(自閉スペクトラム症と注意欠陥多動症などなど)と宗教2世、それに伴う心的外傷後ストレス障害、アルコール依存症などなど。(まだ他にも)
書きっぷりが堂に入っており、魅力的で引き込まれる。
とにかく、横道さんの自己開示が凄すぎて、それがまずこの本の魅力。横道さんの人生が全て投げ込まれているのが本気度高くて面白い。
横道さんと真っ向から勝負しなければならない松本さん -
Posted by ブクログ
依存性に至るまでに、その人それぞれにとって様々な背景がある事。
凄惨な虐待、いじめ、性被害、本人とってトラウマとなるような深刻な体験。
または生まれながらの発達障害による生きづらさ、それに伴う二次障害。
各々が複雑に絡み合いながら死にたい、消えてしまいたいという辛い気持ちを、それでもなお孤独にも自分自身で何とかしよう、問題に対処しなければという健気とも言える生きる為の行動が依存性と言えるのでは?と感じた。
依存性の解決には依存対象を取り上げる事ではダメなこと。
どうすれば孤独に対処し続けてきた当事者を孤立させずに支援していけるのか…。
支援者、家族の在り方を何度も考えさせれる作品だっ