八木沢里志のレビュー一覧
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ひっそり佇む、純喫茶「トルンカ」。
ゆったり好きな曲を聴きながら、マスターの淹れる香り高い珈琲を飲む。そんな時間に憧れます。
様々な想いを抱えるトルンカに訪れる人たちの雰囲気、しあわせの香りとはこういうものかと感じるから、美味しい珈琲を飲みながら読みたくなります。
特に、「午後のショパン」に心を掴まれました。優しい文章からも、千代子さんの強い想いが伝わってきます。
誰の人生にも奇跡みたいな一瞬がある、と、光を見させて頂いたようです。
浩太の複雑な心境。人との出会いでさらに成長した浩太が頼もしいです。
表紙が可愛く、前編と一緒にジャケ買いした本です。
偶然の出会いですが、ひとりひとりに、貴重な物 -
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常連にもなりたいし、一緒に働くのも憧れる、ホッとする喫茶店。
マスターのコーヒー飲んでみたい。。
依存じゃなくて、愛だと胸を張れるなら対象はなんでもいいってなんかグッときた。
愛することと、依存することは違うんだよな。
愛することは時に人を救ってくれるってなんかいいなあ〜〜いいなあ〜と思った。
綺麗なものもまやかしもあるから、それを見極めるために自分を磨いて、感性豊かになることが大事とか、逆も然りで自分も世の中から見られているとか、
背筋を伸ばして歩きたくなるような言葉が溢れている。
トルンカも同じ感じかもしれない。愛したい場所であって、依存して困らせたい場所じゃない。きちんと自分を磨く -
Posted by ブクログ
随分と昔のことになるが、中野区に住んでいた時、「クラシック」という喫茶店によく行っていた。
中野駅からブロードウェイまでの通り道となるサンモールというアーケードの途中のサンプラザ方面の横道にあった。
レコード板や蓄音機が置いてあって、店の名前のとおり「クラシック」音楽が流れていた(と思う)。
コーヒーが美味しかったという記憶はないが、とにかく別世界に来たような雰囲気が好きだった。
純喫茶トルンカは、昔のお気に入りの喫茶店の思い出をよみがえらせる物語だ。
今は町の喫茶店がどんどん閉店してしまい、「クラシック」のような馴染みの喫茶店はみつかっていない。
純喫茶トルンカは、3巻も続くと思っていな -
Posted by ブクログ
『純喫茶トルンカ』に集う人たちの人生模様。
路地裏にひっそりと佇み、寡黙なマスターの淹れるとびきり美味しい珈琲を楽しむ。
その至極の珈琲に魅せられた常連たちが今日も扉を開ける。
シリーズの最終巻。
○眉雪の後悔〜骨董品店経営の滝田の苦悩。
○傷だらけのハリネズミ〜女優を辞めたルミは…。
○最高の一杯〜マスターの本音。
最終巻だと感じるのは、最高の一杯で見せたマスターの気持ちと伝えることの大切さとその勇気である。やっと家族いっしょに…と溢れる思い。
『純喫茶トルンカ』を舞台に紡がれる幾つもの物語には、さまざまな人生を感じる。
けっしてひとりでは抱えきれないことも誰かに話すことで道は開ける -
Posted by ブクログ
#午後のショパン
千代おばあちゃんの少女時代が可愛い。
ひろさんの背中を押すところもグッとくる。
私の人生にも意味はあった。生まれてきた意味はちゃんとあった。ってスッと思えるようなことが自分にも起きるんだろうか。自然と体が向かうとき、それに従うことを大事にしたい。
#シェードツリーの憂鬱
「ガクン、と体が内側から揺れた気がした」から始まる浩太が涙する描写で、深い深い悲しみが伝わってきてめっちゃ泣いた。
裏スミ姉も田所ルミもめっちゃいい。
#旅立ちの季節
絢子のお話。
宇津井との再会からの流れがなんかすごくほっこりした。
しんどい出来事も、トルンカにはいるとなんか優しい空気になるのが嬉しい。