【感想・ネタバレ】日本人ビジネスマン 「見せかけの勤勉」の正体 なぜ成果主義は失敗したかのレビュー

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Posted by ブクログ

201603/

そもそも「やる気」は、何らかの原因(理由)があって生まれるものであり、原因抜きのやる気はあり得ない。/
例えばスポーツでも楽器の演奏でも、上手にできたときはたいていリラックスし、無心になっている。だから「無心になれ」とか「リラックスしてプレーしろ」と言う。しかし、たまたま無心になれたから良いプレーができたのであって、無心になろうと思っても簡単になれるものではない。そもそも無心になろうと意識していること自体、無心になれていない証拠である。実績を残して自信をつけるとか、場数をこなすといった条件を整えることではじめてリラックスし、無心になれるのである。/
やる気もそれと同じだ。サラリーマンの場合、やる気の原動力として、仕事が楽しい、おもしろいとか、認められたい、出世したい、給料を上げてほしいといった動機がある。したがってやる気を出させようとするなら、仕事を楽しく、おもしろくしたり、認められる機会を増やしたり、仕事の環境や待遇をよくしたり、キャリアアップの機会を与えたり、あるいはどうすれば技能が上達し目標が達成できるかを教えたりしなければならない。しかし、それには手間や費用がかかる。あるいはどうすればいいかわからない。そこで安直にも、原因への働きかけを抜きに「やる気を出せ」の言葉を浴びせ続けるわけである。けれども、それこそ無理と言うものだ。/
金魚すくいの法則/
おもしろいもので、強いチームをつくろう、試合に勝たせようというこだわりを捨てると肩の力が抜ける。そうすると自ずと視野が広がるし、一人ひとりの良いところも見えてくる。心からほめることもできるようになる。/
「管理」に対応する英語のmanagementは、物事をうまく取り扱う、遂行するという意味であり、日本語とはあまりニュアンスが違う。/
やっかいなことに人間には「人を管理したい」、「相手をコントロールしたい」という欲望がある。/
部下を管理したい、コントロールしたいという欲望を抑制できることは、優れたマネージャーの必要条件だといえよう。/
「片手間」なら面子や意地を捨てて柔軟に対応できるし、弱みも見せられる。/
舞台俳優が役柄になりきって演技しているとき。ピアニストが自ら陶酔しながら演奏しているとき。野球のピッチャーが調子に乗ってきて、躍動感あふれるピッチングをしているとき。生徒が夢中で計算問題を解いているとき。そこでは監督や教師などの存在は意識されていない。会社でも技術者が新製品の開発に没頭しているときや、営業スタッフが客に対して自社製品の特長を懸命に説明しているとき。そして最高のパフォーマンスをあげているとき。彼らの頭のなかに組織や管理といったものは存在しない。しかし、その背後には目立たなくても組織があり、マネジメントを行っている人がいる。/
スイーパー・リーダーシップは、先に述べたスイーパーの役割と重なる。すなわち、①部下が直面する障害を取り除き、②目標へ向かう動きを見定めながら、③成果が上げられるように支援するのである。この三点だけを頭に入れておけばよい。それ以外の深入りは無用だ。/

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2016年03月04日

Posted by ブクログ

ビジネスよりのモチベーション本。
「日本人はなぜやる気がないのか」
について納得できる考え方が書いている。

この本では人が対象になっているが、、
マクロの視点で見れば、経済や政府だってそうかもしれない。
企業は監視されコンプライアンス遵守なんて耳タコだし、
政府は肥大化し必要以上に統率を図る。

小さな政府で、セーフティネットを敷けば・・・やっぱみんなの党か。

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2010年11月26日

Posted by ブクログ

「やる気」に焦点をあて、組織の問題点・解決策を論じた本。

どうやって「やる気」を引き出すか、ではなく、「やる気」を阻害するものは何か、というアプローチにより組織・風土が抱える問題を抉る。

自分の現状と照らし合わせて読むと、頷ける部分が多かった。
後輩は部下ではないけれど、良き先輩として支援が行える存在でありたいと思った。
これからも何度か読み返したい。

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2010年09月05日

Posted by ブクログ

伝家の宝刀は抜かない。例えば部下に対して叱ってもよいが、人事権を安易に使わない。
そして、それを公言する。

やる気を引き出す為にはこちらが、あまり入れ込まないことが大切。

やる気主義を捨てることで、やらされ感が払拭され、自発的なモチベーションが発揮される。
やらされ感の対局にあるのが、所有感。
仕事では裁量権に近い感覚。

リーダーは必ずしも強い必要はない。カーリングのスイーパーのイメージ。

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2018年11月23日

Posted by ブクログ

やる気は評価しない。人を管理しない。 個人的には書かれていることを全面的に支持したい。 上に立つ人は実践してもらいたい。 普通は躊躇すると思うけど。本書でも触れられている未来工業、一時期かなり持ち上げられてたけど考え方を取り入れて実践した所はほとんどないようだし、変えていくっていうのは難しいんだろうね。

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2017年12月05日

Posted by ブクログ

やる気主義が,仕事のやらされ感を促進し,所有感を阻害する。管理しようとすればするほど管理主体の主体性追求により部下の行動の自由度は下がり,指示待ち能力の出し惜しみ等が生じる。
管理は片手間になるよう,裏方に徹することが重要。学生指導においてもそうかもしれない。

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2015年05月16日

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大変ツボをついている本。やる気阻害の要因(主にマネジメントの内容)と、やる気の大本(所有感の高・且つやらされ感が低)等を例をあげて明示。おしむらくは、評価の曖昧さに対する打開点が弱い。(川下の原則のみ。)
プレーイングマネージャー推奨に違和感覚えたが、片手間と無責任の違いを明示しているので、概ね納得

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2013年12月04日

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マネジャー自体の「やるき主義」こそが、見せかけの「やる気」を招き、本当の実力発揮を阻害しているという内容。確かになぁと思う点もある。その仕事をownしている感じが、各人が能力を発揮する基本条件というのもその通りだと思う。さてどうやってそこまで持っていくのか?

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2013年11月11日

Posted by ブクログ

やる気重視の日本の管理の弊害について論じており、大変興味深かった。がんじがらめの管理をやめ、のびのび仕事をさせて、部下に仕事の所有感を与えることが、結局はやる気を高める。上司は部下が気持ちよく仕事ができるよう、障害を取り除くことに集中すべき。コントロールしようというおごりを捨てるべき。といった助言はたいへんためになった。
子育てにも参考になる話で、心の片隅においておきたい。
ただ、大学の先生の話の割には、主観的な話が多く、論拠となる事例には乏しかった。客観的な事例も多くあると良かったと思う。

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2013年05月15日

Posted by ブクログ

モチベーションについての本。
日本人のやる気は「見せかけ」で、実際はモチベーションは高くない。その原因は、皮肉なことに「やる気主義」にある。

やる気の足かせとして5つの要素が上げられている。
1.残業への不満
2.定まらない目標
3.過剰な管理
4.まだら模様の人間関係
5.不公平な評価、処遇
の足かせを作っている原因が「やる気主義」にあるという。
やる気を見せるためには休出・残業は避けられず、次々と高い目標を設定させられ、上司はさらに上にやる気を見せるために部下を過剰に管理し、飛び抜けぬよう、出し抜かれぬよう仲間と牽制し合い、やる気という不明確なものが評価基準となっているため、評価は不公平感ばかりを生む。

逆にモチベーションを持って仕事ができるためには、仕事の所有感を持つことが肝要。そのためには、上司の管理は片手間でよい。仕事を見るのは、やる気のような「川上」ではなく、成果や目標に近い「川下」で見ること。部下が主役で上司が脇役をしっかり意識し、上司が部下を支援すること。さらに評価はあえてアバウトにすること。

読んでみると、自分にも「やる気主義」に毒されて行動している面というのもあるというのが自覚できた。やばい。

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2012年08月08日

Posted by ブクログ

「苦労すること、汗をかくことだけが尊いという社会は暗いし、怖い。」というところが笑ってしまった。笑い事じゃないんだけど。まさに日本の社会ってしそんな感じなので。

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2012年06月02日

Posted by ブクログ

「やらされ感」と「所有感」
■何が意欲を失わせているか?
①くすぶる残業への不満
②定まらない目標
③過剰な管理
④まだら模様の人間関係
⑤不公平な評価、処遇

■リーダーの3つの役割
・障害を取り除く
・仕事振りを川下で見る
・部下を支援する。

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2011年04月10日

Posted by ブクログ

中学生のとき、毎年冬になると、全生徒が10km走るマラソン大会があったんです。きっとどの学校でもありましたよね?
大会近くになると体育の授業は学校の外を何周もするジョギングになり、当時はそれがもうイヤでイヤでしかたがなかった。歩いたり、近道したり、1周目なのに2週走ったフリをしたり、どうやってサボろうかということしか頭になかった気がします。走ることは、運動の中でも一番嫌いでしたから。

そして20年以上たった今、自らすすんで毎日ジョギングしているんですけど、なぜなんでしょう。
その違いを本書では「所有感」と「やらされ感」という言葉を使って説明しています。確かに中学の頃はやらされ感しかなかったもんなー。

この本は、日本独特のやる気主義、欧米型の成果主義、双方の失敗を挙げ、そのどちらでもない自発的モチベーション型のマネージメントの良さを事例とともに紹介していきます。
歴史的な偉人のようなリーダーシップのある人よりも、カーリングのスイーパー(ゴシゴシやる人)のような、仕事を川上ではなく川下で見ているプレイングマネージャー型のリーダーが、これからは必要だと。子育てにもあてはまるかもしれません。
昨日読んだ『ヒトデはクモよりなぜ強い』に通じるものがありました。

あと、この本読んでたら巨人の原監督も、すごい人なんだなぁと思いました。

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2011年01月25日

Posted by ブクログ

会社に対するモヤモヤとした不満を解き明かしてくれる一冊。
社長や上司に読んで欲しいと言うのが正直なところだが、自分が部下を管理する上でも大いに参考になる。
不公平感が部下の不満の原因なのはよく分る。その解消法を知りたいのに、本書ではそこが分らず残念。

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2010年11月17日

Posted by ブクログ

なぜ成果主義がうまくいかなかったか、さらに「やる気」主義が会社を駄目にする、という内容。
将来、部下をもつようになったときには、気をつけなければと思う内容が多く書かれていた。

「やる気」が重視される社会
上司は部下の「やる気」を出そうとさせるが、何かしらの要因があって自然と「やる気」は出るもの。
言われて「やる気」がでるわけでない。

上司が部下の「やる気」を出そうとすればするほど、部下にとって「やらされ感」が出てしまうことが多い。

「所有感」をもたせることが大事。
広島のめがねチェーンの「21」は、社員全員が共同経営者。
社員全員が経営者視点をもつべき言われることは多いが、言われるだけだと「やらされ感」となり、「所有感」にはならない。
「やらされ感」と「所有感」は反対のもの。

さらにモチベーションを下げる原因として
曖昧な評価がある。
「やる気」を残業等の姿勢だけで判断して不要な残業を増やしたり、目標を達成すると目標が次々とつり上がり、力の出し惜しみにつながる。

上司は部下が、仕事に対して自律的に取り組むことを願っているが、実は上司の管理の仕方が自律を阻んでいる。
「人の管理」と「仕事の管理」
陥りやすい「人の管理」
「管理したい」人の本能 押さえつけることが重要 部下を管理したいコントロールしたい

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2010年11月07日

Posted by ブクログ

この人の著作の評価は難しい。議論のベースが単なる伝聞や根拠の曖昧なアンケート、著者の憶測ばかりで、はっきり言って前半は読む価値なしだ。かといって言っていることがデタラメかと言うとそうでもなく、結構本質を突いた分析になっている。目標管理制度が日本人ワーカーの自発的なモチベーションを奪ったのは間違いないと信じるが、背後にある隠れた原因の一つとして過剰な管理とやる気第一主義があるとの説明は非常に説得力がある。恐らくそれは日本人の気質とか文化から来る根元的なものであり、最も目標管理に向かない国民性なのかも知れない。人事考課も3段階、しかもほとんどは中位評価で良いと言う提案も良い。以前会社が外資系だった頃、アングロサクソン達はプロジェクトのオーナーシップを非常に大切にしていたのを思い出す。彼らエリートは実に良く働くし、モチベーションも高かった。所有感と言う概念は日本人には馴染みがないが、とても大切なものである。

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2016年11月23日

Posted by ブクログ

日本人は勤勉といわれるが、実は勤勉ではなかったという問いの立て方は面白い。本の途中から検証ではなく、ビジネス本みたいな内容になってしまっているのがもったいない。

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2015年02月22日

Posted by ブクログ

やる気は大切だが、「やる気主義」は結局やる気をなくさせる。「成果主義」は川下の成果を測る基準が曖昧になり、最後は川上であるやる気で評価することになる。そうすると、部下は夜遅くまで働くなどで勤勉を装うことになり、やる気はなくなり、日本の成果主義は破綻した、、、という主張。

やる気を出させるには、片手間で必要なところだけ支援するくらいでいい。
マネージャーは、カーリングのスイーパーのように、
1)氷上を滑る石の前にブラシをかけるように障害を取り除いてあげ、
2)石の強さと方向性を判断するように、メンバーが狙い通りの方向に向くように少しの指示をだし、
3)脇役として支援すべき、
と言う。

一所懸命働いているように見せているだけではだめで、成果を出さないといけないし、上司もそれを引きださないといけない、ということ。少しギクリとするところもある。

勤勉なおじ様は、読んだほうがいいかもしれない。

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2014年01月22日

Posted by ブクログ

日本で一般的に実施されている評価方法は「やる気至上主義」であると定義し、その問題点と対策方法を紹介する本。
部員たちに信頼され、成果をあげる真のリーダーになる為に心がける項目で締めくくられています。
子育てと一緒です。

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2013年06月22日

Posted by ブクログ

自発的モチベーションの源は「所有感」

やる気主義>反比例してやる気は低下

感情労働>ホックシールド

同質性を基本にしたチームワークから異質性を基本にしたチームワークへ、自分を殺すチームワークから自分を生かすチームワークへ

管理の効果はすぐ表れるのに対し、その弊害はゆっくり表れる

良い人間関係と濃密な人間関係はイコールであるかのように考えがちだ>濃密な人間関係は窮屈さの裏返しであるし、1つ間違うと危険な顔を見せる。>温かさ、面倒みのよさと息苦しさ、不自由さとは文字通り紙一重

マネジャーというものは、自分のやる気や意気込みが強すぎると、その意欲とエネルギーが部下の管理に向かう。またマネジャー自身が上司からやる気や忠誠心を見られていると思うと、それをアピールするため部下の過剰に管理してしまうことがある。

そもそも冷静に考えてみたら分かるように、苦労すること、汗をかくことだけが尊いという社会は暗いし、恐い。

ただ、ふつうに見られる「やる気主義の失敗」はもっと善意から生じる。それだけにいっそう始末が悪い。

「所有感」こそが「やらされ感」の対極にあるものだ

社員にやる気を出させるポイント2つ>社員に楽をさせる。(ホウレンソウ禁止)。管理をしないこと。

社員のモチベーションを引き出すには「社員のやる気をなくす要因を取り除いてあげればいい」

あえて評価はアバウトに>やる気を失わせる最大の元凶は「評価」>アバウトと不正確とは混同し易いが、まったく違う。

「管理は腹八分で」

管理は片手間に>片手間のほうが視野が広がり、物事を長期的に見ることができる>片手間と無責任とは違う。

「最大の問題は『管理したい』という欲求を抑える方法を本能的に体得している人が、あまりにも少ないという点なのだ」エクセレントカンパニー著者

部下の仕事を見るときの大事なポイントは、できるだけ「川下」すなわち成果や目標に近いところで見る。

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2011年08月19日

Posted by ブクログ

方向性はアグリー。けど特に目新しくはない。問題は、わかっていても実現できないこと。そのあたりは、学者っぽい論調。たぶん、既得権益をどうするかだと思うのだが…

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2011年04月28日

Posted by ブクログ

「ノウハウ情報を仲間に教えるか」で、欧米が90%近いのに、日本が50%なのは、残念だけど、理解はできると思った。
曰く、日本人は決まった仕事を決まったメンバーでこなすのは得意だが、新しいプロジェクトを新しいメンバーで進めていくとなるとさっぱりだめなのだそうだ。

新しいプロジェクトを新しいメンバーで運営するには、プロジェクトに対しても、またほかのメンバーに対しても自ら積極的に関わっていかなければならない。日本人はそれができない。プロジェクトの目的を達成するために、また自分の役割を果たすために周囲と力を合わせていこう、他人を巻き込んでいこう、という意思と気迫がたりないのである。

著者の主張では、過剰な管理はやる気をへらしてしまう。仕事に所有感を持たせること、評価は細かく行わず、アバウトにすること。
管理職はプレイング・マネージャーになることなどが進められている。

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2010年11月19日

Posted by ブクログ

本屋をぷらぷらしていて、タイトルと目次が面白そうだったので買ってみた本。
自己の迷走っぷりに歯止めがかかるかも、という淡い期待もあったのですが・・・。
 書いてある内容は、『まぁ、そうだよな~』と共感できることが多く、読みやすい書き方なのでさくさく読める。(ちょっと変な書きぶりの所もあって「??」と思う部分もあったが)
私的には答えを導くきっかけを見出す、というよりも読中そうか~といいながら自分をなぐさめているような感覚を覚えてしまいましたが…。

読んでいて最初に思ったことは、「これって会社の話じゃなくて、学校の話じゃないの!?」ということ。(本文中にもそういったことに少し触れてた部分があったかな…?)
…三つ子の魂百まで…ってことなんですかねぇ。
そういえば、学校行ってたときにも、似たような事でプリプリ怒っていたかも・・・。
ということは、私も進歩がないということか。
やっぱり三つ子の魂百までオチ。

ただ、後半はマネジメント層向けの話が主だったので今の私が求めているものとはちょっと違ったかな…と。
ただし、(自分が今後どういった立場になるかはわからないが)今後生きてくる可能性もあるわけだし、この読書体験は無駄にはならないと思う。
まあ、そういった内省・考察を促すきっかけになったってことで、★三つ。

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2010年09月26日

Posted by ブクログ

良いことは書いてあるんだけど、起伏や整理せず書いてあるので、分かりにくい。話を聞いているような感じ。

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2010年09月05日

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