八木沢里志のレビュー一覧
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ネタバレ読み終えて、心がホッとする物語でとても好きだと感じました。
自分の過去を受け止めているからこそ、
今悩んでいる人たちに向き合える楓。
ペンション・ワケアッテにくるお客様たちの心をほぐし、スッと軽くしてくれる。
そしてそんなお客様を通して、
楓も自分の過去を受け止めたままではなく
前に進もうとする姿に心惹かれました。
また、勝一の博識さが個人的には面白かったです。基本的にはお客様視点の物語でしたが、
勝一視点の物語も読んでみたいなと思いました。
宿泊されたお客様から、お手紙が届く宿。
それだけできっと素敵な宿だなと思います。
ペンション・ワケアッテに私も泊まりたいです。
余談ですがペンション・ワケアッテのイントネーションが気になりました。
本来の意味通り分け合ってなのか、
訳あってなのか…………? -
Posted by ブクログ
宿泊客と同様にキクチさんのミスリードに乗っかってしまった。
そら如何にも訳あってとなるやん。
このオーナー夫婦がとても良い人。小吉さんなんてそんな純粋に生きれるの?と疑ってしまうのは自分がひねているんだろうけど。
やり取りはコミカルなんだけど、虚栄心、恥など人の奥底の心理を絶妙に突いてくる。
躓いた人達がペンションに来て、夫婦と交流することで立ち直っていく、なんて有りがちで軽く思えるけど、軽くない。
ちゃんと小吉さんの言葉は入ってくる。
このまま終わらないで続いてほしいな。
最近、氏の作品が続いて書店に並んでいるのが嬉しい。次の作品も購入済。 -
Posted by ブクログ
自分の心の声を聞くとか、自分のことを大切にするとかっていうことを忘れていた気がします。ペンションを経営するご夫婦2人の辛い経験を経てるからこその深い言葉が今の自分に必要な言葉だったのかもしれません。ただただ森の近くに自分の好きな人と自分たちの好きな生活を送りたいと思いました。勝一→小吉の名の由来にある通り、小さな幸せに気づきたいと思いました。楓さんの私に何も期待しないでくださいという言葉に小吉があなたの幸せを期待してしまうと返答。その言葉に小吉の愛を感じ取れました。ただ好きな人たちの幸せを私も祈りたい。
続きが気になって一気読みするようなストーリーではないけれど、朝でも、昼寝前でも、夜眠る前でも、ほっこりしたいときにコーヒーでも飲みながら読みたくなる本だと思います。 -
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ネタバレ前作で立ち直った貴子の視点で描かれる今作。
前半は貴子と和田さん、トモちゃんと高野君のほっこりする日常が続くが、後半はサトル叔父さんと桃子さんの切ない物語へと引き込まれていく。それでも最終的に立ち直っていく叔父さんの姿には救われた。
作中にある「人は忘れていくことで生きていくけれど、人の想いは砂に尾を引く波のようにいつまでも残る」という言葉が、本当に心に響いた。自分自身もこれまでの人生で多くの人と関わり、その人たちの思いに支えられて今があると感じているからこそ、深く共感できた。
人の思いの尊さを改めて実感させてくれる、心にじんわり残る素晴らしい作品。 -
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那須高原の山奥。そこにある小さな宿、ペンション・ワケアッテ。
数年前、突然プロポーズされた楓は
「ひとつ約束してるくれますか?約束してくれるなら、私、あなたと結婚します」
その約束とは・・・
気持ち良く迷いなく星5つを付けられたのは久しぶり。
青山美智子さんが好きな方、『ようこそ、ヒュナム洞書店へ』がよかった、という方に是非おすすめしたい。
〜以下は、蛇足〜
登場人物が少なく、主な場面も、タクシーの中、ペンション、山の中、の3つ。映像化しやすそうな物語で、NHKの夜のドラマ枠で観てみたい。ドラマ化されて、この物語が多くの人々に知ってもらえたらいいなと思う。主演の二人の俳優は誰がいいかな?各話のゲスト俳優も楽しみ、楓さんの作る料理もフードコーディネーターの腕の見せどころ、などと勝手に空想が膨らむ。 -
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第一話 婚約直前に相手に振られた 明美のお話。
第二話 人目を気にしすぎる余り一人トイレでお昼を食 べる大学生 洋太のお話。
第三話 夫に先立たれ人生に虚しさを感じ、老人ホームで暮らす 一枝のお話。
第四話 次の小説アイデアが出てこない、スランプの小説家 孝弘のお話。
第五話 毒親に育たられ自分の居場所がなくて、死に場所を探しに来た まひろのお話。
皆さん悩みを抱えてペンション来ていますが、悩みを忘れるくらい元気になって帰っていきます。それはペンションオーナーの小吉、楓 夫妻の温かいおもてなしがあるからです。
小吉、楓夫妻もそれぞれ悲しい過去を持ちながら、過去を受け入れ二人で背負っているからです。
ペンションの名前が『ワケアッテ』ですが、訳アリの人が来るから『ワケアッテ』にしていると思い読み始めると、実は全然違っていて温かい意味が込められていて胸がジーンと熱くなりました。
今を生きる大切さを教えてもらいました。 -
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登場してくるキャラクターがみんな本当に良くて、サトル叔父さん、貴子ちゃん、桃子さん、それぞれに辛い過去があるからこそ、言葉に深みがあって心に響いた。色々なことを経験してきたからこそ、人に伝えられることがあるんだなと感じる。
特にサトル叔父さんが言っていた「人を好きになることを恐れないでほしい。例え上手くいかなくても、誰かを愛した記憶はそれだけで自分の心をじんわり温めてくれる」という感じの言葉が、すごく胸に刺さった。自分の過去を振り返ってみても本当にその通りだなと思うし、昔のことを思い出すと温かい気持ちになって、また前を向いて頑張れる気がする。
全体的に本当に温かいお話で、とても読みやすかった。自分自信の経験とも重なる部分があり、他の人にもぜひお勧めしたいと思える本当にいい作品だった。 -
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ご褒美シリーズ第1弾。
先に2弾、3弾を読んでしまったのだけど、この第1弾が一番癒されました。
やっぱり私、疲れてるんやな。
私なりに頑張ってきたけど、頑張ったけど、意味があったのかなあーと思ってふと悩んでしまうことってあるから、心が満たされました。
あとは、ラーメンが無性に食べたくなって、次の日ラーメンを食べましたよ!!お店じゃなくて、インスタントだけど。
でも近いうちにラーメン屋さんにも行こうと思う!!夜のラーメンは最高だ!
あとは、標野凪さんのお話がね、昔の自分と今の自分とで重なってしまって、読み終わってから少しぼんやりしてしまった。ぼんやりしたあと、あの頃の私ががっかりしないように、頑張って前向いて生きていこう!って思えた。標野さん、こういうお話も書かれるのか。
八木沢里志さんの話は、今単行本で出てる「ペンション・ワケアッテ」のなかのストーリーの1つかもしれないので、本体の物語を全部読みたくなった。めっちゃ元気出た!
大沼紀子さんのストーリーは、途中から「ん?」と思って、話の最初に戻った。初めに少し、なんでこんな分かりづらい書き方をしてるんだろう?と違和感をもったけど、なるほどー!とそこで気づいた。40代になるとさ、なんか急に同級生で集まりたくなるんよね。不思議だよね。私も最近急に増えたもん。また再会できるって最高に幸せなことだと思う。
40代だからこそ分かる~って思えた内容のものもあったから、良い時期に私は読めて良かったと思う。
(この感想文のなかで、私は何回「!」を使ったのでしょうか。その多さが表してるんだろうな)
【目次】
標野凪 「バター多めチーズ入りふわふわスクランブルエッグ」
冬森灯 「ひめくり小鍋」
友井羊 「深夜に二人で背脂ラーメンを」
八木沢里志 「ペンション・ワケアッテの夜食」
大沼紀子 「夜の言い分。」
近藤史恵 「正しくないラーメン」 -
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ネタバレ「自分と向き合い、同じ時代を「分け合う」喜び」
日々の慌ただしさに追われていた私が、2か月振りに手にしたのが『ペンション・ワケアッテ』だった。ページをめくるうちに、ちょうど一年前に読んだカルステン・ヘン著『本と歩く人』の物語を思わせるような、静かで暖かい雰囲気に包まれ、凝り固まっていた心がじんわりとほぐれていくのを感じた。
本書を通じて私の琴線に深く触れたのは、全編に溢れる「分け合う」という言葉だった。
振り返れば、私のこれまでの歩みも、多くの人との「分かち合い」に支えられていた。話を聞いてもらったり、近況報告、愚痴会、ご飯会。今まで関わってきた人たちが、限りある時間の中で私のために時間を作ってくれた。自分がどう思っているかを他者と共有するだけで、人間はこんなにも楽になり、生きやすくなる。人はやっぱり一人では生きづらいのだと、過去の温かい思い出が次々と蘇ってきた。
本書のタイトルは『ペンション・ワケアッテ』。その名の通り、他者と何かを「分け合う」ことの温かさが大きなテーマとして描かれている。しかし、誰かと心を通わせ、温かさを分け合うためには、まず自分自身と向き合い、心の器を整えておくことが大切なのだと、作中の登場人物たちの姿が教えてくれた。
物語の登場人物たちは、虚栄心や恐怖、思い込みや焦り、むなしさといったネガティブな思考を抱えたままペンションへ向かう。そんな彼らが、ペンションで意図的にボーッとする時間を作り、思考を黙らせて自分を俯瞰していく。そうしてガチガチになった心と思考をほぐし、「自分と向き合う時間」を取り戻していく。
自分を俯瞰する時間を作るからこそ、他者への感謝や敬意をまっすぐに「分け合う」ことができる。登場人物たちが変化していく姿を見て、私は気づかされた。
心に余裕が生まれたからこそ、こうして再び本を開き、大切なことに気づくことができた。2ヶ月振りの読書が本書で良かったと思う。これからも読書時間を増やし、この著者の他の作品にも触れてみたい。
本書は、自分を見つめ直し、他者と生きることを愛おしむ大切さを教えてくれた。