【感想・ネタバレ】正義はどこへ行くのか 映画・アニメで読み解く「ヒーロー」のレビュー

あらすじ

「多様性」の時代のヒーローとは――

【おもな内容】
世界を救う、「正義」の象徴たるヒーローは、圧倒的な“マジョリティ”として表象されてきた。
しかし21世紀を迎え、ジェンダー、加齢、障害、新自由主義といった様々な観点への理解・変化から、留保なしでその存在は認められなくなった。
では、ヒーローたちはどのように「多様性」と向き合うのか?
そして、「ポスト真実の時代」とどう対峙していくのか?
本書は、ヒーローの誕生から発展までの歴史的視座を参照し、アメリカと日本のポップカルチャーに登場、活躍する《新しいヒーロー像》を縦横無尽に論じる。
ヒーローを考えることは社会を考えることだ!

【目次】
序章 多様性の時代の正義
第一章 法の外のヒーローたち
第二章 二つのアメリカと現代のテーレマコス
第三章 トランプ時代の「お隣のヒーロー」
第四章 多様性の時代に「悪」はどこにいるのか?
第五章 「オレはまだまだやれる!」――中年ヒーローの分かれ道
第六章 障害、加齢とスーパーヒーロー
第七章 日本のヒーローの昔と今
第八章 正義のパロディとニヒリズムとの戦い
第九章 デスゲームと「市場」という正義、そしてケアの倫理へ
第十章 ポストフェミニズムと新たな「ヒーロー」
終章 私たちの現在地
おわりに 正義はどこへ行くのか?

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

サブカル批評はメジャー作品自体にあまり触れることが少ない人間なので、筆者の読み取りがどこまで芯を食っているかという部分にはよりかかるしかないのだが、例えばプリキュアシリーズで「育児」というテーマが掲げられているなどという側面など知ることのないことに触れられる楽しみがある。広く題材を拾って論じる流れで仰々しい面もあるが、『友情を哲学する』と比べればサブカルに寄った記述で文化観測的に面白い。

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2025年01月01日

Posted by ブクログ

圧倒的な“マジョリティ”として表象されてきたヒーローは、この多様性の社会のなかでどう変わっていくかという話をアメコミや洋画、漫画やアニメなどを通じて横断的に論じている本だった
MCU作品とか海外のヒーローもの映画が好きな人はより読んでいておもしろいと思う。自分はそこまで映画に詳しいわけでもヒーローものに詳しいわけでもないので、なるほどそういう展開があるのね…と思いながら読んでいた
一番おもしろかったのはプリキュアがポストフェミニズムであること。本のなかでより詳しく言及されていたのは「HUGっと!」だけれどポストフェミニズムにおける理想像である「すべてを手に入れた女性像」を主人公が表しており、ポジティブさや機嫌の良さが息苦しいと論じられていた
私はたしかに仕事も家のことも美容のこともすべてを手に入れる女性というのは疲れるし、もっとゆるく生きていきたいので、プリキュアを観る女の子たちはもっとダメな女性であっても許されていいと思ってほしいという著者の言葉には大きく頷いた

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2024年06月03日

Posted by ブクログ

エンタメの中のヒーローから社会情勢を紐づけ解釈する視点は非常に興味がわいた。ウルトラマン型、仮面ライダー型、またはその派生かといった基準は実生活で使うことはなさそうだが、物事をとらえる時の切り口としては参考に出来そう。こういう独特な切り口を持った本を選択していくと考え方やとらえ方の引き出しが増えそう

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2024年04月17日

Posted by ブクログ

近所の書店で目に留まり、手に取った。

アメリカのヒーローを中心に、多様性やポストトゥルースの時代にヒーロー達はどのように正義を示しているのかを考察した一冊。 マーベル系の話題が多いこともあり、少し小難しく感じる議論も個人的には入りやすく感じた。
後半日本のヒーロー(扱いが大きいのは仮面ライダーとプリキュア)も採り上げており、アメリカとはまた別のアプローチながら、時代とともに変わっていってるというのをあらためて感じることができた。

善悪を作りにくい時代であるが、だからこそ著者の言うように新たなヒーローがどのようにアプローチしてくるかは、今後も追いたいと思えた。

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2024年05月30日

Posted by ブクログ

仮面ライダー論みたいなの読まざるをえない事情があって。「新自由主義」がキーワードみたいなんだけどよくわからない。新自由主義ってゼロサムかなあ?

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2023年12月20日

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