涌井学のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレベストセラー小説のもう一つの物語。
「せか猫」といわれ映画もヒットした小説のもう一つの物語。主人公の飼い猫キャベツ視点で描かれた物語。
印象に残った文
『ボクは、そしてご主人さまは、世界中のあらゆる物とつながっている。人や物、世界とのつながりそのものが「自分」なのだ。』
『この手紙を書いている私は、もうすぐこの世界から消えてしまいます。だから、その前に、自分は何をしたいんだろうと、あれこれ考えてみました。おいしいものを食べたい。いろんなところに行きたい。おしゃれをしたい。そんなことを考えているうちに、私は気づいたのです。私が、死ぬまでにしたいことは、ぜんぶ、あなたのためにしたいことなんだってことに。ですが、私はもう、あなたのために何かをしてあげることができません。なので、これから、私の知っている、あなたの素敵なところを書き出してみます。
あなたの素敵なところ。あなたは、いつでも私の味方でいてくれる。
あなたは、誰かが喜んでいるときや悲しんでいるときに、その気持ちに寄り添うことができる。
あなたの可愛らしい寝顔。そのくせ毛。
ついつい鼻を触ってしまう癖。必要以上に人に気を遣ってしまう性格。
私が風邪をひくと、いつも家事を張り切ってやってくれたあなた。
私が作った料理を、本当においしそうに食べてくれたあなた。
あなたにはわからないかもしれません。あなたが生まれてきてくれたことで、私の人生がどれほど素敵で輝いていたか。
だから、私はあなたに伝えたいのです。生まれてきてくれて、ありがとう、と。
「·····ありがとう」
ご主人さまは下唇を噛みしめて肩を震わせていた。ボクはご主人さまの膝の中で顔を上げる。両の目から涙がこぼれていた。瞼を割って、ボロボロと大粒の涙がこぼれ落ちてくる。
いつまでも、あなたの素敵なところが、そのままでありますように。
手紙はそう締めくくられていた。ご主さまが手紙を封筒に戻す。とてももろい砂糖菓子を皿に載せるときみたいに、丁寧に、ゆっくりと、少しだけ怖がっているみたいに。そして愛おしそうに。』
『〈あなたがいなくなったら、私の世界はまた変わる。大勢の人の世界が変わってしまう。きっと、想像もつかないくらい、大きく変わってしまうんだと思う〉「··········」〈だけど私は生きてやる。私の世界にあなたを刻んで、しっかり、図太く生きてやる。だから安心して。あなたは一人じゃない。この世界から、絶対にあなたを消したりはしないから〉』 -
Posted by ブクログ
「世界から猫が消えたなら」は絶対に本より映画の方がよかったと思ってるんだけど、これは本家の小説より感動した。
「世界から猫が消えたなら」の世界を、猫であるキャベツの視点から描いた物語。話の展開は知っているし、オチがどうなるかもわかっているんだけど、キャベツがひたすら可愛い。ちゃんとご主人さまを甘えさせてあげたり、シャワーを浴びたらマーキングしにいったり、ご主人さまを悲しませる悪魔には冷たかったりと本当にいいキャラをしてた。
「ご主人さまがボクを飼ってるんじゃなくて、ボクがご主人さまのそばにいてあげてるんだ」と言ってたキャベツが、物が次々に消えていく一週間を通じて変化していったご主人さまと同じように本当に大切なものは何か気づいていく。
猫の「ボク」は喋れないけど、誰よりもご主人さまへの気持ちを持っている。本家の小説では見れなかった「僕」から父さんへの手紙の内容、そしてキャベツがありがとうの言葉を届けようとするラストシーンには本当に心打たれた。 -
Posted by ブクログ
謎解きシリーズの初の長編です。豪華客船で起こる殺人事件に麗子と執事の影山、そして風祭警部が乗り合わせる。
物語の冒頭部分は執事の影山と風祭警部のやり取りが面白いです。影山と麗子のやり取りも楽しいのですけど、この二人のやり取りは、子供っぽい風祭警部を影山が大人な対応でかわすと言う感じです。そういえばシリーズ中でこの二人が絡むことはあまりない気がします。
謎解きと言うよりもどちらかと言うよりも、その動機の方が興味深いかなと思いました。世紀の大怪盗はなんとなくあの人かなと、思ったら案の定でした。麗子と影山の今後も気になりますが、そういえば、風祭警部はシリーズ3巻目で転勤になったんですよね。今後も変わらず登場してもらいたいです。 -
購入済み
コミックよりいい
コミックでは三歩がスーパーマンすぎてなじめないけど、こちらでは久美の視点で話が進行するのでドラマがわかりやすい。映画はみていないけど。
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Posted by ブクログ
映画の物語を、愛猫キャベツの目線から描いた一冊で、猫の側から見るだけでこんなにも印象が変わるのかと思いました。
一番胸に残ったのは、キャベツがご主人さまの異変を感じながらも、何もできずにただそばにいるところでした。
人間の事情を全部理解しているわけではないからこそ、その純粋な反応が余計に切なく感じられます。
自分も犬を飼っているので、「きっとこんなふうに見られているのかもしれない」と少し考えてしまいました。
言葉が通じなくても、一緒に過ごした時間はちゃんと残るのだと感じ、普段当たり前にそばにいる存在を、少しだけ大切にしたくなる一冊でした。
ただ、原作や映画を知っていることが前提に近い部分もあるので、先に『世界から猫が消えたなら』を読んでおくことをオススメします。