小田雅久仁のレビュー一覧
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物語に引き込まれて、本を閉じることができませんでした。
短編集でよかった…長編やったら終わりでした。
そして月がふりかえる
途中で絶望して、なんとか状況変わらないかと願ったけれど変わらないまま、でも最後にぼんやりとした希望が……
こんな悪夢ある? という話でした。自分の居場所が別の誰かに奪われてし...続きを読むPosted by ブクログ -
タイトルの引きの強さよ。
加えて帯の「こんなにしあわせな気分になれる小説も珍しい。」というコメントに惹かれました。
語り部の口調が軽妙で、ふざけていて、リズムだけで話してない?と思うほど語感がやけに良く、思わず脳内でツッコんだり。
しかも、このふざけた文体で終始笑える感じかと思いきやグッとくる場面も...続きを読むPosted by ブクログ -
月がモチーフの三編の中編。
どれも印象深い傑作だった。
表題作の『残月記』も『月景石』も素晴らしかったが、個人的には特に最初の『そして月がふりかえる』が一番好きかな。
意外性のあるひねりある展開から、ラストの切れ味のある『そして月がふりかえる』で一気に掴まれてしまった。
これは話題になるのも納得。Posted by ブクログ -
「そして月がふりかえる」
とにかく怖い。こんな事は絶対に起こらないとわかっていても、それでもゾッとする。
「月景石」
圧倒的なファンタジーの力。
あまりにも荒唐無稽なのに、ドキドキハラハラ夢中になって読んでしまった。
現実ではちょっと退屈な主人公が夢世界で獅子奮迅の大活躍するのかと思いきや、そうい...続きを読むPosted by ブクログ -
なかなか読み進めにくい作品ですが、読み進めていくうちに、半端ない没入感になっていきます。3篇収容されていますが、月景石、残月記は、長編としても読み応えがあります。現実に戻るのに少し時間がかかる読後感。いろんな意味で突出した作品でした。本日は中秋の名月で満月。空を見上げるのが、少し怖い。Posted by ブクログ
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すごい作品だった。
自分的には文体が堅く感じて最初はなかなか進めなかったが、残月記は設定も細かくて没入できた。
読み終わってからも頭が物語の世界から戻ってこれない。
月昂という感染症や指導者の暗殺という設定がまるで昨今日本や世界で似たような事が本当にあった、あり得そうな事だし、いつ発表された作品...続きを読むPosted by ブクログ -
月にまつわる三作品。どれもSF要素あり。
三つ目の残月記が素晴らしかった。
月昂という病が蔓延した近未来の日本らしい国が舞台。
月昂にかかったものは保護という名で隔離され人権を奪われる。
月昂者に死闘を演じさせるコロシアムを再現した建物、催し物。
それら非人道的な状況を可能にする独裁国家という...続きを読むPosted by ブクログ