小田雅久仁のレビュー一覧

  • 禍

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    面白かったー。
    グロテスクで幻想的な短編集。
    不気味さにキリキリするが、目が離せない。
    言葉の使い方、文章が独特で世界観に引き込まれる。良き。

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    2025年01月26日
  • 残月記

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    月を題材にしたSF小説3篇。
    自分の人生を乗っ取られた男。
    月の世界でイシダキとなる女。
    そして月の病に翻弄される男の話。
    文章の一文一文に手がかけられていて、読むのは遅くなりましたが非常に味わい深い作品となりました。

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    2025年01月26日
  • 禍

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    1.登場人物
    「食書」の主人公……黒木。売れない小説家。ショッピングモールで本を食べる女性と遭遇する。
    「耳もぐり」の主人公……中原。私立大学に勤める非常勤講師。
    「喪色記」の主人公……彼。滅びの夢を見る元会社員。
    「柔らかなところへ帰る」の主人公……彼。飲料メーカーに勤める生真面目で奥手な男。
    「農場」の主人公……輝生。宿なしの若者。28歳。
    「髪禍」の主人公……サヤカ。切られた髪を嫌悪する女性。33歳。容姿は悪くないが、自らを「壊れかけの人生を生きていた」という。
    「裸婦と裸夫」の主人公……圭介。あがり症。うだつのあがらない三十男。

    2.物語の始まり
    食書……離婚により現在、一人暮らしを

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    2025年01月04日
  • 残月記

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    「月がふりかえる」
    「月景石」
    「残月記」
    の3編が入っている。
    いずれも主人公がとんでもない苦難に遭うディストピア小説で、後ろに行くほどに悲惨さが増していく。

    ディストピアという事で生命が脅かされる極限状態が出てくるが、そこでは世間一般での価値観でなく、自らのうちから湧き上がる本能(生と性)や愛・尊厳といった事柄と向き合うことになる。

    終始、暗い話が続くが色々あるけど安楽な現実社会から、もしこのようなディストピアに落とされたら自分ならどうなるだろうとは夢想する。
    明日、死ぬかもしれない、どうにか生きたいと思う縁を考えさせられる小説だった。

    特に残月記は架空の疫病を下地としながら見事に世

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    2024年12月29日
  • 禍

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    不気味で禍々しい短編集。
    禍々しくもどこかユーモラスな物語は、伊藤潤二が帯にコメントを書いているせいか、頭の中で伊藤潤二の絵で再生されてしまった(笑
    特に「食書」「耳もぐり」「髪禍」は印象深い!
    禍々しく異形な世界を覗きたい方にオススメ!



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    2024年12月26日
  • 残月記

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    小田雅久仁『残月記』双葉文庫。

    初読み作家と思ったら、『本にだって雄と雌があります』の作者だった。当時、評判の高かった『本にだって雄と雌があります』は自分の肌には合わなかったので、この『残月記』を読むのには些か抵抗を感じる。

    吉川英治文学新人賞と日本SF大賞のW受賞で、月をモチーフにした短編集のようだ。『そして月がふりかえる』『月景石』『残月記』の3編が収録されている。

    いずれの短編も日常を遥かに超越した非日常的な世界が描かれる。通常のSF小説では有り得ないような文学的な表現が現実味を感じさせる不思議な短編SF小説だった。


    『そして月がふりかえる』。一種のパラレルワールドSF短編。文

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    2024年11月23日
  • 残月記

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    月にまつわる話が3作。めっちゃ濃密度が濃いです。3つの物語が繋がってるわけではなくそれぞれが独立しています。世界観がどれもちょっと違ってくるので、話に慣れるのに時間がかかるが、慣れてしまえば面白い。強いていうなら少し中盤の展開スピードが遅くなったように感じられたかな。
    だけど、ストーリー的には好きな人はいると思うストーリーなので、ぜひ気になった方には読んでほしい作品です。

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    2024年11月20日
  • 禍

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    面白かったです。
    何十年も前によく読んだ阿刀田高先生の作品ってこんなテイストだったのかな、と思いながら読み終えました。最近読み返してないので全然違うかもしれませんが。皆の心の奥底を揺さぶるような、少し怖いお話でした。

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    2024年11月07日
  • 禍

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    全七編のホラー小説。不気味で、脳が理解を拒否するような世界観の数々がたまらない。
    多くは語らないそのラストが未知なるモノへの気味の悪さを極限まで掻き立てている。
    成人版の世にも奇妙な物語みたいな…?

    『耳もぐり』
    出来事の数々を語り手が終始落ち着いた様子で平然と話す姿にゾッとした…。
    『農場』
    閉鎖的な施設で行う人間の鼻の管理、他の従業員は何も教えてくれず…という謎の数々が際限なく続く恐怖へと陥らせた。
    『葬色記』
    この独特の世界観がたまらなく好き。こういう小説を書きたいな〜

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    2024年10月16日
  • 紙魚の手帖Vol.12

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     全部は読んでいない。GENESISが雑誌になって、ノリの良さが前面に出た感じ。これもまた良いな。
     ゲラゲラ笑った青崎有吾さんのメカくらりは別枠として、高山羽根子さん、笹原千波さん、の作品が特に好きだった。

    ■笹原千波『手のなかに花なんて』
    肉体を捨てて情報人格として生きることを選べる世界。花と料理と。
    ■柞刈湯葉『記憶人シィーの最後の記憶』
    あれ、なんかいまいちだった。
    ■宮西建礼『冬にあらがう』
    いつもの宮西さんの、高校生が静かに世界を救うモノなのだが、AIが絡んできた。私いまいちまだ人工知能なるもののすごさがわかってなくて。やっぱ人間その程度のことも考えるのやめちゃだめじゃない?検索

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    2024年05月18日
  • Genesis 時間飼ってみた 創元日本SFアンソロジー

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    なかなか濃いSFアンソロジーでした。表題作の「時間飼ってみた」で笑わせてもらい、「ラムディアンズ・キューブ」で訳が分からない世界に連れていかれという体験をした。個人的に意思版好きな作品は「神の豚」(溝渕久美子・著)です。SF感は少ないという評価もあるようですが、将来起こりえる政治・生活を予見して人間の業をきちんと表現したような純文学に通じる作品だと感じました。

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    2024年01月28日
  • 禍

    無料版購入済み

    見事な幻想マンガ

    試し読み部分では耳もぐりの話が途中まででしたが、原作の評判も分かる秀逸な作品でした。自己言及的な妙な処理をすると、確かにああいう結果になりそうです。
    こういうの、諸星大二郎氏の作品とかにもありそうです。

    #怖い

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    2023年12月21日
  • 本にだって雄と雌があります

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    「本にだって雄と雌があります」(小田 雅久仁)を読んだ。

    半分くらいまでは最後まで読むべきかどうか迷いながらの読書であったため、ずいぶん時間がかかってしまった。
    
『はっきり言ってあまり好みじゃないな。
はしゃぎっぷりが痛々しく上滑りしていると思うのだよ。
「残月記」は面白かったし「禍」も面白そうなんだけどなぁ。
どうしようかなぁ。』
    
が、しかし、半分過ぎたあたりから急に物語が動き出す。
    
『これは本当の本好きが読むべき物語なのではなかろうか。
混乱がほどけていく過程が心地よいのだ。
小田 雅久仁さんにしてやられたなぁ』
    
と、感想が変わっていく。
    
最後に気になった一行を引く。
『否、き

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    2023年08月04日
  • 禍 無料お試し版

    匿名

    ネタバレ 購入済み

    ざわめく感じが特徴的

    読んでいる人の心のざわめきを掻き立たせるような、ゾクゾクした雰囲気が印象的な作品がまとめられています。描かれているのは決して単純なパターンではなく、複数の人物が絡んでいる一筋縄では解決しそうもないケースがほとんどです。インパクトも強く、印象に残りそうなストーリーが多めでした。

    #ダーク #怖い #シュール

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    2023年08月01日
  • Genesis 時間飼ってみた 創元日本SFアンソロジー

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    幅広いアンソロジー。宇宙モノは無かったが、理不尽、インナースペース、動物モノと様々。気が付いたらブエノスアイレスにいるとか理不尽系が面白かった。
    表題作の「時間飼ってみた」は火浦功のようなドタバタとした展開。面白いけど完全に理解してるかは怪しい。

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    2022年04月11日
  • Genesis 時間飼ってみた 創元日本SFアンソロジー

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    やっぱりSFは、最高と思わせてくれる。想定外の景色が頭に思い浮かぶ。そして上手く騙された事が心地よい。こんなストーリー考えつくなんて。

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    2022年01月09日
  • 本にだって雄と雌があります

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    最初は読みづらいなって思いながら読んでたけど、何でか分からんけどトントンと文は進むし、最後の方はもう夢中で読んでた。あっぱれ!

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    2021年05月16日
  • 「いじめ」をめぐる物語

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    7人の作家さんによるアンソロジー。
    いじめはきっとなくなることはない。
    大切なのはいじめてることに気付けるか。
    いじめられた時にどうやって対処していくか、その方法をひとつでも多く知っているかってことなんだなと思った。

    今、苦しんでる多くの人に読んでもらいたいと思いました。

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    2019年01月09日
  • 本にだって雄と雌があります

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    ネタバレ

    これは…なんと言ったらいいのだろう。
    たぶんタイトルを見てなんらかの物語を想像したとしても、多分違っています。
    本に雄と雌があって、増殖していく話ではあるけれど、それがメインじゃないんだな。

    語り手の祖父・與次郎が繰り広げる怒涛の大阪弁。
    嘘か真かやっぱりデタラメか!?

    最後まで読めば、本好きの人だったらうっとりするか涙をこぼすかはわからないけど、きっと心を動かされるはず。
    でもだけど、前半部分が冗漫なのが、もう辛い。

    必要なのはわかる。
    後半の感動の種は、ダジャレと駄法螺と繰り返しの中にしっかりと埋め込まれているのだから。
    でも、辛いんだなあ、読んでいて。
    次回はぜひ、テンポとリズムの

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    2017年06月23日
  • 本にだって雄と雌があります

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    面白かった!

    最初のほうは数ページごとに声を出して笑い、終盤のあるところではぐっと胸がつまり泣きそうになった。
    教訓とか何もない。読書とは、楽しいことがすべてではないか? この小説には、先を読み進める楽しさがぱんばんに詰まっていて、それ以外のものまで押し込むとはじけてしまいそう。

    文庫の帯を森見氏が書かれているが、氏の作品がお好きな方にもおすすめ。

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    2017年06月08日