ロアルドダールのレビュー一覧
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短篇集。収録作品は、味、おとなしい兇器、南から来た男、兵隊、「わがいとしき妻よ、わが鳩よ」、海の中へ、韋駄天のフォックスリイ、皮膚、毒、お願い、首、音響捕獲機、告別、偉大なる自動文章製造機、クロウドの犬。
短編の醍醐味はキレの良い展開。 この短篇集は、ミステリー要素はあまりないけど、話がどう展開してゆくかワクワクする。 予想外の結末にうならされたり、予想通りの顛末に納得したり。 特に好きな作品は、ワインをあてる賭けをする「味」、なんでもないような賭けが緊張感を募らせる「南から来た男」、時代を先取りし過ぎている「偉大なる自動文章製造機」。 賭けにまつわる題材が多い。 最後の「クロウドの犬」だけは長めの約100ページで、プロットの割に冗長に感じた。 -
Posted by ブクログ
英国が誇る、ブラックなショートショートがお得意のダールの短編集。読んでいて気付いたが、彼の作品は夫婦が出てくることが非常に多い。且つ、どちらかがどちらかを出し抜こうとするor男女の考え方の違いに焦点を当てることが多いので、表題が「キス・キス」というのと皮肉が効いていて良い。
可愛らしいタイトルと、ピンクがベース、黒一色でポップな自体と、同じく黒一色で収録話の関連イラストがシックな絵柄で散りばめられており、思わず手に取ってしまう表紙が個人的にはかなり好き。
「天国への道」
「ロイヤルゼリー」
が後味の悪さも含めて強烈。
でも読んじゃう、悔しい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレずっと読みたいと思ってたロアルド・ダール。
本当は『あなたに似た人』を読みたいと思ってたんだけど、本屋でちょうど発売したてだったのか平積みされてて、その帯に『喪黒福造ものけぞるような妖しい魅力』と書かれてたのが目に入ってすぐさま購入してしまった。
別に喪黒福造が好きなわけではないんだけど、あぁいう話は好きなので。
結果ブラックユーモアがきいててとても面白かった。
最後にゾッとする感じ。
『ロイヤルゼリー』みたいに現代に読むと違和感を感じてしまうところはあるにしても、文章の巧さでそれをあまり気にさせない。
『ウィリアムとメアリー』『天国への道』を妻の方に思いっきり感情移入しながら読んだら最後がスカッとして面白かったんだけど、夫の立場で読んでみるとすんごい厭だし恐ろしい。
『ジョージー・ポージー』『豚』は途中まではふんふんと何気なく読みながらもなんだか嫌な予感…と思ってると最後ゾッとする。
最初読んだ時は「えっ?」となっただけだったが思い返してみると怖い。
『始まりと大惨事』も途中までは両親が可愛そうだなくらいなんだけど、生まれた子が誰かがわかると…。
確かに解説にあったようにこれはイヤミスだなぁ。
もっとダールの作品が読みたくなった。 -
Posted by ブクログ
「チャーリーとチョコレート工場」のロアルド・ダールが紡ぐ
第二次世界大戦を舞台にした飛行士たちのお話。
飛行士のプライドとか、かっこよさとか、
虚しさとか、絶望とか、使命感とか、ユーモアとか・・・
いろいろ混ざり合っている短編集でした。
彼らは、上からの命令ひとつで飛行機を飛ばし、
ドイツやイタリアと戦って自分が死んだり、
友人を亡くしたりします。
そうゆうことが、とてもあっさりと書かれています。
それがかえって不気味だったりもします。
短編のひとつ「彼らは年をとらない」は、
ジブリの「紅の豚」に出てくる雲の平原のエピソードに酷似。
こちらのほうが後味が苦い。 -
Posted by ブクログ
―SOMEONE LIKE YOU―
ぐいぐい読ませる表現が好きです。
「まるで、とけたバターでうがいしているみたいに」潤いのある声とか。
内容は、血なんて飛び散らないのに恐ろしい。
人間の怖さですね。
それに、書ききらないで、読み手にゆだねてしまうところが良い。
これがより一層恐怖をリアルにするように思います。
面白い短編というのは、長編にできるものを短く押し込めるのだと誰かが言っていましたが、まさにダールはこの手法で面白いものを書いていると感じました。
お勧めは、「おとなしい兇器」「韋駄天のフォックスリイ」「皮膚」「首」「告別」です。
特に、「首」は今までにない種類の緊張感を味わいました。
この作品、英題がNeckなのですが、日本語の首=neck+headな点は、日本語訳ならではの良さだと思います。