太田肇のレビュー一覧
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情報通信技術の進展に伴い人間のがんばりで処理してきた仕事がコンピュータに取って代わられることになる。今、人間に求められているのは、コンピュータにはできない人間特有のユニークな能力。独創性、創造性、革新性、ひらめき、感性など。これらの能力は強制や命令では、決して最高度に引き出すことはできない。がんばりを強要しても効果など上がるわけがない。「がんばる」とは、物事をひたすら決まった方向へ推し進めることであり、求められるのは努力の量。それに対して創造や革新は、努力の方向を探すこと、すなわち努力の質が求められている。量の差は倍数レベルだが、質の差は無限大。ヨーロッパ人は仕事より私生活を大事にするので基本的に働かない。したがって仕事は重要なものしかやらない。故に労働生産性は極めて高い。日本は労働生産性の低さを深く自覚しなければならない。がんばるではなく考える。合理的に手抜きをする。無駄ながんばりをなくすことこそが、努力の質を向上させるのである。
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やる気は大切だが、「やる気主義」は結局やる気をなくさせる。「成果主義」は川下の成果を測る基準が曖昧になり、最後は川上であるやる気で評価することになる。そうすると、部下は夜遅くまで働くなどで勤勉を装うことになり、やる気はなくなり、日本の成果主義は破綻した、、、という主張。
やる気を出させるには、片手間で必要なところだけ支援するくらいでいい。
マネージャーは、カーリングのスイーパーのように、
1)氷上を滑る石の前にブラシをかけるように障害を取り除いてあげ、
2)石の強さと方向性を判断するように、メンバーが狙い通りの方向に向くように少しの指示をだし、
3)脇役として支援すべき、
と言う。
一所懸命働いているように見せているだけではだめで、成果を出さないといけないし、上司もそれを引きださないといけない、ということ。少しギクリとするところもある。
勤勉なおじ様は、読んだほうがいいかもしれない。 -
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人が積極的になるにはどうすれば良いか。「憧れ」と「成功体験」が必要である。憧れは夢と言い換えても良い。そして、成功体験とは承認と言い換えても良い。
著者は、公務員がやる気になるために、承認が必要だと主張する。上司からの承認でも良いが、市民からの承認が最も公務員をモチベートする。
マスコミが公務員を叩くようになって久しい。一部の悪い公務員をマスコミが叩き、市民の目線が厳しくなる。この循環の中では、公務員に対して憧れを抱くことは難しい。この悪循環をどこかで断ち切らなければ、良い公務員が育たない。
そのためには、公務員が自分の名前で仕事をし、良い仕事には市民からの承認、賞賛が得られるような仕組みが必要だ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレとてつもなくモチベーションが高い公務員をスーパー公務員と呼び、そのような公務員が存在しなければ地域社会は良くしていけない。
今の公務員の人事評価では、モチベーションに上限を設けやすく、そこそこでも組織の中では生きられるというものである。
公務員がそこそこだと地域にとってそれは損失であり、スーパー公務員を排出できる体制を取っていかなければならないという内容。
やる気の源は、「自律」「承認」「夢」とあり、自分としては、「夢」がとても大切だと感じた。
当たり前かもしれないが、夢を大きく持つこと、それによって並外れたモチベーションと行動力を生み出される。
それも明確な夢を持つこと。これについてこの本で気づくことができた。 -
Posted by ブクログ
公務員革命というタイトルから想像すると、少し異なる印象を受けるかもしれません。
著書の太田肇教授は、承認欲求やモチベーションという分野の研究をしているかたで、著書も多く、過去に何冊か読ませていただいています。公務員の革命をモチベーションの側面から語っています。
役所に限らず、日本の組織の特徴を挙げた上で、よりその傾向が顕著な公務員に、いかに「やる気」をださせるかといういくつかの提言がまとめられています。
現在の法令では難しい面もありますが、今のように大幅な給料アップなどが望めない中でのモチベーション施策はもっと真剣に議論していくべきかもしれません。
単なる精神論だけにとどまることなく、仕組みとして構築していく必要性を感じました。
・やる気が出なくなった要因
①目にみえる待遇悪化
②マスコミや一部の国民・住民による公務員への厳しい視線・バッシング
③公務員のマネジメント
大部屋主義の日本では個人の成果が評価しにくい、さらに役所の仕事は何が成果なのか明確な基準がない。個人の分担や責任が不明確なままで成果主義を取り入れるのはデメリットが大きい。成果主義ではなく「やる気主義」の蔓延
・いまの公務員の働き方、現状のマネジメントの限界
「住民のために働きたい」という思いの強い人たちも個人的な出費や私生活を犠牲にしてまで頑張ることはできない。上司などの意欲が欠けているときは自分のやる気も失せる。生活を犠牲にしてまで自分を突き動かすものが存在しないから
・見えない「やる気の天井」の存在
・市民政府行政の時代における自治体の立場と仕事(田村明)
①市民に情報を提供し、市民の声を受け止める市民の事務局
②将来にわたって必要な「まちづくり」の方向や政策や計画の計画者・提案者
③実現に向けて人、組織、資金などの資源を動かし組み合わせる実践的なプロデューサーであり、協働しながら不足を補うプロモーターやコーディネーター
④住みよい「まち」をつくるために、地域の資源の保全・活用を組み合わせて目的を果たすために実行してゆく総合的な地域経営者
⑤他の主体では実施できない必要な装置やサービスを提供し実行する執行者
要するに、まちの将来について計画・提案し、問題解決しながら地域を経営する役割が自治体業務の中心になる。これまでの受け身のモチベーションでは通用しない
・「やる気」の革命的アップが求められる他の理由
①IT化→定型的業務の減少
②協働が求められる時代
・「行政のプロ」としての公務員像(自発的モチベーション+高度な専門知識)が求められる
・やる気の源
①働きがいや志。公務員は、奉仕を生きがい・働きがいにしないと務まらない
②日常の仕事について内発的動機づけ→報酬(外的報酬)を実力で獲得できないため
③承認
・問題の核心は、やる気の源泉が分かっているのに、満たす機会が十分に与えられていないこと
・「超やる気」の要素分解→自律・承認・夢
・自律は「やる気の父」
①仕事の自律性
②行動の自律性
③キャリアの自律性
・プロセスの意味の違い
欧米→成果につながるプロセス、川下でプロセスを評価
日本→態度や意欲でみる傾向、川上でプロセスを評価
「やる気の天井」を破る
・動機づけ要因を外部に求める
・仕事の「見える化」、名前を出す
・裁量権、自立性を与える
・住民の声のフィードバック
・注目されると責任感が増す
・キャリアの考え方を広げる、自衛隊型就労
・兼業規制を取り払う
<この本から得られた気づきとアクション>
・トップの交代による改革がクローズアップされるが、すべての自治体でそういうことが起こるわけではないため、別の視点からの改革が必要。モチベーションを上げる方法を個人としても、組織としても常に追求していかなければならない。
<目次>
第1章 “やる気”を奪った「ポピュリズム型」公務員改革(水面下でむしばまれる“やる気”
管理主義のワナ)
第2章 “やる気”に火をつけるものは何か?(やる気の天井
モチベーションの質が問われる時代に ほか)
第3章 「公僕」から「主役」へ(僕のやる気と、主のやる気
「超やる気」の源は“自律”“承認”“夢” ほか)
第4章 「外部資源」活用で、やる気の天井を破れ!(外部資源で動機づけるという戦略
役所の外でも認められる機会を ほか)