太田肇のレビュー一覧
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初めの内は『日本人は微笑んでいても目が笑っていない』とか『選抜は外れの方が多い』(芸能オーディションの結果を全ての組織に一般化する議論は学者のするものではない)とか根拠のない思い込みの強い記述にあきれたが、読み進むに連れて通底する著者の主張が解ってきた。日本的なウェットな組織論理が時代に合わなくなっていて、独立した個人が主体的に帰属、活動する形に変革すべし、と言うのが主旨だ。
能力や実績に大差のない6割の人に無理矢理順列や差を付けるのはむしろ害悪、地方分権は格差を拡大させたい強者の論理、PTAは自由参加・最小負担・選択の3原則で、と言う主張も納得できる。 -
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情報通信技術の進展に伴い人間のがんばりで処理してきた仕事がコンピュータに取って代わられることになる。今、人間に求められているのは、コンピュータにはできない人間特有のユニークな能力。独創性、創造性、革新性、ひらめき、感性など。これらの能力は強制や命令では、決して最高度に引き出すことはできない。がんばりを強要しても効果など上がるわけがない。「がんばる」とは、物事をひたすら決まった方向へ推し進めることであり、求められるのは努力の量。それに対して創造や革新は、努力の方向を探すこと、すなわち努力の質が求められている。量の差は倍数レベルだが、質の差は無限大。ヨーロッパ人は仕事より私生活を大事にするので基本
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やる気は大切だが、「やる気主義」は結局やる気をなくさせる。「成果主義」は川下の成果を測る基準が曖昧になり、最後は川上であるやる気で評価することになる。そうすると、部下は夜遅くまで働くなどで勤勉を装うことになり、やる気はなくなり、日本の成果主義は破綻した、、、という主張。
やる気を出させるには、片手間で必要なところだけ支援するくらいでいい。
マネージャーは、カーリングのスイーパーのように、
1)氷上を滑る石の前にブラシをかけるように障害を取り除いてあげ、
2)石の強さと方向性を判断するように、メンバーが狙い通りの方向に向くように少しの指示をだし、
3)脇役として支援すべき、
と言う。
一所懸 -
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人が積極的になるにはどうすれば良いか。「憧れ」と「成功体験」が必要である。憧れは夢と言い換えても良い。そして、成功体験とは承認と言い換えても良い。
著者は、公務員がやる気になるために、承認が必要だと主張する。上司からの承認でも良いが、市民からの承認が最も公務員をモチベートする。
マスコミが公務員を叩くようになって久しい。一部の悪い公務員をマスコミが叩き、市民の目線が厳しくなる。この循環の中では、公務員に対して憧れを抱くことは難しい。この悪循環をどこかで断ち切らなければ、良い公務員が育たない。
そのためには、公務員が自分の名前で仕事をし、良い仕事には市民からの承認、賞賛が得られるような仕組みが必 -
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ネタバレとてつもなくモチベーションが高い公務員をスーパー公務員と呼び、そのような公務員が存在しなければ地域社会は良くしていけない。
今の公務員の人事評価では、モチベーションに上限を設けやすく、そこそこでも組織の中では生きられるというものである。
公務員がそこそこだと地域にとってそれは損失であり、スーパー公務員を排出できる体制を取っていかなければならないという内容。
やる気の源は、「自律」「承認」「夢」とあり、自分としては、「夢」がとても大切だと感じた。
当たり前かもしれないが、夢を大きく持つこと、それによって並外れたモチベーションと行動力を生み出される。
それも明確な夢を持つこと。これについてこの本で