鈴木大介のレビュー一覧

  • されど愛しきお妻様 「大人の発達障害」の妻と「脳が壊れた」僕の18年間

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    障がい当事者同士のご夫婦の愛のストーリーであり、発達支援の超具体的事例集としても読める名著。社会を概念ではなく「参加するコミュニティ」と捉えた場合、そこでの障がいを小さくする無くすことは可能ではないか。そしてその取り組みの集合体こそが共生社会の実現になるのではないか。というメッセージには完全に同意する。なぜならぼくは障がい当事者と自分の間に障がいがない瞬間を何度だって経験してきているから。

    会社を辞めフリーランスになる決意をする著者に向けた「どんだけ貧乏でも一緒にいれる時間があった方がいいから私は嬉しいよ」というセリフをはじめ、お妻様のあふれる愛と美しいパーソナリティに涙が止まりませんでした

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    2021年03月14日
  • されど愛しきお妻様 「大人の発達障害」の妻と「脳が壊れた」僕の18年間

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    貧困問題等のルポを何冊か読んだ鈴木大介さんの本です。

    鈴木さんは脳梗塞由来の高次脳機能障害をもち、そのお妻様は大人の発達障害さんでした。そんな二人の出会いから今までの記録です。

    発達障害、最近よく聞くようになりました。ですが、いまいちわからない。高次脳機能障害については全く知識がありませんでした。

    お妻様は、いわば毒親育ち(その後お義母ちゃんもでてきます)で、リストカッターで、朝は全然起きてこなくて家事も全くしない…という方でした。
    それにいら立つ作者との日々も描かれています。なるほどこれは、いらだつな。と最初は思っていたのですが、後半になり作者が高次脳機能障害をもってから気づくお妻様の

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    2020年12月07日
  • 老人喰い ――高齢者を狙う詐欺の正体

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    数ある名作ルポの中でもダントツに面白いのでぜひ読んでもらいたい作品。読みやすいのですからぜひ。
    「オレオレ詐欺って犯罪なのに腹が立たないな」と漠然と感じてた理由が見事に言語化されています。
    筆者がいうように、優秀(?)な人材の無駄遣いとも思うけど、巷の会社の仕事のくだらなさを考えると㈱詐欺本舗でモチベーション高く頑張った方がよいのでは(笑)とすら感じてくる。ただ、ご多分にもれず、儲かるところには内紛・階層構造・中間搾取が激しくなり、成長産業や優秀な組織であってもダメになっていくのは、ビジネスの必然と無情を感じることろであった。(もちろん警察や関係各機関の皆さんのご尽力によりビジネスがしにくくな

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    2020年08月29日
  • ギャングース(2)

    購入済み

    悪いことを覚えますが

    1・2巻を読みました。

    映画化されているのは知りませんでした。

    アウトローな漫画をいっさい読まないのだけど少年院など取材されてて

    犯罪行為の詳しいことが漫画になってて大丈夫なのか心配になります。

    知らない知識を得る面白さがあります。

    もう16巻まで発売されてるのか・・・

    面白いかどうかは読み手しだいです。

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    2020年08月29日
  • されど愛しきお妻様 「大人の発達障害」の妻と「脳が壊れた」僕の18年間

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    「不自由を障害にするのは環境」p194


    「弱者を加害的な立場に追い込むのも、また周囲の環境」p208

    産業構造と障害 p226

    発達障害とは?についてよくわかる本でした。

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    2020年06月09日
  • 貧困を救えない国 日本

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    あれもダメこれもダメでうんざりする部分もないわけではないが
    貧困があらゆる方面から語られており、納得度が高かった。
    資金や物量ではなく、
    解決策が当事者に知らされること(情報)と
    行動できる状態になること(精神疾患)の課題が大きいように思った。

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    2019年12月02日
  • されど愛しきお妻様 「大人の発達障害」の妻と「脳が壊れた」僕の18年間

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    発達障害の家族、理解したい人が読むといい。発達障害に苦しむ当事者も自分のことが客観的にわかって良い。

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    2019年11月20日
  • されど愛しきお妻様 「大人の発達障害」の妻と「脳が壊れた」僕の18年間

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    ネタバレ

    貴重な体験からの当事者感への気づきという普通なら到達し得ない観点からの良書著かと、強い夫婦の結びつきが感じられます

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    2019年10月22日
  • 脳が壊れた

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    ★回復記に感じる「面倒な人」との共通点★漫画「ギャングース」を連載中に読んでいるとき、そういえば原作者が脳梗塞で、というのを見た気がした。40代で脳梗塞を発症し、その後の変化を体験記として記す。自分を対象としたルポで、あえて病気の深刻さを和らげようとしているのだろうが、筆致が柔らかく読みやすい。
     何よりも本書がただの回復記とは違うのは、筆者の専門が貧困で、そのときに出会ったやりとりができない人々の様子に自分を重ねることだろう。著者は赤ん坊に戻ったように感情の抑制が効かなくなる。取材相手のことをコミュ障の面倒くさい人だと思っていたが、自分が同じ状況に陥ってみて、そこには脳の問題もあったのではな

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    2019年10月06日
  • 老人喰い ――高齢者を狙う詐欺の正体

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    NHKドラマのサギデカを観て、手にとってみた。2015年に書かれた本だけど、その頃すでに特殊詐欺が始まって十数年たってたということに驚く。モシモシ、オレオレなんてそんなに騙され続けるような詐欺?と思っていたけど、いまもって増える一方。
    詐欺のプレイヤーの気質というか属性というか、そういうものを本書で知り、だからなくならないし高度化しているのかと納得。詐欺は犯罪だけど、凄まじいほどの世代間格差が元凶で、筆者の言う通り、与え育てること、を社会全体で考えることが数少ない処方箋かもしれない。想像もつかぬほどの格差と分断が進み、自己責任、言葉がこれ以上跋扈しない世の中になることを祈りたい。

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    2019年09月23日
  • 老人喰い ――高齢者を狙う詐欺の正体

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    ニュースでよく見かける「高齢者詐欺」
    どういうモノが高齢者詐欺なんだろう。知りたいなーと思って読んでみたら、内容は全然違った。

    高齢者詐欺をしているのはどんな集団か
    彼らはどんな歴史を持っていて、どう詐欺に出会ったのか
    詐欺を働く人間たちはどんな意識を持っているのか

    そんなことがリアルに描かれていた。
    生々しい描写に同情やしんどさを感じる一方で、

    自分もひとつ間違えれば彼らの側だったかもしれないなと思うほどの日本社会の厳しさも感じた。

    日本がどんな社会になっているのか、
    その闇の部分か非常によくわかる一冊だと思う

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    2019年09月15日
  • 老人喰い ――高齢者を狙う詐欺の正体

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    オレオレ詐欺などカネのある高齢者を狙う詐欺犯罪が広がっている。日本社会において、「老人喰い」は若者向けのビジネスであり、決して無くなることはない。と、著者は断言する。本書はそんな裏社会の取材を通して、その理由を明らかにする。

    感心しちゃいけないことだが、詐欺グループの人材採用・教育、実行システム、成功報酬などの一連のシステムは合理的ですばらしい。人事や営業に困っている企業はぜひ参考にすべきだ。

    手にできるのがゼロか百万円かというシビアな状況ほど人が成長し、能力を発揮する場所はない。詐欺の動機だって、資産も将来の保証もない若者が余生わずかな資産家から富の一部を分けてもらうことと定義してしまえ

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    2019年09月15日
  • 老人喰い ――高齢者を狙う詐欺の正体

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    犯罪だとは分かっていても、老人喰い側に感情移入しちゃうな。
    それだけ世の中が閉塞感に包まれているという事だろうけど。

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    2019年08月07日
  • ギャングース(1)

    ネタバレ 購入済み

    今苦しんでいる若者にこそ

    主人公たちはその日暮らしもままならない状況から犯罪に手を染め少年院に入った前歴持ちの若者。
    彼らは犯罪グループの利益を横から浚うことでなんとか糊口をしのぐという毎日を送っています。
    奪った金も道具代情報代にほとんどが消えていき、貧困から抜け出すことはかないません。
    この漫画はそうした彼らのタタキ(利益の強奪)仕事が主軸となったストーリーです。

    タタキを繰り返すにつれ、彼らは様々な犯罪グループと対立し抗争します。
    しかし殴り合い感情をブチまけ腹を割って話してみれば、彼らのいずれもがのっぴきならない状況から悪に走った若者たち。
    自分たちと何も変わらなかった。
    そうして彼らは対立を

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    2019年06月14日
  • 脳が壊れた

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    鈴木大介のことは本書を読む前に「普通は入れない場所から、普通は思いつかない切り口で、普通は到達できない深さまで掘り下げて書く人」という印象があった。そういう著者が脳梗塞をサバイブして書いた作品ということで、とてつもなく高い期待を持って読みはじめ、とてつもなく高い満足度で読み終えた。
    鈴木大介、ただものではない。
    著者の持つ偏執的なこだわりと働きすぎが過去の作品と人物を作り上げ、奥さんを救い、奥さんを苦しめ、本人の脳を破壊し、リハビリをやり抜き、本人の脳を修復し、新たな境地に達した。
    いやはや。
    しかも、治療の過程で何度も「今までの考え方感じ方は浅かった、分かったようなことを言っていたけど分かっ

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    2019年05月30日
  • 貧困を救えない国 日本

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     貧困問題に取り組んできた著者二人による対談本。実際に現場に携わってきた為、出てくる事例が豊富である。特に、貧困が一部地域で連綿と受け継がれてきた、という事例は初見である。そういうことも漠然とあるだろう、と思ってきた所に実例を出されると、改めて考えさせられる。

     この本で着目したポイントは三つ。
     1.漠然とした世間でのイメージと現場との乖離。
     2.税金による再配分の必要性
     3.強制出費を強いる産業

     1について、現場と世間のイメージ・無理解に苦しめられている業界は多いので、人々の共感を得られると思う。さらに、世間体を気にしがちな日本では、尚更貧困の現場は見え難い。

     2について、応

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    2019年04月27日
  • 脳が壊れた

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    脳梗塞の後遺症としての高次脳機能障害の苦しみを、その当事者が実体験、しかも進行形の体験として書くというとんでもない一冊。

    私は鬱なので、頭痛腹痛肋間神経痛から様々な症状が出ているもんで、何かと自分の身体が心配になるんだけど、この本を読んでますます心配になった。

    自分が同じような状態になったら誰に頼るのか?頼れるのか?頼っていいのか?

    妻ではないな。ただでさえ育児に奔走してくれている妻にさらなる負担はかけられない。それは身をもって知っている。
    実の親もないな。高齢だし、父に至ってはすでに軽度の脳梗塞を起こして療養中だ(元気だけど)。そのうえ、著者とは違うが、親に頼るのはそもそも苦手だ。

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    2019年04月22日
  • 脳が壊れた

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    介護の仕事をしていると、“半側空間無視”というフレーズに接することが多々ある。実際にそういった障害を持っている方がたに接するのだけれど、顕著に障害が出ている場面に出くわすことはなかった。

    著者は、脳梗塞を発症し、それに伴う後遺症が残ったのだけれど、ルポライターという職業柄、自分自身を取材し、“高次脳機能障害とはこういうことだよ”をわかりやすく読ませてくれる。
    今まで接してきた方々は、言葉で発信することはなかったけれど、こんな風に見えたり、感じたりしてきたのだろう。

    自分自身を取材するにあたって、リハビリへの熱意が尋常ではなかったようで、その甲斐あって(?)壊れた脳の機能を他の部分で補完でき

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    2019年04月09日
  • 脳が壊れた

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    脳に障害が生じ、そのことで生じる変化が、克明に、かつユーモアを交えて記録されている。
    認知症の方、脳梗塞後遺症の方、さらには発達障害の方と関わる方には、かなりオススメできる本だ。

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    2019年02月26日
  • 脳は回復する―高次脳機能障害からの脱出―(新潮新書)

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    前作から文章を読む限り著者はすっかり回復してジャーナリストに復帰したのかと思っていたら、取材記者は引退して漫画の原作や記事の執筆など書く方に専念しているのだと知る。免許センターに電話して簡単な質問をするだけのシーン、地味に書かれているが感動。電話が終わって妻のところに行き「電話もして会話ができたよ〜、こうやっていろいろなことができるようになるのかなー?」と泣きながら報告する。妻は素晴らしい理解者。自身も発達障害で若い頃は家出したりしていたが、著者の病気に動じることなく、言葉を発せずミャーミャー言うしかないパニック状態の夫を楽しそうに面倒見る。
    企業でも分業をすれば、脳コワさんでも働ける、はなか

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    2019年02月17日