河野真太郎のレビュー一覧

  • 正義はどこへ行くのか 映画・アニメで読み解く「ヒーロー」

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    圧倒的な“マジョリティ”として表象されてきたヒーローは、この多様性の社会のなかでどう変わっていくかという話をアメコミや洋画、漫画やアニメなどを通じて横断的に論じている本だった
    MCU作品とか海外のヒーローもの映画が好きな人はより読んでいておもしろいと思う。自分はそこまで映画に詳しいわけでもヒーローものに詳しいわけでもないので、なるほどそういう展開があるのね…と思いながら読んでいた
    一番おもしろかったのはプリキュアがポストフェミニズムであること。本のなかでより詳しく言及されていたのは「HUGっと!」だけれどポストフェミニズムにおける理想像である「すべてを手に入れた女性像」を主人公が表しており、ポジティブさや機嫌の良さが息苦しいと論じられていた
    私はたしかに仕事も家のことも美容のこともすべてを手に入れる女性というのは疲れるし、もっとゆるく生きていきたいので、プリキュアを観る女の子たちはもっとダメな女性であっても許されていいと思ってほしいという著者の言葉には大きく頷いた

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    2024年06月03日
  • 正義はどこへ行くのか 映画・アニメで読み解く「ヒーロー」

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    エンタメの中のヒーローから社会情勢を紐づけ解釈する視点は非常に興味がわいた。ウルトラマン型、仮面ライダー型、またはその派生かといった基準は実生活で使うことはなさそうだが、物事をとらえる時の切り口としては参考に出来そう。こういう独特な切り口を持った本を選択していくと考え方やとらえ方の引き出しが増えそう。

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    2024年04月17日
  • 新しい声を聞くぼくたち

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    フェミニズム論の立場から映画、漫画などサブカルチャーを評論する。面白いのは、そこから推測されるような、サブカルチャーに現れるミソジニー的傾向を明らかにする、わけではないことだと思う。むしろ、本書の主眼は、現代的な価値観の中で望ましいとされるケアする男性、イクメン的男性が、アッパーミドルの価値観=ネオリベラリズムと結びついているのではないかという問題提起にあるのだと思う。もちろんそういったフェミニズム的な価値観を否定するわけではなく、ポストフェミニズム的な状況からこぼれおちるものがミソジニーに結びついてしまう現状があることで議論を一歩進めている。障害者の負う障害が「個性」とみられることで障害者への支援が削減され、働ける障害者と働けない障害者の間での区別がなされるようになるという議論も背景にあるというのもはっとさせられる。ただ、当然ながらフェミニズム以前に戻ればよいという話ではなくその次を見据えてどうしたらという点については、自分の理解不足もあって見通せていないのではないか、とも思ってしまった。

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    2023年05月05日
  • 新しい声を聞くぼくたち

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    差別や抑圧の解消を目指す言説が「新自由主義的な罠」に絡め取られがちなことに警鐘を鳴らす。そのために「脱構築」を繰り返し、良い意味でも悪い意味でも「めんどくさい」議論になっている。「男性性」の描かれ方を多くの小説・映画・漫画等の物語分析を通して論じている。ただ、知らない作品も多く、知っている作品でも詳細は覚えていないものが多く、この本を頼りにそれらを見返す余裕とエネルギーがあるとよいのだろうが、とは思う。

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    2023年04月08日
  • 新しい声を聞くぼくたち

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    前作で、今のポストフェミニズム時代がポピュラー・カルチャーの女性キャラクターにどう投影されたかを、斎藤環さんの「戦闘美少女」という言葉を用いつつ論じた著者(あれ以来、私は巷に溢れるアニメや漫画がその視点でしか見えなくなってしまった。そのようなキャラを嗜好しているのは男性なのではないかという疑問は拭えないが…)。

    では、男性は、男性キャラクターは、どのように描かれるようになったのかを論じたのが本書である。フェミニズムの問題とされていることのほとんどは実は「男性の(が?)問題」としたうえで、男性には、マジョリティである自分たちの加害性を自覚・反省する立場の者たちと、自分たちこそフェミニズムの被害者だと主張する者たちに分かれると指摘する。そして、ミソジニーの問題も取り上げつつ、ポピュラー・カルチャーの男性キャラクターは、マッチョな男性像から助力者としての男性像にシフトしつつあるという。

    本書で扱われる主な作品は以下の通り。
    『怪獣8号』『ジョーカー』『ヒックとドラゴン』『アナと雪の女王』『もののけ姫』『風の谷のナウシカ』『Beasters』『鬼滅の刃』『恋愛小説家』『英国王のスピーチ』『そして父になる』『わたしは、ダニエル・ブレイク』『家族を想うとき』『クレイマー・クレイマー』『きのう何食べた?』…。

    前作同様、表紙と取り上げる作品群とは裏腹に、かなり骨太な論考が展開される。やはり作品の選び方は難しいなと感じる。全てを網羅できない以上、恣意的にらならざるを得ない。障害者と労働に関する記載など、あまり頷けない部分もあった。それでもしかし、大いに学ぶところがあった。

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    2023年01月22日
  • 階級と「私たち」のゆくえ

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    読み物として読むには難しい。ハリー・ポッターしか知らない私はなかなか読み進められずに時間がかかってしまいました。古い英国映画をとりあげているのでほとんどあらすじを読んでいるような感じ。私の知識が足らないのか横文字も慣れず、調べながら読みました。

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    2026年10月08日
  • 危機の時代に読み解く『風の谷のナウシカ』

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    自分では読み解けない部分まで有識者が詳しく解説してくれるの助かる。かなり深いところまで読み込んでる人もいてびっくりした。またナウシカ読み直したい。

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    2026年09月09日
  • 階級と「私たち」のゆくえ

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    ネタバレ

    主にイギリス映画をキーに、(イギリスの)階級社会をみていくという試みがおもしろそうだと思って読み始めた。

    研究論文としてではなく、読み物として、と著者は書いているけれど、それでも少し難しいのと、他の書籍や論文を参照したり引用したりするので、わかりにくい。
    でも、なかなか興味深い内容だった。
    特に、見たことある映画に関しては、なるほどと思ったり、見ていないものに関しては見てみたいと思ったり。

    最後に、人名と映画名・小説名の索引があるのがとてもよい。

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    2026年09月08日
  • 民主主義:終わりなき包摂のゆくえ

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    ネタバレ

    オックスフォド出版のA very short introductionの1冊である。教員養成系大学の学生が、民主主義について言及した卒論を書く場合には必読書であろう。世界人権宣言について付録ではかかれているものの、合衆国権利章典が付録の最初にあるように、米国を中心に書かれているので、日本の民主主義について書く場合にはまた別個の本も必要であろう。

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    2026年03月13日
  • 増補 戦う姫、働く少女

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    読み慣れていない言葉が多かったので、読みにくさはあった。
    「おおかみこども」は見ていないがとても分かり易く感じた。
    物語を見たり読んだりして、面白かったで終わりがちな私であるが、今の時代にマッチしたものという観点で、考えたことがなかったので、興味深かった。

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    2026年02月01日
  • 新しい声を聞くぼくたち

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    抽象的なところは、申し訳ないけれど難しかった。
    作品解説の部分は面白かったかも。

    ジブリ作品
    確かに、ジブリ作品の男性は女性を助ける助力者としての役割。それが弱者男性としての生き残り戦略。

    アナと雪の女王
    否定的な感情を取り締まることを中心とした作品。
    エルサのもっとも大きな試練は感情をコントロールすること。
    エルサの魔法の力は、アナが突然の結婚を伝えたことに対する驚きと怒りの感情を抑えられないことによって、暴走を始める。そしてその暴走を解決するのは、アナとの和解と愛の確認。
    アナ(上機嫌、幸福感)、エルサ(不機嫌、怒り)のせめぎあい。


    男性も女性も、「男はこうあるべき」「女はこうあるべき」がなくなって自由になった反面、理想像が見えなかったり高すぎたり、難しい時代だなぁと思ったり。



    以下メモ
    ・今はポストフェミニズム
    フェミニズムは終わり、法的には男女の平等が達成された時代。ポストフェミニズムでは女性は「完璧である」ことを求められる」。同様に男性も完璧を求められる。


    ・弱者男性論
    フェミニズムが主流になり、男性の権利がはく奪されている。


    ・ジェンダー
    男女は自然に分かれていて、社会における様々な役割の差もそこから出てきている、に反論する立場。
    性差は社会的に構築されている。


    ・男は黙ってサッポロビール、から、仕事でも家庭でもコミュニケーションが求められる時代に。


    ・障害の社会モデル
    障害は人間ではなく社会の側に存在する。
    車いすで登れない段差があった場合、「障害」は段差を登れない人間の側にあるのではなく、段差そのもの、もしくはその段差を除去できない社会の側にある。


    ・学習社会
    終わりなき成長。人間の能力は常に更新され続けるべきものであって、引退して隠遁生活を楽しむのはおろか、そもそも人間の能力が「完成」されることは不可能。

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    2025年11月10日
  • ぼっちのままで居場所を見つける ――孤独許容社会へ

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    ネタバレ

    著者がカルチュラル・スタディーズの専門ということで、メディア・リテラシーに役立つものがあるかと読んだがそれはなかった。ただし、孤独に関するウルフの小説や映画が紹介されているのでそれを見ることがいいのかもしれない。

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    2025年08月12日
  • ぼっちのままで居場所を見つける ――孤独許容社会へ

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    「孤独」を「アイソレーション」「ロンリネス」「ソリチュード」に分類し、社会的孤立でも孤独感(寂しさ)を感じることもなく、良い孤独を得るにはどうするか。
    「アナ雪」や「葬送のフリーレン」など人気漫画を例に、学問する。良い孤独とは、(大小あれど)社会と繋がりながら自立していること。
    女性の自立の条件で、「自分の部屋」と「五百ポンド」があげられているが、「衣食足りて礼節を知る」が連想され、社会との関係性は、生活ありきというのは世界共通なのだと感じた。
    ホームレスの小山さんの文章は心に響く。

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    2025年04月15日
  • ぼっちのままで居場所を見つける ――孤独許容社会へ

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    ソリチュードとロンリネスそしてアイソレーション
    (孤独)の考え方。
    ロンリネスは主観的な孤独、孤独感のこと。否定的なもの。苦しみをもたらすもの。
    ソリチュードは否定的なものではない。解放をもたらし、自分と向き合い、創造性を発揮するような豊かな時間・状態のこと。

    孤独について考え、社会について考える事は物質な問題であるのと、同時に想像力の問題でもある。

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    2025年03月13日
  • ぼっちのままで居場所を見つける ――孤独許容社会へ

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    イギリス文学や映画、漫画などを題材に、「孤独」について様々な観点から考察し、「良い孤独」が許容される社会を展望。
    孤独をテーマとした文芸批評として興味深い内容だった。ただ、「悪い孤独」の原因としての新自由主義批判やその解決策としてのベーシック・インカムの指摘など、それはそれで理解はできるのだが、孤独に思うところのある自分として、「ぼっちのままで居場所を見つける」や「孤独許容社会」というタイトルから期待していたものとはちょっと違ったかなという印象。

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    2025年02月23日
  • ぼっちのままで居場所を見つける ――孤独許容社会へ

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    エルサやロビンソン・クルーソーといったキャラクターから『森の生活』のソローや『自分だけの部屋』のウルフといった実在した人物まで幅広く取り上げながら孤独について述べられた一冊。未読の原作も多くて興味深かったし、現代社会でぼっちのまま楽しく生きるヒントがたくさん記されていました。

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    2024年11月22日
  • ぼっちのままで居場所を見つける ――孤独許容社会へ

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    孤独(いわゆるぼっち)であることをこの社会は
    悪く捉えているところが問題であると著作は
    本の中で語っていた。
    アナ雪や葬送のフリーレン、イギリス小説などに
    焦点を当てながら「孤独」について書かれている。

    1人でいることを選んだ人が楽に生きれる社会の
    実現というのは簡単なことではないのかなと考えされられました。

    それでも自分はなんやかんや1人になりたいから
    おひとりさまでも家族、恋人連れでも誰にでも寛容な社会になって欲しいなーと思います。

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    2024年11月03日
  • ぼっちのままで居場所を見つける ――孤独許容社会へ

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    タイトルからつい、ソリチュードの心理的な側面に光を当てた本かと思っていたが、文学の話が中心となっていて最初は少し読みたいものとは違ったかな、と思った。でも読み進めるうちにこれは人間一人のソリチュードに光を当てるのではなく、万人が安心してソリチュードの楽しめる社会をどう作るか、それを妨げる社会とはなにか、それを想像しようと訴える本なのだと最後まで読んで理解した。

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    2024年10月26日
  • 正義はどこへ行くのか 映画・アニメで読み解く「ヒーロー」

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    近所の書店で目に留まり、手に取った。

    アメリカのヒーローを中心に、多様性やポストトゥルースの時代にヒーロー達はどのように正義を示しているのかを考察した一冊。 マーベル系の話題が多いこともあり、少し小難しく感じる議論も個人的には入りやすく感じた。
    後半日本のヒーロー(扱いが大きいのは仮面ライダーとプリキュア)も採り上げており、アメリカとはまた別のアプローチながら、時代とともに変わっていってるというのをあらためて感じることができた。

    善悪を作りにくい時代であるが、だからこそ著者の言うように新たなヒーローがどのようにアプローチしてくるかは、今後も追いたいと思えた。

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    2024年05月30日
  • 正義はどこへ行くのか 映画・アニメで読み解く「ヒーロー」

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    仮面ライダー論みたいなの読まざるをえない事情があって。「新自由主義」がキーワードみたいなんだけどよくわからない。新自由主義ってゼロサムかなあ?

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    2023年12月20日