小田雅久仁のレビュー一覧
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初めて小田 まさくに さんの著書を読んだが、文体がユニーク 『言葉が好きな人が書いた』感じで(新しい、若い作家さんの本を読むことがここ数年多かったからか、逆に新鮮だったが、いわゆる普通に古い文体という感じもする)
例えば、『琴線に触れる』『一縷の希望を胸に』『独り決めしている』『倦んでいる』『餓鬼』かつ人生の正道というものだ』
正直好みではなかったが
•食書
我々は本に、物語に食われていたのか、なるほど
主人公は本を実際に食べて、物語世界に食われ、現実と虚構の区別が付かなくなっていくが、
私も本の世界に入り込みすぎて自分が癒されたり悲しくなったりイライラしたりしてしまう事もあるし
没入後にし -
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購入済み
斬新な手法
SFやホラー小説で「他人の体に憑依する」というのはよく使われる手法であるが、耳を使った手法というのは秀逸である。言われてみれば随分 不気味だしな。ストーリーの構成はとても良いが、語り口がどうにもベトベトしていてあまりこのみにあわない。
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東京創元社の日本SFアンソロジーシリーズ「Genesis」、毎年刊行されるこのシリーズもこれで4冊目となる。いつもこの本が出るのを本当に心待ちにしてきており、申し分なく期待どおりの作品集となっている。このアンソロジーには有名なSF作家、新人SF作家が執筆しているのでいつも時間をかけて読んでいる。
短編が多い中、一番スペースを割いていたのが小田雅久仁の「ラムディアンズ・キューブ」で、私はこれが一番面白かった。この方のお名前はあまり覚えていなかったが、今回の作品でとても興味を持った、読み終えて直ぐに先々月出版された「残月記」を購入した。刊行されて間もないのに重版が出ていたということは、やはり人気 -
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本には雄と雌があり、時には子も生まれる。登場する蔵書家曰く「本は増やすもんじゃない。増えるんだ。本は勝手に増えるんだよ」成る程。現実にも「本が際限なく増える」と聞くが、あれは比喩表現ではなく紛れもない真実だったのか。
という訳でエンデ『はてしない物語』とサルトル『嘔吐・壁』から生まれた本の書名は…声出して笑った。
小説は雄本と雌本から生まれる「幻書」の収集家だった祖父母のことを中心に、幻書との関わりについて孫にあたる人物が記す手記という体裁を採っている。
終盤の手記が書かれた真相、エピローグまでなかなかに練られた物語。
小ネタを挟まずにいられない饒舌過ぎる語りは、読み続けていると少々食傷気味に -
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タイトルからして気になっていた本。
帯に森見さんの言葉があり、読んでみると少し言葉のチョイスが似ている。
テンポの良い会話文は読みやすく、地の文や手紙(または書籍)の引用部分はちょっと引っかかったりしながらも、読み終えるのが少しさみしくなるようであった。
とくに、しゃっくりとミキ、與次郎の会話は楽しかった。
思わずふきだしてしまう、漫才のような掛け合いが素晴らしい。
だが、戦争に関する部分は生々しく、胸が苦しかった。
それが良いスパイスになっているのだろう。
すごく生々しい所と、バカバカしく思うほどのファンタジーさ。
本の並べ方にはとくにこだわりのない私だが、四畳半神話大系など、森見さ