太田肇のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
著者が描く理想の公務員像・役所像と自分のそれとが近く、かなり深い共感をもって読めた。
公務員をテーマにした本は、霞ヶ関の官僚についてのものが多い(気がする)中で、市町村の職員にフォーカスを合わせている点も評価できる。
安易な「民間の手法を官公署にも取り入れるべし」型の議論になっていないところもイイ。もちろんそのような議論が全くないわけではないけど、民間と官公署の違いを論じたうえで、何が公務員に適した方法かを検討しているので、かなり説得的。「欧米では~」式の話も結構多く出てくるけど、他のそのような議論展開にありがちな嫌味はない。むしろ、なんで日本でそれをやらないんだ!と歯がゆくなるばかりで -
Posted by ブクログ
201107/
日本の社会では、人を評価するときにどうしても全人格的に評価してしまうのです。逆に言えば、全人格と切り離した評価は難しいということです。/
日本人は正しい褒められ方、すなわち有能感や自己効力感、平たく言えば自分の能力に対する自信につながるような褒められ方をしていない。/
一般に子どもは、近所の人たちに対しては親や教師に対するときほど上下関係を強く意識しません。したがって近所の人から褒められることは、自信をつけるのに効果がある一方、親や教師から褒められるより統制感は小さいと考えられます。ところが、小学生から高校生までを対象にした調査によると、近所の大人から褒められた経験がない(「全 -
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フジテレビ、ジャニーズ、宝塚…。かつてのあこがれの組織、団体が音を立てて崩れていく。どうしてこうなったの?
日本型共同体は自治と受容のバランスが崩れて空洞化し、いつのまにか「もの言わぬ集団」になってしまった。「何もしないほうが得」になってしまった。空洞化した共同体は、権力者や体制側とっては大変都合がいい。他人事ではない。一流企業だけの話ではなく、身の回りの組織はみんな同じ状況だ。いつのまにか「上」から理不尽な要求をつきつけられて、周囲は知らんぷりで助けてくれない、最後は自らが不正に手を染める…。なんて悲劇がいつくるかわからない。
ではどうすれば?
個人ファーストの「インフラ型」組織へ転換