八木沢里志のレビュー一覧
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ひっそり佇む、純喫茶「トルンカ」。
ゆったり好きな曲を聴きながら、マスターの淹れる香り高い珈琲を飲む。そんな時間に憧れます。
様々な想いを抱えるトルンカに訪れる人たちの雰囲気、しあわせの香りとはこういうものかと感じるから、美味しい珈琲を飲みながら読みたくなります。
特に、「午後のショパン」に心を掴まれました。優しい文章からも、千代子さんの強い想いが伝わってきます。
誰の人生にも奇跡みたいな一瞬がある、と、光を見させて頂いたようです。
浩太の複雑な心境。人との出会いでさらに成長した浩太が頼もしいです。
表紙が可愛く、前編と一緒にジャケ買いした本です。
偶然の出会いですが、ひとりひとりに、貴重な物語があると思わせてくれる作品でした。 -
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随分と昔のことになるが、中野区に住んでいた時、「クラシック」という喫茶店によく行っていた。
中野駅からブロードウェイまでの通り道となるサンモールというアーケードの途中のサンプラザ方面の横道にあった。
レコード板や蓄音機が置いてあって、店の名前のとおり「クラシック」音楽が流れていた(と思う)。
コーヒーが美味しかったという記憶はないが、とにかく別世界に来たような雰囲気が好きだった。
純喫茶トルンカは、昔のお気に入りの喫茶店の思い出をよみがえらせる物語だ。
今は町の喫茶店がどんどん閉店してしまい、「クラシック」のような馴染みの喫茶店はみつかっていない。
純喫茶トルンカは、3巻も続くと思っていなくて、続編が出たので2巻・3巻と読んだ。
シリーズを通してのテーマは「再会」であるが、トルンカという喫茶店のオーナーの人間性が人を惹きつけている。
最後の話は「再会」というより「再出発」なのだが、トルンカという特別な居場所があるから人が集まって来る。
30分くらいかも知れないが、そこで過ごす時間が心地よいという場所があるといいなと思う。
私はコーヒーが好きなので、そこに最高の香りと味の一杯があればなお良い。 -
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『純喫茶トルンカ』に集う人たちの人生模様。
路地裏にひっそりと佇み、寡黙なマスターの淹れるとびきり美味しい珈琲を楽しむ。
その至極の珈琲に魅せられた常連たちが今日も扉を開ける。
シリーズの最終巻。
○眉雪の後悔〜骨董品店経営の滝田の苦悩。
○傷だらけのハリネズミ〜女優を辞めたルミは…。
○最高の一杯〜マスターの本音。
最終巻だと感じるのは、最高の一杯で見せたマスターの気持ちと伝えることの大切さとその勇気である。やっと家族いっしょに…と溢れる思い。
『純喫茶トルンカ』を舞台に紡がれる幾つもの物語には、さまざまな人生を感じる。
けっしてひとりでは抱えきれないことも誰かに話すことで道は開ける。
少しずつ自分の気持ちに向き合うことで、ありのままの自分を見つめ直すことができる。
それはやはり人との繋がりなんだろうと思った。
傷だらけのハリネズミのなかでのルミの変わりようで感じた。
そして、マスターも浩太の言葉で勇気を出せたのだと…。
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#午後のショパン
千代おばあちゃんの少女時代が可愛い。
ひろさんの背中を押すところもグッとくる。
私の人生にも意味はあった。生まれてきた意味はちゃんとあった。ってスッと思えるようなことが自分にも起きるんだろうか。自然と体が向かうとき、それに従うことを大事にしたい。
#シェードツリーの憂鬱
「ガクン、と体が内側から揺れた気がした」から始まる浩太が涙する描写で、深い深い悲しみが伝わってきてめっちゃ泣いた。
裏スミ姉も田所ルミもめっちゃいい。
#旅立ちの季節
絢子のお話。
宇津井との再会からの流れがなんかすごくほっこりした。
しんどい出来事も、トルンカにはいるとなんか優しい空気になるのが嬉しい。 -
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本屋の店先で懐かしいシリーズ名を見つけて思わず買ってしまいました。純喫茶トルンカシリーズの最終巻です。
第1巻の『純喫茶トルンカ』が2013年11月,2巻『しあわせの香り』が2015年2月ですから、約10年して完結編です。もっとも八木沢さん、2015年12月の『きみと暮らせば』以後はずっと新刊が無く、今年の7月にアンソロジー『眠れぬ夜のご褒美』に久しぶりに新作が掲載されたようです。その間、何をされていたのやら。。。
2巻『しあわせの香り』の感想に私は「このシリーズはもう少し続くのかな。謎めいたマスターの奥さんが最後の主人公かもしれません。」と書いていました。その予想通り最後の一編は奥さんがメインの話になっています。ただ、さすがに他の登場人物はかすかに記憶がある位。何せ10年ぶりですからね。
商店街の路地裏に有る純喫茶トルンカ。強面で寡黙なマスターと明るく元気な女子高校生の娘。とてもおいしいコーヒーを淹れる店に問題を持ち込む様々な常連たち。
直前に読んだのが山本幸久だったせいかもしれませんが、決して上手い/小器用な作家さんとは思いません。ちょっと不器用ながら誠実に丁寧に暖かな物語を作っている。それが持ち味の作家さんの様な気がします。 -
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☆4.5
シリーズ第3弾(完結)
大好きな「トルンカ」シリーズの完結編。
今作で完結してしまうと思うと、寂しさのあまりページを捲る手がゆっくりになってしまったりしてしまいましたが…最後まで大切に読ませて頂きました!
滝田じいの話、ルミさんの話、そしてマスターの話…どの話も涙なしでは読めない素敵な物語ばかりでした(っ ̫ ; ˘)
まだまだトルンカの物語を読み続けたいので、いつか番外編が出てくれないかなぁと楽しみに待っていたいと思います❁⃘*.゚
それにしても…マスターが淹れてくれるコーヒーは、どうしてあんなにも美味しそうなのでしょうか!?
トルンカの様な喫茶店が近所にあったら、毎日でも通いたいです(ჱ̒⸝⸝•̀֊•́⸝⸝) -
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陽一とユカリは、11歳年の離れた兄妹。
陽一の母とユカリの父が再婚し、家族になった。
5年前に両親が他界し、今は2人で暮らしている。
のんびり屋の兄と、しっかり者の妹と、うちの庭に突然現れた一匹の猫との何気ない日常に、心が温かくなります。
兄が外に働きに出て、中三の妹が家事をするなんて、ほのぼのと楽しそうに書かれているけれど、実は事情を抱えた家族のお話なんですよね。
思いやりに溢れた兄と妹に、胸が熱くなります。
いつかお別れする日が来るかもしれないけれど、今の幸せを決して忘れないように。
今日一日を大切にしたいと思える、とても素敵なお話です。