【感想・ネタバレ】最貧困女子のレビュー

あらすじ

働く単身女性の3分の1が年収114万円未満。中でも10~20代女性を特に「貧困女子」と呼んでいる。しかし、さらに目も当てられないような地獄でもがき苦しむ女性たちがいる。それが、家族・地域・制度(社会保障制度)という三つの縁をなくし、セックスワーク(売春や性風俗)で日銭を稼ぐしかない「最貧困女子」だ。可視化されにくい彼女らの抱えた苦しみや痛みを、最底辺フィールドワーカーが活写、問題をえぐり出す!

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Posted by ブクログ

「真の弱者は救いたい形をしていない」とはどういう事かの詳細解説みたいな本。
本文にもあったが、知性や精神に重い障害を持つ人と関わった事の無い層には到底信じられない世界だしにわかには受け入れ難い難い内容だと思う。
知的ボーダーや精神疾患持ちの方と深く関わった事がありそれなりに理解がある方だと自負している私は「分かるー!」の気持ち良さと、あまりの深淵の深さに「ぇえ…」の困惑の連続で感情の交互浴が凄かった。
特に、
『彼女らは本当に、救いようがないほどに、面倒くさくて可愛らしくないのだ』
の部分は、あまりに実感として“理解る(わかる)”ので唸ってしまった。

この本がシンドくて読みきれない方は、「みぃちゃんと山田さん」という漫画から入るのが良いと思います。
知的障害の行動様式がしっかり描かれているし、「まだぜんぜんマシ」な部類の地獄なので覗きやすいです。

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2025年07月09日

Posted by ブクログ

私は子供の頃から「日本に生まれただけで幸せ」と言われてきた。
それは疑いもなく事実だと思う。
しかしながら、その幸福が誰にでも平等に享受できるものではないのだと、強く全ての日本人に理解してもらいたい。

多くの人がセックスワーク(性風俗や違法の売春まで)を行う人を、「楽して稼ごうとしている」とか「自分を安売りしている」などと忌避するだろう。
たしかに、本書でもそう言った気軽な思いで参入する一般女性も描かれる。
しかし、彼らは「貧困」でさえない。
「貧乏」と「貧困」は異なるのだ。
さらには本書で定義する「最貧困」とは、存在さえ不可視化され、ほぼ全ての日本人が知りもしない、想像もできないほどの、目を背けたくなるような絶望を生きている。

援デリ(非合法売春の業態の一つ)の少女たちは何歳からいるかわかるだろうか。
代々先輩が後輩を売る中学校があるなど、想像できるだろうか。
彼らの単価は?
なぜ彼らが部分麻酔を持ち歩くのか?
なぜ彼らは普通のバイトやせめて夜職をしないのか?

ある少女は「じゃんけんでチョキ出されたら負けますね」と笑う。親に折られて、拳を握れないのだ。
2人の子供と一緒にいたい母親は、公的書類が読めず、福祉支援が申請できない。
カップル援デリをする少女は、会話もままならず、「あ、はい」程度しか回答できない。
ある買春少女は長い会話に集中できず、ちょっとした事で相手を殴ってしまう。

彼らに自己責任だと言えるだろうか。
誰にでも煩わしい行政手続きや面談を経て、生活保護等福祉保護を受けられるだろうか。
彼らは公的医療保険制度も理解していない。

私自身、人に理解しづらい病気で休んだことがある。
1人で抱えてはいけないそうだ。
ならば、どうしたらいい?

日本に生まれて幸せ。
そう言えると言うことで、やっと幸せなのだ。

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2025年06月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

えげつない。壮絶な子供時代を生き抜いてきて、さらに負の連鎖が続き、たまたま持ち合わせていた資産である”女”を使って騙し騙しのような生き方をしている。軽度の知的障害で行政に頼れない・頼りたくない理由が本人にあったり(著者の提案する通り、いくら子供を施設に入れて自分と同じ思いをさせたくないとはいえ、自分自身がもう限界のどうしようもない状況まで陥っているのだがら、一旦生活を建て直してからあらためて再会して子供たちに謝罪なり、事情を話せばいいと思うのだが。そこからまた負の連鎖で子供がどうなっていくやら…)
麻酔薬や潤滑剤を使ってまで性行為をし、色んなところで滞納をしてある時飛んだり、女を売って生きるための手解きを先輩から教わったり、まだ幼さがあるうちはいいが、ある程度成長してくると容姿が良くなければ女を売ることすらままならず、昔と違って業界の容姿レベルも上がっているため、そこはそこで、昼職でも夜職のことがバレていても変わらず働き、むしろ自分は夜職で採用されるほどの容姿なのだと優越感があったりと、そうゆう世界があるのは分かってはいるのだが、こうやって実際の取材による実態報告として語られるのは汚い現実だなということに尽きる。
女は身体を売ればいいんだから楽に生きられて良いよななどと平気で口にする馬鹿男に読ませたい。


貧乏とは、単に低所得であること。低所得であっても、家族や地域との関係性が良好で、助け合いつつワイワイとやっていれば、決して不幸せではない。一方で貧困とは、低所得は当然のこととして、家族・地域・友人などあらゆる人間関係を失い、もう一歩も踏み出せないほど精神的に困窮している状態。貧乏で幸せな人間はいても、貧困で幸せな人はいない。p49

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2025年04月15日

Posted by ブクログ

まえがき
・人は低所得に加えて「三つ無縁」「三つの障害」から貧困に陥ると考えている
「家族の無縁・地域の無縁・制度の無縁」「精神障害・発達障害・知的障害」
・世の中には、こうした分類・分析・論証や議論から外れたところで、目も当てられないような貧困の地獄の中でもがいている女性、そして未成年の女性達がいる。セックスワーク(売春や性風俗産業)の中に埋没する「最貧困女子」。それが僕が見てきた最も悲惨な風景だった。
・彼女らは貧困問題の議論から除外されてきたとしか思えないばかりか、常に差別と無理解と糾弾の対象だった。
なぜなら彼女らの貧困、抱えた苦しみや痛みは、「可視化されていない」のだ。
・見えづらい、分かりづらい、面倒くさい、そんな「最貧困女子」を、忘れないでほしい。見捨てないでほしい。
彼女らの抱えた不可視の痛みと苦しみを、この本では可視化してみたいと思う。

第一章貧困女子とプア充女子
第二章貧困女子と最貧困女子の違い
第三章最貧困女子と売春ワーク
第四章最貧困少女の可視化
第五章彼女らの求めるもの
総括
・女性の低所得層が増えるほどに、低所得と貧困の境界が分かりづらくなり、その中でも特にセックスワークの中にある貧困女性が一層不可視状態に陥ってしまう「最貧困女子・少女」にとって、セックスワークには吸引力がある。
セックスワーカーを「ワーク系」「サバイブ系」「財布系」で分類することを提案し、生きるためにセックスワークに就かざるを得ない多くが合法的でない違法な売春ワーク周辺に偏在する傾向を描いた。
簡単な解決策など示しようがないが、まず小学生時代の居場所ケアによって、「売春ワークへ吸引する地域の縁」を絶つこと、家で状態の少女らには親和性の高いシェルターづくりの必要性がある。18歳以上の最貧困女子については、セックスワークそのものに正常化・社会化が必要だと提言した。
格差社会の中でセックスワークに一般の女性が参入する機会が増えている。様々なステージで議論を始めてほしいのだ。
まず第一歩は、それがどれほど直視に耐えないようなものであっても、彼女らの置かれた現実を知ることからだ。
最も救わなければならない女性が、差別や批判の対象となるような、そんな残酷な連鎖だけはもう断ち切ってほしい。そう願ってやまない。

あとがき
世の中で、最も残酷なことはなんだろうか?
それは、大きな痛みや苦しみを抱えた人間に対して、誰も振り返らず誰も助けないことだと思う。
道端で倒れて七転八倒している女性がいれば、、多くの人が手を差し伸べるだろう。
だが、その女性が脂汗を拭きながらも平然を装っていたら?声をかけても「大丈夫ですから」と遮ってきたら?
助けてくださいと言える人と言えない人、助けたくなるような見た目の人とそうでない人、抱えている痛みは同じでも、後者の痛みは放置される。これが、最大の残酷だと僕は思う。
現代の日本ではこうした最悪の残酷が広がりつつある。格差社会、特に貧困が単身世帯の女性や、ひとり親(シングルマザー)に集中しているという報道は、だがそんな中、その貧困や抱えた痛みが「不可視化」され、それどころか差別や批判の対象とすらなってしまう女性や未成年の少女らがいること、それがセックスワーク(売春・性風俗)周辺に集中していることを本書では描いた。
本音を言えば僕の心情は、もう限界だ。
あれ?これ放っておいたらまずいんじゃない?そんなことを少しでも思ってくださる読者が入れば幸甚だ。
心情面だけではなく、実際問題は深刻だ。
ひとつだけ言えるのは、男は子供を産めないということだ。今日本は少子高齢化の中、圧倒的な生産人口不足・労働力不足の時代を眼前に控えている。にも関わらず、福祉といえば高齢者の介護福祉。子供や女性への福祉は軽視されたままだ。
生産人口の減少は、国力の衰退にほかならない。むしろ日本の男性は頭を下げて女性に「産んでくださいお願いします」とお願いするような状況にあるのに、そもそものその貧困状態が可視化されていないことに、大きな危機感を抱きはしないだろうか?


本書を読むことはとても重苦しいですし、本書からさらに想像していくことは神経が持たないです。
セックスワーカーはAV出演者も含めて、すっかりと日本女性のごく普通の当たり前になっているようです。
日本人AVは世界中でとても人気があり、日本人女性たちはとても性的に卑猥な尊厳のない軽い女性として世界中で定着し見られているようです。

しかも昔とは違い映像で日本人女性の卑猥な姿が、世界中の人々達に今後何千年間も晒し者にされることになってしまうのにも関わらず。

そうした規模とかを考えれば、こんなにも女性が卑猥で軽くて情けがなくなってしまった国、民族は地球の歴史上どこを探しても過去に遡ってみたとしても、現代の日本以外では他には例がないはずです。
とても深刻な取り返しがつかないのではないのかと思ってしまいます。
日本人女性たちのことをそうやって晒し者にさせて平気でいる日本人のことは世界中ですっかりと蔑みと笑い者になっています。

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2025年04月03日

Posted by ブクログ

大切に保護されて過ごすべき子供時代に命に係わる暴力と虐待を受け続け、何も与えられず、適切な教育も受けられず、容姿にも恵まれず、孤独と苦痛を感じている彼女たちは、社会からゴミを見るような目で見られている。

許せん!と、消費期限3分の義憤が沸いてすぐ消えた。恐ろしいことに気が付いたから。

人は見た目が9割というけれど、ただ容姿に恵まれないだけでなく、たくさんの厄介ごとと疫病神に憑りつかれて凄まじい負のオーラを放つ彼女たちは誰もが最悪の第一印象を抱くと思う。そして粗暴なふるまいや極端なルーズさ、品のない言動を目の当たりにし、
おそらく、いや間違いなく、僕はゴミを見る目で彼女たちを見る。

そして自分の世界から切り捨てるだろうと思う。あまりに異質すぎて理解不能。サバンナの動物が過酷な自然でも生きていけてるように彼女たちも独自のコミュニティを持ちその中で生きてるのだろうと勝手に想像して終わり。記憶から消える。

ルポライターってすごいなー、この恐ろしい世界の内側をよくこれだけ取材できるもんだ。


この本読んで、大きく考えが変わったわけじゃない。だけど、一つ決めたことがある。
書いてしまうと安くなりそうなので書かないけど、僕は決めた。

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2025年02月24日

Posted by ブクログ


この手の本は大変貴重だと感じます。
国内統計でも性産業に関するデータは基本的にありませんし、データ取得そのものにプライバシー権が及びますので、標本が少なくてもこのようなルポから学ぶことは重要です。
風俗業、とりわけ性産業女性たちそのものにももちろん課題は山積みですし、一定の自己責任は伴うでしょうが、層別に考える良いきっかけになりました。
売れっ子キャバ嬢やav女優、私たちが表層的に判断するのはこのような目立つ方々ですから、お金を持ってる、整形をする、華やかな人たちを前提にしています。
しかし、本書では、もっと身近でミクロな領域について言及しており、これが大多数のセックスワーカーの真理に近いのかと感じました。

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2024年09月18日

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あまりに衝撃的な内容だった。。彼女らが直面する困難はあまりにも困難であり、福祉制度が全く機能しない現状を打破するのは不可能にさえ思える。。彼女たちが持つ制度に対する斥力はとりわけ大きく、補導されたらアウトという状況下で、彼女たちがこのような道を選んでしまうことに対して仕方なさすら感じた。著者のあとがきにある、限界という言葉は、切実に限界なのだろうと感じざるを得なかった。

風俗業(また売春の)自己責任論はお門違いだと理解したし、自分がいかに制度内で生活をしてきたのかを理解した。

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2022年01月20日

Posted by ブクログ

岡田斗司夫さんの話を聞いて。「最貧困女子」と「貧困と脳」をセットで読もうと思った。
詳しい感想は「貧困と脳」でどうぞ!

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2025年11月28日

Posted by ブクログ

「本当の弱者は救いたい形をしていない」
この言葉に尽きますね。

社会の中でも不可視になっている最貧困層の女性へのインタビュー、取材を通じてそのリアルな姿を描写しています。
なかなか読むのがハードな部分もありますが、こうした現実があるという事実を知っておくべきだと感じました。

彼女たちの多くは売春で生計を立てていますが、昨今の「パパ活」などによって売春のコモディティ化がさらに進んでおり、本書が上梓された頃よりさらに状況が悪化していると考えられます。
解決策のようなものも後半少し触れられていましたが、正直厳しいと思いました。

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2025年09月30日

Posted by ブクログ

『最貧困女子』に描かれる虐待の連鎖に、「人間である限りこれはなくならないのでは」と絶望的な気持ちになった。これらの問題は本人のやる気ではなく、生き抜くためのOSが違うのだと。安易な自己責任論がいかに無力で残酷かを痛感する。
ただ魚を与えるのでもなく、一方的に釣りを教えるのでもない。その人が尊厳を失わずに輝ける環境をどうデザインするか。本当の支援とは何かを、深く問い直すきっかけをくれた一冊。

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2025年07月21日

Posted by ブクログ

大学生の時に読もうとしたが、その時の自分には内容が重すぎて脱落。10年経ったいまなら読めるかも?というのと、貧困と脳を読む前に読んでおきたいと思って再読。今度は最後まで読めました。
10年以上前と比較すると今の方がもっと深刻化しているのでは、、、??自分に何かできることってないのかなあ、ちょっと考えていきたいと思いました。

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2025年06月16日

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日本の貧困層でも底辺レベルの女性を取材し、その生活や特徴を描き、類型化して可視化させて社会問題をなんとかしたいというルポ

救いようの無さを痛感させられる。環境も個人も社会システムも。
まずは知ることから。将来的に解決できる見込みが全く立たなそうだけど。

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2025年02月24日

Posted by ブクログ

容姿がいいがちょっとした小遣い稼ぎで週に一度風俗で働いている女性が、最貧困女子の話を聞いた上で解答が忘れられない。
人間社会の縮図は結局これなんだなって感じざるおえない内容だった。

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2024年10月29日

Posted by ブクログ

文字通り、貧困女子について書いた一冊。

多くは不遇な家庭環境に育ち、そこから性産業に従事するtぽいう実態がよくわかった。
その中で『貧乏と貧困は違う』というのがとても印象に残った。

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2024年10月19日

Posted by ブクログ

これは完全にタイトル惚れ。2014年刊行で多少情報が古い可能性はあるが、その当時としても驚くべき現状をルポしており、正直たまげた。手に取った物は第9刷となっており、かなり注目を集めた内容であると思われる。

まさにタイトル通り、貧困層にいる少女たちにインタビューを行っている。想像の斜め上を行く、現実が描き出されている。その現状と過去を洗いだし、背景を分析して問題点を抽出し体系化することで、援助交際という一言で括られていたステレオタイプを打ち破り、経済軸と生存軸から彼女らを細分化することで、どのようにして社会が彼女らを守っていくことができるか?社会制度として救う事ができないかまで提案している。

これは「貧困の連鎖」という、大きな社会問題に繋がっていく。そのスタート地点にいる少女(少年もだが)をセーフティネットで守ることで、貧困の連鎖が断ち切れるのではないだろうか。

社会に大きな一石を投じる、書籍である。

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2024年07月26日

Posted by ブクログ

社会構造の話というよりは、実体験に基づく具体的な事例を挙げている。貧乏と貧困の違い明確にし、特に貧困について実例を紹介している。
何となく知っていたつもりだったが、実情は想像を超えた世界だった。地域や福祉の輪を考えるきっかけにしたいと思う。

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2024年06月24日

Posted by ブクログ

7〜8年前くらいの本だけど今はもっと貧困は拡大していると思う。出会い系アプリでは生活に困っているシングルマザーが自ら売春を働いていたり、Twitterでは「今晩泊めてください」のような呟きもたまに見る。なぜ家出少女や路上生活者は売春や風俗に従事する傾向があるのか。それは彼女たちはお金も住む場所も健康保険証すら持っていない中で補導に怯えながら路上を彷徨っている。そこで風俗のスカウトなどの支援者が宿を提供し、身分証や携帯電話を貸与する代わりに、風俗店で働かせる。外見が良くなかったり、障害を持っている女性はお店では働けず、違法の売春で日銭を稼いでいる。

筆者が取材した売春少女たちのエピソードは本当にここは現代の日本なのかと思うくらい、地獄で文字情報だけでも、目を覆いたくなるほど、酷かった。幼少期は親からの虐待やネグレクトに遭い、愛されずに育ち、過酷な状況から打開しようと家出を試みるも、性産業に吸い込まれてしまう。

家族・地域・制度の3つの無縁と身体・知的・発達障害の3つの障害を持っていると、このような再貧困女子になりやすいらしい。逆に売春少女と同じくらいの低収入でも困った時に頼れる親がいたり、地元の友人と助け合える環境があれば、貧乏ではあるけど、ある程度は幸せに生きていける。俗に言うマイルドヤンキー。ただこれらの人は貧困とも紙一重かなとも思っていて、突然3つの縁から切り離されてたら、売春少女のような、貧困に一気に落ちると思う。

なるほど、だから田舎のマイルドヤンキーたちは地元の輪から外れないように、団結を高めて、仲間意識が強いのかなと思った。自分も今、地元から離れて一人暮らししているけど、低収入だし頼れる人も近くにいないから、貯金を崩しながら、本当にギリギリの所にいるから、3つの縁の大事さは身に染みて感じた。同じ低収入でも近くに親がいるだけで生活の楽さは全然違う。地元で暮らしやすい理由って、この3つの縁があるからなんだな。

売春少女が抱える痛みは見えづらい所か、売春や性産業は差別されたり、誹謗中傷されやすく感じる。大変なのはわかるけど自己責任だろ、みたいな言葉を投げかけられたり。まずは彼女たちの苦痛を社会に知ってもらうことが、彼女らを救うのに大事だと思う。

あと、この本を読み終えたあと、教育って生きる上で凄く大事なんだなと感じた。少女たちは中学校もろくに通っていないから、契約書とか色々な手続きをする時に出てくる長文や難しい言葉が理解出来ず、住民票の異動すら出来ない。路上生活をしている時も、法や支援制度を知らないから、全部自分でなんとかしようとする。仮に貧困を一時的に抜け出せたとしても、どこかでつまずくと思う。彼女たちを助けるためには教育が最重要なのかもしれないな。

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2024年03月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

貧困のさらに下層である最貧困女子の現状を記したルポ。人は低所得に加えて「三つの無縁」「三つの障害」から最貧困へと陥る。本来支援されるべき方々が世間に可視化されていないので、支援が難しい現状がある。

「第一章 貧困女子とプア充女子」を通して、例え月10万くらいの低所得でも周りの友達の支援やシェア文化が整っていたら、上手くQOLを保ちながら生きていけると改めて感じた。地方は低所得でも地域の支えを受けやすいので、その点地方出身者は強いなと。

元々家庭環境が良くなくて教育も十分に受けていないので、そもそも思考力が欠如していて努力するベースがないから、貧困は自己責任では片付けられないと感じました。
ちゃんと学校に行っていたら最低限自分でネットや本から情報を得る術は身につくし、何がいいのか悪いのかの判断もつく。だが学校で学力をしっかり身につけることができなかったので、努力だけでは解決できないだろう。

自分は何不自由なく生きてきて貧困とは無縁の生活をしてきたから正直日本で本書のような方々がいることにびっくりした。
だからといって何が出来るかといえば難しいが、でも現状このような人たちがいることを知り、現状を理解することはできる。
思考停止で自己責任で片付けることなく、リアルを今後も知っていきたいと思いました。

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2023年08月27日

Posted by ブクログ

貧困とは、三つの無縁、三つの障害から、貧困に陥るという。
そして、三つの障害は見た目では分からないが故にセーフティネットの網から引っかからないのだという。

本書を読んで、貧困の一端を垣間見れたわけだが、この本が、当事者の方を救う一助になるのを心から願うとともに、自分自身でも何か出来る事がないかこれからの人生で考えていきたい。

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2023年07月24日

Posted by ブクログ

★★★★
今月10冊目
これは非常に難しい問題。貧困の最下層にいるのは、親などに頼れない、親からの虐待、メンタルやられてる、精神疾患、知的障害がベースにある。行き着くところはセックスワーク。 
これは出会う人種ではないかもしれないがこの手の人達がいるって衝撃

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2023年03月20日

Posted by ブクログ

本当に日本で起きていることなのだろうかと、信じられない気持ちになった。
女性の貧困については昨今社会的にも問題になっており、所謂パパ活と呼ばれるようなものがあることも知ったが、本書に書かれている最貧困女子が取り込まれる援デリなどは全く一括りにできるものではないと思った。著者が取材対象に本当に真摯に向き合い話を聞いたであろうことがよく分かりました...。ご自身でも言われていた通り一般人なら発狂したでしょう。ルポを出してくださったことに感謝。
衝撃を受け、考えるきっかけにはなったが、やはりどうしたらいいのかは本当に難しい。

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2023年03月16日

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 これって,日本の話なのか?と思うほど,ビックリする貧困女子の現実がある。
 以前,『神が棄てた裸体』という本を読んだときも,少女売春に向かわざるを得ない状況に驚いたが,それと同じようなことが日本でも普通に起きていることにビックリである。
 そして残念ながら,その解決策からはほど遠いと思わざるを得ない。自分が受けたことを,また自分の子どもに再生産していくなんてことを見せられると,ほんとにいたたまれない。
 著者は,そういう裏社会の若者たちと本音で向きあい本ルポを書いていく。まずは,現実を見て貰うこと,知ってもらうことに意義があるということだろう。

 解決策があるとすれば,まず,子どもの時にちゃんと気づいてあげることだ。学校の教師,近所の人たち,福祉関係の人たち…いろんな人が,子どものようすの変化を見てあげることからしか進めないんだろうな。

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2022年12月04日

Posted by ブクログ

福祉の勉強の一環として講読。
彼女たちが貧困に至ってしまう背景に、3つの無縁(家族、地域、制度の無縁)と3つの障害(精神、発達、知的障害)があるとする見立ては、長い期間、彼女たちに関わり続けた筆者だからこそ、見いだせたものと思う。記載された最貧困の事例はあまりにも生生しく、キツく胸が締め付けられました。

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2022年10月22日

Posted by ブクログ

どうすれば解決できるんだろうと思いながら読んだけど、負の連鎖が続きすぎてどこから手を入れたらいいのか全く考えられなかった
明日生活するお金がない、日々そんな暮らしを想像したらそれは精神も不安定になるよと思ってしまう

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2022年03月31日

Posted by ブクログ

○本書内容より
「身体が売れなくなったら死ぬ時だ」
その週で客がつかなかったら「肝臓を売れるところを教えてください」幼い娘を残して死んでしまったシングルマザーの話など、自分が過ごしいてる世界では考えられないような事実がたくさん記されている。
 この本を読んだ感想は一つ。残酷の蔓延。著者と同じように日本社会は本当に残酷だと感じた。数年前、風俗業に従事する人々に給付金を出すか否かという議論が出たことを覚えているだろうか。この本を読めば、それを議論の対象に持ってくることじたいが差別であり、残酷な社会へと押し進めていることに加担することとなると痛感する。その残酷さに気づいている人がどれだけいるのだろう。
 今の日本は弱者を叩き、票を得ようとする政治家も多い。その流れに扇動されてしまわないよう、まずは知ること、学ぶことが大切だと感じさせる一冊だった。

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2022年01月22日

Posted by ブクログ

半分ほど読んだがあまりの救いようのなさに本を閉じてしまった。
「貧乏で幸せな人間はいるが、貧困で幸せな人間はいない」という言葉が心に残った

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2025年05月24日

Posted by ブクログ

お金があっても保護があっても、それを理解して救いを求めることができない人たちがいることにショックを受けた。貧しい人たちがより貧しい人たちを食い物にして生きていく姿は食物連鎖を想起させる。

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2024年08月03日

Posted by ブクログ

鈴木大介さん、最貧困女子の声を届けてくださりありがとうございます。
女子の貧困が深刻化する中で可視化されない部分や「自分から買われたのだから」という心無い誤解や偏見は私の周りでも散見されます。
大人から裏切られ続けてきた少女は居場所を見つけても自ら手放すような行動に出てしまう。そんな彼女たちとどう向き合えば良いのか、、、先ずは知ること。最貧困女子本人にも、第三者にも、それぞれに考えられることはあると思いました。

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2023年05月12日

Posted by ブクログ

風俗や売春などのセックスワーカーとして生計を立てざるを得ない人たち。遊ぶ金欲しさではなく、育児放棄や虐待など育ってきた家庭環境に問題が多く、普通の仕事には就き辛い人が多いという現実。特に最底辺の激安風俗やハード系AVなどは知的や精神に障害を持った方が多いとの現実に衝撃。

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2023年05月07日

Posted by ブクログ

 社会の最下層の若い女性たち、劣悪な環境で風俗産業に従事する人々を取材して執筆している。この筆者は今までに同様に問題を取り上げた本を何冊も書いてきたようで、この本の中では具体的な取材内容よりも、それらの人々を分類して、どのような方法で解決しようというのがいいのかという持論の展開にページの多くを割いている。同様の本をたくさん読んできて、最後に読むのにはよかったのだろうが、最初に読むなら、もっと実例を多く取り上げた本のほうがいいように思った。

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2022年10月07日

k

購入済み

どんよりした読後感

重くてどんよりネットリした気持ちになる。日本だからとか他国はどうとかは分からないが、読んでいてつらすぎる

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2020年05月07日

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