河野真太郎のレビュー一覧

  • ぼっちのままで居場所を見つける ――孤独許容社会へ

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    ネタバレ

    素晴らしかった。新書で泣いてしまったのは初めて。

    最終章で出てきたライ麦畑で捕まえて、は筆者と同年代のわたしもだいたい同じ時期に読んで、とても強い印象を受けたことを思い出し、若かった当時感じていた不安や、不満、焦燥がいっきに蘇った。そしてずっと歳をとった今、社会のあり方に途方にくれ、イスラエルで拷問を受けているというガザに向かった若い彼女とその仲間たちに対して私は何が出来るのか…という無力感や申し訳なさで苦しくなった。

    どんな社会があり得るのかを考えてみよう、という筆者の呼びかけに応えたいと思う。
    しんどくなるニュースばかりで考えることをやめてしまいそうになるけど、諦めずに少しずつ。

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    2025年10月06日
  • 増補 戦う姫、働く少女

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    映画やドラマなどの人物を用いて、対立構造からフェミニズムを読み解いていく。思想や哲学の知識が十分ではなく、理解しきれない部分もあったが、最終的には、対比される相手と分断されているととらえず、連携する方法を考えていこう、を全ての枠組みで再度考えながら読み直したくなる結論だった。

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    2025年09月29日
  • ぼっちのままで居場所を見つける ――孤独許容社会へ

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    第1章なぜアナ雪のエルサは、ひとりでハッピーとはならなかったのか。女性だからではないか。
    第2章のロビンソン・クルーソーの孤独を発見したことで、居場所を見つけるという考え。
    第3章ダンバー数では安定した関係を維持できる個体数(知り合い)の上限を平均150人と推定。
    第4章現代人はフリーレンのように死を知らない子どもになりつつある。死別という喪失はますます個人的になものになっている。
    現代では経験を共有できないと孤独を感じる。シェアすればするほど、伝わっているか確認できないため孤独になる。
    第7章 ではどうすればいいのか。ベーシック・インカムを提案する。年齢、職の有無関係なく最低限の生活を保障す

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    2025年02月14日
  • 危機の時代に読み解く『風の谷のナウシカ』

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    ネタバレ

    ナウシカ、エヴァ、進撃の巨人の関連性を知れた。4分の1ほどまでしか精読できていないため、3点の作品の何かを掴めたら再度読むといいだろう。
    世界、戦争、思想。

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    2024年12月02日
  • ぼっちのままで居場所を見つける ――孤独許容社会へ

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    親友とか恋人とか他の人とは違う存在として名付ける時、依存せずに自立できているかを見直すことは、浅い依存を生み、存在と平等と自己の自由が確立され、ぼっちのままで居場所をみつけることにつながるのではないかと思った。

    アナ雪をベースに考えるととてもわかりやすい。
    1では、家族とのつながりで孤独から脱したエルサだが、2では、家族の枠を超えてぼっちのままで居場所を見つけたように思う。

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    2024年10月15日
  • 危機の時代に読み解く『風の谷のナウシカ』

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    いかに漫画版「ナウシカ」が奥深い作品かという事を様々な方が語っています。
    この本を読んでいる最中は常に、「ナウシカ」を読み返したくなってしまいます。その欲求に抗いつつなんとか読み終えました。
    …さて、漫画版「ナウシカ」を出してきますか!

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    2024年05月21日
  • 危機の時代に読み解く『風の谷のナウシカ』

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    何年も前に読んだナウシカをまた読みたくなったきっかけだった。
    こんなに深い視点がいっぱい詰まった作品だったとは思わなかった。当時読んだ時は20代前半でまだ世の中の現実や厳しさなどほとんど知らない世界で過ごしていたためか、ほとんど心に残っていなかった。というよりも理解できていなかったのだと思う。
    もう一度ナウシカを読み始めて、同時にこの本も読んでたくさんの人の考察を見ると、全然見える世界が変わった。
    本書の誰かも書かれていたけれど、過去に読んだ時と別にもう一度読み直すと見える世界が違う。まさに自分もそうだった。

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    2023年06月06日
  • 新しい声を聞くぼくたち

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    『新しい声を聞くぼくたち』を読んだ。
    強く心に残ったのは、男性性をめぐる物語がどうしても「個人の努力」に結びついてしまうという指摘。ケアできる男性や新しい男性性を獲得することが良いことのように語られても、それが結局は別の形のマッチョイズムになってしまうのではないか。そこに上手く馴染めず、ひとり袋小路で苦しむ人もいるかもしれない。そう思うと、胸が少しざわついた。

    新自由主義のもとでは「ケア」や「連帯」でさえ個人の資質や努力として語られがちで、そこから外れる人を排除してしまう危うさもある。けれど、そうした視点を言葉にしてくれることで、自分が日々あたりまえに受け取っていた考え方を少し立ち止まって見

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    2025年09月18日
  • ぼっちのままで居場所を見つける ――孤独許容社会へ

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    孤独を定義づけて分類し、孤独が悪いことではなく、自分の中でどう向き会うのか?、孤独を許容する社会をどう作るのか?
    考えるきっかけとして良い本だと思います。

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    2025年01月26日
  • ぼっちのままで居場所を見つける ――孤独許容社会へ

    購入済み

    刺さりますね

    面白かったですよ。文学論(物語論)であり、社会学であり、人間存在そのものの探究でもあり、と。もっと議論が深まっていけばいいですね(社会的に)。

    #共感する #タメになる #深い

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    2025年01月05日
  • ぼっちのままで居場所を見つける ――孤独許容社会へ

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    ネタバレ

    「孤独」についての認識の再考を通して、国のあり方について考えを広げられるのですね。

    いきなり脱線するけれども、そもそも、私たちは普段使っている言葉についてきちんと知らずに使っていると思い知らされる。語彙を増やすって、本をただ読んでいろいろな表現に触れることが大事だと思っていたけれど、著者が肯定的な孤独、否定的な孤独、物理的・精神的といったように、分解して孤独の概念を説明しているのを読みながら、ひとつの言葉や概念についてとことん考えてみることで、つまり他との比較を通して、その言葉がぴったりと使えるようになるのがとても大事なようにも思えてきた。外国語だったら意味を調べて言葉を的確に使えるようにな

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    2025年01月03日
  • 正義はどこへ行くのか 映画・アニメで読み解く「ヒーロー」

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    サブカル批評はメジャー作品自体にあまり触れることが少ない人間なので、筆者の読み取りがどこまで芯を食っているかという部分にはよりかかるしかないのだが、例えばプリキュアシリーズで「育児」というテーマが掲げられているなどという側面など知ることのないことに触れられる楽しみがある。広く題材を拾って論じる流れで仰々しい面もあるが、『友情を哲学する』と比べればサブカルに寄った記述で文化観測的に面白い。

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    2025年01月01日
  • ぼっちのままで居場所を見つける ――孤独許容社会へ

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    一人で行動するのが好きなので孤独に関して書かれた本には興味があった
    孤独にはロンリネスとソリチュードがあり、その違いや変遷を歴史を振り返りながら映画や文学作品で孤独はどのように取り扱われてきたかを紐解いている
    またソリチュードでいられることはある種特権的なものであることにも言及しており、たしかにそういう部分もあると納得をした。一人でいられる環境というものは特に女性は得ること自体が難しい
    また孤独でいることを許容する社会とは誰かを排除するような社会ではなくあらゆる人を包摂する社会であるべきだということが誰しも孤独になることができて、なおかつ孤独に苦しまない社会であること
    そのためにはいまある社会

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    2024年12月29日
  • ぼっちのままで居場所を見つける ――孤独許容社会へ

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    私たちは孤独を恐れる一方で、孤独が得られず苦しむという矛盾を抱えている。悪い孤独(ロンリネス)と良い孤独(ソリチュード)の区別はなぜ生まれたのか?現代人を脅かす孤独に対処するヒントを、『アナと雪の女王』『ジェイン・エア』『葬送のフリーレン』など様々なジャンルの物語の中に探る。
    独りでいることそれ自体は必ずしも悪ではない。ヴァージニア・ウルフも言ったように、創造的な活動にとって孤独になれる環境は欠かせないものだ。大切なのは、孤独な人を排除せず、ゆるやかに包摂することのできる社会をつくること。『アナ雪』のエルサがエルサのまま自由に生きられる世界であってくれたらと心から願う。

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    2024年12月22日
  • 危機の時代に読み解く『風の谷のナウシカ』

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    序章
    鈴木敏夫 スタジオジプリプロデューサー
     鈴木敏夫は「風の谷のナウシカ」の制作背景やそのテーマについて語っている。彼は、作品が発表された当時の社会的・環境的状況がどのように影響を与えたのかを考察し、ナウシカというキャラクターが持つ強い意志や優しさが、現代においても重要なメッセージを持っていることを強調している。
     風の谷のナウシカの題材は『新諸国物語』(NHK ドラマ1952年)。

     ナウシカが旅をして、見聞きしたものによって、読者が世界の秘密を知っていく。宮崎駿は「勧善懲悪」が好きで、それが「自然を守る人がいいひとで、自然を破壊するのは悪人」と言う物語にした。
     赤坂憲雄の『ナウシカ

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    2024年12月22日
  • 危機の時代に読み解く『風の谷のナウシカ』

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    マンガのナウシカは、最後の方の記憶がなく、途中までしか読んでいないかもしれない。
    改めて読み直そうと思う。
    読んでいても読んでいなくても面白かったが、自分はここまで考えながら読めなかったから、途中までしか読んでないのだろうと思った。

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    2024年12月01日
  • ぼっちのままで居場所を見つける ――孤独許容社会へ

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    アナと雪の女王のエルサや、ジェイン・エアのジェイン、葬送のフリーレンなどを例にしながら孤独について書かれた本。知っている話にそってでしたのでとても入りやすかったです。ロンリネス(苦しみや寂しさなど否定的な孤独)とソリチュード(解放、創造性をもたらす肯定的な孤独)、アイソレーション(物質的、社会的な孤立)。
    「年収500ポンドと自分ひとりの部屋」は言い得て妙でした。ソリチュードを実現させるためには個人的な資源が必要ですね。社会資源は本当に当てにならない気がします。まずは暴力的な男性に依存しなくても生きていける自分でありたい。

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    2024年11月25日
  • 危機の時代に読み解く『風の谷のナウシカ』

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    いろんな解釈があってほんとうに面白い。
    ナウシカの原作再読したくなった。
    闇の中にも光があって、完全な世界よりも、いつかは滅びるかもしれない世界、それがまたいい。

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    2024年10月05日
  • 正義はどこへ行くのか 映画・アニメで読み解く「ヒーロー」

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    圧倒的な“マジョリティ”として表象されてきたヒーローは、この多様性の社会のなかでどう変わっていくかという話をアメコミや洋画、漫画やアニメなどを通じて横断的に論じている本だった
    MCU作品とか海外のヒーローもの映画が好きな人はより読んでいておもしろいと思う。自分はそこまで映画に詳しいわけでもヒーローものに詳しいわけでもないので、なるほどそういう展開があるのね…と思いながら読んでいた
    一番おもしろかったのはプリキュアがポストフェミニズムであること。本のなかでより詳しく言及されていたのは「HUGっと!」だけれどポストフェミニズムにおける理想像である「すべてを手に入れた女性像」を主人公が表しており、ポ

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    2024年06月03日
  • 正義はどこへ行くのか 映画・アニメで読み解く「ヒーロー」

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    エンタメの中のヒーローから社会情勢を紐づけ解釈する視点は非常に興味がわいた。ウルトラマン型、仮面ライダー型、またはその派生かといった基準は実生活で使うことはなさそうだが、物事をとらえる時の切り口としては参考に出来そう。こういう独特な切り口を持った本を選択していくと考え方やとらえ方の引き出しが増えそう。

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    2024年04月17日