太田肇のレビュー一覧
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フジテレビ、ジャニーズ、ビッグモーターなど、様々な日本型組織が今なぜ崩壊しているのか。
本書では、「共同体」をキーワードにその原因を深掘りしていきます。
著者の主張のポイントは、主に次の点に集約されると思います。
・これまでは、共同体型組織の必要条件となる「受容」(メンバー同士の支え合いや包摂)と「自治」(共同体のために自らが責任を果たす)が、いわば権利と義務のように車の両輪の役割を果たしてきた。
・しかしながら、「自治」が「忍従」(上からの要求を無批判に受け止める)に変わってしまうと、消極的利己主義や集団無責任体制が蔓延し、組織の崩壊が始まる。
つまるところ、組織に自治が働かず、一部の権 -
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■テレワークに切り替えることが困難な理由を深く追求していくと、技術的な問題よりも社会的・心理的な要因が大きな比重を占めていることが分かってきた。その中でも働く人にとってテレワークで満たされない大切なもの。それは、一言でいうと「刺激」である。
会社に行けば無意識のうちに様々な刺激が得られる。通勤には多少の負担が伴っても、同時に新鮮な空気に触れられ、体を動かせば爽快感が味わえる。職場では同僚や顧客と仕事の話だけでなく世間話や情報交換もできる。その都度、脳は活性化される。
職場で沈んだ顔をしていたら周囲の人が心配して声をかけてくれるし、悩みを打ち明けられる同僚もいる。時には苦手な人と顔を合わせる -
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p.48
ストレートに表現したら顰蹙を買うことがわかっているので、わざわざ迂回する戦略をとり、認められようとしている。それだけ、他者から認められることへの執着が強いからである。
p.74
彼はその道の大家である師匠に「いつまでたっても社会的に評価してもらえない」とこぼした。すると師匠は「実力があっても評価されないのは幸せだ。私のように実力以上に評価されるのはどれだけ苦しいか」と答えたそうだ。
たしかに私の周りを見渡しても、なかなか認められないと嘆く人は何人かいるが、実際に多少なりとも認められた人を思い浮かべてみると、その人が幸せな人生を送っているかといえば、必ずしもそうではないようにみ -
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今までいろんな生産性や効率化の本を読んで、なぜ日本が生産性が著しく低いのか、
なぜ長時間労働なのかそれでいて著しく賃金が低いのか、なぜ社員の満足度が低く幸福度も低いのか、簡単な解決方法が見当たらなかった。
原因はそれぞれ書かれていて解決する方法はあるが、日本の社会の慣習、会社の仕組み、法律、全てが複雑にからみあっていて解決できない絶望的な気持ちになる。
個人的には雇用の流動化が1つの突破口だと考えていた。
それがこの本で明確に書かれていて非常に納得した。
多くの企業で生産性の向上をうたって現場は改善を重ねるが、本書にも書かれている通りそれでは劇的に生産性が向上しないだろう。
本書で書かれている -
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目から鱗だ。
■日本企業では入社した直後から「ホウ・レン・ソウ」,すなわち上司に対して常に報告,連絡,相談をするように指導される。ところが「ホウ・レン・ソウ」を徹底して求める管理職の指導は,欧米人の目からすると細かいところまで管理する「マイクロマネジメント」そのものに映り,しばしば嫌悪される。
■欧米などではマニュアルはあくまでも作業者が参考にすべきものという認識であり,状況によって臨機応変に対応することが求められる。それに対して我が国ではマニュアルを絶対視し,厳格に守ることが要求される。さらにマニュアルに書かれていない部分まで推測し,それに従おうとする。
■人事評価についてもわが国ではより細 -
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201603/
そもそも「やる気」は、何らかの原因(理由)があって生まれるものであり、原因抜きのやる気はあり得ない。/
例えばスポーツでも楽器の演奏でも、上手にできたときはたいていリラックスし、無心になっている。だから「無心になれ」とか「リラックスしてプレーしろ」と言う。しかし、たまたま無心になれたから良いプレーができたのであって、無心になろうと思っても簡単になれるものではない。そもそも無心になろうと意識していること自体、無心になれていない証拠である。実績を残して自信をつけるとか、場数をこなすといった条件を整えることではじめてリラックスし、無心になれるのである。/
やる気もそれと同じだ。サラ