小田雅久仁のレビュー一覧
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ネタバレこれは…なんと言ったらいいのだろう。
たぶんタイトルを見てなんらかの物語を想像したとしても、多分違っています。
本に雄と雌があって、増殖していく話ではあるけれど、それがメインじゃないんだな。
語り手の祖父・與次郎が繰り広げる怒涛の大阪弁。
嘘か真かやっぱりデタラメか!?
最後まで読めば、本好きの人だったらうっとりするか涙をこぼすかはわからないけど、きっと心を動かされるはず。
でもだけど、前半部分が冗漫なのが、もう辛い。
必要なのはわかる。
後半の感動の種は、ダジャレと駄法螺と繰り返しの中にしっかりと埋め込まれているのだから。
でも、辛いんだなあ、読んでいて。
次回はぜひ、テンポとリズムの良い文章をお願いします。
ボケの連続でツッコミがないと、脳内で私がツッコんでいかないといけないので疲れるのよ。
“「申し遅れました。プロペラさんこと亀山金吾の悪友、深井與次郎と申します」
「深いよ、次郎?」
「浅いよ、太郎。いや、そこで切るんやないんです」”
ほら、合いの手があった方が読みやすい。
“本いうんはな、読めば読むほど知らんことが増えていくんや。どいつもこいつもおのれの脳味噌を肥やそう思て知識を喰らうんやろうけど、ほんまは書物のほうが人間の脳味噌を喰らうんや。いや、脳味噌だけやないで、魂ごと喰らうんや。”
本好き、読書好きなら「わからうわかる」とうなづくエピソード満載のこの本は、実は夫婦の愛の物語であり、一族の謎(もしかしたら本によって仕掛けられた呪い?)に充ちた歴史なのだ。
散々文句も書いたけれど、私は面白く読みました。
“たった一行の文章を書くのでも、たった一つの言葉を選ぶのでも、それを裏から支えるなんらかの精神がなければならない。いっさいの言葉はなんらかの形で書き記す者の精神に根を張っていなければならない。それを積み重ねて、ようやく一冊の本ができあがるのだ。”
ところで我が家の本は雄も雌もなくて、無性生殖をしているらしい。
だって同じ本がいつの間にか家のあっちとこっちにあったりするもの。
たぶん細胞分裂で増えているんだね。
そんなことがこの本によって科学的に証明されて、よかったよかった。 -
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突飛なタイトルと翼の生えた象が描かれたジャケット、さらには「森見登美彦氏も驚いた!」という帯の文句に惹かれて購入。
語り手は土井博なる人物。彼が息子の恵太郎に聞かせるのは、博の祖父(恵太郎の曾祖父)である與次郎の話。博は小学生のときに與次郎が暮らす深井家に預けられる。本の蒐集が趣味である與次郎の屋敷はどこもかしこも本だらけ。そして與次郎が定めた掟は、「書物の位置を変えるべからず」。博がついその掟を破って本を適当な場所に返したところ、翌朝信じられない光景を目にする。
人間と同じく、本にだって♂と♀がいる。相性の良い本がたまたま隣り合った場合は子どもまで生まれて飛び回るという、なんとも楽しい物語です。高村光太郎と宮沢賢治の本から子どもが生まれたら、どんなタイトルの本になると思います?(笑)
とにかく楽しい設定ではあるのですが、相当回りくどくて読みづらい。森見登美彦が作家のなかでいちばん好きかもしれないぐらい好きな私ですが、森見登美彦だって決して読みやすい文体とは言えません。それ以上に読みにくいので、評価は真っ二つに分かれるかと思われます。森見登美彦が苦手だ嫌いだという人には絶対に向きませんのでくれぐれもご注意を。
回りくどくも時折ふきだしてしまった表現がいくつか。「やればできる子やと言われて育ったら、オエッと言わずに“のどちんこ”を触れるようになる」とか、「NHKのアナウンサーみたい」だとか「乃木大将の廉価版みたい」だとかいう言い回しにクスッ。
私は森見登美彦のほうが圧倒的に好きですが、本と旅をした気分になったことは確か。本は心の薬です。 -
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前半は読んでいてあまりにも退屈な、登場人物の家族の内輪ネタとでも言うべき話を中心として展開される。他人の家のことなんか知らんがな、と、読むのは途中でやめようかとおもったが、最後まで読み通して良かった。中盤、與次郎の死、兵隊時代の話あたりから、物語は大きく動き出し、壮大かつドラマティックかつファンタジックな色合いに満ちた人生譚に心を掴まれた。
読書の良さのひとつとして、虚構の世界にどっぷりと肩まで浸かる面白さがあると思うが、この本の中後半以降はその面白さに溢れており、きっとファンタジー小説好きの期待に応えてくれるものであろうと思われる。
前半戦さえ耐え抜けば面白い。 -
Posted by ブクログ
本当~~~に読みにくかったです。
とにかく色々回りくどくて読み難い。
登場人物も多く、しかも時代があちこち前後するのでややこしい。
でも手に取った方は、諦めずに読んで欲しいです。
最後には感動が待ってますから!!(笑)
大阪弁のノリツッコミに、シモネタ、オヤジギャグが満載で、
どこの法螺話かと言いたくなる話なんですが、
実はめちゃくちゃ壮大な物語なんですよ。
単なるファンタジーではなく、
戦争や事故を絡め人の生き死にや暗い内面なども描かれてきます。
途中、こんな壮大すぎな話どうやって終るんだ!!って、思いましたが、
エンディングもまぁ見事!!
感動しました。
もう1回言いますよ~。
諦めずに読んで下さい。
本当に素敵ないい本です(笑) -
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ネタバレ本ってだいたい最初の数ページ読むと、この物語の方向性はこうだな、とわかってのめり込むモードに入るのだが、この本はどこに向かって進んでるのか中盤まで全然分からなかった!
オチのない長話を延々聞かされているようで「それで?結局何が言いたいの?」何度もと問いたくなった。
珍しく読むのやめようか迷ったけど、レビューを見て読み切ることを覚悟した。
なるほど、確かに最後まで読めば壮大な一族の愛とファンタジーと切なさが詰まった素敵な物語。
よじろうとミキの関係性にキュンとくる。
奥さんも連れていきたかったんだね。
脇道にそれまくり、なくてもいい例えやエピソード満載で読みづらいけど、ユーモア溢れる人々の息遣いは伝わってきた。
個人的には、話の主軸にまつわる大事なところだけに絞って、多少の遊びを付け加えたとしても本筋を見失う前に戻ってくるようにまとめてもらった方が、理解しやすくてもっと素直に楽しめたと思う。
でもこのめちゃくちゃな感じが好きな人もきっといるのだろう。
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Posted by ブクログ
ネタバレ3.5かな?
全七作の短編集で、それぞれが口や耳、目、肉、鼻、髪に肌というモチーフにちなんだ作品で、ジャンルは怪奇幻想小説であり、ホラーコーナーにあったので手に取った。
はじめの話がもう気色悪い。耳もまあまあヤベェな…と思いながら読むが、喪色記は割と壮大なファンタジーで毛色が違うな?と来ての肉モチーフ…なんか乱歩のキモイ話読んでるみたいな気持ちになった
後半の、農場(鼻)、髪禍、裸婦と裸夫(肌)この3編は好き。
特にラストを飾る裸婦と裸夫は、はじめ1人で裸婦展でも見に行くか!ってとこから電車で全裸男がヒャッホーして、ゾンビパニックもののようになり、最終的に大津波で新世界と進化した人類登場…しかもちゃっかり恋人作りやがって、まったく何を読まされているんだ…という不思議な読書体験を得た
あ、鼻農場の寡黙な頑固職人一代記も面白かったし、髪禍のモンスターパニック感もよかった!
これ、喪色記では飲み込まれる側の話だったけど、髪禍は飲み込まれた者が変貌し飲み込んでゆく側になる話で、そこもよかった〜(世界観は違うけど)
でも、どんな本なの?って聞かれたら、基本的に気持ち悪い。と答える(笑
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Posted by ブクログ
【2026年85冊目】
書店のトイレの扉を開くと、便器の上に女の姿。女の様子はどこかおかしくて――「食書」、疾走した彼女を探しに来た男が直面する耳に関する話とは――「耳もぐり」、色を失う世界を夢に見る男は、ある日現実で夢の中の少女に出会う――「喪色記」、バスで隣に座ってきた女に執着してしまう男の行き着く先とは――「柔らかなところへ帰る」、全てを失った男が働き始めた農場で育てられるとある作物――「農場」、髪を恐れる女が日雇いバイトで参加した宗教団体の儀式で目の当たりにしたのは――「髪禍」、突如人が衣服を捨て始め世界が混乱状態になり――「裸婦と裸夫」。身体をモチーフにした7つの物語。
ホラー好きとしては、これはホラー小説というよりもファンタジー小説なんじゃないかと思いましたが、ファンタジー小説好きの人から見たら「いやこれはホラー小説だ」となるのかもしれません。いずれにせよ、怖くはなかったかなぁ、全くと言っていいほど。
不気味といえば不気味なのですが、想像力を無理に働かせられるみたいな感じでもないので、終始「ふーん、なるほどね」という感じで読みました。終わり方も「ふーん」という感じのものが多かったかな。好き嫌いありそうな感じです。
身体のどこかのパーツをモチーフにしているので、おどろおどろしい筈なんですが、そこまででもなかったなという印象でした。お好きな方は辛口ですみません。