河野真太郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
フェミニズム論の立場から映画、漫画などサブカルチャーを評論する。面白いのは、そこから推測されるような、サブカルチャーに現れるミソジニー的傾向を明らかにする、わけではないことだと思う。むしろ、本書の主眼は、現代的な価値観の中で望ましいとされるケアする男性、イクメン的男性が、アッパーミドルの価値観=ネオリベラリズムと結びついているのではないかという問題提起にあるのだと思う。もちろんそういったフェミニズム的な価値観を否定するわけではなく、ポストフェミニズム的な状況からこぼれおちるものがミソジニーに結びついてしまう現状があることで議論を一歩進めている。障害者の負う障害が「個性」とみられることで障害者へ
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Posted by ブクログ
前作で、今のポストフェミニズム時代がポピュラー・カルチャーの女性キャラクターにどう投影されたかを、斎藤環さんの「戦闘美少女」という言葉を用いつつ論じた著者(あれ以来、私は巷に溢れるアニメや漫画がその視点でしか見えなくなってしまった。そのようなキャラを嗜好しているのは男性なのではないかという疑問は拭えないが…)。
では、男性は、男性キャラクターは、どのように描かれるようになったのかを論じたのが本書である。フェミニズムの問題とされていることのほとんどは実は「男性の(が?)問題」としたうえで、男性には、マジョリティである自分たちの加害性を自覚・反省する立場の者たちと、自分たちこそフェミニズムの被害 -
Posted by ブクログ
抽象的なところは、申し訳ないけれど難しかった。
作品解説の部分は面白かったかも。
ジブリ作品
確かに、ジブリ作品の男性は女性を助ける助力者としての役割。それが弱者男性としての生き残り戦略。
アナと雪の女王
否定的な感情を取り締まることを中心とした作品。
エルサのもっとも大きな試練は感情をコントロールすること。
エルサの魔法の力は、アナが突然の結婚を伝えたことに対する驚きと怒りの感情を抑えられないことによって、暴走を始める。そしてその暴走を解決するのは、アナとの和解と愛の確認。
アナ(上機嫌、幸福感)、エルサ(不機嫌、怒り)のせめぎあい。
男性も女性も、「男はこうあるべき」「女はこうある -
Posted by ブクログ
近所の書店で目に留まり、手に取った。
アメリカのヒーローを中心に、多様性やポストトゥルースの時代にヒーロー達はどのように正義を示しているのかを考察した一冊。 マーベル系の話題が多いこともあり、少し小難しく感じる議論も個人的には入りやすく感じた。
後半日本のヒーロー(扱いが大きいのは仮面ライダーとプリキュア)も採り上げており、アメリカとはまた別のアプローチながら、時代とともに変わっていってるというのをあらためて感じることができた。
善悪を作りにくい時代であるが、だからこそ著者の言うように新たなヒーローがどのようにアプローチしてくるかは、今後も追いたいと思えた。 -
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