【感想・ネタバレ】最貧困女子のレビュー

あらすじ

働く単身女性の3分の1が年収114万円未満。中でも10~20代女性を特に「貧困女子」と呼んでいる。しかし、さらに目も当てられないような地獄でもがき苦しむ女性たちがいる。それが、家族・地域・制度(社会保障制度)という三つの縁をなくし、セックスワーク(売春や性風俗)で日銭を稼ぐしかない「最貧困女子」だ。可視化されにくい彼女らの抱えた苦しみや痛みを、最底辺フィールドワーカーが活写、問題をえぐり出す!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

えげつない。壮絶な子供時代を生き抜いてきて、さらに負の連鎖が続き、たまたま持ち合わせていた資産である”女”を使って騙し騙しのような生き方をしている。軽度の知的障害で行政に頼れない・頼りたくない理由が本人にあったり(著者の提案する通り、いくら子供を施設に入れて自分と同じ思いをさせたくないとはいえ、自分自身がもう限界のどうしようもない状況まで陥っているのだがら、一旦生活を建て直してからあらためて再会して子供たちに謝罪なり、事情を話せばいいと思うのだが。そこからまた負の連鎖で子供がどうなっていくやら…)
麻酔薬や潤滑剤を使ってまで性行為をし、色んなところで滞納をしてある時飛んだり、女を売って生きるための手解きを先輩から教わったり、まだ幼さがあるうちはいいが、ある程度成長してくると容姿が良くなければ女を売ることすらままならず、昔と違って業界の容姿レベルも上がっているため、そこはそこで、昼職でも夜職のことがバレていても変わらず働き、むしろ自分は夜職で採用されるほどの容姿なのだと優越感があったりと、そうゆう世界があるのは分かってはいるのだが、こうやって実際の取材による実態報告として語られるのは汚い現実だなということに尽きる。
女は身体を売ればいいんだから楽に生きられて良いよななどと平気で口にする馬鹿男に読ませたい。


貧乏とは、単に低所得であること。低所得であっても、家族や地域との関係性が良好で、助け合いつつワイワイとやっていれば、決して不幸せではない。一方で貧困とは、低所得は当然のこととして、家族・地域・友人などあらゆる人間関係を失い、もう一歩も踏み出せないほど精神的に困窮している状態。貧乏で幸せな人間はいても、貧困で幸せな人はいない。p49

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2025年04月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

貧困のさらに下層である最貧困女子の現状を記したルポ。人は低所得に加えて「三つの無縁」「三つの障害」から最貧困へと陥る。本来支援されるべき方々が世間に可視化されていないので、支援が難しい現状がある。

「第一章 貧困女子とプア充女子」を通して、例え月10万くらいの低所得でも周りの友達の支援やシェア文化が整っていたら、上手くQOLを保ちながら生きていけると改めて感じた。地方は低所得でも地域の支えを受けやすいので、その点地方出身者は強いなと。

元々家庭環境が良くなくて教育も十分に受けていないので、そもそも思考力が欠如していて努力するベースがないから、貧困は自己責任では片付けられないと感じました。
ちゃんと学校に行っていたら最低限自分でネットや本から情報を得る術は身につくし、何がいいのか悪いのかの判断もつく。だが学校で学力をしっかり身につけることができなかったので、努力だけでは解決できないだろう。

自分は何不自由なく生きてきて貧困とは無縁の生活をしてきたから正直日本で本書のような方々がいることにびっくりした。
だからといって何が出来るかといえば難しいが、でも現状このような人たちがいることを知り、現状を理解することはできる。
思考停止で自己責任で片付けることなく、リアルを今後も知っていきたいと思いました。

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2023年08月27日

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