松本俊彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
依存性に至るまでに、その人それぞれにとって様々な背景がある事。
凄惨な虐待、いじめ、性被害、本人とってトラウマとなるような深刻な体験。
または生まれながらの発達障害による生きづらさ、それに伴う二次障害。
各々が複雑に絡み合いながら死にたい、消えてしまいたいという辛い気持ちを、それでもなお孤独にも自分自身で何とかしよう、問題に対処しなければという健気とも言える生きる為の行動が依存性と言えるのでは?と感じた。
依存性の解決には依存対象を取り上げる事ではダメなこと。
どうすれば孤独に対処し続けてきた当事者を孤立させずに支援していけるのか…。
支援者、家族の在り方を何度も考えさせれる作品だっ -
Posted by ブクログ
なぜ精神科医の書くエッセイはこんなに面白いのか。
『刑務所の精神科医』しかり当たりしかない。その考えに共鳴でき知識を学べるだけでなく、読み物として抜群に面白い。
筆者は薬物依存の専門家。
まず冒頭のシンナー氾濫の中学時代の述懐から引き込まれる。
他の精神疾患と違って薬物治療ができない依存症治療の難しさや、筆者がそれに引き込まれていく過程がつぶさに描かれ、とても興味深い。
その中で筆者がたどり着いたのが、薬物依存に陥る人は必ず何か別の生きづらさを抱えていて、それを見つけて耳を傾けないと、治療はできないという結論だった。
自助グループで出会った「神様、私にお与えください/変えられないものを受け入 -
Posted by ブクログ
依存症、嗜癖障害の正しい知識を啓蒙、発信してきた医師による半生記。
こんな面白い人だったとは。精神科医ってやはり内科や外科の王道の医師とはなんか違う。はぐれものとでもいうか。
以下、印象に残ったフレーズなど。
・困った人は困っている人。
・「ダメ.ゼッタイ。」が依存症者を孤立させ、回復から遠ざけている。
・厳罰化は問題を悪化させる。
・人間は薬物を使う動物。
・生き延びるための不健康。苦痛から逃れるために薬物を使う。
・覚醒剤よりもアルコールの方が心身へのダメージが大きい。一方は非合法だから使うだけで捕まる。酒で酔って迷惑をかけても、飲むのは合法だから捕まらない。
・カフェイン使用について。よ -
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Posted by ブクログ
アルコールと煙草漬けの両親に育てられ、自身もアルコール依存症のリハビリを受けたことのある精神科医が、経験談を交えながら酒や薬物に依存する人びとと社会の歴史を辿っていく。
依存症の経験を持つ医師が依存症治療の歴史をまとめた、いわゆる当事者研究というやつで、まずいきなり結構ヘビーな著者フィッシャーの入院体験とカミングアウトから始まる。
でもカタい本ではない。とてもフランクな語り口で、アルコールが自分をダメにしていると認められなかった逡巡の日々を綴ったエッセイとしても面白いし、酒と薬物という切り口で見たアメリカ史としても超面白い。最近読んだなかではレベッカ・ソルニットの『ウォークス』に編集意図が -
Posted by ブクログ
ネタバレ・人間は追い詰められると、「止まった瞬間、落ちこぼれるのではないか」と不安になるもの。しかし、泳ぎ続けなければいけないマグロでもあるまいし、そんなことはない。「若い時に怠けると、その後の人生が悲惨だぞ。」という決まり文句がありますが、ほんとうでしょうか。
・依存症の多くの人の特徴が「助けて」と声をあげることが苦手な人ばかり。
・依存症の治療プログラムでは、どんな時に、どんな場所で、何がトリガーになっているのかを過去の経験から探り、そういった場面を避ける方法を考える。
・人が一生のうちに安全にお酒を飲める量は決まっている。
・依存症とは、脳みそをハイジャックされた状態。
・人間の生命に関わること -
Posted by ブクログ
ネタバレ著者は依存症治療に関して著名な精神科医。現場経験ベースで書かれたエッセイで、とても読みやすい。
以下は内容の個人的なメモ/抜粋
- 生き残るために不健康や痛みを必要とする人が世の中にはいる。心の痛みを身体の痛みに置き換えてトラウマ記憶から気をそらす。かゆみが我慢できない箇所をつねってみたりするのに似ている。
- すべての依存性物質の中で個人と社会への害が総合的に最も大きいのはアルコールという研究結果がある。(Nutt D, Lancet, 2010)
- 「Yes to life, no to drugs.」が「ダメ、ゼッタイ」と訳されて定着してしまった。痛みを抱えて孤立している人が無視され