鈴木大介のレビュー一覧

  • ネット右翼になった父

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    この本の端緒となった2019年のデイリー新潮の記事を当時読んだ。当時の著者と同じように、YouTubeでおかしくなる人おるなあとシンプルに捉えていたので、認識を更新できてよかった。

    単語というか符牒というのか、仲間内に目配せするために使われる悪意と差別意識に満ちた言葉がネット空間には多く流通している。ネット上の一部の地域では、その言葉を知っていること、口に出すことが「山」「川」みたいな機能をもつ。その醜悪なやりとりを日々目にしているから、だれかがその言葉を発した瞬間に「あっこいつあっちやな」と判断してしまう傾向はわたしにもある。
    が、それは発言者の拠って立つところを示すというよりは、うかつさ

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    2023年09月14日
  • 最貧困女子

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    ネタバレ

    貧困のさらに下層である最貧困女子の現状を記したルポ。人は低所得に加えて「三つの無縁」「三つの障害」から最貧困へと陥る。本来支援されるべき方々が世間に可視化されていないので、支援が難しい現状がある。

    「第一章 貧困女子とプア充女子」を通して、例え月10万くらいの低所得でも周りの友達の支援やシェア文化が整っていたら、上手くQOLを保ちながら生きていけると改めて感じた。地方は低所得でも地域の支えを受けやすいので、その点地方出身者は強いなと。

    元々家庭環境が良くなくて教育も十分に受けていないので、そもそも思考力が欠如していて努力するベースがないから、貧困は自己責任では片付けられないと感じました。

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    2023年08月27日
  • ネット右翼になった父

    購入済み

    昔は世界に対する幅広い興味を失わなかった父親が、その晩年にその発言がネット右翼であるかのように変貌してしまったことに苦い思いを抱いていた著者。父の亡き後に改めてその足跡を丁寧にたどり、家族のつながりを回復していく話。

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    2023年08月26日
  • 最貧困女子

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    貧困とは、三つの無縁、三つの障害から、貧困に陥るという。
    そして、三つの障害は見た目では分からないが故にセーフティネットの網から引っかからないのだという。

    本書を読んで、貧困の一端を垣間見れたわけだが、この本が、当事者の方を救う一助になるのを心から願うとともに、自分自身でも何か出来る事がないかこれからの人生で考えていきたい。

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    2023年07月24日
  • されど愛しきお妻様 「大人の発達障害」の妻と「脳が壊れた」僕の18年間

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    当事者ではないとわからないことって沢山あるけれど、そういったこととか、今の社会についての問題提起、とてもわかりやすい
    こういったわかりやすさはエッセイならではだと思います

    ただ、当事者になってもその人本人ではないから完全に理解できるということは無理だろうとも思います。それはきっと、著者もわかっている気がします

    自身の病気を通してとてもうまくいったケース。こんなケースが一つでも増えて欲しいと思います。
    と、同時に
    発達障害を通して
    今の社会はどうあるべきなのかを考えさせられる本です

    環境が不自由を障害にする

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    2023年05月27日
  • 脳が壊れた

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    高次脳機能障害の当事者研究でここまで詳細な記録ははじめて読みました。
    専門職なら必読書としていいのではないかと思えるほどに示唆に富んだ内容でした。

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    2023年05月26日
  • 老人喰い ――高齢者を狙う詐欺の正体

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    富裕老人をターゲットにした特殊詐欺グループのルポ。ドラマ仕立てで書かれているので生々しさがある。
    管理・統制された組織で行動している。資産・性格・その他諸々の個人情報を漏洩名簿から綿密にスクリーニングされており、顧客ターゲットは非常に明確。電話の手口も巧妙で、複数名で痴漢現場を再現するなど、リアリティも高い。
    ステレオタイプの振込詐欺を想像しているようではカモにされると思った。
    摘発されないための行動ポリシーが徹底されていて、下ッ端をつかまえても幹部の摘発は困難だ。
    マーケティングリサーチ、リーダーシップ、組織統制、人材育成など、妙なベクトルに進化したビジネス形態に唖然としてしまう内容だった。

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    2023年05月07日
  • されど愛しきお妻様 「大人の発達障害」の妻と「脳が壊れた」僕の18年間

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    「障害化させない社会づくり」は、一人一人の意識が大切。色んなパーソナリティがあって当たり前の世界。もうすぐだよね。

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    2023年05月03日
  • 最貧困女子

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    ★★★★
    今月10冊目
    これは非常に難しい問題。貧困の最下層にいるのは、親などに頼れない、親からの虐待、メンタルやられてる、精神疾患、知的障害がベースにある。行き着くところはセックスワーク。 
    これは出会う人種ではないかもしれないがこの手の人達がいるって衝撃

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    2023年03月20日
  • 最貧困女子

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    本当に日本で起きていることなのだろうかと、信じられない気持ちになった。
    女性の貧困については昨今社会的にも問題になっており、所謂パパ活と呼ばれるようなものがあることも知ったが、本書に書かれている最貧困女子が取り込まれる援デリなどは全く一括りにできるものではないと思った。著者が取材対象に本当に真摯に向き合い話を聞いたであろうことがよく分かりました...。ご自身でも言われていた通り一般人なら発狂したでしょう。ルポを出してくださったことに感謝。
    衝撃を受け、考えるきっかけにはなったが、やはりどうしたらいいのかは本当に難しい。

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    2023年03月16日
  • 最貧困女子

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     これって,日本の話なのか?と思うほど,ビックリする貧困女子の現実がある。
     以前,『神が棄てた裸体』という本を読んだときも,少女売春に向かわざるを得ない状況に驚いたが,それと同じようなことが日本でも普通に起きていることにビックリである。
     そして残念ながら,その解決策からはほど遠いと思わざるを得ない。自分が受けたことを,また自分の子どもに再生産していくなんてことを見せられると,ほんとにいたたまれない。
     著者は,そういう裏社会の若者たちと本音で向きあい本ルポを書いていく。まずは,現実を見て貰うこと,知ってもらうことに意義があるということだろう。

     解決策があるとすれば,まず,子どもの時にち

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    2022年12月04日
  • 脳は回復する―高次脳機能障害からの脱出―(新潮新書)

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    いくら話せないと訴えても、医療関係者は話せてますよとしか言ってくれない。当事者研究の意義を余すところなく伝えている。

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    2022年11月13日
  • 最貧困女子

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    福祉の勉強の一環として講読。
    彼女たちが貧困に至ってしまう背景に、3つの無縁(家族、地域、制度の無縁)と3つの障害(精神、発達、知的障害)があるとする見立ては、長い期間、彼女たちに関わり続けた筆者だからこそ、見いだせたものと思う。記載された最貧困の事例はあまりにも生生しく、キツく胸が締め付けられました。

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    2022年10月22日
  • 発達系女子とモラハラ男

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    発達障害の人たちにとって、世界はどう見えており、何がどう難しいのか、なぜ難しいのかが物凄く分かりやすく説明されている。

    ただ疑問に思ったのが、話が長くなるほど冒頭の話を忘れたりインパクトがある点のみに執着してしまい、その間に会話が流れていってしまい全体像が掴めなくなる特性が強いとのこと。
    それって、映画見たり本読んだりして全体の流れが掴めるのか?また、それでおもしろいと思えるのか?というところ。(本の中で、発達障害のある妻がドラえもんの映画が面白いと言っている)

    もう一つの疑問が、妻は約束を必ず守るタイプだ と前半に書いてあるものの、後半には約束の時間を守れない妻、とも書いてある。どっちや

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    2022年08月05日
  • されど愛しきお妻様 「大人の発達障害」の妻と「脳が壊れた」僕の18年間

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    これはいい本。
    全編を通じて軽妙なタッチで読みやすいが、内容は「自分や相方との向き合い方」という点において、重く、かつ、本質的。特に、著者のように脳梗塞を発症しなくても、誰しも加齢でだんだん心も体も劣化することが避けられない中、遅かれ早かれ直面する困難さに対する心構えを教えてくれる。

    「何事も経験しなければ分からない/分かり合えない」と書いてしまうとネガティブだが、逆に「経験により分かり合える」なら歳を重ねることも悪くないかもしれない。

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    2022年05月26日
  • 脳は回復する―高次脳機能障害からの脱出―(新潮新書)

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    脳梗塞の後遺症で高次脳機能障害にかかり、そこから回復できた筆者が、障害の時の気分や体調を言語化した貴重な本(筆者談)。感情や言動がうまく表現できなかったり歯止めが利かなくなる時の状況が分かりやすく伝わる。

    本人は苦しみ、もがいていても医者や周囲の人の理解が得られずに孤独を感じてしまう様子も、明るい調子ながら克明に文章化されている。

    筆者の妻が発達障害を持っており、以前はその妻を支える立場だったのが、逆に支えてもらう立場になった。その筆者が最後の方で語る、「高次脳機能障害者を扱えない組織・上司はダメだ」という言葉に説得力がある。

    本書は脳機能の障害を持った人への理解を深めると共に、昨今言わ

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    2022年04月03日
  • 最貧困女子

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    どうすれば解決できるんだろうと思いながら読んだけど、負の連鎖が続きすぎてどこから手を入れたらいいのか全く考えられなかった
    明日生活するお金がない、日々そんな暮らしを想像したらそれは精神も不安定になるよと思ってしまう

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    2022年03月31日
  • 発達系女子とモラハラ男

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    前半に漫画の箇所があり、あらためて疲れやすさや、できないことに理由がちゃんとあること、認知資源のしくみについて学ぶきっかけになりました。お2人がどう工夫して生活をしているのかを、具体的に書いて下さっていて、こういう形もあるんだよ、とメッセージを発信してもらえるのがありがたく、心強いです。

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    2022年03月31日
  • 貧困とセックス

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    ネタバレ

    <目次>
    第1章  貧困とAV業界
    第2章  貧困と性風俗
    第3章  貧困と格差社会
    第4章  貧困と子どもたち
    第5章  貧困と中年童貞
    第6章  貧困と日本の未来

    <内容>
    日本の将来について考えさせられる内容だった。そして現実を知らないことに愕然とした。二人のライターの対談集で、やや軽さや問題発言もあるが、現実の最下層に寄り添っている二人なので、学者や役所やNPOあたりの発言よりも重きがある。

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    2022年03月25日
  • されど愛しきお妻様 「大人の発達障害」の妻と「脳が壊れた」僕の18年間

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    高次機能障害になった夫が自分の困り事を通して発達障害の妻を理解し、支え会える関係になるまでを書いたノンフィクション。
    発達障害の特徴は人によって様々なので全てが当てはまるわけではないけれど、自分の気持ちや考えをうまく言葉にできない当事者(うちの息子もASDで知的障害はないけれど気持ちを表現するのは不得意)の苦しさを推察する手がかりになる。
    支援級に在席していても「やればできる」と言われがちで困っている息子。だからといってやること全部をとりあげてしまうのも本人のやる気や自信を失わせるそうなので見極めが大事だなと思った。

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    2022年01月25日