鈴木大介のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
タイトルそのものに興味を持ち読み始めたが、読後の感想は少しずれてしまった。
1つは、亡き父をここまで丹念に掘り起こし、思い返し、誤解していた、悔やまれると謝罪する息子を持って、お父さんは幸せな父親だったと思ったこと。
2つめは一番印象に残った言葉が、叔父さんの「難しい文章がどんどん読みにくくなる。新しい考えがなかなか頭に入ってこなくなる。世の中はどんどん変わっていく。老いるということは、新しい情報を得て理解して取り入れる機能そのものが低下すること。それが70代なんだ」。世代とは別の「年代」という問題であり、その二つは切り分けて問題を精査してほしいと叔父さんがおっしゃったところ。 -
Posted by ブクログ
脳の障害は見えないので、仕事や日常生活をうまくできない人に対する世間の見方は自己責任論になりがちです。それを当事者の視点からなぜそうなるのかを体験談的に理解させてくれる稀有な本です。
それはもしかしたら自分にも訪れるかもしれないというリアリティを持っています。意識が散って物を探せない、会話の速さにていけない、不安で何も考えられなくなる。それって自分にも大なり小なりあるもので、その症状がものすごく強かったら、という想像はまさにゾッとするものです。
事態に対処しない人が、不安からメンタルを守るためにあえて対処しないというのは目から鱗でした。不安が思考のリソースをいかに奪うか。著者が、隣に妻がい -
Posted by ブクログ
「不自由な脳」と聞いてどんな想像をするだろうか。
大変に失礼な発言ではあるが、電車内で様子の違う人、職場でPC画面を睨んでフリーズしてしまう人、複雑な話しをするとキレてしまう人。こういった人を見て「変人」と切り捨てていないだろうか。
困った人、仕事をサボる人、子供っぽい人と評価するかも知れない。
対して「目の不自由な人」と言えば、困っていれば誰しも助けるだろう。他の人と同様のアウトプットができなくても「怠けている」とは誰も思わないだろう。
しかし、その人が善人であるとは限らないはずだ。
筆者は「最貧困女子」を執筆後、脳機能障害を患い、思考の困難さや認知機能の低下を体験している。見た目には -
Posted by ブクログ
脳性疲労→軽度の脳梗塞の後も同じような症状
母が軽いラクナ梗塞から無気力、運動機能低下、認知機能低下、急に理解困難になったり、スマホの操作を何度教えても理解できなかったり、健常者が分かりやすいと思っているものも理解しにくいので、当人が「何を困っていて、何が分かんないのか」が分からずただ怠けているだけのように思え、お互い苦しかった。この本で当てはまることも多く、そういうことか!と当てはめながら読み進んだ。
探すことの困難(物がたくさんあると互いが溶け合ってしまい、特定のものを見つけるのが難しい)
探している間に時間が溶ける(注意障害・気を失ってる?)
脳が疲れると呂律が回らなくなる・手が震 -
Posted by ブクログ
脳の機能について、健常脳にできないことを述べ、それが理解されず、そしてなぜそれが貧困につながっているのかを具体的事例を含めながら解説している。
個人的にはなんとなくわかっていたことではあるので特に目新しいものはなかったが、昨今の自己責任論や甘えだろみたいな風潮があるので、多くの人が「働けない」ということを理解して優しい世の中になればいいと思う。
ただ一方で、SNSで見える表面だけが厳しいだけで優しい人も多いのかもしれない。
多くの人からはわからない、目に見えない悩みで苦しんでいる人達の解像度を上げるためにも、当該書籍の内容は大事であると考える。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ『貧困と脳』は、子どもや女性、若者の貧困問題を長年取材してきた著者が、自身の脳梗塞によって高次脳機能障害を負った経験をもとに、「脳に障害が起きるとはどういうことか」を当事者の視点から詳細に描いた一冊である。
本書の大きな特徴は、高次脳機能障害がもたらす変化を、抽象論ではなく極めて具体的に説明している点にある。障害によって脳内のワーキングメモリが著しく低下すると、現状を把握する力や判断力、自己決定力が弱まり、簡単な会計ができない、会話のスピードについていけない、自分の状況を言語化して説明できないといった問題が生じる。これは能力や努力の問題ではなく、「脳の機能が物理的に制限されている状態」である -
Posted by ブクログ
ネタバレ親が政治的に偏った発言をすることが多くてコミュニケーションに困っている人にオススメの1冊
2026年現在でもX等SNSではネトウヨによるバカバカしい荒唐無稽な陰謀論が目立つ。SNSで過激な発言をするネトウヨは中高年が多い印象を持っているのだが、本書の「ネット右翼になった父」というタイトルを見て、父親があちら側の世界に行ってしまい家族が崩壊してしまう有り様が書かれているのかなと興味を持ち購入した。(ちなみに私はパヨクも大嫌いである。私の嫌いなネトウヨやパヨクは、学習することを怠り、都合のよい情報だけ鵜呑みにするなどファクトチェック機能皆無で、思想が合わない人間を叩くことしか考えないという人を指 -
Posted by ブクログ
ネット右翼、という言葉には若干の疑問が湧く。
インターネットの情報に深くのめり込んでいってしまった、という著者の父とその父の死後、父がどうしてそうなってしまったのかを巡る物語。
最後は普通に感動した。
が、自分も考えは保守よりなので著者の父がおかしな考えに傾倒しまくっていたかと言われるとそこまでは感じなかったな。まあ、強めのエコーチェンバーには陥っていたんだろうけど。
これはネット右翼に限らず、コロナ禍以降に親が陰謀論信者になってしまったとかそういう話も多くあるからその一端だよね
ただ、周りにこういう話に付き合ってあげられる人がいなかったというのが問題なのかも。何かを主張する場合は、自分と正 -
Posted by ブクログ
印象的なタイトルから「ネット右翼」というものが主題なのかと思っていたのですが、どちらかというと重点は家族との関係の方にあるなというのが読後の印象です。「父は本当にネット右翼だったのか?」という観点からそもそもネット右翼とはどのようなものかを丁寧に検討したり、父の生前の発言や価値観を家族や知人へのインタビューなどから掘り下げていく過程が描かれているので、もちろんそこではネット右翼というものについても様々な考察が行われており、そこも興味深く読んだのですが、最も印象的だったのは、著者の父とはどのような人物だったのかという見方が、著者と姉、母で大きく違っていたということや、父をネット右翼認定してコミュ