鈴木大介のレビュー一覧

  • されど愛しきお妻様 「大人の発達障害」の妻と「脳が壊れた」僕の18年間

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    知識として理解していることと、当事者となり本質的に理解したことに大きな違いがある。発達障害や脳の不自由を理解することはとても難しい。頑張ってできるようになることに価値を置きすぎてはいけない。
    人によって頑張る時の脳の消費エネルギーは違う。1分の頑張りで寝込む人、頑張ってもできない人、、、その人に合った対策を見つけられる人が必要。

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    2024年11月03日
  • 脳が壊れた

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    脳梗塞後の高次脳障害、当事者が言語化し類する脳機能の障害、特性がある人の状態を代弁してくれた。完全な理解は難しいが、想像力を働かせてその人がして欲しいことを探りたい。

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    2024年11月02日
  • 最貧困女子

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    容姿がいいがちょっとした小遣い稼ぎで週に一度風俗で働いている女性が、最貧困女子の話を聞いた上で解答が忘れられない。
    人間社会の縮図は結局これなんだなって感じざるおえない内容だった。

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    2024年10月29日
  • 最貧困女子

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    文字通り、貧困女子について書いた一冊。

    多くは不遇な家庭環境に育ち、そこから性産業に従事するtぽいう実態がよくわかった。
    その中で『貧乏と貧困は違う』というのがとても印象に残った。

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    2024年10月19日
  • されど愛しきお妻様 「大人の発達障害」の妻と「脳が壊れた」僕の18年間

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    ネタバレ

    愛ある一冊ですねぇ。
    著者の本は「最貧困女子」を読みましたがなかなか壮絶なルポでした。その後「脳が壊れた」というのを何かの記事で見ましたがその本は読んでいません。で、この本。
    大変稀有な人生、のように思えるしお妻様との出会いはお互いにとってこれぞ運命、というしかない邂逅だったと言えるように思います。

    あえて露悪的な表現ぶりで書かれているように思いますがそのように書くことで夫婦の関係性や空気感を伝えたり、あるいは状態や状況の重さや深刻さを和らげたりする意図があるのかなと感じます。(違うかもだけど、「最貧困女子」は読んだのが物凄く以前なのであまり覚えてないけれど、確かこのような文体ではなかったはず)
    お妻様は発達障害だからそうなのか障害がなくてもそういう人なのか分からないけれど、かなりぶっとんだキャラな人であるのは間違いないですが、著者の表現の仕方にあふれる愛があるおかげでか、すごくチャーミングに感じられます。

    悪性脳腫瘍の中でも最悪と言われている膠芽腫を患いながら本書のように暮らせるのは身内を脳腫瘍で亡くした自分からすると奇跡としか言えないです。
    それにしても、腫瘍取ったところに「読売新聞入ってるのかな?」って(笑)
    銘柄まで指定されてるところに思わず吹き出してしまいました。でもこの章は、妻が倒れ夫も倒れ、さすがに読んでいて胸が詰まりました。

    雑誌でお二人が取材を受けてる記事も拝見しましたが、鈴木さんの眼差しの優しいこと。いや、すごい人だなと思います。なかなか一般の夫たちなら妻に対してここまで出来ないんじゃないかなぁ。
    自分の人生を振り返ってもケッコン生活四半世紀超えてますが、オットにパンツ洗ってもらったのなんか…むにゃむにゃ(本書に関係ないですね)

    p155「まだありがとうが足りねえ。もっと毎日ありがとうを言え」可愛くねえ奴だな。ありがとう。
    この夫婦のやりとり、最高だなと。

    そして最終章の「お父ちゃんのちゃぶ台返し」には考えさせられました。
    発達障害当事者は日常において被害者であることが多いけれども一方で加害者の側面もある、という指摘。
    本当にそのとおりだなと思いました。これは案外持てない視点だと思います。
    これは当事者との関わりという経験がないと実はなかなか理解できないことだと思います。頭でわかったつもりでも実感として理解してもらうのは難しいように思います。
    そういう発達障害当事者による加害者的側面という状況を支える側が体験していないと、発達障害当事者と関わりのない人にどう説明して良いのか分からないし、そういう人にそもそも伝える事自体大変に難しいと思います。
    例えが「お父ちゃんのちゃぶ台返し」なので読者に誤解されないだろうかとちょっと心配でした。(きちんと暴力にでた時点でその加害者像はアウトで肯定したくないと書いてはいるんですが)
    でもここに書かれている指摘は結構重要だと思います。
    このことを公的支援者の立場の人に理解してもらえず、苦しんでいる当事者の家族はきっとかなりいるだろうと私は思うからです。(少なくとも自分はそういう時がありました)よく書いてくれたなと思いました。
    本書は2018年刊行。著者とお妻様の現在を知らないのですが、お元気でいてくださったら良いなぁ、お二人の続編が出てたら良いなぁと思います。



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    2024年09月20日
  • 最貧困女子

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    これは完全にタイトル惚れ。2014年刊行で多少情報が古い可能性はあるが、その当時としても驚くべき現状をルポしており、正直たまげた。手に取った物は第9刷となっており、かなり注目を集めた内容であると思われる。

    まさにタイトル通り、貧困層にいる少女たちにインタビューを行っている。想像の斜め上を行く、現実が描き出されている。その現状と過去を洗いだし、背景を分析して問題点を抽出し体系化することで、援助交際という一言で括られていたステレオタイプを打ち破り、経済軸と生存軸から彼女らを細分化することで、どのようにして社会が彼女らを守っていくことができるか?社会制度として救う事ができないかまで提案している。

    これは「貧困の連鎖」という、大きな社会問題に繋がっていく。そのスタート地点にいる少女(少年もだが)をセーフティネットで守ることで、貧困の連鎖が断ち切れるのではないだろうか。

    社会に大きな一石を投じる、書籍である。

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    2024年07月26日
  • 最貧困女子

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    社会構造の話というよりは、実体験に基づく具体的な事例を挙げている。貧乏と貧困の違い明確にし、特に貧困について実例を紹介している。
    何となく知っていたつもりだったが、実情は想像を超えた世界だった。地域や福祉の輪を考えるきっかけにしたいと思う。

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    2024年06月24日
  • 最貧困女子

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    7〜8年前くらいの本だけど今はもっと貧困は拡大していると思う。出会い系アプリでは生活に困っているシングルマザーが自ら売春を働いていたり、Twitterでは「今晩泊めてください」のような呟きもたまに見る。なぜ家出少女や路上生活者は売春や風俗に従事する傾向があるのか。それは彼女たちはお金も住む場所も健康保険証すら持っていない中で補導に怯えながら路上を彷徨っている。そこで風俗のスカウトなどの支援者が宿を提供し、身分証や携帯電話を貸与する代わりに、風俗店で働かせる。外見が良くなかったり、障害を持っている女性はお店では働けず、違法の売春で日銭を稼いでいる。

    筆者が取材した売春少女たちのエピソードは本当にここは現代の日本なのかと思うくらい、地獄で文字情報だけでも、目を覆いたくなるほど、酷かった。幼少期は親からの虐待やネグレクトに遭い、愛されずに育ち、過酷な状況から打開しようと家出を試みるも、性産業に吸い込まれてしまう。

    家族・地域・制度の3つの無縁と身体・知的・発達障害の3つの障害を持っていると、このような再貧困女子になりやすいらしい。逆に売春少女と同じくらいの低収入でも困った時に頼れる親がいたり、地元の友人と助け合える環境があれば、貧乏ではあるけど、ある程度は幸せに生きていける。俗に言うマイルドヤンキー。ただこれらの人は貧困とも紙一重かなとも思っていて、突然3つの縁から切り離されてたら、売春少女のような、貧困に一気に落ちると思う。

    なるほど、だから田舎のマイルドヤンキーたちは地元の輪から外れないように、団結を高めて、仲間意識が強いのかなと思った。自分も今、地元から離れて一人暮らししているけど、低収入だし頼れる人も近くにいないから、貯金を崩しながら、本当にギリギリの所にいるから、3つの縁の大事さは身に染みて感じた。同じ低収入でも近くに親がいるだけで生活の楽さは全然違う。地元で暮らしやすい理由って、この3つの縁があるからなんだな。

    売春少女が抱える痛みは見えづらい所か、売春や性産業は差別されたり、誹謗中傷されやすく感じる。大変なのはわかるけど自己責任だろ、みたいな言葉を投げかけられたり。まずは彼女たちの苦痛を社会に知ってもらうことが、彼女らを救うのに大事だと思う。

    あと、この本を読み終えたあと、教育って生きる上で凄く大事なんだなと感じた。少女たちは中学校もろくに通っていないから、契約書とか色々な手続きをする時に出てくる長文や難しい言葉が理解出来ず、住民票の異動すら出来ない。路上生活をしている時も、法や支援制度を知らないから、全部自分でなんとかしようとする。仮に貧困を一時的に抜け出せたとしても、どこかでつまずくと思う。彼女たちを助けるためには教育が最重要なのかもしれないな。

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    2024年03月12日
  • 老人喰い ――高齢者を狙う詐欺の正体

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    特殊詐欺の手口から、どのように組織されているのかまでが良く分かるように書かれていました。正直、想像以上です。普通に生きていれば知らない世界を少し垣間見たような気分です。

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    2024年03月10日
  • 将棋と麻雀。頭脳戦の二刀流 49歳からの私の挑戦

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    最近、プロ雀士との二刀流になったプロ棋士の鈴木大介の自伝。

    子供の頃から棋士になることを宿命付けられ(何せ名前が大内延介九段から取られた)、その合間で出会った麻雀の道に30年後に誘われるという数奇な人生が面白かった。
    また、同世代で共感できる話も多い一方、娘の話は泣けた。

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    2024年02月18日
  • されど愛しきお妻様 「大人の発達障害」の妻と「脳が壊れた」僕の18年間

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    サブタイトルに堅苦しいものを感じましたが中身は結構カジュアル、それでいて的を得た感じで読みやすいです。あとがきも頷ける内容です。よくある発達障害にはこうしましょう、のような教科書みたいな本とは違うわかりやすさがあると思いました。是非。

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    2023年12月31日
  • 発達系女子とモラハラ男

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    ガッチガチの発達障害である奥さんと結婚した定型発達の旦那さんが事故で高機能障害になり、奥さんが見ている世界を体験することで、「発達女子の面倒見てる偉い俺」から降りて、「夫婦がうまくいくにはどうしたらいいか」を考えるという本。
    正直、この旦那さんは確かに加害はしてたと思うんだけど、ここまで180度考え方を転換できる時点で、本当のモラハラパーソナリティではないと思う。本当のモラだったら、たとえ自分が同じような立場に置かれても絶対反省しないし、なんなら自分の身に降りかかった不自由は嫁のせいにしそう。
    注意が何かにぴたっととめられてしまう「ゴリラグルー」の感覚は何となくわかる。改めて自分の特性を考えるきっかけになったし、発達ゆっくりの息子と今後一緒にいる上でもいい気づきになる本だった。

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    2023年11月20日
  • 最貧困女子

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    ネタバレ

    貧困のさらに下層である最貧困女子の現状を記したルポ。人は低所得に加えて「三つの無縁」「三つの障害」から最貧困へと陥る。本来支援されるべき方々が世間に可視化されていないので、支援が難しい現状がある。

    「第一章 貧困女子とプア充女子」を通して、例え月10万くらいの低所得でも周りの友達の支援やシェア文化が整っていたら、上手くQOLを保ちながら生きていけると改めて感じた。地方は低所得でも地域の支えを受けやすいので、その点地方出身者は強いなと。

    元々家庭環境が良くなくて教育も十分に受けていないので、そもそも思考力が欠如していて努力するベースがないから、貧困は自己責任では片付けられないと感じました。
    ちゃんと学校に行っていたら最低限自分でネットや本から情報を得る術は身につくし、何がいいのか悪いのかの判断もつく。だが学校で学力をしっかり身につけることができなかったので、努力だけでは解決できないだろう。

    自分は何不自由なく生きてきて貧困とは無縁の生活をしてきたから正直日本で本書のような方々がいることにびっくりした。
    だからといって何が出来るかといえば難しいが、でも現状このような人たちがいることを知り、現状を理解することはできる。
    思考停止で自己責任で片付けることなく、リアルを今後も知っていきたいと思いました。

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    2023年08月27日
  • ネット右翼になった父

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    昔は世界に対する幅広い興味を失わなかった父親が、その晩年にその発言がネット右翼であるかのように変貌してしまったことに苦い思いを抱いていた著者。父の亡き後に改めてその足跡を丁寧にたどり、家族のつながりを回復していく話。

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    2023年08月26日
  • 最貧困女子

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    貧困とは、三つの無縁、三つの障害から、貧困に陥るという。
    そして、三つの障害は見た目では分からないが故にセーフティネットの網から引っかからないのだという。

    本書を読んで、貧困の一端を垣間見れたわけだが、この本が、当事者の方を救う一助になるのを心から願うとともに、自分自身でも何か出来る事がないかこれからの人生で考えていきたい。

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    2023年07月24日
  • されど愛しきお妻様 「大人の発達障害」の妻と「脳が壊れた」僕の18年間

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    当事者ではないとわからないことって沢山あるけれど、そういったこととか、今の社会についての問題提起、とてもわかりやすい
    こういったわかりやすさはエッセイならではだと思います

    ただ、当事者になってもその人本人ではないから完全に理解できるということは無理だろうとも思います。それはきっと、著者もわかっている気がします

    自身の病気を通してとてもうまくいったケース。こんなケースが一つでも増えて欲しいと思います。
    と、同時に
    発達障害を通して
    今の社会はどうあるべきなのかを考えさせられる本です

    環境が不自由を障害にする

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    2023年05月27日
  • 脳が壊れた

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    高次脳機能障害の当事者研究でここまで詳細な記録ははじめて読みました。
    専門職なら必読書としていいのではないかと思えるほどに示唆に富んだ内容でした。

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    2023年05月26日
  • ネット右翼になった父

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    ■はじめに
    コロナ渦に断捨離に励み過ぎたあまり、極度なミニマリストになり、家庭内からモノは減ったと同時に会話も減ったとか、妻がダイエット中にオーガニック食品にどハマりし、食品のみならず衣類にまでそれは及び生活費は毎月赤字続き…。

    いずれも寸止めで止まれば、目的達成の副産物として解されるが、行き過ぎると脳内のドーパミンが過活動し、やがて制御不能となり、獅子身中の虫状態となる。

    本書は、還暦を境に『ネット右翼』に豹変した実父を題材に取ったドメスティック・ドキュメント。

    新書は現事象に対する考察、解説し、自論を述べた気軽に読める書物。ところが、本書は異質も異質、読み進めるにつれ、はたしてこのネタを新書の形式で上梓するのが正しかったのか…と思ってしまうほど父親の価値観の変節を追う取材は、登場人物が少ない密室ミステリーを読んでいるかのような錯覚に陥るほどだった。

    ■内容
    2019年に亡くなった著者の父は、一流大学を卒業後、一流企業に就職した高度成長期を駆け抜けた典型的な昭和のサラリーマン。

    平々凡々の父が還暦の頃より『ネトウヨ用語』『ヘイトスラング』を含む嫌韓嫌中に類する言葉を、何気ない会話の中で使うようになる。

    書棚には月刊Hanadaや正論が並び、社会的弱者への無遠慮な見解を述べ、盲目的安倍応援団となり、政権批判をする者は即反日と断定。価値観や思想が定食屋の品書きよろしく並ぶ典型的なネット右翼に。

    その父と著者の関係は、若い頃から父親と折り合いが悪く家を飛び出す。以来会話らしい会話はなく、そこに晩年の変節。変わり果てた父親にただただ茫然とするしかなく、やがて病に冒され77歳で亡くなる。

    死後から1年半が経過しても、失意と嫌悪感に苛まれている著者は奮い立ち行動を起こす。いつから『ネトウヨ』になったのか。価値観を変節させたものは何なのか…を探し始める。

    手始めに『敢えてパンドラの箱を開けよう』と腹をくくり、PCを開く。通電しデスクトップに現れたのは、予想に違わず嫌韓嫌中のフォルダーにヘイト動画や記事、保守系のサイトの数々。

    嫌悪感を抱きつつも、自分の知っている父の言動と思い浮かべながら、丹念に検証を重ねていく。それ以降も叔父(父親の弟)に会い、母親・姉にも繰り返し父親の変節をめぐる取材を重ねていく。

    ところが、調べれば調べるほど謎の霧は晴れるどころか深まるばかり。一般にネット右翼や保守が共通に持つ価値観と父親の価値観は一向に相入れない。もともと保守的な価値観があったのかすらあやしい。

    いったい父は何者だったのか。父は、家では積極的に台所に立ち、会社では女性の社会での活躍に尽力し、定年退職後は中国に語学留学した後さらに韓国語も学ぶほどの知的欲求旺盛な人であり、地域福祉や住民ネットワークの構築に奔走するなど、保守的・伝統的家族感とは別の価値観を生きてきた人であった…。

    晩年の父親の変節を文章にして晒すことは、家庭内の恥部を晒すことであり。事実、身内にも反対され、それでも敢えて綴ったのはルポルタージュライターのサガではなく、深い溝ができたまま死別した父への贖罪であり、次第に明らかになる父親の実像を知ったことへの懺悔録へ…と昇華していく。

    『親孝行したい時に親はなし』というパラドックスを噛み締めた一冊。

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    2026年02月06日
  • 老人喰い ――高齢者を狙う詐欺の正体

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    富裕老人をターゲットにした特殊詐欺グループのルポ。ドラマ仕立てで書かれているので生々しさがある。
    管理・統制された組織で行動している。資産・性格・その他諸々の個人情報を漏洩名簿から綿密にスクリーニングされており、顧客ターゲットは非常に明確。電話の手口も巧妙で、複数名で痴漢現場を再現するなど、リアリティも高い。
    ステレオタイプの振込詐欺を想像しているようではカモにされると思った。
    摘発されないための行動ポリシーが徹底されていて、下ッ端をつかまえても幹部の摘発は困難だ。
    マーケティングリサーチ、リーダーシップ、組織統制、人材育成など、妙なベクトルに進化したビジネス形態に唖然としてしまう内容だった。

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    2023年05月07日
  • されど愛しきお妻様 「大人の発達障害」の妻と「脳が壊れた」僕の18年間

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    「障害化させない社会づくり」は、一人一人の意識が大切。色んなパーソナリティがあって当たり前の世界。もうすぐだよね。

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    2023年05月03日