あらすじ
医学ジャーナリストが描く迫真のミステリー。
ウィルス研究医・仲沢葉月は、ある晩、外科医の夫・啓介と前妻との間の子が誘拐されたという連絡を受ける。しかし夫は別の女からの呼び出しに出かけていったまま音信不通、幼子は無残な姿で発見された。痛み戸惑う気持ちで夫の行方を捜すうち、彼女は続発する幼児誘拐殺人事件の意外な共通点と、医学界を揺るがす危険な策謀に辿りつく――。医学ジャーナリストが描く、迫真の医療サスペンス! 第1回小学館文庫小説賞受賞作。
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Posted by ブクログ
執筆時である2005年から17年経った今なお豚の臓器移植が成功していないのだからよほどハードルが高いのだろう。学部長が汚職まみれというのはお約束とは言え中々ダイナミックな原因だった。伏線の貼り方は露骨だったしもう少し主人公以外を丁寧に描いてもいいのではと思うが題材が面白くカバー出来る範疇だと思う。
ただ誰も彼もが心臓を灰にしてしまう、という慟哭は印象深い。
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「ウィルス研究医の仲沢葉月は、外科医の夫・啓介と前妻との間の子が誘拐されたという連絡を受ける。子供は焼死体で発見される。しかし、夫の啓介は女からの呼び出しに出かけていったきり連絡が取れなく帰ってくる様子もない。夫の行方を捜すうち、幼児誘拐殺人事件と夫との意外な共通点、彼女の勤める病院の裏側を知る事になる。」
作家の仙川さんは「娯楽小説」を書いていきたいと話しています。この言葉通り、この作品は2時間ドラマを見るような楽しさを感じます。そして、とても読みやすかったです。医療サスペンスは知識が無いと難しい印象がありましたが、専門のことばかりに偏らず、登場人物の心理にも焦点を当てているので、最後までスピードが落ちることなく読み続けられました。医療ジャーナリストという仙川さんだからわかる「移植」に関する医療関係者、患者の気持ちも若干入っているように感じました。
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映画感染/予言の原作と思ってたけど違った。www
医療やウイルスが題材の話だが、専門用語などあまり出てこなく読みやすい。
いろんな意味でかわいそうな主人公…
Posted by ブクログ
医療ミステリーではあるが難しい専門用語がほとんどなく、すらすらと読み続けられる。
感染というタイトルでパニック系かと思ったが単なるミステリーだった。
Posted by ブクログ
主人公は大学病院でウイルス研究医をしている葉月。
ある日の夜、旦那さん(優秀な外科医)の前妻から息子が誘拐されたって電話がかかってくるんやけど、、、。
その少し前に旦那さんは女の人から電話で呼び出されて外出してしまっていた。
とりあえず、葉月が前妻の所に行って警察に連絡したり色々とするんやけど、息子は殺されて遺骨になって前妻の所に帰ってきてしまう。
その事を、葉月も前妻も知らせようとするけれど、旦那さんは音信普通の行方不明、、、。
葉月は必至で旦那さんを探すウチに身の周りで起こっている幼児連続誘拐事件との共通点を見つけてしまう。
連続誘拐事件の被害者は勤務している病院からの紹介でアメリカに行って臓器移植手術を受けた子供たち、、、。
事件と旦那さんの関係はっ?!
なんてね(照)
自分の子供の病気を治したい親の気持ちをお金儲けのために利用するなんて、ヨコシマやわぁ。
たぶん誰も最初は、こんな結果になるとは思ってなかったんやろうけど、、、。
結果、何人もの人が殺されてまうなんて、どうなんっ?!
てか、あの人とあの人が共犯やったなんて意外。
医療ミステリーの割には専門用語も多くなくて読みやすかったよぉ♪
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略奪不倫の主人公がどうも好きになれない…自分の子として描写するには難しい展開だったから仕方ないのか…
タイトルが感染、なので恐らくそういう展開になるんだろうと思ってたので驚きはあまりなかった
Posted by ブクログ
読みやすい。ただこの手の物をまあまあ読んでるので異種間臓器移植と聞いてもそこまで驚きもなく、展開もまあまあ読めた。他の人も書いてるように出来すぎ感もあるけどデビュー作と考えると良い作品。少し主人公が淡々としすぎな気もしないでもないけど。最後の暖かい感じは好き。
Posted by ブクログ
リーダービリティーもよく、ストーリー展開も無駄がなく分かりやすい。ただ難点をあげるとあまりに上手に進みすぎていて主人公が血肉の通った人間として見えて来ない、という点がある。作家の手の上で転がされているのが丸見え、といったところだろうか。夫の不自然な動向に連続する幼児誘拐事件を絡めてくる巧みさには参ったが、それ故に惜しい所も多い。
Posted by ブクログ
わかりやすいパンデミックものかと思い読んでみたら不意を突かれました。
動物の臓器を人に移植する。
考えたことなかったけど、
凄い発想です。
怖い研究です。
そうなると、昔の人から見た現代人は大分
フランケンシュタインに近づいているんだろうなぁ。
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だんだんと主人公に感情移入していき、あっというまに読んでしまった。感染ってそういうことか、、。悪役はわかりやすいやつら。でも悲しい、、悲しいよ。
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ウイルス研究医の葉月の夫と前妻の間の子供の誘拐、遺骨での帰還、他の幼児誘拐殺人との共通点と異種移植、そこからのウイルス。不意の意外な自殺にもあまり動揺は見られない。研究生の小さな怪我は伏線かと思ったらそのまま終わってしまって若干拍子抜け。誰も彼もが心臓や肝臓を灰にしてしまうという医師の嘆きが印象的。
Posted by ブクログ
仙川さんのデビュー作でもある物語。
そのせいなのか、展開も結末も、描写すらも浅い感じがしてしまった。
子供は宝。
そんなふうに無条件に子供を愛する親ばかりではないことはわかっているが、ほとんどの親にとっては自分の命に代えてもいいくらいに大切な存在なのではないだろうか。
病気だとしても治せるものなら治してやりたい。
自分たちに出来ることがあるとすれば、何でも出来る限りのことはしてやりたい。
それは自然な感情だとは思うのだけれど・・・。
大概の場合、子供にとって親とは絶対的な保護者だ。
だが、親はその限りない子供への愛ゆえに愚かになってしまう。
親とはそんな哀しい存在でもあると伝えたかったのだろうか。
結末にどことなく安直さを感じてしまった物語だった。
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医療ものではよくあるテーマだが、異種移植という技術もあるのかと勉強になった。
しかし、ミステリとしては展開が飛びすぎでおいてけぼり状態。重いテーマなのにバタバタしすぎで軽くなっているような。
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テーマは臓器移植。
誘拐事件、そして殺人。
愛する夫を守るために真実を突き止めようとする、ウィルス学者の妻。
その妻を始め、登場人物の誰にも魅力が無い。
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仙川デビュー作
遡って今回初めて読んだ。なかなかいいじゃないか。特にスーパーヒーローや美人ヒロインが登場するわけではなく、臓器移植問題を大きく取り上げている。フィクション色が非常に濃い(つまり現実感がない=それぞれの人物の作り込みが弱い)と感じるけれど、荒削りの良さがある。
登場人物はそれぞれに不幸だ。特にヒロインはとっても不幸な感じがする。でも、それを乗り越えながら邁進する様や立ち直りのスタートを描くエンディングもいい。
もしかしたら、このヒロインの夫の選択は自分自身に極めて似ているのではないかと思ってしまう。この自分自身の発想が恐い。
さて、これがけっこう絶賛されたのか理解できるな。この後の作品をたくさん読んでいるんだが、このデビュー作品が一番いいんじゃないかと思う。横山作品の『ルパン』みたいに。
Posted by ブクログ
人間の心理描写がすごくリアルで惹き込まれた。次の展開が気になってさらりと読めてしまった。ちょっと軽めのサスペンスが好きな人にはたまらないかも。
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終わり方が若干あっけないものの、全体的には読みやすい。
ただ、異種移植という難しいテーマを難しく感じさせないようにしたがゆえに、軽く感じてしまう。もう少しつっこんだ内容がほしかった。
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「治験」を読んだ後だったからか、ものすごく荒削りな印象を受けた。
医療ものを読み慣れてない私が読んでもわかりやすく書いてあるけど…
これって続編あるのかな?
ウイルスに感染した人のその後みたいなのが全く書いてなかったから、すごく気になる。
仙川さんの作品、もっと読んでみよう。
Posted by ブクログ
「感染」というタイトルから、いつ「感染」が始まるのかと気になりながら
読み進めるがなかなかそういう事態にならない。
その点が少し期待に反していて、結局、未知のウイルスによる感染の
パニックなどは起こらずに終結してしまう。
確かに「感染」により引き起こされた事件ではあるのだが。
Posted by ブクログ
海堂尊が好きな人なら楽しんで読めそうな、医療系ミステリ。「どうして子どもたちが殺されたのか?」という謎はなかなか明かされないけれど、タイトルからだいたい想像がついてしまいますね。
三人称スタイルで主に主人公・葉月の視点から書かれているのに、時々他の人の視点にちょっとだけ変わるのが余分な気がしました。
Posted by ブクログ
第1回小学館文庫小説賞受賞作。
最近、何かを思いつめたような様子の外科医の夫・仲沢啓介。同じ大学病院でウイルス研究医として働く妻の葉月が気になって聞いてみても何も話してくれない。夜中に突然電話で呼び出されて出て行くということもあり、葉月は啓介に他に女がいるのではないかと疑っていた。そんなある夜、啓介の前妻・原島公子から電話がかかってくる。啓介との息子・宏が帰ってこないというのだ。そしてその日も啓介は、突然の呼び出しをうけて留守だった。
夫を信じたい気持ちと、夫しかありえないのではないかという疑いの気持ちで揺れながら、葉月は真相にせまっていく。途中まで、なぜ「感染」というタイトルがついたのかよくわからない話だなぁと思っていたのだけれど、最後の方でなるほどと。もしこの話のように、絶対に広めてはならないウイルスが自分の大切な人の体内にいるとわかったら・・・そのせいで手術もできない(手術をした人にうつってしまうから)としたら・・・一体どうするだろう。