八木沢里志のレビュー一覧
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このお話のような喫茶店や商店街が近くにあればなあと、下町の良さを感じる作品でした。
実際にはこの町のようにアットホームの付き合いは難しそうですが、行きつけのお店(喫茶店)は何年経っても憧れを持ったままです。
「マスター!いつもの」とかみなさん本当に言うんでしょうか…。
3篇に共通して「過去のわだかまりを持つ人」と「再会」がテーマにあり、偶然の再会で過去と向き合い、前向きになっていく姿は切なくも温かい気持ちになります。
マスターの前職には驚きでした。笑
いまだにコーヒーの違いがよくわからないので、トルンカでマスターのいれたコーヒーを飲んでみたいです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ美味しいご飯が出てくるアンソロジー。タイトルと表紙に惹かれて手に取った。
あくまで私の個人的感想なので好きな人には許して欲しいのだけど、1話目のスクランブルエッグの話はかなりビミョーだった。
でも2話目の「ひめくり小鍋」がなかなか良くて、季節柄お鍋いいなー、しかも1人用のやつ!
主人公の行動や、合言葉が必要とか、まあツッコミどころはあるのだけど。
3話目の、背脂ラーメンの話がいちばん面白かった。途中まで、この人、殺人を犯したのでは?とドキドキしながら読んでいたら、違ってかなりホッとした。でも、自分のほんの小さな悪意が、ある人を事故死に追いやったのでは、と苦悩していた。その男性の友人もまた、 -
Posted by ブクログ
相田陽一とユカリは、再婚同士の両親と共に暮らしていたが、事故によりその両親は亡くなってしまう。
陽一は大学を辞めユカリを養うために会社員に。
ユカリも中学生という年齢ながら、陽一のために家事全般を担う。
非凡な環境の中、道を外れることなく温かい家庭を築いていくふたりの姿はとてもたくましく感じた。
そこへ加わるハチワレ猫の「種田さん」がいつもいい位置で相田家を彩る。
学校や会社の友人、近所の人たちの温かさも素敵だった。
終盤で、ユカリは生みの母と会ったり、陽一に恋人ができたりとふたりだけだった家庭が少しずつ変化していく。
ユカリの「いつか全ての記憶が曖昧になってしまった