八木沢里志のレビュー一覧
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ネタバレ貴子が森崎書店で過ごした日々から、3年も経っている。しかし普通に仕事をしつつ、何かと森崎書店を訪れる。第二の家とも言える。
貴子は和田さんとちょい一波乱あったけど、いい感じになっている。サトル叔父と桃子さんも相変わらず。トモちゃんと高野くんは…トモちゃんの悲しい過去が語られて、一筋縄ではいかない関係性だ。高野くん、がんばれ!
そしてそして…うっすら予感はしてたけど、桃子さんが亡くなってしまう。貴子が、サトルから桃子さんの病状を聞いた時の衝撃。桃子さんが亡くなった後のサトルの様子。私はどちらも経験があって、身につまされた。サトルがやっと、悲しみを解放して号泣する場面は、涙なくして読めない。サトルと桃子さんの、一見サバサバしているのに実はこれでもかってくらい、思い合っている描写が、とても良かった。
主人公は貴子だけど、貴子の周りの人たちが魅力的過ぎてちょっと霞んでるかも?
でもラストで、和田さんとの結婚が決まり、幸せな貴子が見られて良かった!
ちなみに、物語の中に出てくる近代文学、私がちゃんと読んだことがあるのは「陰翳礼讃」くらいで、ちょっとした敗北を感じている…。ホラーもミステリーも好きだけど、たまには近代文学も、とちょっとだけ考えたりして。
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Posted by ブクログ
本好きにはたまらないタイトルや物語…♡
物語の中で特に印象的なのは
実在する小説たちが
登場人物たちの心にそっと寄り添うシーン!
叔父の悟(さとる)が大切にしている
室生犀星の詩集は
犀星の綴る繊細な言葉が
不器用な悟の心の奥底にある
優しさや悲しみと共鳴し
読んでいるこちらまで胸が熱くなりました!
また劇中で触れられる林芙美子の『放浪記』では
「花の命は短くて苦しきことのみ多かりき」という有名なフレーズが 神保町という街に積み重なった時間やそこで生きる人々のままならない人生と深く重なりました
「 たとえ遠回りをしたとしても
その時間は決して無駄じゃない 」
森崎書店に並ぶ本たちは
何十年も前から変わらず
そこにあり続けているけど
それを受け取る私たちは
日々少しずつ形を変えて生きている…
本を介して誰かの過去に触れ
それも含めて受け入れていくことの尊さを
改めて教えてもらった気がしました!
本が好きで本当に良かった…!!
いつか神保町で書店巡りをしてみたいなぁ♡ -
Posted by ブクログ
本を通して自分の内側を見つめ直すきっかけになる一冊だった。
⊹ ࣪ ˖ ⊹ ࣪ ˖ ⊹ ࣪ ˖ ⊹ ࣪ ˖ ⊹ ࣪ ˖ ⊹ ࣪ ˖ ☽ ⊹ ࣪ ˖ ⊹ ࣪ ˖ ⊹ ࣪ ˖ ⊹ ࣪ ˖ ⊹ ࣪ ˖ ⊹ ࣪ ˖
前作のはじまりの頃と比べて、主人公にしっかりとした“芯”を感じた。
森崎書店とそこで関わる人々という「安全基地」を見つけたことで、周囲の評価に振り回されなくなっていたことも大きな変化で、人と本の力を感じた。
今回は続編ということで、主人公の周りの人々にフォーカスを当てた物語になっていて、
登場人物の人間らしさが見えた。
前作ではスマート、可愛い、頼りない、など一言で表現できていたキャラクターに血が通ったような感じがした。
主人公も他の登場人物たちも、自分の中にある目を背けていたいものと向き合って、壁を乗り越えていく。
結局はどんな問題も、自分の心のあり方次第なのかもしれないと考えさせられた。
特別に好きな本だからこそ何度も読んで価値をすり減らしたくない、という主人公や、
本を読んで心を落ち着けるという友達に
同じ本好きの匂いを感じるのが嬉しい。
作中ではさまざまな本が紹介されているのも魅力のひとつ。
『智恵子抄』や『陰翳礼讃』、『夜明け前』など、
登場人物たちの言葉を通して語られるそれらの作品は、
あらすじを読むより鮮やかな感情を帯びてて、自然に「読みたい」という気持ちになる。
とりわけ『阿房列車』の紹介が本好きの心をくすぐる巧みさだった。 -
Posted by ブクログ
森崎書店のその後の物語。
読者の私は、森崎書店と喫茶店〈すぼうる〉に集う人たちが大好きです。
前作よりも
サトル叔父さんと桃子さん
貴子と和田さん
トモちゃんと高野くん
それぞれがお互いを思う気持ちが、痛いほど伝わってきました。その人のことを思うからこそ、色々と悩むんですよね。自ら壁を作ったりして。
それを周囲の人が心配してくれて、その助けもあって前向きになっていく様子が、読者の私にも伝わってきました。今回はとても悲しい出来事があったけれど、その悲しみを背負って前を向いていけるようになったことが良かったです。
大切な人にはきちんと想いを伝えて、自分のことを知ってもらうこと。相手の想いも伝えてもらうこと。普段は冗談を言い合っていても、いざというときは心配してくれる人が周りにいるっていいですよね。そんな良さを伝えてくれる小説でした。作中に出てくる近代小説にも興味が湧いてくるかも。
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Posted by ブクログ
ネタバレ「泣きたい午後のご褒美」の続き気分で読み出したが、今回はミステリー要素もあり、なかなか楽しい。
それぞれおもしろいのだが、秀逸だったのが、「ペンション・ワケアッテ」。
いやいや、日本語って奥深いとつくづく思う。
主人公は訳あり旅行に出てきて、なんだか感じ悪さMAXだったけど、いつの間にか前を向いていた。
一方的に別れを告げた男との唯一の繋がりの象徴である手紙を、愚かだと思いつつも大事にしてしまう切なさは伝わってくる。
だけど、一番大事な話を一方的に手紙で済ませようとしたつまらない男の幻想から目が覚めて、本当によかった。
どの作品も、とてもおいしそうなお夜食ばかり。
読んでいておいしくて楽しい。最高である。
2025/09/19 11:42