太田肇のレビュー一覧
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承認欲求のプラス面とマイナス面、マイナス面として企業や行政の不祥事、過労自殺にいじめやパワハラ等の背景にある承認欲求に関して日本の風土病として述べられている。
承認はやる気、自信、人間関係や報酬と多くのものを得ることができる代わりに、認められなければならないという状態になると、承認欲求の呪縛となる。認知された期待と自己効力感のギャップが大きいとき、期待の多きさを実感している一方で、それに応えられる自信がないときに陥る。
日本の組織では組織内で認められることが全てになりやすいことが、承認欲求の呪縛に繋がりやすい。
解決策は1つの組織に固執しない、大きい目標をもって目の前の期待を下げる、自己効力感をもつ。 -
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評価されたいという気持ち、承認欲求は自分にもかなり思い当たった。海外だったら部下を褒めたらすぐに昇給を要求される、ある意味ドライで相手からの承認欲求だけで満足しない。ただ褒めて働かせるのは承認欲求の搾取。活躍した社員を表彰し報酬金を与えると、そのプレッシャーで表彰者が翌年には辞める会社。。子供が自殺するのは家庭では元気なお兄ちゃん、お姉ちゃんが学校でいじめられているという自分の評価が180度変わることに耐えられないから、など承認欲求というテーマでいろいろ考えるのが新発見で納得。しかし、高橋まつりさんの自殺まで承認欲求でくくるのはさすがに疑問。明らかに過労だったし、鬱状態だったので承認欲求のプレッシャーと結論づけるのは彼女の思考回路に問題があったかのようでおかしい。
いじめについて改めて考えさせられた。いじめという言葉が自分を「いじめられっ子」と定義することになりそれが受け入れられず大人に相談できない。嫌がらせ、校内暴力など別な言葉はないだろうか。 -
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先日、某社のセミナーに参加した。テーマは「ほめる」「認める」を仕組化する最新のモチベーション戦略。プレゼンの中で、著者が紹介されていたので、興味を持って読んだ。最近、有名中学等の説明会で教育方針等をよく聞くのだが、「承認」という言葉こそ使わないが、自立・自律を目指すには、それが一番重要だという印象である。その割には、本書にもあるとおり、日本人は、承認するのが苦手である。ここにビジネスチャンスがありそうだ。実際、シンクスマイルという会社のHooopという仕組みは秀逸である。
以下、あとがきより。
<表の承認>より<裏の承認>、また<長期の承認>より<短期の承認>に偏ったわが国の組織・社会風土は、国際的にみてもきわめて特異である。しかも、いまなおその特異性を強めようとしている。これは正直いってかなり異常な現象だ。なぜなら、工業科社会からポスト工業化社会へと移行し、また人々の心の中で承認の欲求不満が強まっているにもかかわらず、組織・社会の風土はむしろそれに逆行しているからである。組織・社会のためにも、個人のためにも、なんとかしてこの流れを変えなければならない。
それにはまず、わが国の組織や社会にもともと備わっていた承認の文化を生かしながら、「表モード」へ切り替えていくことである。「出る杭」を打ち、周りとの同調を求める組織・社会風土は、それを逆手にとることで一気に視界が開けてくる。保守的・閉鎖的なわが国の中でも、それがとくに顕著だといわれる「京都」と「農村」地域。意外にもそこには、個人を認めて育てるための、また一人ひとりが認められるためのヒントが隠されている。
・保守的な風土だから異端が出やすい
・単なるオンリーワンではなく、それを組み合わせて+αを
・「出すぎた杭」になれば、打たれないばかりかむしろ引き抜かれる
・周囲とずらすことで競合を避けられる
・組織の力を借りる
・声なき声を代表する対抗勢力になる
これらは、組織の中での認めかた、認められかたに活かせる重要なポイントである。あなたがもし、「部下を認めること、ほめることは難しい」、あるいは「日本の組織や社会では認められようとしても無駄だ」と思っていたら、あきらめるまでにぜひ一度試してほしい。
”出る杭を打つ社会だから、逆に認められやすい”ということがウソではないと実感できるだろう。
以下、その他の参考箇所。
・日本人の場合、認められたいという気持ちを正直に表現できないことが多いようだ。
・とにかく日本人は、<日常の承認>を強く求めているのだ。
・こうしてみると、ほめられたいがほめてもらえない日本人の姿が浮き彫りになってくる。
・上司に求められるのは、それぞれの部下が何を重視しているのか、そしてそれにどれだけ自信をもっているのか(すなわち自尊心のレベルがどの水準にあるか)を鋭く見抜く力だといえる。
・日本型ヒーローの条件
?無私を装う
?周囲の人たちの利益にかなう行動
・職場でスターになる人やリーダーとして尊敬される人に共通するのは、メンバー個々人の利害に敏感な人、俗にいう「よく気がつく人」である。 -
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ネタバレ雪道を歩くふとましいネコの写真(後に岩合氏の手によるものと知る)の帯が目に留まり、
自分の会社でも、やれAIだのRPAだのという機運が非常に高まっており、”これからの私たちの仕事はどうなっていくんだろう”と思っていた矢先だったので、
購入してみました。
以下、印象的だったところ。
・メンター制度の副産物。「メンター自身は間違いなく成長した」(p.17)
・「彼らはただ自発的、積極的なだけではない。けっして他人に迷惑をかけたり、周囲と軋轢を生んだりしない。(中略)その意味でも彼らは『ネコ型』なのだ」(p.107)
・「生産性にしても国際競争力にしても一九九○年代の半ばに日本の地位が急落し、その後も回復が見られないことである。九○年代半ばといえば『ウィンドウズ95』が発売されるなど、いわゆる『IT革命』が世間を騒がせた時期である。ITの時代にマッチした能力と意欲を引き出す仕組みがいかに欠けていたかを物語っている」(p.109)
・「逆に解釈すれば、知識として伝達したり理論として説明したりできないものは、AIなどに代替されにくいということだ。」(p.113)
・「直感は知識、情報、理論といったデジタル的な要素に、アナログ的な『+α』の要素が加わったものだといえよう。」(p.114)
・遊び・楽しさ→モチベーション(p.118)
・「『君子の交わり淡き水の如し』というように、賢明な人ほど適度な距離を置いてつき合うすべを身につけている」(p.145)
・「『最大の問題は『管理したい』という欲求を抑える方法を本能的に体得している人が、あまりにも少ないという点なのだ』」(p.203)
・「日本はもともと島国で人の流出入がかぎられてきた。そのなかで人々は、食糧も資源も分かち合わなければいけない。このように総量が決まっていて、だれかが得をすると、そのぶんだれかが損をする関係を、差し引きゼロになるという意味で『ゼロサム』という」(p.213)
なかなか面白かったです。
いい意味での”ネコ型”になっていかなければならないなと思いました。
あと、意図せぬ”イヌ扱い”には気をつけないとなーと思いました。
副題に”AI”と付いている割にはその辺りの話が少なくて、少し残念。まぁ、別にもっとAIを取り上げた本を読んで勉強したいと思います。 -
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組織論の学者さんが、システム視点ではなく個人視点で日本の様々な組織構造を論じた書でした。
その人の個性を最大限尊重しつつも、機会の平等を担保した社会構造への変革が必要であるというのが、著者の主張でしょうか。
組織管理の強化が、かえって不祥事の抑止にはつながらないという章の論は、たいへん参考になりました。意識・技術面での個人の自律性の強化は、非常に大事です。
ただし、本書の全体的な訴求点として、個性の重視と機会の平等が混在且つ背反的に感じたので、どちらか1つの主張にまとめて下されば、さらに理解が進んだのではないかと感じました。そういう意味では、システム視点での思考もほしかったです。
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この人の著作の評価は難しい。議論のベースが単なる伝聞や根拠の曖昧なアンケート、著者の憶測ばかりで、はっきり言って前半は読む価値なしだ。かといって言っていることがデタラメかと言うとそうでもなく、結構本質を突いた分析になっている。目標管理制度が日本人ワーカーの自発的なモチベーションを奪ったのは間違いないと信じるが、背後にある隠れた原因の一つとして過剰な管理とやる気第一主義があるとの説明は非常に説得力がある。恐らくそれは日本人の気質とか文化から来る根元的なものであり、最も目標管理に向かない国民性なのかも知れない。人事考課も3段階、しかもほとんどは中位評価で良いと言う提案も良い。以前会社が外資系だった頃、アングロサクソン達はプロジェクトのオーナーシップを非常に大切にしていたのを思い出す。彼らエリートは実に良く働くし、モチベーションも高かった。所有感と言う概念は日本人には馴染みがないが、とても大切なものである。
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初めの内は『日本人は微笑んでいても目が笑っていない』とか『選抜は外れの方が多い』(芸能オーディションの結果を全ての組織に一般化する議論は学者のするものではない)とか根拠のない思い込みの強い記述にあきれたが、読み進むに連れて通底する著者の主張が解ってきた。日本的なウェットな組織論理が時代に合わなくなっていて、独立した個人が主体的に帰属、活動する形に変革すべし、と言うのが主旨だ。
能力や実績に大差のない6割の人に無理矢理順列や差を付けるのはむしろ害悪、地方分権は格差を拡大させたい強者の論理、PTAは自由参加・最小負担・選択の3原則で、と言う主張も納得できる。