仙川環のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
食に関わるものとして「食品の安全とは何かを鋭くえぐる社会派ミステリー」という惹句には惹かれるものがあって、手に取ってみた。
巷に蔓延っている「食べてはいけない」系のあまり科学的とは言えない、煽るだけ煽って逆に食の安全を脅かしている言説と、モンサントに代表される遺伝子組み換え産業の、生命や自然に対する畏れのなさ、科学的謙虚さのなさ、そしてジャーナリズムの全くジャーナリスティックではない無節操さ。そういう諸々を批判的に、そして単純化してものすごくわかりやすく提示している、ということでは成功している。フィクションだけど、「食の安全をめぐる社会の構図」をおおまかに知るにはいい感じ。生産者だけが、なん -
Posted by ブクログ
家の事情でしかたなく実家の医院に戻って仕事をしていた成田真澄は、父の代から働き続けている看護師に嫌味を言われ、患者に愚痴や世間話ばかりを繰り返される毎日を嫌々すごしていた。ある日、どんぐり丘の入り口に倒れていたホームレスの死をきっかけに、自分の従妹やその友達など、原因不明の症状で死亡する人間が続出する。真澄は友達で獣医の渡良瀬や、県医大の研究医である亮子に相談しつつ、どこか高揚している自分を感じていた。
うーん。『繁殖』の時にも思ったことだが、やっぱり出てくる人間が残念すぎる。まず、最先端の都会の病院から田舎に引っ込んできたという主人公、家の愚痴ばかり、未知の病気への対応に関してもカリス