赤川次郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ(裏表紙より)
体つきは優雅で上品、きりっとした顔立ちの三毛猫。手術で子宮をとったせいか、時々物思いにふける癖がある。だがひとたび事件がおこると、ユニークな推理と鋭い冴えで人間どもを翻弄する。その名も『ホームズ』。
そして、コンビの片山は、血を見るのは大嫌い、アルコールは駄目、女性恐怖症と三拍子そろった独身男性。一応刑事だ。
売春、密室殺人、女子大生連続殺人事件と2人(?)のまわりには事件がいっぱい。
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ベストセラーだったのですが読んだことがなかったので、やっと手にとることが出来ました。
推理小説の王道といっても良い内容ですが、三毛猫ホームズが良い味を出していて、主人公とのタッグも絶妙です。もっとファンタジー色が強いのかと思いましたが、そんなことはなく、内容は本格ミステリーになっています。
意外な犯人に、意外なトリック、意外な結末。最初から最後までどきどきさせられっぱなしです。売春、密室殺人、女子大生連続殺人、賄賂問題、たくさんの事件が絡み合う中、どうやって解決に導くのかと後半まで全然分からなかったのですが、まさかこの人が…!!という感じで、本当に面白かったです。
ただ、自分的には★は3つ。メイン登場人物の少なさ(いなくなる人が多すぎて)と、思ったよりホームズの活躍が少ないところ、感情の描写が少ないので感情移入できないところ、それから続編を読みたいと思えないところ…。
でも、ベストセラーなだけあって十分面白い作品でした。 -
Posted by ブクログ
久しぶりの読書ということで軽めに読める短篇集をチョイス。
そのなかでもこれはショートショートなので、一篇が5ページくらいのお話が多く、飽きずにテンポよく読み切りました。
以前同じく赤川次郎のショートショート(確か『踊る男』)を読んだことがあって、それにはけっこうぞっとするような怖いお話も収録されていた記憶があり、印象にも残っていたのだけど、そういう意味でこの短篇集は少し印象が薄い。少なくとも、本当にぞっとするようなお話はなかったです。(かるーく怖いお話はいくつかありました)
でもとにかく飽きずに読めるので、あまり読書が得意じゃないけど何か読んでみたい人にはおすすめ。難しい表現もないので読みやすいです。 -
Posted by ブクログ
“何だろう?何かが、幸子の記憶に触れたのだ。
二階に上ると、幸子は、無人の廊下を、見通した。たった今、人がいたのに違いない。気配がある。空気の乱れ、とでもいうべきものが。
「——どこにいるの?」
と、幸子は言った。
自分の声が、びっくりするほど小さく、震えている。——しっかりして!あなたは以前には教師だったのよ!
自分を叱って、ゆっくりと廊下を歩き出したが、
「そうだわ」
呟きと共に、幸子の足は止まった。
教師。教師だったころ。——その記憶に、あれが触れたのだ。
あの甲高い、男の子の笑い声が。”[P.151]
簡素な文章から滲み出る静かな恐怖。
“「久美。——パパだ」
佐田は、久美の部屋のドアをノックした。
久美が、ドアを開けた。
「パパ……。どうしたの?」
「終ったよ。——何もかも、終った」
佐田の言葉の意味を、久美は分からなかったろうが、しかし、あえて訊こうともしなかった。
「もう……大丈夫なの?」
「ああ。大丈夫だ」
佐田は、力一杯、久美を抱きしめた。
佐田の背中に、貼りつくようにくっついていた、汚れたシャツが、フワリと床に落ちたのには、二人とも気付かなかった。”[P.236]