仙川環のレビュー一覧
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園児のために良かれと思って企画した農園実習がこんなことになるなんて・・・。収穫してきたネギやニンジン、そして近くの農家で飼われている鴨肉を使って鍋を作り、おにぎりと一緒にみんなで食べた。数時間後、園児達が次々と調子を崩して病院に運ばれ、中には意識が戻らない子供まで。おにぎりの管理が杜撰だったために起こった食中毒であろうと思われたが、農園実習を企画した原島聡美によると、保存は特に慎重に行っていたという。そして他にも腑に落ちない点がいくつもあり、調べ続けた結果なんと、カドミウムという思わぬものが検出されたのである。
途中までは良かった。一緒になって楽しんでいたくせに、事件が起きると手の平を返 -
Posted by ブクログ
世の中には目に見えないことが多すぎる。
(以下抜粋)
○転機とは自分の意思で作り出すものかと思っていた。
そうではなくて、否応なくやってくるもの。
そういうことかもしれない。(P.49-50)
○治る見込みがあろうとなかろうと、
最善の治療を患者に受けさせるのが当然だと思っていた。(P.105)
○身なりを整えるのは、普段は自己満足のため。
でも、それより他人の気持ちに配慮しなければならない場合も、時にはある。
式典などで、周りから冷たい目で見られ、恥をかくのは構わない。
でも、目の前にいる誰かをいやな気持ちにするとしたら、
その格好は失敗なのだ。(P.188) -
Posted by ブクログ
三十五歳、独身、彼氏なし、失業中。長山歩美(あゆみ)は敬愛していた叔母を若年性アルツハイマー病で亡くす。
大学病院の主治医でもある佐野将彦(まさひこ)は、病院長の誤診を疑い、解剖をして死因の調査をする。
そんな中、同じ若年性アルツハイマー病の患者に毒物混入飲料による殺人事件が3件も立て続けに発生する。
歩美の叔母にも差出人不明のジュースが送られてきて廃棄処分にした経緯があったことから、叔母も殺人の対象になっていたのではないか、という疑念が浮かぶ。
それまで互いに悪い印象を持っていた2人は、次第に協力して調査をしていく。そして意外な原因が浮かび上がってくる・・・。
物語の前半と中盤はやや間延び