太田肇のレビュー一覧
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いわゆる「フリーライド」の問題を組織面から考察したもので、目の付け所は面白い。が、決定的な視点が一つ欠けている。それは日本社会は「相互監視による暗黙の強制力」がベースになっていることである。個人が組織に溶け込んでいるから嫌なことでも進んでやるのではなく、仲間の目が気になるから嫌々やっているだけである。逆に他人の目が気にならない場面では日本人はモラルも何もなくやりたい放題である。これはここ30年の話ではなく、おそらく江戸の昔から日本人に根付いてきた文化だ。最近その非合理な面が可視化されてきたのは、組織が流動的になって仲間の目が利きにくくなっているからに過ぎない。この視点で見ると、最終章の対策で効
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Posted by ブクログ
ネタバレ日本は、世界基準からずれている国だなと感じる本。以下、内容の抜粋。
・日本でテレワークが捗らない理由は、社内で得ら
れるはずの承認欲求(誰かが褒めてくれるなど)が
満たされにくいから。
・欧米:成功体験→自己肯定感UP
日本:成功体験+承認→自己肯定感UP
(日本人は承認欲求に囚われている)
・会社とは?
欧米
→能力・業績が評価される場所
→働いて収入を得る場所
(評価=給料を上げろという感覚)
日本
→全人格的に評価される場所「共同体型組織」
※忠誠心などが評価される場所
→承認欲求を満たす場所
(評価=承認されるという感覚)
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Posted by ブクログ
コロナ禍で明らかになった新たな同調圧力の正体を「タテ(秩序)からヨコ(正義)」に変わったという視点で、日本でこれまで問題となっていた同調圧力とは何なのか、日本社会の歴史的背景やコロナ禍で露呈した日本の課題を明らかにしています。
著者指摘のとおり、現状のこの変化は十分理解できるところであり、その特徴も注意しなければならないところでしょう。最後に、同調圧力に対処するための戦略を提案しています。難しい面も多いのですが、参考にしたいと思います。
▼同調圧力の背景にある3つの要因
①閉鎖性
②同質性
③未分化
・閉鎖的、同質的な組織や集団は共同体になりやすく、さらに個人が未分化だと同調圧力に無防備であ