ロアルドダールのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ11篇の「奇妙な味」の作品集。
『あなたに似た人』と比べると意外と粗が目立つ作品集かも。
個人的お気に入り
「ウィリアムとメアリイ」
夫が科学の勝利を得た代償に立場が逆転する夫婦。
「天国への登り道」
ささいな(でも精神的負担は甚大な)嫌がらせを続けたため夫婦関係にひびが入る、どころか…。
「牧師のたのしみ」
エセ牧師と農家の人たちとのやり取りが面白い。騙された側の善意が仇となるのはお約束。
毎年GWにロアルド・ダールを読み、3冊目だからか話のオチが少し読めてしまうようになってきました(;'∀')
今回は旧版で読みましたが翻訳が開高健さんでちょっとお得感あり。
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Posted by ブクログ
もう廃盤となってる旧訳版。
絶妙な語り口でぐいぐいと読ませてしまう。
オチもどうなるのか意外と読めなかったりして、引き込み方が非常に巧い。
シニカルが効いている奇妙な味。
人間の弱さ醜さ恐ろしさをユーモラスに描いた逸品。
傑作と言われる冒頭の3編から始まり、「韋駄天のフォックスリイ」の心痛みながらも笑えるオチ、「告別」の苦笑いしてしまう復讐劇、子供の頃の妄想は世界共通でドキドキした「お願い」など、ゾクゾクする短編で出来上がっている。
誤訳、悪訳が所々にあり読みづらい部分もあるものの、充分に良いと思う。
なにせ40年以上前の古い出版なので、新訳版も読んでみたい。
チャーリーとチョコレート工場の作 -
Posted by ブクログ
ネタバレ短編集。個人的に外れがなく面白かったです。
Ⅰより好きです。性格の良い登場人物がいないので
彼(彼女)が失敗しても遠慮せずに笑えます。
サウンドマシン…植物の声を聴いてしまったら。
満たされた人生に最後の別れを…ロマンチックなタイトル
だけど内容は切なくもおバカな男性の末路を描いている。
偉大なる自動文章製造機…将来的にはできそうな機械。
クロードの犬…私とクロードの短編集(「ネズミ捕り
の男」「ラミンズ」「ミスター・ホディ」
「ミスター・フィージー」)。
ああ生命の妙なる神秘よ…ラミンズとクロードの話。
クロードは憎めないけど、実行力はある切れ者ではないっていう人は実際にいるし、だ -
Posted by ブクログ
短篇集。収録作品は、味、おとなしい兇器、南から来た男、兵隊、「わがいとしき妻よ、わが鳩よ」、海の中へ、韋駄天のフォックスリイ、皮膚、毒、お願い、首、音響捕獲機、告別、偉大なる自動文章製造機、クロウドの犬。
短編の醍醐味はキレの良い展開。 この短篇集は、ミステリー要素はあまりないけど、話がどう展開してゆくかワクワクする。 予想外の結末にうならされたり、予想通りの顛末に納得したり。 特に好きな作品は、ワインをあてる賭けをする「味」、なんでもないような賭けが緊張感を募らせる「南から来た男」、時代を先取りし過ぎている「偉大なる自動文章製造機」。 賭けにまつわる題材が多い。 最後の「クロウドの犬」だけ